GX地域共創補助金2026|対象要件と支援強度5区分の判定・1次公募は9月1日正午締切

補助金

GX地域共創補助金2026(正式名称:令和8年度 脱炭素電源地域貢献型投資促進事業)の1次公募は、2026年7月17日に応募申請の受付が始まり、2026年9月1日(火)正午が締切です。

この制度は、省エネ設備を入れれば使えるタイプの補助金ではありません。支援対象となる投資額が10億円以上(大企業は20億円以上)であること、事業実施場所で通年使用する電力の全量を脱炭素電力にすること、そのうち50%以上を同一の都道府県から調達することが前提になります。

さらに補助率と補助上限額は一律ではありません。企業の立地場所・電源との紐づき・電源の種類の組み合わせで5つの区分に分かれ、補助率は50%〜30%(大企業は33%〜20%)、補助上限額は250億円・100億円・50億円、電力要件を満たし続ける計画期間は15年・10年・8年と変わります。

本記事では、自社が対象になるかを判定し、どの支援強度区分に当たるかを特定し、9月1日正午の締切までに何を準備すべきかを逆算できるように、公式資料で確認できる内容だけを使って整理します。

  1. GX地域共創補助金2026の基本情報
  2. 1次公募は2026年9月1日正午まで受付中|2次公募は2026年秋頃の予定
    1. 1次公募・2次公募・事業期間のスケジュール
  3. 自社が対象になるかを判定する3つの入口
    1. 入口1|支援対象となる投資額が10億円以上(大企業は20億円以上)
    2. 入口2|製造設備投資型とデータセンター設備投資型のどちらに当たるか
    3. 入口3|大企業・中堅企業・中小企業の区分で補助率が変わる
  4. 脱炭素要件(電力要件・立地要件)を満たせるか
    1. 電力要件|全量を脱炭素電力にし、50%以上を同一都道府県から調達する
    2. 立地要件|製造設備投資型だけは企業版ふるさと納税等による貢献が使える
    3. 脱炭素要件で補助対象外になる3つのケース
  5. 支援強度5区分の判定と補助額の計算
    1. 5区分の補助率・補助上限額・計画期間
    2. 補助額と自己負担額の計算例
  6. 補助対象経費と対象外経費の境界
    1. 補助対象経費は建物等取得費・設備費・システム整備費の3区分
    2. 経費として認められる3つの条件(交付決定日以降の発注が前提)
  7. 申請手順とスケジュールの逆算
    1. 応募申請はJグランツと事業ポータルの2段階
    2. 電源立地都道府県の自治体に依頼するコミットメント(A・B・C)
  8. 公式に示された審査の観点と電源種の評価
    1. 間接補助事業の実施内容に関する審査
    2. 脱炭素電力の利用計画に関する審査と電源種の評価
  9. 交付決定後に続く義務|計画期間・報告・返還
    1. 計画期間と電力契約期間は別物
    2. 要件が未達になった場合の返還リスク
  10. 申請主体・申請単位と、採択情報の公表状況
  11. GX地域共創補助金2026のまとめ

GX地域共創補助金2026の基本情報

正式名称令和8年度 脱炭素電源地域貢献型投資促進事業(GX地域共創補助金2026)
実施機関経済産業省/GX地域共創補助金事務局
対象地域全国(ただし需要電力の50%以上を同一都道府県から調達する要件あり)
類型製造設備投資型/データセンター設備投資型
対象者日本国内で登記された法人(大企業・中堅企業・中小企業)で、投資額10億円以上(大企業は20億円以上)
補助率50%・40%・30%(大企業は33%・25%・20%)※支援強度5区分による
補助上限額250億円/100億円/50億円 ※支援強度5区分による
対象経費建物等取得費・設備費・システム整備費(土地の取得費は対象外)
1次公募2026年7月17日〜2026年9月1日(火)正午
2次公募2026年秋頃に受付開始予定(受付終了は2026年冬頃を予定)
補助事業期間交付決定日〜2030年(令和12年)9月30日
予算額約2,060億円(データセンター設備投資型を含む事業期間の総額/令和12年度までの国庫債務負担行為を含む)
申請方法GビズIDプライム取得 → Jグランツで事業ポータルのアカウント発行申請 → 事業ポータルで本申請
問い合わせ先GX地域共創補助金事務局 03-4405-6696(9時30分〜12時、13時〜17時/土日祝・年末年始を除く)

出典:GX地域共創補助金2026 公式サイト(1次公募)GX地域共創補助金 事業ホームページ(経済産業省)

1次公募は2026年9月1日正午まで受付中|2次公募は2026年秋頃の予定

公式サイトのトップページには「1次公募の応募申請受付中」と表示されており、2026年8月時点で申請可能な状態です。1次公募の応募申請の締切は2026年9月1日(火)正午で、東北経済産業局の公募情報でも受付期間は2026年7月17日(金)から2026年9月1日(火)12時00分までと案内されています。

注意したいのは、公募要領が公募開始後も改訂されている点です。2026年7月1日に公開された公募要領は、7月2日にVer1.1、7月16日にVer1.2、8月4日にVer1.3へと改訂されています。申請書類を作り込む前に、公式サイトで最新版の版数を確認してください。

1次公募・2次公募・事業期間のスケジュール

公募要領の公開2026年7月1日(最新はVer1.3/2026年8月4日改訂)
1次公募 受付開始2026年7月17日(金)
1次公募 受付終了2026年9月1日(火)正午
2次公募 受付開始2026年秋頃(予定)
2次公募 受付終了2026年冬頃(予定)
間接補助事業の期間交付決定日〜2030年9月30日(補助対象経費の支払い完了日の最遅日)
確定検査・精算払2031年3月末までに実施

2次公募は公式サイトで「2026年秋頃に受付開始予定」と公表されていますが、開始日と締切日はまだ確定していません。1次公募に間に合わない場合でも2次公募がある前提で計画を組むのではなく、公式サイトの発表を確認しながら判断してください。

出典:東北経済産業局「GX地域共創補助金2026」の1次公募を開始しましたGX地域共創補助金2026 公式サイト

自社が対象になるかを判定する3つの入口

GX地域共創補助金2026では、脱炭素要件(電力要件・立地要件)を検討する前に、そもそも入口で対象外になるケースが多くあります。まず次の3点を確認してください。

入口1|支援対象となる投資額が10億円以上(大企業は20億円以上)

事務局が公開している概要説明資料では、支援対象となる投資額が10億円以上(大企業の場合は20億円以上)の事業者が支援事業者として示されています。一般的な省エネ補助金や設備導入補助金と比べて投資規模の下限が高く、拠点の新設や生産設備の刷新を伴う投資が想定された制度です。

この金額に届かない設備投資を検討している場合、他の要件を検討する前の段階で対象外になります。判断に迷う場合は、事務局のコールセンター(03-4405-6696)に自社の投資計画の規模を伝えて確認するのが早い方法です。

入口2|製造設備投資型とデータセンター設備投資型のどちらに当たるか

本事業は類型A(製造設備投資型)と類型B(データセンター設備投資型)に分かれ、類型ごとに事業要件・立地要件・対象経費・審査項目が異なります。まず自社の投資がどちらに当たるかを決めないと、要件の読み方そのものが変わります。

項目製造設備投資型データセンター設備投資型
事業要件高付加価値な製品を製造し産業競争力の強化に繋がる事業であること/当該製品を製造するに当たって中核となる設備への設備投資が含まれること日本の計算資源分野の競争力強化に資する事業であること(稼働開始から2年以内にPUE1.3以下を達成、2026年度以降はデータセンター業に係る省エネ・非化石転換法の定期報告内容等を毎年度公表)/事業終了後も継続的かつ安定的に競争力を維持できる計画を有すること
立地要件電源立地都道府県への立地、または企業版ふるさと納税・地域共生基金等による地域貢献電源立地都道府県への立地のみ
支援強度の区分区分1〜5すべて区分1〜3のみ(区分4・5は対象外)

入口3|大企業・中堅企業・中小企業の区分で補助率が変わる

同じ支援強度区分でも、大企業に該当すると補助率は下がります。概要説明資料では企業区分が次のように整理されています。

大企業常時使用する従業員の数が2,000人超の事業者
みなし大企業発行済株式の総数または出資金額の2分の1以上が同一の大企業の所有に属している法人など。本事業では大企業として扱われる
中堅企業常時使用する従業員の数が2,000人以下であって中小企業を除く法人
中小企業中小企業基本法第2条に規定する中小企業者(みなし大企業を除く)、個人事業主、中小企業団体等、および会社法上の会社以外(医療法人・社会福祉法人・NPO法人等)で従業員300人以下の法人

資本関係によって「みなし大企業」に該当すると、自社の従業員数にかかわらず大企業の補助率が適用されます。株主構成と役員の兼任状況は、申請の初期段階で確認しておく項目です。

このほか、補助対象者には日本国内において登記された法人であること、国内に事業実施場所を有すること、経済産業省からの補助金交付等停止措置や指名停止措置を受けていないこと、暴力団排除に関する欠格事由に該当しないことなどが求められます。また、令和9年度以降にGXフューチャー・リーグ会員となることも要件とされており、中堅企業・中小企業についてはその他の温室効果ガス排出削減の取組の提出で代えることができるとされています。

出典:GX地域共創補助金2026 概要説明資料 Ver1.2(令和8年6月)。同資料には「検討中」と付記された項目が含まれるため、申請前に公式サイト掲載の公募要領(最新版)で必ず確認してください。

脱炭素要件(電力要件・立地要件)を満たせるか

GX地域共創補助金2026で最もハードルが高いのが脱炭素要件です。事業要件に加えて、電力要件と立地要件の両方を満たす計画が必要になります。

電力要件|全量を脱炭素電力にし、50%以上を同一都道府県から調達する

電力要件は、次の2つをすべて満たす計画を有することとされています。

  • 間接補助事業の事業実施場所において通年で使用する電力について、その全量を脱炭素電源として取り扱う電源種由来の電力(脱炭素電力)とすること
  • 間接補助事業の事業実施場所において通年で使用する電力について、その50%以上を同一都道府県(電源立地都道府県)から調達すること

ここで誤解しやすいのが、電源立地都道府県は自社の事業実施場所が立地する都道府県である必要はないという点です(製造設備投資型の場合)。電源立地都道府県は、需要電力の50%以上を調達する電源がある都道府県を指します。

ただし、既設電源を含む自家発電・CPPAで50%以上を満たす場合、または新設・再稼働・既設を問わず脱炭素電力メニューを含めて50%以上を満たす場合は、電源立地都道府県が「脱炭素電力供給地域」に限られます。脱炭素電力供給地域は、都道府県内の脱炭素電気の発電電力量を消費電力量で割った脱炭素電力自給率が全国中央値以上であることを基準に国が指定するもので、2024年度実績の全国中央値は27.7%とされています。該当する都道府県の一覧は公募要領に掲載されているため、自社が使う電源の所在地が含まれているかを必ず公募要領で確認してください。

電力要件は申請時の計画だけで完結しません。間接補助事業完了後3年間、事業実施場所における脱炭素電力の利用実績が確認され(4年目以降は国等が確認予定)、外的要因などの特段の理由がなく電力要件・立地要件が未達の場合は、国等との協議の下で補助金の返還を求められる可能性があるとされています。

立地要件|製造設備投資型だけは企業版ふるさと納税等による貢献が使える

立地要件は類型によって選択肢が異なります。

  • 立地要件①:設備投資を行う事業実施場所が、電源立地都道府県であること(両類型で使える)
  • 立地要件②:①に該当せず、企業版ふるさと納税や地域共生基金等により電源立地都道府県あるいは立地市町村に対して地域貢献を実施すること(製造設備投資型のみ)

データセンター設備投資型では立地要件②が認められません。使用する脱炭素電源の立地都道府県にデータセンターを建てることが必須になります。これが、支援強度の区分4・5でデータセンター設備投資型が対象外となる理由です。

製造設備投資型で立地要件②を選ぶ場合、貢献額は「消費電力量×3円/kWh×3年」または「補助額の5%」のいずれか低い額が目安とされています。具体的な貢献内容・納付額・納付時期は、活用する電源の立地自治体と合意ができていれば種類は問わないとされ、貢献先は都道府県・市町村のどちらでも可能です。

脱炭素要件で補助対象外になる3つのケース

概要説明資料では、脱炭素要件について次のいずれかに該当する場合は補助対象外になるとされています。申請を検討する初期段階で、自社の計画が該当しないかを確認してください。

A電源立地都道府県が脱炭素電力供給地域以外であり、新設・再稼働電源のみでは電力要件②を満たさない場合
B立地要件②を満たし、自家発電・CPPAのみでは電力要件②を満たさない場合(製造設備投資型)
C立地要件①を満たし、脱炭素電力メニューを含めて電力要件②を満たす計画であるが、利用する脱炭素電力メニューが非FIT非化石証書トラッキングあり以外の場合(製造設備投資型)

支援強度5区分の判定と補助額の計算

GX地域共創補助金2026の補助率と補助上限額は、企業の立地場所・電源との紐づき・電源の種類の組み合わせによって5段階に区分されます。公式サイトでは、この区分ごとに補助率・補助金額の上限に加えて計画期間も示されています。補助率が高い区分ほど、電力要件を維持する期間が長くなる設計です。

5区分の補助率・補助上限額・計画期間

区分企業の立地場所電源との紐づき電源の種類計画期間補助率(製造)補助率(DC)補助上限額
1需要電力の50%以上を調達する都道府県に企業が立地50%以上を自家発電・CPPAのみで同一都道府県から調達新設・再稼働電源のみで50%以上を同一都道府県から調達15年50%(33%)50%(33%)250億円
2需要電力の50%以上を調達する都道府県に企業が立地50%以上を自家発電・CPPAのみで同一都道府県から調達新設・再稼働に加えて既設電源も含めて50%以上を同一都道府県(脱炭素電力供給地域に限る)から調達10年40%(25%)40%(25%)250億円
3需要電力の50%以上を調達する都道府県に企業が立地脱炭素電力メニュー含めて50%以上を同一都道府県から調達新設・再稼働・既設を問わず50%以上を同一都道府県(脱炭素電力供給地域に限る)から調達8年40%(25%)30%(20%)100億円
4企業版ふるさと納税や地域共生基金等により、50%以上を調達する都道府県に対して地域貢献を実施50%以上をCPPAのみで同一都道府県から調達新設・再稼働電源のみで50%以上を同一都道府県から調達15年40%(25%)対象外50億円
5企業版ふるさと納税や地域共生基金等により、50%以上を調達する都道府県に対して地域貢献を実施50%以上をCPPAのみで同一都道府県から調達新設・再稼働に加えて既設電源も含めて50%以上を同一都道府県(脱炭素電力供給地域に限る)から調達10年30%(20%)対象外50億円

カッコ内は大企業に適用される補助率です。「最大250億円・最大1/2」という数字だけを見て投資判断をすると、実際に適用される区分とのズレが大きくなります。自社の計画がどの区分に当たるかを先に特定してから、補助額の見込みを立ててください。

なお公式サイトには「支援強度診断チャート」が用意される旨が案内されています(2026年8月時点では準備中の表示)。公開された場合は、区分判定の一次確認に使えます。

補助額と自己負担額の計算例

補助金額は、交付申請された経費のうち補助対象経費として認められた金額に、区分ごとの補助率を乗じて算出されます。補助率は1/2以内が上限です。以下は制度の仕組みを示すための計算例であり、実際の採択事例ではありません。

条件補助対象経費補助率補助額自己負担額
計算例1:区分1・中堅企業30億円50%15億円15億円
計算例2:区分1・大企業30億円33%9.9億円20.1億円
計算例3:区分3・中堅企業30億円40%12億円18億円
計算例4:区分3・中堅企業(上限に当たる場合)300億円40%120億円→上限100億円を適用200億円

計算例4のように、補助率を乗じた金額が区分ごとの補助上限額を超える場合は、上限額が適用されます。区分3の上限は100億円、区分4・5の上限は50億円です。消費税の取扱いや端数処理の方法は公募要領に定められているため、実際の補助額を試算する際は公募要領の該当箇所を確認してください。

出典:GX地域共創補助金2026 公式サイト(支援強度)

補助対象経費と対象外経費の境界

補助対象経費は建物等取得費・設備費・システム整備費の3区分

区分概要
建物等取得費間接補助事業の実施に必要な建物の新設、建て替え、リフォーム等に係る費用(設計費を含む)
設備費間接補助事業の実施に必要な機械装置の購入・製造(改修を含む)に要する経費(設計費を含む)、および建物等取得に併せて実施する附帯工事費
システム整備費間接補助事業の実施に必要なソフトウエアの購入・作成(改修を含む)に要する経費(設計費を含む)。補助対象経費で取得する設備機械装置の稼働のため直接的に必要となるソフトウエアを指す

データセンター設備投資型では、データセンターの建物躯体、電源設備、空調等のサーバ冷却設備、耐震・制震・免震設備、消火・消防設備、セキュリティ設備、受電設備、送電専用線、伝送用専用線、送受信機、ケーブル、予備電源設備、監視・制御・測定装置などが対象経費として示されています。ただし、システム整備費のサーバ類のうち一部の高性能なサーバー類は除外されるとされています。

一方、土地の取得費は補助対象外です。建物と土地をまとめて取得する計画では、経費区分を分けて整理しておく必要があります。

経費として認められる3つの条件(交付決定日以降の発注が前提)

補助対象経費として認められるには、次の3つの条件をすべて満たす必要があるとされています。

  • 間接補助事業の遂行に必要なものと明確に特定できる経費であること
  • 交付決定日以降、間接補助事業期間内に発注(契約)を行い支払った経費であること
  • 間接補助事業完了後の実績報告で提出する証拠書類等によって金額・支払い実績等が確認できる経費であること

実務上、最も影響が大きいのが2つ目です。公式サイトのスケジュール図でも、応募申請から交付決定までの期間は「発注・支払不可」と明示されています。設備の納期を優先して交付決定前に発注すると、その分は補助対象になりません。長納期設備を含む計画では、交付決定を前提とした契約締結時期を設備業者とあらかじめ調整しておく必要があります。

また、補助対象経費の支払い完了日の最遅日は2030年9月30日です。長納期となっている受電設備を補助対象経費に含んだ申請は、受電設備のみ期間延長ができるとされています。

申請手順とスケジュールの逆算

応募申請はJグランツと事業ポータルの2段階

この制度の申請は、Jグランツだけで完結しません。Jグランツは事業ポータルのアカウント発行申請に使い、本申請は事務局が案内する事業ポータルで行います。この2段階構造を取り違えると、Jグランツで入力した時点で申請が完了したと誤認するおそれがあります。

  1. GビズIDプライムアカウントを取得する。専用ホームページで必要事項を記載し、必要書類を郵送して作成します。公式サイトでも「アカウント発行は時間を要する場合がありますので、早めにアカウントを取得してください」と案内されています。締切直前ではなく、検討の初期段階で着手してください。
  2. Jグランツで基本情報を入力し、事業ポータル用のアカウント発行を申請する。正常に申請されると、Jグランツで入力した担当者メールアドレス宛に事業ポータル用のアカウントIDとURLが記載されたメールが届きます。
  3. 事業ポータルにログインして本申請を行う。あらかじめ準備された様式の情報入力とファイルのアップロードを行い、事業ポータル上で応募申請を完了させます。事業ポータルへの登録まで完了することで、応募申請を完了したとみなされます。
  4. 事務局から応募申請を受け付けた旨のメールを受け取る

申請様式や公募要領は、公式サイトと事業ポータルの両方に掲載されています。公募要領は公募開始後も改訂されているため、作成に着手する前に版数を確認してください。

電源立地都道府県の自治体に依頼するコミットメント(A・B・C)

本事業では、自治体が所定の対応を実施したことを示す書類の提出が必要とされています。自社だけで完結しない手続きであり、申請準備の中で最も時間が読みにくい部分です。概要説明資料では、自治体に求められる対応が次のように整理されています。

A|電源規律の確保需要家が活用するとしている電源について、関係法令を遵守しているか等を自治体が確認する全区分
B|脱炭素電力供給増へのコミット脱炭素電源の供給増について、具体の数値目標と目標達成のための行動を掲げている計画(地方公共団体実行計画(区域施策編)等を想定)を自治体が定める区分2・3・5
C|需要家による地域貢献目安貢献額を基に、電源立地都道府県への貢献方法を需要家と調整のうえ合意する区分4・5

間接補助事業者側には、自治体の関係部局に上記を依頼すること、自治体が速やかに対応できるよう適切なコミュニケーションを行うよう努めること、自治体がA〜Cを実施済であることを示す書類を事務局に提出することが求められます。依頼先は電源立地都道府県の自治体です。立地要件②を使う場合、自社の所在都道府県と電源立地都道府県は異なるため、依頼先を取り違えないよう注意してください。

なお、使用する電源がFIT/FIP認定を取得済みであれば自治体による追加の確認は不要とされ、FIT/FIP認定の取得予定がない場合は、事業計画策定ガイドラインの遵守確認や説明会等の実施確認など、自治体側の作業が増えるとされています。どの電源を選ぶかは、自治体の協力を得やすいかどうかにも直結します。

公式に示された審査の観点と電源種の評価

審査の観点は、事務局の概要説明資料で「審査の考え方」として公開されています(現時点案として示されているものです)。採択率を上げる方法といった一般論ではなく、公式に示された審査の観点に沿って事業計画を組み立てるのが現実的な進め方です。

間接補助事業の実施内容に関する審査

対象分野の成長性/重要性成長性や技術・事業革新性が見込まれる場合、経営計画上の重要な位置づけである場合、日本成長戦略会議における17の戦略分野に該当する場合に高評価
間接補助事業の競争力AI・ロボット等の活用により生産性を向上させている場合、製造する製品のオフテイカー確保の蓋然性が高くかつ環境価値の価格転嫁が可能な場合、原材料の安定確保に目途がある場合に高評価
公的支援の必要性民間ビジネスではリスクが高く投資判断に踏み切れないなど、補助金による資金調達が必須であること
排出削減への貢献Scope2での削減(脱炭素電力の調達)に留まらず、更なる排出削減の実現が見込まれるか
間接補助事業による経済効果電源立地地域での雇用創出等の経済効果、国内サプライチェーン強靭化への寄与が期待される場合に高評価
補助事業の実現可能性スケジュール、体制、財務面等を踏まえ実現可能性が高いと判断される場合に高評価
地域との共生(データセンター設備投資型のみ)対話窓口の設置や施設の設置・運用計画に関する地域への説明など、地域との継続的なコミュニケーション体制・計画を具体的に記載すること(日本データセンター協会の地域共生ガイドラインに準拠)

脱炭素電力の利用計画に関する審査と電源種の評価

脱炭素電力の利用計画については、電源立地都道府県への貢献計画、CPPAや自家発電の利用計画、新設・再稼働電源の利用計画が審査され、いずれも調達量が多いほど高評価とされています。加えて、投資した設備で利用する電源種の計画が【重要】と位置づけられ、電源種によって評価が分けられています。

洋上風力、原子力、地熱、太陽光(ペロブスカイト)
水力、陸上風力、バイオマス(専焼)、脱炭素火力(専焼)、CCS付火力
バイオマスおよび火力(混焼)、燃料電池
0太陽光(その他)

すでに市場化が進展しているシリコン太陽光等の電源種からの調達は加点評価しないことが検討中とされています。要件を満たすことと、審査で評価されることは別だという点が、電源の選定に直結します。

交付決定後に続く義務|計画期間・報告・返還

計画期間と電力契約期間は別物

支援強度の区分ごとに定められた計画期間(15年・10年・8年)は、電力要件を満たし続ける期間です。一方、電力の契約期間は調達方法と電源の種類ごとに定められており、両者は一致しません。

調達方法パターン電源の種類契約期間
CPPA原則新設・リプレース電源15年以上
CPPA原則既設電源10年以上
CPPA電源・事業の特性に照らし合理的と認められる場合新設・リプレース電源10年以上
CPPA電源・事業の特性に照らし合理的と認められる場合既設電源5年以上
CPPA利用する電源が原子力発電の場合新設・リプレース/再稼働/既設5年以上
脱炭素電力メニュー原則8年以上

脱炭素電力メニューについては、8年以上継続することを求めるものであり、小売電気事業者のスイッチングや同一事業者との単年度契約の延長など手法は問わないとされています。

要件が未達になった場合の返還リスク

間接補助事業者には、事業実施場所における脱炭素電力の活用状況(自家発電の稼働状況、CPPAの履行状況を含む)、脱炭素電力供給増のための計画の履行状況、採択時のコミットメントについて、毎年度報告することが求められます。報告期間は間接補助事業が完了した日の属する国の会計年度の終了後3年間とされ、4年目以降は国等から確認を行う予定とされています。

そして、外的要因などの特段の理由がなく電力要件①②および立地要件①②が未達の場合は、国等との協議の下で補助金の返還を求められる可能性があるとされています。補助率の高さは、この長期の要件維持義務とセットです。区分1を選ぶ場合は15年の計画期間を投資判断に織り込む必要があります。

また、経済産業省または事務局が必要と認める場合には、間接補助事業者に対して追加の説明やプレゼンテーションを求める可能性があるとされています。

申請主体・申請単位と、採択情報の公表状況

申請主体は、脱炭素電力の需要家となる事業者です。発電事業者や自治体とのコンソーシアム申請ではありません。ただし、事業者単独では補助対象事業を実施する計画が成立しない場合は、複数事業者での共同申請(リース会社との共同申請、法人格を有するジョイントベンチャー形式、コンソーシアム形式等)が認められるとされています。共同申請を行う場合は幹事会社を決定する必要があり、幹事会社は申請および事業実施に関して共同実施者の管理義務を負います。

申請単位は原則として事業所単位です。ただし、補助対象事業を複数の事業所で一体的に行う計画の場合は、これを1つの申請単位とするとされています。

採択事例・採択結果については、本事業が令和8年度に開始した新しい制度であり、1次公募の応募申請が2026年9月1日正午まで続いているため、2026年8月時点で公式に公表された採択結果・採択事例はありません。採択事例を根拠に申請内容を組み立てることはできないため、公募要領に記載された要件と、上記の審査の観点に沿って計画を作成することになります。

GX地域共創補助金2026のまとめ

  • 1次公募の応募申請の締切は2026年9月1日(火)正午。2次公募は2026年秋頃の受付開始が予定されています。
  • 入口となるのは、支援対象となる投資額が10億円以上(大企業は20億円以上)であることと、製造設備投資型・データセンター設備投資型のいずれかに当たることです。
  • 脱炭素要件は「事業実施場所で通年使用する電力の全量を脱炭素電力にすること」と「50%以上を同一都道府県から調達すること」の2つ。既設電源や脱炭素電力メニューを使う場合は、電源立地都道府県が脱炭素電力供給地域に限られます。
  • 補助率と補助上限額は5区分に分かれ、区分1が50%(大企業33%)・上限250億円、区分3が上限100億円、区分4・5が上限50億円です。区分ごとに計画期間(15年・10年・8年)が定まります。
  • 補助対象経費は建物等取得費・設備費・システム整備費で、土地の取得費は対象外。交付決定日以降に発注(契約)し支払った経費が対象で、交付決定前の発注・支払は補助対象になりません。
  • 応募申請はJグランツと事業ポータルの2段階。GビズIDプライムの取得と、電源立地都道府県の自治体へのコミットメント依頼は、締切から逆算して早めに着手する必要があります。

本記事は、GX地域共創補助金2026 公式サイト、経済産業省の事業ホームページ、事務局が公開している概要説明資料Ver1.2(令和8年6月)、東北経済産業局の公募情報に基づいて作成しています。概要説明資料には「検討中」と付記された項目が含まれ、公募要領も公募開始後に改訂されています。申請にあたっては、必ず公式サイトに掲載されている最新版の公募要領・申請様式・交付規程・よくあるご質問を確認してください。