東京都中小企業振興公社の「事業承継を契機とした成長支援事業(販路開拓コース)」は、令和8年度第1回の申請受付が令和8年7月31日(金)16時で終了しました。
次の申請機会は第2回で、受付期間は令和8年10月13日(火)9時から11月12日(木)16時までです。
この記事は、第1回に間に合わなかった後継者の方が、第2回に向けて「自社が申請要件を満たすか」「いくら助成され、いくら自己負担になるか」「何をいつまでに準備すべきか」を判断できるように、令和8年度第1回募集要項と公式FAQをもとに整理したものです。
助成限度額は300万円、助成率は助成対象経費の3分の2以内です。ただし市場調査費と専門家指導費には経費区分ごとに50万円の上限があり、消費税は自己負担になります。
※本記事の要件・金額は令和8年度第1回募集要項に基づいています。第2回の募集要項は本記事作成時点(2026年8月3日)では未公開のため、申請前に公社の公式ページで最新版を必ず確認してください。
令和8年度の受付状況|第1回は終了、第2回は10月13日から
第1回(令和8年7月1日~7月31日)の受付は終了
公社は令和8年7月31日付のお知らせで「令和8年度第1回販路開拓コースの募集は終了しました」と公表しています。Jグランツの第1回申請フォームも受付終了となっており、現時点で第1回に申請することはできません。
第1回に申請した事業者の今後のスケジュールは、面接審査が令和8年10月14日(水)~10月20日(火)、交付決定日が令和8年11月上旬の予定です(第1回募集要項3ページ)。
第2回は令和8年10月13日9時~11月12日16時
公社の募集予定表と、東京都の報道発表資料(令和8年5月18日)には、販路開拓コース第2回の申請受付期間として「令和8年10月13日(火)9時から11月12日(木)16時まで」が示されています。
第2回の募集要項は本記事作成時点では未公開です。第1回の募集要項が公社サイトに掲載されたのは令和8年6月24日で、受付開始の約1週間前でした。第2回も受付開始の直前に公開される可能性があるため、要件や対象経費が第1回から変更されていないかを公開後に確認する必要があります。
締切前に受付が終了する場合がある
第1回募集要項の冒頭には「申請受付期間内の申請であっても、申請額の集計等により、予算に到達した場合には、受理できない場合があります」と明記されています。
公式FAQでも、Jグランツの画面に「申請する」ボタンが表示されない理由として「申請が当該募集回の上限数に到達し、予定期日前に募集を締め切った場合」が挙げられています。11月12日という締切日だけを目安に準備を進めると、申請できないまま募集が終わる可能性があります。
事業承継を契機とした成長支援事業(販路開拓コース)の基本情報
| 項目 | 内容 |
| 正式名称 | 事業承継を契機とした成長支援事業(販路開拓コース) |
| 実施機関 | 公益財団法人 東京都中小企業振興公社(東京都) |
| 年度・募集回 | 令和8年度 第2回(第1回は令和8年7月31日16時で受付終了) |
| 現在の受付状況 | 受付前(第2回は令和8年10月13日9時開始予定) |
| 申請受付期間(第2回) | 令和8年10月13日(火)9時 ~ 11月12日(木)16時 |
| 対象地域 | 東京都(都内に本店または支店の登記があること) |
| 対象者 | 令和3年4月1日から申請日の前日までに事業承継し、事業承継を契機として新規販路開拓に取り組む都内中小企業者(個人事業者を含む) |
| 助成対象経費 | 市場調査費/専門家指導費/販売促進費/展示会出展費 |
| 助成限度額 | 300万円(千円未満切捨て) |
| 助成率 | 助成対象経費の3分の2以内(経費区分ごとに計算) |
| 助成対象期間 | 交付決定日から1年間 |
| 申請方法 | Jグランツによる電子申請(GビズIDプライムが必要) |
| 審査 | 書類審査+面接審査(原則対面) |
| 問い合わせ先 | 事業承継を契機とした成長支援事業事務局 TEL:03-4446-4650(平日9:00~16:30) |
上記は令和8年度第1回募集要項および公社公式ページに基づく内容です。以下では、この表だけでは判断できない「自社が対象になるか」「いくら自己負担になるか」「何をいつまでに準備するか」を掘り下げます。
30秒でわかる申請対象チェック|第2回に申請できるか
この助成金は「東京都内の中小企業であること」だけでは対象になりません。事業承継の時期、承継の形態、法人格、事業所の所在地の4点で判定します。以下は令和8年度第1回募集要項4~6ページの申請要件と公式FAQに基づく確認項目です。
1. 事業承継の時期が「承継期間」に入っているか
承継期間は、令和3年4月1日(木)から本事業の申請日の前日までです。
募集要項では、この要件は「申請日の前日(基準日1)又は令和6年3月31日(基準日2)から遡って3年以内に事業承継が実施された場合のいずれかに該当すること」と説明されています。2つの基準日のどちらかで3年以内に収まれば要件を満たします。
なお、これから代表交代を予定している段階では対象になりません。申請時点で承継が完了していることが前提です。
2. 承継の形態が公式の類型に当てはまるか
法人の場合は、次の3類型のいずれかを満たす必要があります。
- 同一法人における事業承継…承継期間内に代表権の移転(後継者が代表に就任し、先代が退任)があり、かつ後継者または後継者が代表を務める別法人が株主であること
- M&Aにおける事業承継(事業譲渡)…後継者が譲受会社の代表かつ株主であり、承継期間内に事業の全部または重要な部分の引継ぎと、譲渡企業の廃業(解散・消滅等)があったこと
- M&Aにおける事業承継(株式譲渡)…後継者が譲受会社の代表で、譲受会社側が申請者となり、承継期間内に譲渡会社の株式が後継者等へ移転し、譲渡会社の代表者が退任していること
個人事業者の場合は、承継期間内に「後継者が開業し、先代が廃業」していること、かつ先代から後継者へ事業用資産が引き継がれていることの両方が必要です。
また法人は、後継者以外に黄金株(拒否権付種類株式)が付与されていないことも要件に含まれます。
3. 法人格と事業所の所在地の条件を満たすか
公式FAQでは、中小企業の定義は「会社(株式会社、合同会社、合名会社、合資会社、相互会社、有限会社)及び個人」とされ、医療法人・学校法人・宗教法人・社会福祉法人・NPO法人・公法人は中小企業に該当しないと明記されています。
所在地の判定は次のとおりです。
- 都外に法人登記があっても、支店の登記が都内にあれば申込できます(公式FAQ Q16)
- 都内に登記があり事業所が都外にある場合は、その事業所が神奈川県、埼玉県、千葉県、群馬県、栃木県、茨城県、山梨県に所在する場合に限り申込できます(公式FAQ Q17、募集要項5ページ)
- 個人事業者は、税務署に提出済みの個人事業の開業・廃業等届出書の写しで、納税地・主たる事業所等が都内にあることを確認できることが必要です
4. 申請できないケースに当てはまっていないか
募集要項に明記されている主な除外条件は次のとおりです。
- 本事業で過去に交付決定を受けている(交付決定を受けた場合は再申請できません。不採択だった場合は再申請可能です/公式FAQ Q15)
- 事業税等を滞納(分納)している。住民税・事業税等に未納がある場合は申請できません(公式FAQ Q24)
- 大企業が実質的に経営に参画している(大企業が単独で発行済株式総数等の2分の1以上、複数で3分の2以上を所有・出資している場合など)
- 風俗関連業、ギャンブル業、賭博等、または連鎖販売取引、送り付け商法、催眠商法、霊感商法などを営んでいる
- 申請日までの過去5年間に、公社・国・都道府県・区市町村等が実施する助成事業等に関して不正等の事故を起こしている
助成額と自己負担額の計算|経費区分ごとの上限と消費税の扱い
計算のルールは「経費区分ごとに3分の2」
募集要項16ページには「助成金申請額は、経費区分毎に3分の2を乗じて計算します(千円未満切り捨て)」と記載されています。総額に一括で3分の2を掛けるのではなく、経費区分ごとに計算する点が本制度の特徴です。
また、次の2区分には区分ごとの上限額が設定されています。
- 市場調査費…上限50万円
- 専門家指導費…上限50万円
- 販売促進費…区分ごとの上限なし
- 展示会出展費…区分ごとの上限なし
販売促進費と展示会出展費に区分上限はなく、全体の助成限度額300万円が上限になります。単独の経費区分だけで申請することも可能です。
計算例(想定例)
公式FAQ Q5には、次の例が示されています。
- 助成対象となる90万円(税抜)の広告宣伝を実施した場合、90万円の3分の2である60万円が助成金として支払われる
- 残りの30万円と消費税9万円は事業者が負担する
この考え方をふまえた想定例は次のとおりです(実際の採択事例ではありません)。
| ケース(いずれも税抜) | 助成額の計算 | 自己負担 |
| 展示会出展費300万円 | 300万円×2/3=200万円 | 100万円+消費税30万円 |
| 市場調査費80万円 | 区分上限50万円を適用し、50万円×2/3=33万3千円(千円未満切捨て) | 80万円-33万3千円=46万7千円+消費税8万円 |
| 販売促進費450万円 | 450万円×2/3=300万円(助成限度額に到達) | 150万円+消費税45万円 |
助成限度額300万円を受け取るには、助成対象と認められる経費が税抜450万円必要になる計算です。300万円を超える分は自己負担となります。
消費税は助成対象外になる
募集要項の「主な助成対象外経費の例」には「租税公課(消費税、印紙代等)」が挙げられており、公式FAQ Q5でも消費税は事業者負担と明示されています。
自己負担額を見積もるときは、対象経費の3分の1だけでなく、対象経費にかかる消費税の全額を加えて計算してください。さらに助成金は後払いのため、事業実施中は消費税込みの全額を自社で立て替える必要があります。
助成対象経費と対象外経費の境界線
助成対象となる4つの経費区分
| 経費区分 | 区分上限 | 主な内容 |
| 市場調査費 | 50万円 | 顧客ニーズ、トレンドなどの調査・分析を外部事業者に依頼する経費(マーケティング、モニター調査、顧客ニーズ調査など) |
| 専門家指導費 | 50万円 | 外部専門家からの指導・助言に要する謝金・交通費、外部研修の受講料など |
| 販売促進費 | なし | 印刷物製作費/動画制作費/広告掲載費/サイト制作・改修費/EC出店初期登録料/ポップアップストア出店費 |
| 展示会出展費 | なし | 出展小間料/資材費/輸送費/通訳費/オンライン出展基本料 |
公社は取組の対象について「新製品・新サービスのほか、既存製品・サービスも対象とした新規販路開拓」と説明しており、公式ページには「服飾雑貨店が初めてフェアに出展して自社製品を紹介する」「家具製造会社が既製の民芸家具を海外に販売するためのECサイトを制作する」という取組例が示されています(実際の採択事例ではなく、公社が示す取組例です)。
販売促進費で判断を間違えやすい線引き
- サイト制作・改修費…自社サイトを初めて制作する場合、または既存の自社サイト(複数所有ならそのすべて)を全ページ変更して一新する場合に限られます。特定のサイトだけの改修や、別サイトの追加は対象外です。予約・決済システム、顧客・会員システム、自社ECなど販売管理システムを含む場合や、ドメイン維持費・レンタルサーバー費などの運用費も対象外です
- EC出店初期登録料…モール型ECサイトへ初めて出店する際の初期登録料のみが対象です。クラウドファンディングやフリーマーケットのサイトへの登録料、初期登録料以外の経費は対象外です
- 印刷物製作費…名刺、はがき、うちわ、ノベルティ、DM、招待状、会報誌は対象外です。外注せず自ら製作する印刷物(セルフコピー代等)も対象外です
- 広告掲載費…掲載する媒体の発行事業者との直接契約が原則で、Web広告はバナー広告・SNS広告・リスティング広告に限られます。他社名や他社の連絡先が表示されている広告、リンク先が申請者以外のWebサイトである広告も対象外です
- ポップアップストア出店費…出店場所は1カ所のみが対象です。恒常的に催事出店や期間限定ショップを展開している場合は通常の営業活動とみなされ対象外になります
展示会出展費で対象になる展示会の条件
募集要項では、助成対象となる展示会を10項目で定義しています。主な条件は次のとおりです。
- 商談を主たる目的とした展示会等であること(一般消費者への直接販売を主目的とする出展は対象外)
- 出展要項が主催者により発行され、公開されていること
- 展示会の会期が助成対象期間内であること
- 特定の顧客(会員等)のみを対象としている展示会でないこと
- 自社が主催または運営に携わる展示会でないこと
- 助成対象商品が主たる展示であること(小間内の概ね8割程度を占めていること)
- 起業家・ファンド等からの資金調達を目的とした出展でないこと
- オンライン展示会は、リアルタイムで商談できるオンラインシステム(チャット機能等)があること
出展小間料は会期と支払いが助成対象期間内であれば、申込み・契約は助成対象期間前でも対象になります。ここは「交付決定前の発注は対象外」という原則の例外にあたるため、展示会の申込時期を検討する際の判断材料になります。
全区分に共通して対象外となる経費
- 製品・サービスの開発・改良に要する経費、会社を整備するための物品購入経費
- 直接人件費、租税公課(消費税、印紙代等)
- 間接経費(振込手数料、通信費、光熱費、自社の交通費、保険料、飲食費、雑費など)
- 汎用性があり目的外使用になり得るもの(テレビ、パソコン、文書作成・表計算ソフト等)の購入費
- 親会社、子会社、グループ企業等の関連会社や、代表者の三親等以内の親族が経営する会社との取引に係る経費
- 再委託(委託先からさらに別の業者へ主要な業務または業務全部を委託)が行われている場合の経費
- 現金、手形・小切手、電子マネーによる支払い(現金は税抜10万円以下の契約に限り、明細を提出できる場合のみ対象)
第2回の締切から逆算する準備スケジュール
第2回の申請締切は令和8年11月12日(木)16時です。ここでは、公式に日数や期限が示されている準備項目を逆算して整理します。
GビズIDプライムは発行の審査に1週間程度かかる
Jグランツでの申請にはGビズIDのプライムアカウントが必要です。公社の公式ページには「gBizIDプライムアカウント発行には、書類に問題が無い場合、審査に1週間程度要するとされています」と記載されています。書類に不備があればさらに時間がかかります。すでにアカウントを保有している場合、この手続きは不要です。
行政書士等に代理申請を依頼する場合は、GビズID上で委任者・受任者双方のマイページで委任申請と承認作業が必要になり、加えて公社様式の「同意書(代理申請用)」をJグランツの申請フォームにアップロードします。なお、申請の確認および提出は申請者自身が行う必要があります。
発行後3か月以内という期限がある書類
- 履歴事項全部証明書、閉鎖事項全部証明書、別法人の履歴事項全部証明書…いずれも発行後3か月以内(法務局)
- 法人の納税証明書…法人事業税および法人都民税(都税事務所)
- 個人事業者の納税証明書…個人事業税納税証明書(都税事務所)または所得税納税証明書その1(税務署)、および住民税納税証明書または住民税非課税証明書(市区町村役所)
- 株主名簿は直近のもの、定款は最新のもの、確定申告書は直近2期分
登記事項証明書には発行後3か月以内という条件があるため、早く取得しすぎると申請時点で期限切れになります。11月12日の締切から逆算すると、8月中旬以降に取得したものが有効な範囲に入ります。
見積書は税抜30万円・100万円が分岐点
- 一契約あたり税抜30万円以上の申請経費…見積書、仕様書、カタログ等の提出が必要
- 一契約あたり税抜100万円以上の申請経費…2社以上の見積書(相見積)が必要。ただし展示会の出展小間料は相見積不要
- 特段の理由により相見積ができない場合…申請様式に内包された「見積限定理由書」を使用
見積書は「一式」や大項目のみの記載では足りず、仕様書に記載された項目ごとに金額の算定根拠がわかるものが求められます。見積書が外貨建ての場合は、換算に用いた公表仲値を示す資料の添付も必要です。なお、見積り自体は交付決定日以前のものでも構いません(公式FAQ Q28)。
提出後の追加提出・差替えはできない
公式FAQ Q25~Q27では、申請後の書類の追加提出も差替えもできず、書類が不足したまま申請すると不採択になると明記されています。締切直前に「とりあえず申請しておき、後から書類を足す」という進め方はできません。
提出ファイル名は「法人名(屋号)_提出書類名_提出日付」の形式が指定されており、申請書はxlsまたはxlsx、その他の添付書類は画像(JPG、JPEG、PNG)またはPDFが推奨されています。iPhone・iPadで撮影した画像はHEIF形式では提出できないため、カメラ設定を「互換性優先」に変更するなどの対応が必要です。
書類審査・面接審査と、申請が受理されない条件
公式に示されている審査の視点
募集要項21ページには、書類審査・面接審査ともに次の5つの視点で審査すると記載されています。
- 新規性(新規販路の拡大を図った取組か)
- 必要性・市場性(企業にとって必要な取組か、顧客・市場に需要がある取組か)
- 実現性(経営体制、事業内容、実施体制、スケジュール、資金計画は実現可能なものか)
- 優秀性(事業者としての創意工夫が見られるか)
- 自己分析力(自社の現状、取り巻く状況を適切に理解しているか)
公式FAQ Q31には「取組内容が新規販路開拓に該当すれば交付決定されるのか」という問いに対し、書類審査・面接審査で様々な角度から内容を確認し総合的に判断すると回答されています。また審査の内容や結果、不採択の理由についての個別の問い合わせには回答されません(公式FAQ Q41)。
面接審査は原則対面で行われる
書類審査を通過すると、専門家による面接審査があります。公式に示されている条件は次のとおりです。
- 原則対面形式で行われ、オンラインでの受験はできない(公式FAQ Q37)
- いずれか1日、1時間程度
- 出席できるのは事業者の代表者、役員・従業員に限られ、最大2名まで。顧問や経営コンサルタント等の同席・代理出席は不可
- 録音が可能な機器、撮影機器、デジタルカメラ等の電子機器類は会場に持ち込めない
- 日程の変更はできない。面接日程は面接審査期間の概ね3週間前にメールで通知される(公式FAQ Q34)
- 面接は日本語で行われる。通訳の同席は可能だが、認められるのは申請者と面接官の意思疎通のための言語変換のみ
- 指定の日時に来場しない場合は、申請を辞退したものとみなされる
第1回の面接審査期間は令和8年10月14日(水)~10月20日(火)でした。第2回の面接審査期間は第2回募集要項で示されるため、公開後に日程を確保しておく必要があります。
申請が受理されない・不採択となる公式に示された条件
- 提出書類に不備・不足がある、または申請要件を満たしていない場合は不採択(募集要項20ページ「申請書類の確認」)
- 書類が不足したまま申請した場合、追加提出・差替えはできず不採択となる(公式FAQ Q25~Q27)
- 住民税・事業税等に未納がある場合は申請できない(公式FAQ Q24)
- 申請額の集計等により予算に到達した場合、受付期間内でも受理されないことがある
- 申請が当該募集回の上限数に到達した場合、予定期日前に募集が締め切られることがある(公式FAQ Q19・Q20)
結果が分かるまでの期間
公式FAQ Q32によると、書類審査の結果は受付締切から概ね2か月程度、面接審査の結果は面接審査の終了後、概ね1か月程度で通知される予定とされています。申請の件数や内容により時期が前後する可能性があるとも記載されています。
一般コースとの違いと、他制度との併願可否
一般コースと販路開拓コースの比較
| 項目 | 一般コース | 販路開拓コース |
| 助成限度額 | 800万円 | 300万円 |
| 助成率 | 助成対象経費の3分の2以内(賃金引上げ計画を策定し実施した場合は4分の3以内、うち小規模企業は5分の4以内) | 助成対象経費の3分の2以内(賃上げによる上乗せなし) |
| 助成対象経費 | 新製品・サービスの開発から販売促進等までに必要な経費(原材料費、機械装置・工具器具費、委託・外注費、販売促進費等) | 既存製品・サービス、新製品の新規販路開拓に必要な経費(市場調査費、専門家指導費、販売促進費、展示会出展費) |
| アドバイザー派遣 | あり(採択事業者に専門家を派遣、1社2回・無料) | なし |
| 令和8年度の受付期間 | 第1回:5月18日~6月17日/第2回:9月1日~9月30日 | 第1回:7月1日~7月31日(終了)/第2回:10月13日~11月12日 |
出典:東京都報道発表資料(令和8年5月18日)、公社「事業承継を契機とした成長支援事業(一般コース)」。
新製品や新サービスの開発そのものに費用がかかる計画であれば一般コース、開発ではなく既存製品・サービスをどう売るかに費用が集中する計画であれば販路開拓コースが対応します。販路開拓コースでは「製品・サービスの開発・改良の取組」「会社を整備するための物品購入」が明確に対象外とされているため、開発費を含む計画は販路開拓コースでは通りません。
また、賃上げによる補助率の上乗せは一般コースにのみ設けられており、販路開拓コースの助成率は一律で3分の2以内です。
併願できるもの・できないもの
- 一般コースと販路開拓コースの併願はできません(公社公式ページに明記)
- 公社が実施する他の助成事業とも、同一テーマ・内容での併願申請はできません(公式FAQ Q10)
- 他の公的機関の補助金等とは併願申請が可能です。ただし同一テーマで二重に助成金を受け取ることはできず、両方採択された場合は一方を辞退することになります(公式FAQ Q9)
一般コース第2回の受付は令和8年9月1日~9月30日、販路開拓コース第2回は10月13日~11月12日で、受付期間が重なっていません。どちらのコースで申請するかは、一般コースの受付が始まる9月1日までに判断しておく必要があります。
交付決定後の流れと、助成金が振り込まれるまでの資金繰り
助成金は精算払い(後払い)
募集要項には「助成金の交付額は実績に基づく『精算払い(後払い)』です。助成事業の実施の段階では、事業者自身で資金を用意する必要があります」と記載されています。交付決定を受けた時点では入金はありません。
さらに、交付決定額は助成金の上限を示すもので、実施状況や完了検査の結果により減額されることがあります(公式FAQ Q8)。
交付決定から入金までの流れ
募集要項に示されている流れは次のとおりです。
- 交付決定(第1回は令和8年11月上旬予定)
- 助成事業の実施(交付決定日から1年間)
- 実績報告(助成事業の完了後、原則1か月以内)
- 完了検査(書類確認に加え、公社職員等が実施場所を訪問し現地確認・原本照合)
- 助成金額の確定(完了検査から1か月程度)
- 助成金の請求
- 助成金の支払い(請求から1か月程度)
支払方法は助成事業者名義の金融機関口座からの振込が原則です。役員や社員の個人口座からの振込は対象外になります。クレジットカード払いは、法人は法人カード、個人は代表者の個人カードで決済し、利用日と口座からの引き落とし日の両方が助成対象期間内に収まる場合に限られます。手形・小切手・電子記録債権による支払いは一切認められません。
交付決定前の発注・契約は対象外
助成対象期間は交付決定日から1年間で、この期間内に契約・実施・支払が完了した経費のみが対象です。募集要項では、対象外となる頻出例として「交付決定を受ける前に発注・契約等をした場合」「発注の遅れ等により納品日が助成対象期間を超えた場合」「クレジットカードで支払ったが銀行口座からの引き落とし日が助成対象期間を超えた場合」が挙げられています。
採択後に発生する義務
- 助成事業に係る関係書類は、助成事業が完了した年度の翌年度から起算して5年間保管する
- 取得価格または増加価格が税抜50万円以上の財産は、実績報告書に記載のうえ公社配布のステッカーを貼って管理し、5年を経過する日まで保存する
- その財産を目的外使用、売却、譲渡、交換、貸付、担保提供、廃棄する場合は、事前に財産処分承認申請書を提出して公社の承認を受ける。処分により収入があった場合は助成金の全部または一部を納付する
- 助成対象期間中および終了後概ね5年程度、公社職員等による立入り調査や報告の求めに応じる
- 交付決定の内容と異なる事実、偽りその他不正の手段による受給等が判明した場合は、交付決定の取消しと助成金(違約加算金及び延滞金を含む)の返還が求められ、不正の内容と事業者名が公表されることがある
まとめ|第2回に向けて今できること
- 令和8年度第1回の受付は令和8年7月31日16時で終了しました。現時点で申請できる回はありません。
- 次の機会は第2回で、令和8年10月13日(火)9時から11月12日(木)16時までの受付が予定されています。第2回の募集要項は未公開のため、公開後に要件・対象経費の変更点を確認してください。
- 申請できるのは、令和3年4月1日から申請日の前日までに事業承継し、承継の類型(代表権の移転・株主要件など)を満たす都内中小企業者(個人事業者を含む)です。医療法人・学校法人・NPO法人等は対象になりません。
- 助成限度額は300万円、助成率は経費区分ごとに3分の2(千円未満切捨て)です。市場調査費と専門家指導費は各50万円が区分上限で、消費税は自己負担になります。
- GビズIDプライムの発行には審査に1週間程度、登記事項証明書には発行後3か月以内という条件があります。書類の追加提出・差替えはできないため、締切当日ではなく書類の有効期限から逆算して準備を進めてください。
- 助成金は精算払いです。交付決定後も事業実施中は消費税を含む全額を自社で立て替える資金が必要になります。
制度の最新情報および第2回の募集要項は、東京都中小企業振興公社「事業承継を契機とした成長支援事業(販路開拓コース)」で確認できます。
-1200-x-400-px-3.png)
