令和8年度の神奈川県中小企業生産性向上促進事業費補助金は、一般枠・グループ化支援枠の「8月公募」が令和8年8月3日(月曜日)9時に受付を開始し、令和8年8月31日(月曜日)17時で締め切られます。6月公募・7月公募に続く3回目で、令和8年度の一般枠・グループ化支援枠としては最後の公募回です。創業者成長支援枠も、同じく令和8年8月31日17時が締切です。
この補助金は、神奈川県内の事業所で生産性向上に資する設備を導入する中小企業者等に対し、一般枠で最大500万円、グループ化支援枠で1グループ化あたり最大4,000万円、創業者成長支援枠で最大300万円を補助する制度です。
本記事では、残り時間が限られたこの8月公募に間に合わせるために、自社が対象になるか、いくら受給できるか、どの書類をどこで取得するか、神奈川県が公表している審査項目を満たしているかを、公募要領(一般枠・グループ化支援枠)と県公式ポータルサイトの記載に沿って整理します。
- 神奈川県中小企業生産性向上促進事業費補助金の基本情報(令和8年度)
- 現在の受付状況|今から申請できるのはどの枠か
- 自社が対象になるか|所在地・創業時期・法人形態の3点で判定する
- 補助額と自己負担額の計算|税抜換算と下限額の考え方
- 対象経費と対象外経費の境界
- 必要書類の取得先と有効期限|納税証明書は「県税事務所」で取る
- 8月31日17時から逆算する申請準備と、その後のスケジュール
- 神奈川県が公表している審査項目と、申請前に確認すべきポイント
- 神奈川県が公開している採択事例
- 採択後に発生する義務|財産処分の制限・報告・不正受給の取扱い
- 他制度との併用|神奈川県小規模事業者デジタル化支援推進事業費補助金との関係
- まとめ|8月公募で判断すべきこと
神奈川県中小企業生産性向上促進事業費補助金の基本情報(令和8年度)
| 正式名称 | 令和8年度 中小企業生産性向上促進事業費補助金(神奈川県) |
| 実施機関 | 神奈川県産業労働局中小企業部商業流通課/生産性向上補助金事務局(受託者:テルウェル東日本株式会社) |
| 対象地域 | 神奈川県内(申請日時点で県内の事業所で実態のある事業を営み、補助事業も県内の自社事業所で実施すること) |
| 公募回 | 一般枠・グループ化支援枠:8月公募(令和8年度3回目・最終回)/創業者成長支援枠:随時受付 |
| 申請期間 | 一般枠・グループ化支援枠:令和8年8月3日(月)9時〜令和8年8月31日(月)17時(受信有効、郵送は当日消印有効)/創業者成長支援枠:令和8年8月31日(月)17時まで |
| 対象者 | 県内に事業所を有する中小企業者、特定非営利活動法人・社会福祉法人(後2者は一般枠のみ・従業員300人以下等) |
| 補助率 | 一般枠・グループ化支援枠:2分の1以内(小規模事業者等は3分の2以内)/創業者成長支援枠:一律3分の2以内 |
| 上限額・下限額 | 一般枠:500万円(下限25万円)/グループ化支援枠:1グループ化あたり4,000万円(1申請あたり下限500万円)/創業者成長支援枠:300万円(下限25万円) |
| 補助対象経費 | 機械装置等費/ITサービス導入費(上限50万円)/施設工事費(上限100万円・単独では申請不可) |
| 補助事業実施期間 | 交付決定日(様式1-8事前着手届を提出した場合は申請日)〜令和9年1月31日(日) |
| 実績報告の期限 | 事業完了後30日以内、または令和9年2月5日(金)のいずれか早い日 |
| 申請方法 | 原則、専用ポータルサイトの電子申請システム(利用できない事業者のみ郵送) |
| 問い合わせ先 | 生産性向上補助金事務局 045-315-3755(平日9時〜17時) |
出典:補助金概要(一般枠・グループ化支援枠)、公募要領(一般枠・グループ化支援枠)、神奈川県ホームページ
現在の受付状況|今から申請できるのはどの枠か
一般枠・グループ化支援枠は令和8年8月3日9時から8月31日17時まで
令和8年度の一般枠・グループ化支援枠は、申請受付期間を3回に分けて実施されています。6月公募(5月1日〜6月30日)と7月公募(7月1日〜7月31日)はいずれも受付を終了しており、現在受け付けているのは8月公募です。受付期間は令和8年8月3日(月曜日)9時から令和8年8月31日(月曜日)17時までで、電子申請は締切時刻までに受信されたものが有効、郵送申請は当日消印有効です(公募要領P.7、P.26)。
公募要領に記載されている公募回は6月・7月・8月の3回のみです。したがって、一般枠・グループ化支援枠で令和8年度に申請できる機会は、この8月公募が最後になります。令和9年度以降の実施は公表されていないため、次年度の公募を前提に見送る判断は避け、8月31日を基準に準備を進めるかどうかを判断してください。
創業者成長支援枠は随時受付で締切は同じく8月31日17時
創業者成長支援枠は令和8年5月1日から8月31日17時までの随時受付です。交付審査も5月中旬以降に随時行われるため、早く申請するほど交付決定が早まり、補助事業に着手できる時期も前倒しになります。対象は令和5年4月1日以降に創業した県内中小企業者等で、補助上限は300万円、補助率は事業者の規模を問わず3分の2以内です。
申請できるのは「1つの枠に1回だけ」
6月・7月・8月公募のうち申請できるのは1回のみで、一般枠・グループ化支援枠・創業者成長支援枠のいずれか1つのみです。同一事業者が複数申請することはできず、複数の屋号を使用している個人事業主でも申請は1件に限られます。また、公募期間終了後に申請内容を変更(経費の追加など)することは認められません(公募要領P.4、P.26)。
なお、公募期間中に提出された申請はすべて審査され、先着順ではありません。ただし電子申請システムは公募切替時にメンテナンスが入ることがあるため、締切当日の駆け込み申請は避けるのが安全です。
出典:公募要領(一般枠・グループ化支援枠)P.7、ポータルサイト
自社が対象になるか|所在地・創業時期・法人形態の3点で判定する
神奈川県内に事業所があり、県内の自社事業所で実施すること
補助要件では、申請日時点で神奈川県内の事業所において実態のある事業を営んでいること、かつ補助対象となる事業を神奈川県内の自社の事業所で実施することの両方が求められます。県外に本社があっても県内事業所で実施するなら対象になり得ますが、逆に県内に登記があるだけで実態がない場合は対象外です。神奈川県が公表している不採択事例でも、要件審査で「神奈川県内で実施する事業でない」ことが低評価の理由として挙げられています。
一般枠・グループ化支援枠は令和7年4月1日までに創業していること
一般枠・グループ化支援枠の補助要件には「令和7年4月1日までに創業していること」が明記されています。これより後に創業した事業者は一般枠では申請できません。一方、令和5年4月1日以降に創業した事業者は創業者成長支援枠の対象になるため、令和5年4月1日から令和7年4月1日までに創業した事業者は、どちらの枠で申請するかを選ぶことになります(いずれか1つのみ申請可)。
申請できない法人形態と「みなし大企業」の判定
法人形態によって、そもそも申請できないものが定められています。公募要領P.11に挙げられている補助対象にならない者は次のとおりです。
- 系統出荷による収入のみである個人農業者(個人の林業・水産業者を含む)
- 公的医療保険からの診療報酬に係る事業の収入のみである個人開業医
- 大企業(みなし大企業を含む)
- 特別の法律により設立された法人(医療法人、宗教法人、学校法人、農事組合法人、商工会・商工会議所など)
- 一般社団法人、公益社団法人、一般財団法人、公益財団法人
- 任意団体
- 複数の法人・個人事業主で事業実施場所が同一の場合の重複申請者(住所が同一の場合など)
- 実態のある事業を営んでいない事業者、令和7年4月1日までに創業していない事業者
「みなし大企業」は資本関係と役員構成で判定されます。発行済株式総数または出資金額の2分の1以上を同一の大企業が所有している、3分の2以上を大企業が所有している、大企業の役員・職員を兼ねる者が役員総数の2分の1以上を占めている、といった場合が該当します。加えて、直近過去3年の課税所得の年平均額が15億円を超える小規模事業者も、みなし大企業として扱われます(公募要領P.5、P.6)。
NPO法人・社会福祉法人が対象になる条件
特定非営利活動法人と社会福祉法人は一般枠のみ申請でき、グループ化支援枠では対象外です。特定非営利活動法人は、従業員数300人以下であること、法人税法上の収益事業を行っていること、認定特定非営利活動法人でないことが条件で、収益事業を行っていても免税されていて確定申告書を提出できない場合は対象外になります。社会福祉法人は、社会福祉法第32条に基づく所管庁の認可を受けて設立され、従業員数300人以下で、収益事業の範囲内で補助事業を行うことが条件です。いずれも補助対象となるのは収益事業に使用する設備等に限られます。
出典:公募要領(一般枠・グループ化支援枠)P.5〜12、よくある質問
補助額と自己負担額の計算|税抜換算と下限額の考え方
補助率2分の1と3分の2の分かれ目は「小規模事業者かどうか」
一般枠・グループ化支援枠の補助率は、小規模事業者を除く中小企業者等が2分の1以内、小規模事業者等が3分の2以内です。小規模事業者かどうかは、業種ごとの常時使用する従業員数で決まります。製造業・建設業・運輸業・その他の業種は20人以下、卸売業・サービス業・小売業・飲食店は5人以下が小規模事業者にあたります(業種ごとの区分は公募要領P.9〜10を確認してください)。特定非営利活動法人・社会福祉法人は、従業員数20人以下であれば3分の2以内が適用されます。
従業員数の数え方にも制度固有のルールがあります。会社役員(従業員との兼務役員を除く)、個人事業主本人と同居の親族従業員、申請時点で育児・介護・傷病休業中または休職中の社員、一定のパートタイム労働者は「常時使用する従業員数」に含めません。また医師・歯科医師・助産師は、従業員数にかかわらず小規模事業者になりません。
補助対象経費は税抜。消費税は補助対象外になる
消費税及び地方消費税は補助対象になりません。経費予算書(様式1-4)の金額はすべて税抜で記載します。つまり、見積書の税込金額をそのまま補助率にかけると補助額を過大に見積もることになります。
税込価格しか分からない内税表示の見積書では、次の方法で税抜価格を算出します。まず税込価格に100/110を掛け、1円未満の端数を切り上げます。ただし、その金額に110/100を掛けて1円未満を切り捨てた額が元の税込価格を超えてしまう場合は、切り上げではなく切り捨てを適用します。
- 税込10,000円 → 10,000×100/110=9,090.90… → 切り上げて9,091円が補助対象経費
- 税込100,000円 → 100,000×100/110=90,909.09… → 切り上げると90,910円だが、90,910×110/100=100,001円で元の税込価格を超えるため、切り捨てて90,909円が補助対象経費
値引きがある見積書は、値引きが消費税額の計算前に記載されているか後に記載されているかで税抜額が変わります。消費税計算後に値引きが記載されている場合は、値引き後の合計額に100/110を掛けて税抜額を求めます。またポイントや商品券で支払った分は値引きと同じ扱いになり、補助対象外です(公募要領P.33)。
下限額は「補助金25万円」ではなく「補助対象経費50万円(税抜)」から考える
一般枠の下限額は補助金額で25万円と示されますが、実務上は補助対象経費のほうを先に確認します。公募要領では、一般枠の中小企業者等(小規模事業者を除く)は補助対象経費50万円(税抜)以上、小規模事業者は37.5万円(税抜)以上の補助事業が対象と定められています。それぞれ補助率を掛けると補助金25万円に達する金額です。
グループ化支援枠はさらに高く、中小企業者(小規模事業者を除く)は補助対象経費1,000万円(税抜)以上、小規模事業者は750万円(税抜)以上が対象です。1申請あたりの補助金下限額は500万円で、グループ全体の上限が4,000万円になります。
計算例:補助対象経費300万円(税抜)で申請する場合
以下は制度の計算方法を確認するための計算例で、実際の採択事例ではありません。
- 中小企業者(小規模事業者以外):300万円×2分の1=補助額150万円。自己負担は300万円-150万円=150万円。これに消費税30万円(補助対象外)が加わるため、実際の持ち出しは180万円
- 小規模事業者:300万円×3分の2=補助額200万円。自己負担は100万円。消費税30万円を加えた持ち出しは130万円
- いずれも上限500万円以内、下限(補助対象経費50万円/37.5万円)以上を満たすため申請可能
なお補助対象経費のうち、ITサービス導入費は50万円、施設工事費は100万円という費目ごとの上限が別途かかります。300万円の内訳がITサービス導入費に偏っている場合は、上限を超えた分が補助対象から外れる点に注意してください。
出典:公募要領(一般枠・グループ化支援枠)P.4、P.9〜10、P.18、P.33
対象経費と対象外経費の境界
3つの費目と、それぞれにかかる上限
補助対象経費は「機械装置等費」「ITサービス導入費(上限50万円)」「施設工事費(上限100万円)」の3区分です。申請にあたっては機械装置等費またはITサービス導入費のいずれかが必須で、施設工事費だけの申請はできません。交付決定後の事由で機械装置等費・ITサービス導入費が取り消された場合、施設工事費も併せて取り消されます。
- 機械装置等費:NC工作機械、マシニングセンタ、ロボット、溶接機、自動検査装置、光学・精密測定器、オーブン、ミキサー、真空包装機、自動精算機、キャッシュレス機能付き券売機、補助事業専用のフォークリフト等の特殊自動車、業務用印刷機など。導入と一体で行う改良費・据付費も対象
- ITサービス導入費:ECサイト作成・改修費、会計管理/顧客管理/在庫管理/工程管理/運行管理/受発注管理の各システム、RPA、オーダーエントリーシステム、WEB会議システム、WEB予約・キャッシュレス決済・セルフレジ等の月額/年間利用料(補助事業実施期間分のみ、1月未満は日割り)
- 施設工事費:大型機械導入に係る動線変更工事、機械導入に必要な電源工事、機械を設置する場所の耐震工事など。外注で行う場合のみ対象で、見積書に「1式」「1組」とだけ書かれたものは不可
CADは機械装置等費とITサービス導入費のどちらになるか
費目の判定でつまずきやすいのがソフトウェアです。NC工作機械やマシニングセンタ等の機械装置と一体で導入するCADは「機械装置等費」ですが、CADソフトのみを購入する場合や既存機械に内蔵されたCADを更新する場合は「ITサービス導入費」となり、上限50万円が適用されます。同じCADでも導入の仕方で上限が変わるため、見積書の構成段階で確認しておく必要があります。
対象外になる代表例
公募要領P.20〜24には、対象外となる経費が具体的に列挙されています。判断を誤りやすいものを抜き出します。
- 単なる設備の更新で生産性の向上につながらないもの、執務環境の改善など生産性向上に直接寄与しないもの(一般的な空調機、照明など)
- 汎用的に使用可能な機械(自動車・トラック、電話機、スマートフォン、事務用プリンター、複合機など)
- レンタル・リース費用、機械装置等の修理費用、金型の製作費用、各種保証・保険料・保守料
- ホームページの作成・改修費、Microsoft Office等の一般事務用ソフトウェア、OS更新料、既存ソフトウェアの更新料、セキュリティ対策ソフトウェア、サーバーの月額・年間利用料
- 消耗品(税抜単価1万円未満の物品等)、公租公課(消費税、ナンバー取得費など)、通信費、振込手数料
- 不労所得に当たる経費(コインランドリー、コインパーキング等)、オークションやフリマアプリでの購入
- 補助金の申請手続きに関連する費用(成功報酬、申請書作成セミナー受講料、郵送料など)
- 国・県・市町村が補助する他の制度と重複する事業に係る経費
支払方法と調達先にも制限がある
経費の支払いは銀行振込と口座振替のみが認められ、現金・手形・小切手・相殺払いは対象外です。クレジットカードやデビットカードで支払う場合は、カード名義と引き落とし口座名義が申請者と同一であること、決済日が補助事業実施期間内であること、1回払いであることの3条件を満たす必要があります。分割払いは対象外です。
また、機械装置やITサービス等は原則として神奈川県内に事業所を構える業者から調達します。県内業者から調達できない場合や特別な理由がある場合は、様式1-5 県外調達理由書の提出が必要で、これがないまま県外業者から調達した経費は補助対象外になります。
出典:公募要領(一般枠・グループ化支援枠)P.18〜25、よくある質問
必要書類の取得先と有効期限|納税証明書は「県税事務所」で取る
県税の未納がないことを証する納税証明書は税務署・市税事務所では取得できない
添付書類のうち、外部の窓口で取得する必要があり、かつ取り違えが起きやすいのが納税証明書です。必要なのは「神奈川県の税金全般に対する未納がないことを証する書類」で、申請日時点で発行日から3か月以内のものに限られます。納期が到来しているが納期限を迎えていない課税がある場合は、県税に滞納がないことを証する納税証明書を提出します。
神奈川県の公式FAQでは「よくある間違いとして、国の税務署が発行する納税証明書を添付される場合があります。必ず、県税事務所でお手続きをお願いします」と明記されています。公募要領でも、県税全般に未納がない証明を発行できるのは県税事務所のみで、税務署(国)と市税事務所では発行できないと表で示されています。
窓口は横浜・神奈川・緑・戸塚・川崎・高津・相模原(津久井支所含む)・横須賀・平塚・藤沢・小田原・厚木の各県税事務所です。公募要領では「納税証明書交付請求書(一般用)を使用して請求してください」と案内されており、記載例は公募要領P.32に掲載されています。なお神奈川県の案内では、県の電子申請システムで請求できる納税証明書に「県税に未納がないこと」の証明書は含まれていません。窓口または郵送で請求することになるため、締切から逆算した早めの手配が必要です。請求方法は神奈川県「納税証明書の請求方法について」、窓口一覧は県税事務所等一覧で確認できます。
社外で取得する書類は「3か月以内」の期限に注意
法人が提出する履歴事項全部証明書または現在事項全部証明書も、申請日時点で発行日から3か月以内のものが必要です。納税証明書と合わせて、この2点は取得日から逆算して段取りする書類になります。8月31日の締切に間に合わせるには、申請日を先に決めたうえで、その日から3か月以内に収まるタイミングで取得してください。
決算書等は直近2期分が必要です。法人は貸借対照表・損益計算書・製造原価報告書(作成している場合)・販売費及び一般管理費明細書で、令和7年4月から令和8年3月の間に到来する決算期とその1期前が対象です。残高試算表は不可です。個人事業主は青色申告者なら所得税青色申告決算書(1〜4面)、白色申告者なら収支内訳書(1・2面)の令和6年分と令和7年分で、令和7年1月1日以降に開業した場合は令和7年の申告書に加えて開業届を添付します。
申請様式と加点用の添付書類
電子申請では、様式1-3 補助事業計画書の一部を除き、申請フォームへの入力で様式が自動生成されます。ただし様式1-3はPDF化したうえで提出する必要があります。8月公募で使用する主な様式は次のとおりです。
- 様式1 補助金交付申請書
- 様式1-2 役員等氏名一覧表
- 様式1-3 補助事業計画書(PDF化して提出)
- 様式1-4 経費予算書(金額はすべて税抜)
- 様式1-5 県外調達理由書(県外事業者から調達する場合のみ)
- 様式1-6-2 米国関税・中東情勢等影響理由書(7月公募以降の様式。加点を受ける方のみ)
- 様式1-8 事前着手届(申請日から補助事業に着手する方のみ)
添付書類は、見積書(型番・単価・数量が確認できるもの。「1式」「1組」のみの記載は不可)、カタログ等、補助事業実施場所の現況写真、決算書等、履歴事項全部証明書、納税証明書、営業許可証等(許可が必要な業種の場合)が基本です。加点を受ける場合はパートナーシップ構築宣言の宣言書、事業継続力強化計画の認定書または申請中を示す書類、有資格者の裏書きがある事業承継計画書を追加します。グループ化支援枠では、株式の売買契約書や事業譲渡契約書等(基本合意書ではなく最終契約書)、出資系統図、DDの結果を示す書類(DD専門家との業務委託契約書とDDレポート)が必須です。
様式はポータルサイトの資料ダウンロードから取得できます。出典:公募要領P.28〜32、よくある質問Q5-8
8月31日17時から逆算する申請準備と、その後のスケジュール
締切までにそろえる順番
8月公募は8月3日9時に受付が始まり、8月31日17時で終わります。書類のうち自社だけで完結しないものから着手すると、締切直前の詰まりを避けられます。
- 申請する枠を決める(一般枠・グループ化支援枠・創業者成長支援枠のいずれか1つ、かつ1回のみ)
- 導入する設備を決め、県内事業者に見積書を依頼する(型番・単価・数量が分かる内訳付き。県外調達になる場合は様式1-5を準備)
- 納税証明書(県税事務所)と履歴事項全部証明書を取得する。いずれも申請日時点で発行日から3か月以内であることが条件
- 決算書等(直近2期分)、補助事業実施場所の現況写真、カタログ等をそろえる
- 加点を受ける場合は、パートナーシップ構築宣言・事業継続力強化計画・事業承継計画書・様式1-6-2の準備を進める(宣言日は申請日までである必要がある)
- 様式1-3 補助事業計画書を作成する(「1.現在の事業内容」から「6-2.設備等の導入に伴い生産性向上となる状況・効果」までを4ページ以内。超過分は審査対象外)
- 電子申請システムから申請する。様式1-3はPDF化して添付する
交付決定を待たずに発注したい場合は様式1-8 事前着手届
この補助金は原則として交付決定後でなければ発注・契約・登録・申込みができません。交付決定日より前に着手した経費は補助対象外です。ただし、申請時に様式1-8 事前着手届を提出した場合に限り、申請日から補助事業に着手できます。
注意点として、事前着手届を出して申請日から着手しても、補助金の交付が保証されるわけではありません。交付決定は審査結果に基づいて行われるため、不交付となれば全額自己負担になります。8月公募の交付審査は9月1日から11月下旬に行われる見込みで、交付決定通知は締切から3か月程度かかると案内されています。設備の納期が交付決定後では令和9年1月31日に間に合わない場合に、リスクを理解したうえで選ぶ手続きです。
交付決定から入金までの流れ
補助事業実施期間は交付決定日(事前着手届を提出している場合は申請日)から令和9年1月31日(日曜日)までです。この期間内に「発注・契約・登録・申込等」を行い、「納品・工事完了等」と「支払い」まで完了している必要があります。令和9年2月1日以降に納品や支払いが残っていると、その経費は補助対象になりません。頭金と残金を分割し、残金の支払いが期間外になった場合は全額が対象外です。
実績報告書類の提出期限は、事業完了後30日以内または令和9年2月5日(金曜日)のいずれか早い日です。実績報告の審査(必要に応じて現地調査)で適正に実施されたことが確認できた場合のみ、補助金が振り込まれます。8月公募分の交付は令和9年2月下旬以降、順次となる見込みです。設備代金は先に全額を支払う必要があるため、入金までの運転資金を手当てしておく必要があります。
出典:公募要領(一般枠・グループ化支援枠)P.8、P.17、P.34〜35、補助金概要
神奈川県が公表している審査項目と、申請前に確認すべきポイント
審査は「要件審査」「事業有効性審査」「加点項目」の3段階
神奈川県は公募要領P.15で審査の観点を公表しています。要件審査では、対象事業者であるか、補助要件を満たしているか、申請書類に不備・不足がないか、事業に必要な経費と認められるか、見積書の内容が適正で補助対象外経費が含まれていないかが確認されます。
事業有効性審査では、公募要領に沿った事業計画であるか、計画の内容が具体的で審査に必要な情報が盛り込まれているか、自社の強み・弱みを適切に分析し活かした計画であるか、付加価値額が3年で4.5パーセント以上増加する実現可能性があるか、増加した付加価値額を給与にも適切に分配する計画か、採算の取れる投資額か、財務状況から見て実現可能な資金計画かが見られます。要件を満たす申請のうち、より事業有効性の高いものについて交付決定が行われるため、すべての申請が交付決定されるわけではありません。
県が公表している不採択事例に沿った確認事項
神奈川県は「不採択事例から学ぶ生産性向上促進事業費補助金における審査のポイント」として、令和6年度・令和7年度に不採択となった申請をもとに低い評価となった理由を公開しています。県が挙げている項目は次のとおりです(あくまで一例であり、公募要領の要件・審査基準の確認が前提とされています)。
- 要件審査:神奈川県内で実施する事業でない
- 要件審査:付加価値額が年率平均1.5パーセント(3年で4.5パーセント)以上増加する計画になっていない
- 要件審査:給与支給総額が増加する計画になっていない
- 要件審査:補助金交付申請額が下限額である25万円を下回っている
- 事業有効性審査:設備等を導入することにより、何がどのように効率化されるかが具体的・定量的に記載されていない
- 事業有効性審査:事業収支計算書(売上高等)の算出根拠が不明確
- 事業有効性審査:「自社の強み・弱み」「資金調達の方法」「実施スケジュール」等に記載されていない箇所がある
- 事業有効性審査:計画書内で整合性が取れていない
- 事業有効性審査:売上等に対して過剰な設備投資をする計画
各項目は神奈川県「生産性向上促進事業費補助金における審査のポイント」から項目別のPDFで確認できます。様式1-3を提出する前に、この9項目を1つずつ突き合わせておくと、要件段階での落ちを避けやすくなります。
関連する記載ルールとして、県公式FAQでは、事業収支計算書の必要資金額と資金調達額は一致させること、製造業は「人件費」「減価償却費」を製造原価と販売費及び一般管理費の数字を合算して入力すること、「従業員数」はパート・アルバイトを含む全従業員数と正社員・非正社員の内訳を記載することが示されています。
8月公募で受けられる加点措置は4種類
加点措置は公募回によって内容が更新されており、7月公募以降は米国関税等影響理由書の様式が改定されています。8月公募で該当し得る加点は次の4つです。いずれも必須ではなく、登録や申請をしていないことだけを理由に不採択になるものではないと県は説明しています。
- パートナーシップ構築宣言:宣言を行い、ポータルサイト内「登録企業リスト」に企業名の掲載があること(宣言日が申請日までのものに限る)
- 事業継続力強化計画(単独型・連携型):認定を取得しているか、申請中であること。認定済みの場合は交付申請日時点が認定期間内であることが必要
- 事業承継計画書:神奈川県事業承継・引継ぎ支援センター、経営革新等支援機関、弁護士・公認会計士・税理士・中小企業診断士等の国家資格保有者の裏書きがあること
- 米国関税・中東情勢等影響理由書(様式1-6-2):米国関税・中東情勢および日産自動車生産縮小の影響を受けている、または受けることが見込まれる事業者。様式に影響の内容を具体的に記載して提出すること
出典:公募要領(一般枠・グループ化支援枠)P.15〜16、審査のポイント、よくある質問
神奈川県が公開している採択事例
神奈川県は「生産性向上促進事業費補助金好事例集」として、交付決定した事業者の導入設備と効果を公開しています。以下は令和6年度の採択事例として県が公表している内容です。
株式会社丹後製作所(機械加工業・相模原市中央区)
ワイドエリア三次元測定機を導入した事例です。県の公表資料によると、導入前は大型製品の測定に2人がかりで製品を測定工場へ移動させる必要があり、2人で5時間程度を要していました。導入後は測定機を工場に持ち込めるようになり、1人で三脚にセットして1時間程度で計測できるようになったと記載されています。複雑な形状の測定に熟練の技術と時間を要していた点も改善されたとされています。
出典:令和6年度神奈川県中小企業生産性向上促進事業費補助金 採択事例 CASE5(PDF)
企業組合スカイ・ウィング(保育園・横浜市鶴見区)
認可保育園の給食室にスチームコンベクションオーブンを導入した事例です。県の公表資料では、16年前に導入した設備で150人分の給食提供に3人で3時間を要していたところ、調理モードのプログラミングにより大量調理を自動化し、150人分を3人で2時間半で提供できるようになるとされています。最大200人分まで対応可能になった点も記載されています。製造業以外でも対象になることが分かる事例です。
出典:令和6年度神奈川県中小企業生産性向上促進事業費補助金 採択事例 CASE12(PDF)
このほか、精密板金業、運送業、建設業、林業、農業、自動車整備業、菓子製造業など15件の事例が神奈川県「生産性向上促進事業費補助金好事例集」に掲載されています。様式1-3で求められる「何がどのように効率化されるか」を定量的に書く際の参考になります。
採択後に発生する義務|財産処分の制限・報告・不正受給の取扱い
単価50万円(税抜)以上の設備は処分制限財産になる
中古品を含め、単価50万円(税抜)以上の機械装置等、ITサービス導入費、施設工事費は「処分制限財産」に該当します。補助事業が完了し補助金の支払を受けた後であっても、一定期間は補助事業目的外での使用、譲渡、担保提供、廃棄等が制限されます。取扱いの詳細は財産処分等の取扱要領(PDF)と交付要綱(PDF)で確認できます。
採択後の公表・報告・書類保管
本補助金に採択された場合、商号または名称と事業実施場所の市区町村を神奈川県が公表することがあります。また、補助事業に関する書類は補助事業以外の書類と区分し、見積書・発注書・納品書・請求書・支払いの証拠書類の順に取引の流れに沿って保管する必要があります。公募要領には、県への売上高等の報告、フォローアップ、検査についても定めがあります。
補助金は課税対象で、その他の収入と合わせて申告が必要です(圧縮記帳の対象)。詳細は管轄の税務署へ確認してください。
不正受給と判断される行為
公募要領は、補助対象経費についてキャッシュバックを受けて自己負担額を減らす、またはゼロにすることは補助金の水増し請求にあたり不正受給に該当すると明記しています。不正受給が判明した場合は、警察に通報し法的措置を講じることがあるとされています。
また、申請者自らが申請書および補助事業計画書を作成することが前提とされており、申請者自らが検討しているような記載が見られない場合は補助の対象になりません。県との連絡担当者を外部に任せている場合も対象外です。実質的に自己負担がないような申請方法で勧誘しているとの通報が複数寄せられる業者との契約が含まれている場合は、不正受給でない経費も含めて全額が補助対象外になります。補助金の申請代行を称して法外な成功報酬を請求する事例への注意喚起も行われており、申請手続きに関連して発生する費用は補助対象外です。
他制度との併用|神奈川県小規模事業者デジタル化支援推進事業費補助金との関係
他の補助金と本補助金を重複して申請すること自体は問題ありません。様式1-3の2枚目下部にある「他の補助金の申請状況」で「申請済み」または「申請予定」にチェックし、補助金名を記載します。ただし、同一内容の事業について両方で交付決定された場合は、どちらか一方を取り下げる必要があります。
令和8年度に神奈川県が実施している小規模事業者デジタル化支援推進事業費補助金についても、同一事業・同一経費での併用申請は可能ですが、両方採択された場合はどちらか一方の取下げが必要です。過年度に生産性向上促進事業費補助金や小規模事業者デジタル化支援推進事業費補助金の交付を受けた事業者、令和2年度から5年度のビジネスモデル転換事業費補助金の交付を受けた事業者も、今回の申請対象になります。
一方、国・県・市町村が補助する他の制度(補助金、委託費、公的医療保険・介護保険からの診療報酬・介護報酬、固定価格買取制度等)と重複する事業は補助対象外です。診療報酬・介護報酬を受ける事業者であっても、それらを受けない事業内容で生産性向上が見込まれる事業であれば申請できます。
まとめ|8月公募で判断すべきこと
令和8年度の神奈川県中小企業生産性向上促進事業費補助金は、一般枠・グループ化支援枠の8月公募(令和8年8月3日9時〜8月31日17時)が令和8年度の最終回です。創業者成長支援枠も8月31日17時が締切です。
- 申請できるかの判断:申請日時点で県内事業所に事業実態があり、県内の自社事業所で実施すること。一般枠・グループ化支援枠は令和7年4月1日までに創業していること
- 受給できる金額の判断:補助対象経費は税抜で計算し、一般枠は中小企業者で50万円(税抜)以上、小規模事業者で37.5万円(税抜)以上が必要。補助率は2分の1または3分の2
- 準備すべきものの判断:納税証明書は県税事務所で取得し、履歴事項全部証明書とともに申請日時点で発行日から3か月以内であること
- 計画書の書き方の判断:県が公表する要件審査4項目・事業有効性審査5項目の不採択理由と突き合わせ、効率化の内容を定量的に記載する
- 資金繰りの判断:設備代金は補助事業実施期間内(令和9年1月31日まで)に全額支払う必要があり、補助金の入金は令和9年2月下旬以降
金額・要件・締切は公募回ごとに更新されます。申請前には必ず令和8年度中小企業生産性向上促進事業費補助金ポータルサイトと公募要領で最新情報を確認し、不明点は生産性向上補助金事務局(045-315-3755/平日9時〜17時)へ問い合わせてください。
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