令和8年度エネルギー・製造プロセス転換支援事業|補助率と対象を徹底解説

補助金

カーボンニュートラルの実現は、いまや日本の産業界にとって避けて通れないテーマになっています。

特に化学や紙パルプ、セメントといった、製造工程でどうしても多くの二酸化炭素を排出してしまう産業では、その転換に多額の設備投資が欠かせません。

こうした課題に応えるため、国は令和8年度排出削減が困難な産業におけるエネルギー・製造プロセス転換支援事業を通じて、企業の設備投資を後押ししています。

本事業では、燃料転換や製造プロセス転換に必要な経費の一部を、原則3分の1以内(構造転換の場合は2分の1以内)の補助率で支援します。

受付期間は令和8年8月7日の正午までで、申請は補助金申請システム「Jグランツ」を通じた電子申請に限られています。

この記事では、制度の対象者や対象経費、申請の手順から採択率を高める工夫までを、順を追ってわかりやすくご説明します。

  1. エネルギー・製造プロセス転換支援事業の基本情報
    1. 補助金・助成金の正式名称
    2. 対象都道府県・市区町村
    3. 実施機関
    4. 対象者(世帯・個人事業主・法人・団体・研究機関)
    5. 対象業種
    6. 対象経費
    7. その他要件
    8. 補助対象外となるもの
    9. 申請期間
    10. 上限金額・助成額
    11. 補助率
    12. 問い合わせ先
    13. 公式公募ページと確認すべきこと
  2. エネルギー・製造プロセス転換支援事業を対象者が活用すべき理由(メリット)
  3. エネルギー・製造プロセス転換支援事業を申請すべき人とそうでない人の特徴
    1. 申請すべき人
    2. 見送ったほうが良い人の特徴
  4. その他にも利用すべき補助金・助成金制度の代表例
    1. 新事業進出補助金(新事業進出・ものづくり補助金 新事業進出枠)
    2. ものづくり補助金(革新的新製品・サービス枠)
    3. 中小企業省力化投資補助金
    4. 小規模事業者持続化補助金
  5. エネルギー・製造プロセス転換支援事業の申請に必要なもの
    1. 申請に必要な書類一覧と取得方法
    2. 記載例はどこで確認できるか
  6. エネルギー・製造プロセス転換支援事業の採択率を上げる事業計画書の作り方
    1. 市場性を具体的に書く
    2. 差別化ポイント(自社と他社の違い)を明確に記載
    3. この制度を利用する必要性・重要性を記載
    4. 実行体制を明記する
  7. エネルギー・製造プロセス転換支援事業の申請手順
  8. エネルギー・製造プロセス転換支援事業を自社で申請する際の注意点
  9. 自社に申請ノウハウが無い場合は専門家に依頼するのもおすすめ
    1. 制度選定の精度が上がる
    2. 事業計画の質が上がる
    3. 採択後の実務まで見据えられる
  10. エネルギー・製造プロセス転換支援事業を不正受給するとどうなるのか
    1. 交付決定の取消しと補助金の返還
    2. 停止措置や社名公表といった処分
  11. エネルギー・製造プロセス転換支援事業のまとめ

エネルギー・製造プロセス転換支援事業の基本情報

正式名称令和8年度排出削減が困難な産業におけるエネルギー・製造プロセス転換支援事業
対象地域全国(日本国内)
実施機関本事業事務局(経済産業省関連事業)
対象者国内に登記された法人(化学・紙パルプ・セメント等の排出削減が困難な産業の事業者)
対象業種製造業
対象経費設計費、建物等取得費、設備費、システム整備費
事業区分燃料転換・製造プロセス転換・構造転換
申請期間令和8年6月9日〜令和8年8月7日 正午
補助上限額公募要領を確認してください(金額の明示なし)
補助率原則3分の1以内(構造転換の場合は2分の1以内)
申請方法Jグランツによる電子申請(GビズIDプライムが必要)
代理申請不可

補助金・助成金の正式名称

本事業の正式名称は、令和8年度排出削減が困難な産業におけるエネルギー・製造プロセス転換支援事業です。

名称のとおり、脱炭素化に伴う設備投資の負担が特に重い産業を対象としています。

本事業は「事業Ⅱ(化学・紙パルプ・セメント等)」を対象としており、燃料転換・製造プロセス転換・構造転換の3区分に分かれています。

対象都道府県・市区町村

対象地域は特定の自治体に限定されておらず、日本国内であれば全国の事業者が申請できます。

要件を満たす法人であれば、所在地にかかわらず対象となる点が本事業の大きな特徴です。

ただし、事業の実施場所は国内にあることが前提となります。

実施機関

本事業は、国の脱炭素政策の一環として実施されており、運営は本事業の事務局が担っています。

公募や交付に関する実務は事務局が窓口となり、Jグランツを通じて申請を受け付けています。

制度の根拠は、補助金等に係る予算の執行の適正化に関する法律などに置かれています。

対象者(世帯・個人事業主・法人・団体・研究機関)

対象となるのは、日本国内に登記された法人です。

化学・紙パルプ・セメントなど、製造工程で排出削減が難しい産業の事業者が主な対象となります。

2030年度のScope1・Scope2排出削減目標を設定し、第三者検証による実績報告や公表を行うことなどが求められます。

単独では事業が成立しない場合など、一定の条件を満たせば複数事業者による共同申請も認められています。

対象業種

対象業種は製造業であり、なかでも排出削減が困難とされる産業が想定されています。

具体的には、化学、紙パルプ、セメントといった、エネルギー多消費型の製造業が中心です。

これらの産業では、生産プロセスそのものの見直しが脱炭素の鍵を握ります。

対象経費

補助の対象となる経費は、間接補助事業に必要な設計費、建物等取得費、設備費、システム整備費です。

自家発電設備等の燃料転換や、製造プロセスの転換に直接必要となる投資が幅広く含まれます。

経費の詳細な区分は公募要領に定められているため、申請前に必ず確認してください。

その他要件

応募にあたっては、2026年度以降のGXフューチャー・リーグに参加し、排出量の実績を報告することが求められます。

また、事業を的確に遂行できる組織・人員と、円滑な遂行に必要な経営基盤や資金管理能力を備えていることも要件です。

補助金交付等の停止措置を受けていないことや、暴力団排除要件に該当しないことも確認されます。

補助対象外となるもの

制度の趣旨に合致しない経費や、事業区分の要件を満たさない投資は補助の対象外となります。

脱炭素効果が確認できない設備や、国内の事業実施場所を伴わない投資は認められない可能性が高い点に注意が必要です。

対象外の範囲は公募要領に細かく規定されているため、事前の確認が欠かせません。

申請期間

受付期間は、令和8年6月9日から令和8年8月7日の正午までとなっています。

締切は正午で区切られるため、当日の午後に申請しようとすると間に合わない点に十分ご注意ください。

余裕をもって書類を整え、早めに電子申請を済ませることをおすすめします。

上限金額・助成額

補助上限額については、Jグランツの詳細ページ上では具体的な金額が明示されていません。

そのため、上限額や交付額の考え方については、公募要領を確認して把握しておくことが重要です。

投資規模が大きくなりやすい事業であるため、資金計画は補助率とあわせて慎重に立てましょう。

補助率

補助率は、原則として対象経費の3分の1以内です。

ただし、事業区分が「構造転換」に該当する場合は、2分の1以内まで補助率が引き上げられます。

どの区分に該当するかによって自己負担額が変わるため、区分の見極めが重要になります。

問い合わせ先

申請に関する問い合わせは、本事業の事務局が平日に受け付けています。

制度の詳細や申請様式については、Jグランツの公募詳細ページと事業の特設サイトを必ず確認してください。

不明点は早い段階で事務局に相談し、疑問を解消しておくと安心です。

公式公募ページと確認すべきこと

最新かつ正確な情報は、公式の一次情報で確認することが何よりも大切です。

申請要件や提出書類の詳細は、Jグランツの公募詳細ページで必ずご確認ください。

あわせて、本事業の特設サイトでも制度の趣旨や公募要領が案内されています。

エネルギー・製造プロセス転換支援事業を対象者が活用すべき理由(メリット)

本事業を活用する最大のメリットは、脱炭素に向けた大規模な設備投資の負担を大きく軽減できる点です。

燃料転換や製造プロセス転換に必要な経費の3分の1から2分の1が補助されるため、自己資金だけで進めるよりも投資判断がしやすくなります。

また、本事業に取り組むこと自体が、取引先や投資家に対する環境対応の姿勢を示す材料にもなります。

排出削減目標の設定や実績報告を通じて、社内の脱炭素マネジメントの体制が整う効果も期待できます。

中長期的には、エネルギーコストの低減や規制強化への備えといった経営面のメリットにもつながります。

エネルギー・製造プロセス転換支援事業を申請すべき人とそうでない人の特徴

  • 申請すべき人
  • 見送ったほうが良い人の特徴

申請すべき人

  • 排出削減が難しい製造業で、燃料転換や製造プロセス転換の投資を計画している事業者
  • 2030年度のScope1・2排出削減目標を設定し、実績報告に取り組む意思がある法人
  • GXリーグやGXフューチャー・リーグへの参加を通じて脱炭素経営を進めたい企業
  • 補助を活用して設備投資の初期負担を抑えたい事業者

見送ったほうが良い人の特徴

  • 排出削減が困難な産業に該当せず、対象業種の要件を満たさない事業者
  • 脱炭素効果を定量的に示すことが難しい投資しか予定していない場合
  • 締切までに必要書類やGビズIDプライムの準備が間に合わない事業者
  • 排出削減目標の設定や実績報告といった継続的な取り組みが難しい法人

その他にも利用すべき補助金・助成金制度の代表例

  • 新事業進出補助金(新事業進出・ものづくり補助金 新事業進出枠)
  • ものづくり補助金(革新的新製品・サービス枠)
  • 中小企業省力化投資補助金
  • 小規模事業者持続化補助金

新事業進出補助金(新事業進出・ものづくり補助金 新事業進出枠)

新事業進出補助金は、既存の事業とは異なる分野へ踏み出す挑戦を後押しする制度です。

新たな市場に向けた設備投資や体制づくりを幅広く支援するため、事業の第二の柱を育てたい企業に向いています。

ものづくり補助金(革新的新製品・サービス枠)

ものづくり補助金は、革新的な製品やサービスの開発、生産プロセスの改善に取り組む中小企業を支援します。

試作開発から設備導入まで対応範囲が広く、技術力を武器に競争力を高めたい事業者に適しています。

中小企業省力化投資補助金

中小企業省力化投資補助金は、人手不足の解消につながる省力化設備の導入を支援する制度です。

ロボットや自動化機器などを取り入れ、限られた人員でも生産性を維持・向上させたい企業にとって心強い選択肢となります。

小規模事業者持続化補助金

小規模事業者持続化補助金は、販路開拓や業務効率化の取り組みを小さな負担で始められる制度です。

比較的申請しやすく、まず補助金の活用に慣れたい小規模事業者の入り口としても人気があります。

エネルギー・製造プロセス転換支援事業の申請に必要なもの

  • 申請に必要な書類一覧と取得方法
  • 記載例はどこで確認できるか

申請に必要な書類一覧と取得方法

申請には、事業計画書や経費の内訳を示す書類、法人の登記情報を確認できる書類などが必要になります。

電子申請にはGビズIDプライムが必須となるため、取得に時間がかかることを見込んで早めに準備してください。

提出書類の一覧は、公募要領に添付されているチェックシートで確認できます。

記載例はどこで確認できるか

書類の書き方に迷った場合は、公式に公開されている申請様式や記載の手引きを参照するのが確実です。

最新の様式や記載例は、本事業の特設サイトや公募要領で確認できます。

不明な点があれば、提出前に事務局へ問い合わせて疑問を解消しておきましょう。

エネルギー・製造プロセス転換支援事業の採択率を上げる事業計画書の作り方

  • 市場性を具体的に書く
  • 差別化ポイント(自社と他社の違い)を明確に記載
  • この制度を利用する必要性・重要性を記載
  • 実行体制を明記する

市場性を具体的に書く

事業計画書では、投資によってどのような効果が生まれるのかを具体的な数字で示すことが大切です。

削減できる二酸化炭素の量や、転換後の生産体制の見通しを、根拠とともに定量的に説明しましょう。

抽象的な表現ではなく、実測値や試算に基づいた記載が説得力を高めます。

差別化ポイント(自社と他社の違い)を明確に記載

審査では、自社の取り組みがなぜ意義深いのかという独自性が問われます。

他社が容易に真似できない技術や設備、これまでの脱炭素の実績を具体的に書き出しましょう。

自社の強みと本事業の目的がどのように結び付くのかを、はっきりと示すことが重要です。

この制度を利用する必要性・重要性を記載

なぜこの補助を活用する必要があるのかという背景を、丁寧に説明することが求められます。

補助がなければ投資が進まない理由や、脱炭素に取り組む緊急性を、自社の状況に即して述べましょう。

制度の趣旨と自社の課題が一致していることを示すと、計画の妥当性が伝わりやすくなります。

実行体制を明記する

計画を確実に実行できる体制が整っているかどうかも、審査の重要なポイントです。

担当部署や責任者、外部の協力先を明記し、事業を進める推進体制を具体的に示しましょう。

資金計画やスケジュールとあわせて、実現の可能性が伝わる構成を心がけてください。

エネルギー・製造プロセス転換支援事業の申請手順

申請は、次のような流れで進めていきます。

  1. GビズIDプライムを取得する(未取得の場合は早めに申請する)
  2. 公募要領を読み、対象要件と事業区分を確認する
  3. 事業計画書や必要書類を作成・準備する
  4. Jグランツにログインし、申請フォームに情報を入力する
  5. 必要書類を添付し、内容を確認したうえで電子申請する
  6. 審査結果の通知を受け、採択後は交付手続きに進む

エネルギー・製造プロセス転換支援事業を自社で申請する際の注意点

自社だけで申請を進める場合は、まず締切の管理を徹底することが欠かせません。

受付は令和8年8月7日の正午で締め切られるため、直前の申請集中を避けて早めに手続きを終えることが大切です。

また、排出削減目標の設定や実績報告など、継続的に求められる要件を事前に理解しておく必要があります。

提出書類は公募要領のチェックシートと照らし合わせ、不足がないか繰り返し確認しましょう。

自社に申請ノウハウが無い場合は専門家に依頼するのもおすすめ

  • 制度選定の精度が上がる
  • 事業計画の質が上がる
  • 採択後の実務まで見据えられる

制度選定の精度が上がる

補助金に精通した専門家に相談すると、自社に最も合う制度を見極めやすくなります。

本事業と他の補助金を比較し、要件や補助率の面から最適な選択肢を提案してもらえるのは大きな利点です。

自社だけでは気づきにくい制度の組み合わせについても助言を得られます。

事業計画の質が上がる

専門家の支援を受けることで、審査で評価されやすい計画書に仕上げやすくなります。

過去の採択事例を踏まえ、審査の視点に沿った説得力のある構成へと磨き上げてもらえます。

数値の根拠づけや表現の整理といった細部まで、客観的な視点で確認してもらえます。

採択後の実務まで見据えられる

補助金は採択されてからの実績報告や経費精算にも手間がかかります。

採択後の交付手続きや報告業務まで見据えて支援を受けられれば、事業に集中しやすくなります。

制度特有の手続きに不慣れでも、専門家の伴走があれば安心して進められます。

エネルギー・製造プロセス転換支援事業を不正受給するとどうなるのか

  • 交付決定の取消しと補助金の返還
  • 停止措置や社名公表といった処分

交付決定の取消しと補助金の返還

虚偽の申請や経費の水増しなど不正が判明した場合、交付決定は取り消されます。

すでに受け取った補助金は返還を求められ、加算金が上乗せされることもあります。

本事業は補助金等適正化法に基づいて運営されており、不正には厳格に対応されます。

停止措置や社名公表といった処分

不正の内容によっては、経済産業省をはじめとする所管機関から補助金交付等の停止措置を受けることがあります。

悪質なケースでは事業者名が公表され、社会的な信用を大きく損なうおそれがあります。

一度の不正が将来の申請機会まで狭めてしまうため、誠実な申請を徹底することが何より重要です。

エネルギー・製造プロセス転換支援事業のまとめ

令和8年度排出削減が困難な産業におけるエネルギー・製造プロセス転換支援事業は、脱炭素に取り組む製造業を力強く後押しする制度です。

燃料転換や製造プロセス転換に必要な経費を、原則3分の1以内(構造転換は2分の1以内)の補助率で支援します。

受付は令和8年8月7日の正午までで、Jグランツを通じた電子申請でのみ受け付けています。

申請を検討する際は、Jグランツの公募詳細ページ本事業の特設サイトで最新の公募要領を必ず確認してください。

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