愛媛県今治市では、市内への企業立地や雇用創出を後押しするため、「今治市雇用促進奨励金」という独自の奨励金制度を設けています。
この制度は、今治市が指定する「企業立地促進奨励金」または「賃貸借型企業立地奨励金」の対象企業が、立地にともなって新たに市内居住の従業員を雇用した場合に交付されるものです。
新規雇用従業員1人につき最大50万円が交付され、奨励金全体の限度額は1億円に設定されています。
対象となるのは、製造業や情報通信業、卸売業、医療・福祉業など今治市が定める業種に属する企業です。
本記事では、今治市雇用促進奨励金の対象要件から申請の流れ、申請時の注意点までをわかりやすく解説します。
今治市雇用促進奨励金の基本情報
| 制度名 | 今治市雇用促進奨励金(企業立地優遇制度) |
| 実施機関 | 今治市 産業部産業政策局産業振興課 |
| 対象地域 | 愛媛県今治市 |
| 対象者 | 企業立地促進奨励金または賃貸借型企業立地奨励金の指定を受けた事業者 |
| 対象業種 | 製造業、情報通信業、卸売業、医療・福祉、学術研究等(区域により異なる) |
| 対象経費 | 新規雇用従業員に対する奨励金相当額 |
| 補助上限額 | 1億円 |
| 補助率 | 定額(1人50万円または30万円) |
| 申請期間 | 2026年4月1日〜2027年3月31日(随時受付) |
| 申請方法 | 今治市産業振興課窓口への申請書提出 |
| 併用制度 | 企業立地促進奨励金・賃貸借型企業立地奨励金 |
| 問い合わせ先 | 今治市産業部産業政策局産業振興課(0898-36-1540) |
補助金・助成金の正式名称
今治市雇用促進奨励金は、正式には「今治市企業立地促進条例」に基づく企業立地優遇制度の一部として位置づけられています。
制度上は「雇用促進奨励金」という名称で運用されており、企業立地促進奨励金や賃貸借型企業立地奨励金とセットで活用される仕組みです。
対象都道府県・市区町村
対象地域は愛媛県今治市内に限定されています。
今治市内には「指定区域(今治新都市区域)」と「指定区域を除く全域」の2つの区分があり、区分によって奨励金の限度額や要件が異なります。
本記事で解説する限度額1億円の雇用促進奨励金は、指定区域を除く今治市全域が対象です。
実施機関
制度を所管しているのは今治市産業部産業政策局産業振興課です。
申請や指定手続きの窓口も同課が担っており、事前相談から交付申請まで一貫して対応しています。
対象者(世帯・個人事業主・法人・団体・研究機関)
対象となるのは、今治市内で「企業立地促進奨励金」または「賃貸借型企業立地奨励金」の指定を受けた法人・事業者です。
中小企業者も対象に含まれており、投下固定資産総額や新規雇用者数などの要件を満たして指定を受けることが前提となります。
個人事業主単独での申請は想定されておらず、まず企業立地に関する奨励金の指定を受けた事業者であることが条件です。
対象業種
対象業種は、製造業、電気・ガス・熱供給・水道業、情報通信業(情報サービス業、インターネット付随サービス業、映像・音声・文字情報制作業)、卸売業、医療・福祉、学術研究・専門・技術サービス業(学術・開発研究機関、専門サービス業、広告業)などです。
賃貸借型企業立地奨励金に該当する場合は、情報通信業と学術研究・専門・技術サービス業の一部に対象業種が絞られる点に注意が必要です。
対象経費
今治市雇用促進奨励金は、設備投資などの経費を補助する制度ではなく、新規雇用に応じて奨励金を交付する仕組みです。
企業立地促進奨励金に該当する企業は新規雇用従業員1人につき50万円以内、賃貸借型企業立地奨励金に該当する企業は1人につき30万円以内が交付されます。
その他要件
交付対象となる「新規雇用従業員」は、操業開始の1年前から操業開始後6か月までの間に雇用されている必要があります。
申請時点でも継続して今治市内に居住し、連続して1年以上雇用されていることが条件です。
短時間労働者については2人で新規雇用従業員1人とみなして計算する点も押さえておきましょう。
補助対象外となるもの
市内居住の要件を満たさない従業員や、雇用期間が1年に満たない従業員は交付対象外となります。
企業立地促進奨励金や賃貸借型企業立地奨励金の指定を受けていない企業は、そもそも雇用促進奨励金の対象になりません。
申請期間
交付要件を満たす限り随時申請が可能で、Jグランツ上の受付期間は2026年4月1日から2027年3月31日までとなっています。
ただし年度ごとに公募内容が更新される可能性があるため、申請前に最新の要綱を確認することが重要です。
上限金額・助成額
制度全体の限度額は1億円です。
新規雇用従業員1人あたりの交付額は、企業立地促進奨励金該当企業で50万円以内、賃貸借型企業立地奨励金該当企業で30万円以内と定められています。
補助率
一般的な補助金のような「経費の2分の1」といった補助率ではなく、雇用者数に応じた定額交付方式が採用されています。
したがって、対象経費の実額に関わらず、新規雇用者数に応じて交付額が決まる点が特徴です。
問い合わせ先
制度に関する問い合わせは、今治市産業部産業政策局産業振興課で受け付けています。
電話番号は0898-36-1540で、指定手続きや申請書類についても同課に相談できます。
公式公募ページと確認すべきこと
制度の詳細はJグランツの公募詳細ページで確認できます。
あわせて今治市の公式サイトでも、企業立地優遇制度全体の詳細が公開されています。
申請前には必ず両方の情報源で最新の要件と限度額を確認しておきましょう。
今治市雇用促進奨励金を対象者が活用すべき理由(メリット)
今治市への立地にともなう新規雇用は、採用コストや人件費の負担が大きくなりがちです。
今治市雇用促進奨励金を活用すれば、新規雇用者1人につき最大50万円の交付を受けられ、採用初期のコスト負担を軽減できます。
企業立地促進奨励金や賃貸借型企業立地奨励金と組み合わせることで、設備投資や賃借料の負担軽減とあわせて総合的な支援を受けられる点も魅力です。
限度額が1億円と大きく設定されているため、複数名を新規雇用する企業にとっても十分な支援効果が期待できます。
今治市雇用促進奨励金を申請すべき人とそうでない人の特徴
- 申請すべき人
- 見送ったほうが良い人の特徴
申請すべき人
- 今治市内で新設・増設・移転を予定し、新たに従業員を雇用する予定がある企業
- すでに企業立地促進奨励金または賃貸借型企業立地奨励金の指定を受けている、または受ける見込みがある企業
- 製造業や情報通信業など対象業種に該当し、市内居住の従業員を採用する計画がある企業
- 複数名の新規雇用を予定しており、まとまった金額の奨励金を活用したい企業
見送ったほうが良い人の特徴
- 今治市外での事業展開のみを予定しており、市内への立地計画がない企業
- 企業立地促進奨励金・賃貸借型企業立地奨励金のいずれの指定要件も満たせない企業
- 新規雇用従業員の市内居住や雇用継続期間などの要件を満たせない企業
- 個人事業主単独で、法人としての立地・雇用計画を持たない場合
その他にも利用すべき補助金・助成金制度の代表例
- 新事業進出補助金
- ものづくり補助金(革新的新製品・サービス枠)
- 中小企業省力化投資補助金
- 小規模事業者持続化補助金
新事業進出補助金(新事業進出・ものづくり補助金 新事業進出枠)
新事業進出補助金は、既存事業とは異なる新分野へ挑戦する中小企業を支援する制度です。
今治市雇用促進奨励金とあわせて活用すれば、新分野進出にともなう設備投資と雇用創出の両面を支援でき、事業拡大のスピードを高められます。
ものづくり補助金(革新的新製品・サービス枠)
ものづくり補助金は、革新的な製品・サービス開発や生産プロセス改善のための設備投資を支援する制度です。
今治市内で製造業を営む企業であれば、雇用促進奨励金と組み合わせることで人材確保と設備投資の両輪で事業基盤を強化できます。
中小企業省力化投資補助金
中小企業省力化投資補助金は、人手不足に対応するための省力化機器の導入を支援する制度です。
新規雇用と省力化投資を並行して進めることで、限られた人員でも生産性を高める体制づくりが可能になります。
小規模事業者持続化補助金
小規模事業者持続化補助金は、販路開拓や業務効率化に取り組む小規模事業者を支援する制度です。
今治市での事業拡大にあわせて販路開拓にも取り組む場合は、この補助金もあわせて検討する価値があります。
今治市雇用促進奨励金の申請に必要なもの
- 申請に必要な書類一覧と取得方法
- 記載例はどこで確認できるか
申請に必要な書類一覧と取得方法
申請にあたっては、企業立地促進奨励金または賃貸借型企業立地奨励金の指定を受けたことを証する書類のほか、新規雇用従業員の雇用契約書や住民票等の居住確認書類が必要です。
具体的な提出書類は年度や交付要綱によって変更される場合があるため、今治市産業振興課へ事前に確認することが重要です。
申請様式や交付要綱は、Jグランツの公募詳細ページからも入手できます。
記載例はどこで確認できるか
申請書の記載例については、今治市公式サイトの企業立地優遇制度ページで公開されている場合があります。
不明点がある場合は、記載例を待つよりも早めに産業振興課の窓口へ直接相談する方が確実です。
今治市雇用促進奨励金の採択率を上げる事業計画書の作り方
- 市場性を具体的に書く
- 差別化ポイント(自社と他社の違い)を明確に記載
- この制度を利用する必要性・重要性を記載
- 実行体制を明記する
市場性を具体的に書く
今治市内でどのような需要があり、自社の事業がその需要にどう応えられるのかを具体的な数字とともに示すことが大切です。
地域の産業構造や取引先の動向を踏まえた市場性の説明は、指定審査における説得力を大きく高めます。
差別化ポイント(自社と他社の違い)を明確に記載
同業他社と比較して自社が持つ技術力やサービスの独自性を整理しておきましょう。
今治市に立地するからこそ得られる強みを明記できると、審査担当者に立地の必然性が伝わりやすくなります。
この制度を利用する必要性・重要性を記載
なぜ雇用促進奨励金を活用する必要があるのか、資金計画上の位置づけを明確にすることが求められます。
新規雇用にともなう人件費負担と奨励金の効果を数値で示すと、計画の実現性が伝わりやすくなります。
実行体制を明記する
新規雇用した従業員をどの部署でどのように活用するのか、社内の実行体制を具体的に記載しましょう。
採用計画と事業計画が連動していることを示すことで、雇用の継続性についての信頼性も高まります。
今治市雇用促進奨励金の申請手順
- 今治市産業振興課へ事前相談を行い、企業立地促進奨励金または賃貸借型企業立地奨励金の指定要件を確認します。
- 指定申請に必要な書類を準備し、今治市へ指定申請を行います。
- 指定を受けたのち、新規雇用従業員の採用状況を整理します。
- 雇用促進奨励金の交付申請書と必要書類を今治市産業振興課へ提出します。
- 市による審査・確認を経て、交付決定通知を受け取ります。
- 交付決定にもとづき、奨励金が交付されます。
今治市雇用促進奨励金を自社で申請する際の注意点
今治市雇用促進奨励金は、企業立地促進奨励金や賃貸借型企業立地奨励金の指定を前提とする制度である点にまず注意が必要です。
新規雇用従業員の市内居住や雇用継続期間の要件を満たしているかどうかを、採用時点から丁寧に記録しておくことが欠かせません。
交付要綱は年度によって見直されることがあるため、申請直前には必ず最新版を確認しましょう。
書類の不備や要件の見落としがあると審査に時間がかかるため、早めに産業振興課へ相談しながら準備を進めることをおすすめします。
自社に申請ノウハウが無い場合は専門家に依頼するのもおすすめ
- 制度選定の精度が上がる
- 事業計画の質が上がる
- 採択後の実務まで見据えられる
制度選定の精度が上がる
今治市には企業立地促進奨励金や賃貸借型企業立地奨励金など複数の関連制度があり、自社にとって最適な組み合わせを見極めるのは容易ではありません。
専門家に相談することで、自社の立地計画や雇用計画に合った制度を漏れなく選定できます。
事業計画の質が上がる
中小企業診断士や行政書士などの専門家は、審査で評価されやすい事業計画書の構成を熟知しています。
第三者の視点を取り入れることで、自社だけでは気づきにくい説明不足や矛盾点を修正できます。
採択後の実務まで見据えられる
指定を受けた後の交付申請や必要書類の管理まで、継続的にサポートを受けられる点も専門家に依頼するメリットです。
採用記録の管理や交付申請のタイミングまで一貫して伴走してもらうことで、手続き漏れのリスクを抑えられます。
今治市雇用促進奨励金を不正受給するとどうなるのか
- 虚偽申請が発覚した場合の対応
- 不正受給を発見した際の相談・通報先
虚偽申請が発覚した場合の対応
新規雇用従業員の居住実態や雇用期間について虚偽の申請を行った場合、交付決定の取り消しや奨励金の返還を求められる可能性があります。
今治市が定める交付要綱に違反した場合は、加算金の支払いを求められるケースもあるため十分な注意が必要です。
所管する今治市産業振興課が事実確認を行い、必要に応じて是正や返還手続きが進められます。
不正受給を発見した際の相談・通報先
不正受給の疑いに気づいた場合は、まず今治市産業部産業政策局産業振興課へ相談することが基本です。
制度を所管する行政機関へ早めに情報提供することで、適正な支援制度の運用維持につながります。
今治市雇用促進奨励金のまとめ
今治市雇用促進奨励金は、企業立地にともなう新規雇用を後押しする今治市独自の奨励金制度です。
新規雇用従業員1人につき最大50万円、制度全体で最大1億円の交付を受けられる点が大きな特徴です。
申請にあたっては、企業立地促進奨励金または賃貸借型企業立地奨励金の指定を受けることが前提となるため、早い段階から今治市産業振興課へ相談しておくことをおすすめします。
詳細な要件や最新情報は、Jグランツの公募詳細ページおよび今治市の公式サイトで必ず確認してください。

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