東京都「誰もが楽しめる自然体験型観光推進事業補助金」令和8年度|上限200万・500万円の分かれ目と必要書類13点

補助金

東京都の「誰もが楽しめる自然体験型観光推進事業補助金」は、障害者や高齢者等が東京の自然を安心して楽しめる観光プログラムを提供する事業者に対し、必要な備品等の導入経費を補助する制度です。

令和8年度は令和8年4月1日から令和8年12月25日(金)必着で受付中ですが、締切前でも補助金申請額が予算額に達した時点で受付を終了します。

この制度で申請前に判断が分かれるのは、「補助上限が200万円になるか500万円になるか」と「13点の必要書類を締切までに揃えられるか」の2点です。

本記事では、東京都産業労働局の募集要領・公式チェックリストをもとに、対象判定・補助額の計算・必要書類・締切からの逆算スケジュールを整理します。

令和8年度の受付状況|2026年8月時点で申請できるか

令和8年度分は東京都産業労働局の公式ページで募集が公開されており、2026年8月時点では受付中です。

締切は令和8年12月25日(金)必着で、郵送の場合は当日消印有効ではなく到着ベースである点に注意してください。

申請締切前であっても、補助金申請額が予算額に達した時点で受付は終了します。

また東京都は、締切日時点で書類に不備・不足があると受付できないと明記しています。締切間際の提出は、不備があった場合に修正の余地がなくなります。

誰もが楽しめる自然体験型観光推進事業補助金(令和8年度)の基本情報

制度名 令和8年度 誰もが楽しめる自然体験型観光推進事業補助金
実施機関 東京都産業労働局 観光部 受入環境課(03-5320-4802)
対象地域 東京都内
対象者 ①都内の自然体験型観光提供事業者
②自然体験型観光提供事業者に備品等の貸出しを無償で行う都内の観光協会等
補助対象経費 ①障害者等向け備品等の購入費
②所有している備品等を障害者等向けに改造する費用
③施設整備費
補助率 補助対象経費の5分の4
補助限度額 200万円(備品購入・改造のみの場合)/500万円(施設整備を伴う場合)
※補助率で算出した額と限度額のいずれか低い額
募集期間 令和8年4月1日〜令和8年12月25日(金)必着
※予算額に達した時点で受付終了
補助対象期間 交付決定日〜令和9年3月31日
※契約(発注)・作業・納品・経費の支払いが期間内に実施される必要あり
申請方法 簡易書留による郵送/jGrants(電子申請)/持参(開庁日9時〜17時)
交付決定までの目安 不備のない書類が揃ってから3週間程度
提出先(郵送) 〒163-8001 東京都新宿区西新宿2-8-1 東京都庁第一本庁舎19階
東京都 産業労働局 観光部 受入環境課 受入環境調整担当 宛

出典:東京都産業労働局「誰もが楽しめる自然体験型観光推進事業補助金」令和8年度 募集要領(PDF)

自社が対象になるか|対象事業者と対象プログラムの判定

対象になる事業者は2区分

募集要領で補助対象者として示されているのは、次の2区分です。

  • 都内の自然体験型観光提供事業者
  • 自然体験型観光提供事業者に備品等の貸出しを無償で行う都内の観光協会等

観光協会等が対象になるのは、備品を「無償で貸し出す」場合と明記されています。備品を有償でレンタルする形態を想定している団体は、この区分に当てはまるかを申請前に受入環境課へ確認する必要があります。

また、申請書類の一つとして「実施している自然体験型観光プログラムの概要が分かる利用者向けパンフレット」の提出が求められます。プログラムを構想中で、対外的に案内できる資料がまだない段階では、この書類を用意できない点に注意してください。

都のモニターツアーから見る「自然体験型観光」の範囲

「自然体験型観光」がどこまでを指すのかは、東京都が同じ「誰もが楽しめる自然体験型観光推進事業」で実施したモニターツアーが参考になります。

  • 八丈島 底土海水浴場でのバリアフリービーチ・スノーケリング体験(令和7年7月)
  • あきる野市 秋川渓谷でのチェアリング・川釣り・SUP体験(令和7年9月)
  • 伊豆大島「温泉ホテルルート」トレッキング体験(令和7年10月)
  • 新島村 黒根海岸のバリアフリービーチ(令和6年9月)
  • 檜原村 払沢の滝・都民の森トレッキングツアー(令和6年11月)

島しょ部から多摩地域まで、海・川・山のいずれのフィールドも取組の対象として扱われています。

なおこれらは東京都が実施したモニターツアーであり、本補助金の採択事例ではありません。採択事業者の一覧や採択事例は、2026年8月時点で公表されていません。詳細は東京都「東京都内 誰もが楽しめる自然体験型観光」で確認できます。

対象かどうか自力で判断できない場合の確認先

対象者の細かい要件は募集要領に定められています。事業所の所在地が都外にある、プログラムの実施場所が都外と都内にまたがる、といったケースは、令和8年度の募集要領を確認したうえで、受入環境課(03-5320-4802)へ直接確認してください。

補助上限が200万円と500万円に分かれる条件と補助額の計算

「施設整備を伴う場合」に該当するかで上限が変わる

この制度の補助限度額は一律ではなく、事業内容によって次の2区分に分かれます。

  • 備品の購入・改造のみの場合:200万円
  • 施設整備を伴う場合:500万円

公式に示されている経費例のうち、施設整備にあたるものとして挙げられているのは「誰もが楽しめる自然体験型観光プログラムの実施に必要となる備品を格納する倉庫の整備費用」です。

アウトドア用車椅子やアクセスマットだけを購入する計画では、上限は500万円ではなく200万円になります。

また、施設整備を伴う場合は、申請時に補足説明資料として図面等の提出が必要です(A4用紙・片面・10枚以内)。

補助額と自己負担額の計算例

交付されるのは「補助対象経費×5分の4」と「限度額」のいずれか低い額です。3パターンで計算すると次のようになります。

事業内容 補助対象経費 経費×4/5 補助額 自己負担額
備品購入のみ 150万円 120万円 120万円(限度額内) 30万円
備品購入のみ 300万円 240万円 200万円(限度額適用) 100万円
倉庫整備を伴う 700万円 560万円 500万円(限度額適用) 200万円

備品購入のみの計画では、対象経費が250万円を超えた時点で補助額が200万円で頭打ちになり、超過分はすべて自己負担になります。

なお、消費税の取扱いや端数処理の方法は募集要領・交付要綱で定められています。金額が限度額の境界付近になる場合は、これらの資料で計算方法を確認してください。

補助対象になる経費と、対象期間から外れる経費

公式に示されている経費の例

東京都が「誰もが楽しめる自然体験型観光の実施に必要な経費の例」として挙げているのは次の9項目です。

  • アウトドア用車椅子、水陸両用車椅子の購入費用
  • けん引式車椅子補助装置の購入費用
  • アクセスマット(海辺や砂利道、芝生など、車椅子での移動や歩行がしづらい場所のアクセスを容易にするマット)の購入費用
  • 呼出し器(単方向又は双方向で、光・振動・音等で知らせる機器)の購入費用
  • 防水性筆談器の購入費用
  • 車椅子使用者向けにスタンドアップパドルボードを改造する費用
  • 船舶等に設置する車椅子固定具及びその設置費用
  • 車椅子使用者向け乗船用スロープの購入費用
  • プログラムの実施に必要となる備品を格納する倉庫の整備費用

購入だけでなく、すでに所有している備品を障害者等向けに改造する費用も対象になります。SUPボードの改造費が例示されているように、新規購入が難しい場合でも既存備品の活用で申請できる可能性があります。

交付決定前の契約・発注は対象にならない

補助対象期間は交付決定日から令和9年3月31日までです。東京都はこの期間について、契約(発注)・作業・納品・経費の支払いのすべてが期間内に実施される必要があると明記しています。

つまり、交付決定を受ける前に発注してしまった備品や、納品は年度内でも支払いが令和9年4月以降になる契約は、補助の対象になりません。申請時に見積書を取得する段階では発注まで進めないよう注意してください。

申請に必要な書類13点と、社外で取得が必要な書類

東京都が公開している「申請に必要な書類」(チェックリスト)では、提出物が13点に整理されています。

すべての申請者が提出する書類

  • 交付申請書(様式第1号)
  • 「申請に必要な書類」チェック欄を確認済みの本紙
  • 申請前確認書(指定様式)
  • 事業計画書(指定様式)
  • 補足説明資料(施設整備を伴う場合の図面等。A4・片面・10枚以内)
  • 社歴(経歴)書 ※会社概要のパンフレットでも可
  • 見積書の写し
  • 利用者向けパンフレット(実施している自然体験型観光プログラムの概要が分かるもの)
  • 法令上必要な事業許可書の写し

指定様式は東京都産業労働局の公式ページからダウンロードできます。

法人と個人事業主で異なる書類

書類 法人の場合 個人事業者の場合
財務関連書類 税務署へ提出した直近1期分の貸借対照表・損益計算書の写し 税務署へ提出した直近1期分の確定申告書の写し
事業実体の証明 登記簿謄本(履歴事項全部証明書)の原本/発行後3か月以内 「個人事業の開業・廃業等届出書」の写し
納税証明書(原本) 直近の法人事業税及び法人都民税の納税証明書(都税事務所発行) 個人事業税の納税証明書(都税事務所発行)+住民税納税証明書(区市町村発行)
事業税が非課税の場合は、代表者の所得税納税証明書(税務署発行)+住民税納税証明書

このほか、印鑑証明書(原本・発行後3か月以内)が必要です。印鑑証明書は電子申請(jGrants)を利用する場合は不要とされています。

登記簿謄本・印鑑証明書・納税証明書は、法務局・都税事務所・税務署・区市町村の窓口で取得する書類です。発行後3か月以内という条件があるため、申請時期を決めてから取得しないと再取得になります。

提出書類の形式ルール(不備で受付されないケース)

チェックリストには、書類の中身とは別に提出形式の注意事項が定められています。

  • 両面印刷は不可
  • ステープル留めやファイリングはせず、クリップ留めにする
  • 審査の際に白黒でコピーを取るため、白黒でも判別できる資料にする
  • マイナンバー(個人番号)の記載がある場合は、記載部分を削除して提出する

提出した申請書・関係書類は、採択の可否にかかわらず返却されません。また、個別の事情に応じて上記以外の書類提出を求められる場合があります。

令和8年12月25日の締切から逆算する準備スケジュール

jGrantsで申請するなら最初に着手するのはGビズIDプライム

jGrantsを利用するには、法人・個人事業主向け共通認証基盤「GビズIDプライムアカウント」の発行が必要です。

新規IDアカウントの登録には国の審査に2〜3週間程度かかるため、アカウントを持っていない事業者は、見積書の取得や事業計画書の作成と並行して登録手続きを始める必要があります。

なお、GビズIDを取得しない場合でも、簡易書留による郵送または持参で申請できます。持参は開庁日の午前9時から午後5時までです。

交付決定日から令和9年3月31日までに終える必要がある作業

東京都は、交付決定には不備のない書類が揃ってから3週間程度かかるとしています。締切日の令和8年12月25日に申請した場合、交付決定は令和9年1月中旬以降になる計算です。

補助対象期間は交付決定日から令和9年3月31日までで、この期間内に契約(発注)・作業・納品・支払いをすべて終える必要があります。倉庫の整備など工期が必要な事業では、逆算すると年内の早い時期の申請が前提になります。

準備の順序としては、次の流れになります。

  1. 募集要領で対象者・対象経費を確認する
  2. (jGrants利用時)GビズIDプライムの登録手続きを開始する
  3. 導入する備品や施設整備の内容を固め、見積書を取得する
  4. 事業計画書・申請前確認書を作成する
  5. 登記簿謄本・印鑑証明書・納税証明書を取得する(発行後3か月以内)
  6. チェックリストで13点の書類を照合し、形式ルールを確認して提出する

申請から補助金の入金までの流れ

  1. 必要書類13点を揃え、郵送(簡易書留)・jGrants・持参のいずれかで提出する
  2. 東京都の審査を経て、交付決定通知を受け取る(不備のない書類が揃ってから3週間程度)
  3. 交付決定日以降に契約・発注し、令和9年3月31日までに納品・支払いまで完了させる
  4. 実績報告書(様式第6号)を提出する
  5. 補助金額の確定後、請求書(様式第8号)を提出して補助金の交付を受ける

補助金は事業完了後の精算払いです。備品の購入代金や工事代金は、いったん自社で全額を支払う必要があるため、入金までの資金繰りを申請前に確認しておいてください。

交付決定後に発生する手続きと財産処分の制限

この制度では、交付決定後に使用する様式もあらかじめ公開されています。想定される手続きは次のとおりです。

様式 使う場面
様式第3号 辞退届 交付決定後に申請を取り下げるとき
様式第4-1号 事業計画変更承認申請書 交付決定後に事業計画を変更するとき
様式第4-2号 事業中止(廃止)承認申請書 事業を中止・廃止するとき
様式第4-3号 事業者変更届 事業者に変更が生じたとき
様式第5号 事業遅延(事故)報告書 事業が遅延した、事故が発生したとき
様式第6号 実績報告書 事業完了後の報告
様式第8号 請求書 補助金の請求
様式第10-1号 財産処分承認申請書 補助金で取得した財産を処分するとき
様式第10-2号 財産移設承認申請書 取得した財産を移設するとき
様式第10-3号 財産処分結果報告書 財産処分の結果報告

財産処分と財産移設に承認申請の様式が用意されていることから、補助金で取得した備品や施設は、購入後に自由に売却・廃棄・移動できるわけではありません。

処分が制限される期間や対象となる財産の範囲は交付要綱に定められています。備品の入替えを前提にした計画を立てる場合は、申請前に交付要綱を確認してください。

まとめ|誰もが楽しめる自然体験型観光推進事業補助金(令和8年度)

  • 令和8年度は令和8年12月25日(金)必着で受付中。予算額に達した時点で締切前でも終了する
  • 補助率は5分の4。限度額は備品購入・改造のみなら200万円、施設整備を伴えば500万円
  • 補助対象期間は交付決定日〜令和9年3月31日。契約・作業・納品・支払いのすべてが期間内である必要がある
  • 提出書類は13点。登記簿謄本・印鑑証明書は発行後3か月以内、納税証明書は原本が必要
  • jGrantsを使うならGビズIDプライムの登録に2〜3週間程度、交付決定にはさらに3週間程度かかる

申請前には、東京都産業労働局の公式ページで最新の募集状況を確認し、令和8年度 募集要領申請に必要な書類のチェックリストを必ず確認してください。制度の内容について不明点がある場合は、東京都産業労働局観光部受入環境課(03-5320-4802)が問い合わせ窓口です。