東京都内で中小企業を営む方の中には、老朽化した生産設備の更新やソフトウェア導入を検討しつつも、初期投資の大きさから踏み切れずにいるケースが少なくありません。
そうした事業者の背中を押してくれるのが、公益財団法人東京都中小企業振興公社が実施する「躍進的な事業推進のための設備投資支援事業」です。
第13回(令和8年度第2回)の募集がすでに始まっており、都内に本店又は支店があり、都内で2年以上事業を継続している中小企業者等であれば申請を検討できます。
本事業では、事業区分に応じて助成対象経費の2分の1から5分の4以内、最大2億円という手厚い助成を受けられる点が最大の特徴です。
ただし申請期間が短く、第13回の受付は2026年7月24日までとなっているため、検討している方は早めの準備が欠かせません。
この記事では、制度の概要や対象者の条件、申請に必要な書類、採択率を高める事業計画書の作り方まで、順を追って詳しく解説していきます。
都内で設備投資や新事業展開を考えている中小企業の方は、ぜひ最後まで参考にしてください。
- 躍進的な事業推進のための設備投資支援事業の基本情報
- 躍進的な事業推進のための設備投資支援事業を対象者が活用すべき理由(メリット)
- 躍進的な事業推進のための設備投資支援事業を申請すべき人とそうでない人の特徴
- その他にも利用すべき補助金・助成金制度の代表例
- 躍進的な事業推進のための設備投資支援事業の申請に必要なもの
- 躍進的な事業推進のための設備投資支援事業の採択率を上げる事業計画書の作り方
- 躍進的な事業推進のための設備投資支援事業の申請手順
- 躍進的な事業推進のための設備投資支援事業を自社で申請する際の注意点
- 自社に申請ノウハウが無い場合は専門家に依頼するのもおすすめ
- 躍進的な事業推進のための設備投資支援事業を不正受給するとどうなるのか
- 躍進的な事業推進のための設備投資支援事業のまとめ
躍進的な事業推進のための設備投資支援事業の基本情報
| 制度名 | 躍進的な事業推進のための設備投資支援事業(第13回/令和8年度第2回) |
| 実施機関 | 公益財団法人東京都中小企業振興公社 |
| 対象地域 | 東京都内 |
| 対象者 | 都内に本店又は支店があり、都内で2年以上事業を継続する中小企業者等 |
| 対象業種 | 漁業、建設業、製造業、卸売業・小売業、宿泊業・飲食サービス業、医療・福祉などほぼ全業種 |
| 対象経費 | 機械装置・工具器具費、ソフトウェア費等の設備導入経費 |
| 補助上限額 | 2億円 |
| 補助率 | 事業区分に応じて2分の1〜5分の4以内 |
| 申請期間 | 2026年6月19日〜2026年7月24日 |
| 申請方法 | Jグランツによる電子申請(当サイトの代理申請も可能) |
| 問い合わせ先 | 公益財団法人東京都中小企業振興公社 企画管理部 設備支援課(電話:03-3251-7884) |
| 公募要領 | Jグランツの公募詳細ページで確認可能 |
補助金・助成金の正式名称
正式名称は「躍進的な事業推進のための設備投資支援事業」で、東京都中小企業振興公社が実施する助成事業です。
Jグランツ上では「第13回(令和8年度第2回)躍進的な事業推進のための設備投資支援事業」という名称で案内されているため、検索する際はあわせて覚えておくと便利です。
回次によって受付期間や公募内容が変わるため、過去の回次の情報と混同しないよう、常に最新の第13回の情報を確認するようにしましょう。
対象都道府県・市区町村
対象となるのは東京都内に登記簿上の本店又は支店がある事業者で、都外の事業者は利用できません。
助成対象設備を都外に設置する場合は、都内に本店があることが条件になるため、設置場所と本店所在地の両方を事前に確認しておく必要があります。
個人事業者の場合は、基準日時点で都内に開業届出があることが要件となっています。
実施機関
本事業の実施機関は公益財団法人東京都中小企業振興公社で、窓口は企画管理部設備支援課が担当しています。
制度の詳細や対象設備の該当可否など、判断に迷う点があれば設備支援課へ電話で直接問い合わせることができます。
公社は東京都が政策連携団体として位置づける中小企業支援機関であり、都の産業振興施策の一翼を担っています。
対象者(世帯・個人事業主・法人・団体・研究機関)
対象者は、基準日である令和8年7月1日現在で都内に本店又は支店の登記があり、都内で2年以上事業を継続している中小企業者等です。
個人事業者においては、基準日現在で都内に開業届出があることが申請の前提条件になります。
設立間もない企業や個人事業者は、2年以上の事業継続要件を満たしているかどうかを最初に確認しておくとよいでしょう。
対象業種
対象業種は特定の分野に限定されておらず、製造業や建設業、卸売業・小売業、宿泊業・飲食サービス業、医療・福祉、農業、林業など、ほぼすべての業種が対象になっています。
全ての業種を対象に設備投資を支援する制度である点は、業種を問わず幅広い都内中小企業にとって利用しやすいポイントといえます。
自社の業種が対象に含まれるか不安な場合は、申請前に設備支援課へ確認しておくと安心です。
対象経費
対象経費は、製品・サービスの質的向上や生産能力の拡大につながる機械設備やソフトウェアの導入経費です。
本事業は試作・開発フェーズではなく、量産フェーズにおける設備投資のみが対象となる点が大きな特徴です。
導入予定の設備が量産段階の投資に該当するかどうか判断に迷う場合は、事前に公社へ相談しておくことをおすすめします。
その他要件
賃上げ要件を適用して申請する場合、助成金の交付は2回に分けて行われる仕組みになっています。
1回目は優遇を受けない助成率(2分の1〜3分の2以内)で交付され、2回目は賃金引上げ計画の達成確認後に優遇助成率(4分の3〜5分の4以内)との差額が交付されます。
賃上げ要件を利用する場合は、基準日が属する月の前月から遡る12か月間の全従業員分(役員を除く)の賃金台帳の写しを提出する必要があります。
補助対象外となるもの
試作・開発段階で使用する設備や、量産フェーズに該当しない投資は補助対象外となります。
助成対象設備を都外に設置する場合で、都内に本店がないケースも対象外となるため注意が必要です。
このほか、公募要領に定められた要件を満たさない経費についても対象外となるため、詳細は必ず公募要領で確認してください。
申請期間
Jグランツ上の公募情報によると、第13回の受付期間は2026年6月19日から2026年7月24日までとされています。
受付期間が約1か月と短めに設定されているため、申請を検討している方は早めに書類の準備を始めることが重要です。
助成対象期間は交付決定後の令和8年12月1日から最長令和10年5月31日までとなっています。
上限金額・助成額
助成限度額は最大2億円で、大規模な設備投資にも対応できる手厚い水準に設定されています。
実際の助成額は事業区分や賃上げ要件の適用有無によって変動するため、公募要領の助成限度額の表で自社が該当する区分を確認しておく必要があります。
高額な機械設備の導入を検討している事業者ほど、この助成限度額の大きさを活用しやすい制度といえます。
補助率
補助率は事業区分に応じて助成対象経費の2分の1以内から5分の4以内までのいずれかとなります。
助成対象経費の5分の1から2分の1以上は自己負担となる仕組みのため、自己負担なしで受給できるとうたう業者の勧誘には十分注意してください。
賃上げ要件を満たすことで助成率が優遇される仕組みのため、賃金引上げ計画とあわせて資金計画を立てておくとよいでしょう。
問い合わせ先
問い合わせ先は公益財団法人東京都中小企業振興公社の企画管理部設備支援課です。
所在地は〒101-0022東京都千代田区神田練塀町3-3大東ビル2階、電話番号は03-3251-7884となっています。
個別の製品やサービスが助成対象になるかどうかの認定は公社では行っていないため、勧誘業者の説明を鵜呑みにせず、必ず公社へ直接確認するようにしましょう。
公式公募ページと確認すべきこと
最新の公募情報や交付要綱の詳細は、躍進的な事業推進のための設備投資支援事業のJグランツ公募詳細ページで確認できます。
また、助成限度額の詳細な区分や賃上げ要件の最新情報については、東京都中小企業振興公社の公式サイトにも詳しい説明が掲載されています。
申請前には公募要領・交付要綱・申請様式をあわせて確認し、最新の要件を踏まえたうえで書類を準備することが重要です。
回次ごとに助成内容や要件が見直される可能性があるため、公式情報を都度チェックする習慣をつけておきましょう。
躍進的な事業推進のための設備投資支援事業を対象者が活用すべき理由(メリット)
生産設備やソフトウェアの刷新は競争力強化に直結する一方で、まとまった初期投資が必要になるため、実行に移せずにいる中小企業も少なくありません。
この助成事業を活用すれば、事業区分に応じて助成対象経費の2分の1から5分の4以内、最大2億円まで助成を受けられるため、投資に伴う自己負担を大きく抑えながら生産性向上を進められます。
賃上げに取り組む企業には助成率の優遇措置も用意されており、人材への投資と設備投資を両立させたい企業にとって心強い後押しとなります。
助成対象期間が最長1年6か月と比較的長く確保されているため、大型設備の導入や複数工程にまたがる更新計画にも対応しやすい制度です。
業種を問わず利用できる汎用性の高さも、都内で事業を営む幅広い中小企業にとって見逃せない魅力といえます。
躍進的な事業推進のための設備投資支援事業を申請すべき人とそうでない人の特徴
- 申請すべき人
- 見送ったほうが良い人の特徴
申請すべき人
- 都内に本店又は支店があり、2年以上事業を継続している中小企業者等の方
- 老朽化した生産設備やソフトウェアの刷新を検討している方
- 量産フェーズでの設備投資をこれから計画している方
- 賃上げ計画とあわせて優遇助成率の活用を検討できる方
見送ったほうが良い人の特徴
- 都内に本店・支店がなく、都外のみで事業を営んでいる方
- 試作・開発段階の設備投資のみを予定している方
- 都内での事業継続年数がまだ2年に満たない方
- すでに設備の発注や契約を済ませてしまっている方
その他にも利用すべき補助金・助成金制度の代表例
- 新事業進出補助金
- ものづくり補助金(革新的新製品・サービス枠)
- 中小企業省力化投資補助金
- 小規模事業者持続化補助金
新事業進出補助金
既存事業の枠を超えて、より付加価値の高い新分野への進出を目指す中小企業を対象に、思い切った事業転換を後押ししてくれる国の制度です。
設備投資だけでなく、新市場での人材確保や販路開拓にかかる費用まで幅広く対象になる点が特徴です。
ものづくり補助金(革新的新製品・サービス枠)
試作品の開発や生産プロセスの革新に取り組む中小企業の設備投資を支援する、全国の事業者から広く活用されている代表的な補助金です。
試作・開発段階の投資が中心となるため、量産フェーズを対象とする本事業と組み合わせて活用することで、開発から量産までを一貫して支援してもらえる可能性があります。
中小企業省力化投資補助金
深刻な人手不足に直面する中小企業を対象に、IoTやセンサーなどの省力化製品の導入費用を支援する制度です。
カタログに掲載された製品を選ぶだけで申請できる仕組みが用意されており、初めて補助金に取り組む事業者でも着手しやすい制度といえます。
小規模事業者持続化補助金
小規模事業者が販路開拓や業務効率化に取り組む費用を、比較的少額の投資からでも支援してもらえる制度です。
商工会・商工会議所のサポートを受けながら経営計画を作成できるため、補助金申請そのものが初めての事業者にも向いています。
躍進的な事業推進のための設備投資支援事業の申請に必要なもの
- 申請に必要な書類一覧と取得方法
- 記載例はどこで確認できるか
申請に必要な書類一覧と取得方法
申請には、導入予定設備の見積書や仕様書、事業計画書、直近の決算関連書類、登記事項証明書などが必要になります。
- 交付申請書(公社所定の様式)
- 導入予定の機械設備・ソフトウェアの見積書及び仕様書
- 事業計画書(市場性・差別化・実行体制などを記載)
- 履歴事項全部証明書(法人の場合)又は開業届出の写し(個人事業者の場合)
- 賃上げ要件を適用する場合は直近12か月分の全従業員の賃金台帳の写し
様式や添付書類の詳細は交付要綱に定められているため、公募要領を熟読したうえで早めに準備を進めておくと安心です。
記載例はどこで確認できるか
申請様式や記載例の最新版は、東京都中小企業振興公社の公式サイトで公開されています。
回次ごとに様式が更新される場合もあるため、申請直前に必ず最新版をダウンロードし直すようにしましょう。
躍進的な事業推進のための設備投資支援事業の採択率を上げる事業計画書の作り方
- 市場性を具体的に書く
- 差別化ポイント(自社と他社の違い)を明確に記載
- この制度を利用する必要性・重要性を記載
- 実行体制を明記する
市場性を具体的に書く
設備投資によって生産能力や品質がどの程度向上し、受注増加や新規取引先の獲得にどうつながるのかを、根拠となる数値とともに具体的に示すことが審査上のポイントになります。
業界の需要動向や取引先からの要望の変化にも触れ、なぜ今この投資が必要なのかを客観的に説明する視点が求められます。
差別化ポイント(自社と他社の違い)を明確に記載
同業他社との違いを曖昧にしたままでは、審査担当者に投資の意義が伝わりにくくなります。
自社ならではの技術力やノウハウ、顧客基盤を踏まえ、新しい設備の導入によってその強みがどのように伸びるのかを具体的な言葉で書き分けることが大切です。
この制度を利用する必要性・重要性を記載
自己資金のみで投資した場合と比較して、本事業を活用することで資金負担やリスクをどれだけ軽減しながら計画を前倒しできるのかを示すと、説得力が高まります。
東京都が掲げる産業振興の方向性と自社の取り組みがどのように合致しているのかを明記することも欠かせません。
実行体制を明記する
設備の導入から稼働開始後の運用まで、誰がどのような役割を担い、どのようなスケジュールで進めるのかを具体的に記載しておくと、審査担当者に安心感を与えられます。
設備メーカーや外部の専門家と連携する場合は、それぞれの役割分担も明確にしておきましょう。
躍進的な事業推進のための設備投資支援事業の申請手順
- 東京都中小企業振興公社の公式サイトや公募要領で最新の対象要件・スケジュールを確認する
- Jグランツにアカウントを登録し、GビズIDを取得する
- 導入予定の設備・ソフトウェアの見積書や事業計画書などの必要書類を準備する
- 賃上げ要件の適用を希望する場合は、直近12か月分の賃金台帳の写しなど追加書類も準備する
- Jグランツ又は公社所定の方法で申請書類一式を提出する
- 公社による審査を経て、交付決定通知を受け取る
- 交付決定後に設備を導入し、令和10年5月31日までの助成対象期間内に事業を完了させる
- 実績報告を提出し、確定検査を経て助成金が交付される
躍進的な事業推進のための設備投資支援事業を自社で申請する際の注意点
交付決定前に設備の発注や契約を行ってしまうと、原則として助成対象外になるため、申請から交付決定までは着手を控える必要があります。
本事業は試作・開発段階の経費を対象としておらず、量産フェーズの設備投資のみが対象となる点を必ず確認しておく必要があります。
賃上げ要件を適用する場合は全従業員分の賃金台帳の写しなど提出書類が増えるため、余裕を持ったスケジュールで準備を進めることが大切です。
「自己負担なしで助成金を受給できる」といった業者からの勧誘には注意し、不明な点は公社へ直接確認する姿勢が重要です。
自社に申請ノウハウが無い場合は専門家に依頼するのもおすすめ
- 制度選定の精度が上がる
- 事業計画の質が上がる
- 採択後の実務まで見据えられる
制度選定の精度が上がる
国や都道府県、市区町村にはそれぞれ設備投資を支援する制度が数多く存在するため、自社の投資計画に最も適した制度を漏れなく見極めるには専門的な知見が欠かせません。
中小企業診断士などの専門家に相談すれば、本事業と他の補助金を組み合わせられないかといった提案を受けられることもあります。
事業計画の質が上がる
専門家は過去の採択事例や審査の傾向を熟知しているため、設備投資の効果をより説得力のある形で事業計画書に反映させるサポートが期待できます。
第三者の視点でチェックしてもらうことで、自社だけでは気づきにくい記載漏れや説明不足を事前に防ぐことができます。
採択後の実務まで見据えられる
交付決定後も、実績報告や確定検査への対応など、事務手続きは継続して発生します。
専門家に継続してサポートしてもらうことで、書類不備によるやり直しや助成対象期間内の完了遅れといったリスクを抑えられます。
躍進的な事業推進のための設備投資支援事業を不正受給するとどうなるのか
- 助成決定の取消しと返還義務が生じるケース
- 不正が疑われる場合の相談・通報先について
助成決定の取消しと返還義務が生じるケース
見積書の内容を偽ったり、実際には量産フェーズに該当しない投資をあたかも対象であるかのように装って申請したりする行為は不正受給にあたります。
不正が発覚した場合、東京都中小企業振興公社によって交付決定が取り消され、すでに受け取った助成金の返還を求められる可能性があります。
公社の案内でも注意喚起されているとおり、キャッシュバックや協賛金等の名目で実質的な助成額を偽る行為も虚偽申請とみなされ、悪質な場合は事業者名の公表など社会的信用に関わる対応が取られる可能性も否定できません。
不正が疑われる場合の相談・通報先について
自社の申請内容に不安がある場合や、周囲で不正受給が疑われる事例を見聞きした場合は、公益財団法人東京都中小企業振興公社の企画管理部設備支援課へ相談することができます。
制度の趣旨を正しく理解し、事実に基づいた書類で申請することが、結果的に自社の信用を守ることにもつながります。
躍進的な事業推進のための設備投資支援事業のまとめ
躍進的な事業推進のための設備投資支援事業は、都内に本店又は支店があり2年以上事業を継続する中小企業者等が、量産フェーズの機械設備やソフトウェアを導入する際の費用を、最大2億円・補助率2分の1〜5分の4以内という手厚い水準で支援してくれる制度です。
第13回の受付期間は2026年7月24日までと短いため、申請を検討している方はできるだけ早く準備に着手することが重要です。
試作・開発フェーズは対象外である点や、交付決定前の発注が対象外になる点など、申請前に確認すべきポイントを正確に押さえたうえでスケジュールを組みましょう。
最新の公募状況や申請様式は、躍進的な事業推進のための設備投資支援事業のJグランツ公募詳細ページと東京都中小企業振興公社の公式サイトで随時確認できます。
自社での準備に不安がある場合は、専門家の力も借りながら、都内での設備投資と事業拡大を着実に進めてください。
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