電力の需給がひっ迫したときや、再生可能エネルギーの発電が余りそうなときに、工場やビルの設備の動かし方を少しだけ変える取組が広がっています。
そうした調整はディマンドリスポンス(DR)と呼ばれ、これからの電力システムを支える柱の一つとして期待されています。
ただ、すでに現場に据えられている蓄電池や空調、生産設備の多くは外から状態を見ることも動かすこともできず、DRの担い手であるアグリゲーターから見れば眠っている資源のままです。
令和7年度補正のディマンドリスポンスの拡大に向けたIoT化推進事業は、この既存設備をDR対応にするための通信機器やセンサー、EMSの導入費用を、1申請あたり最大2,000万円・補助率2分の1以内で支援する制度です。
高圧以上で受電している法人であれば、工場でも病院でもホテルでも対象になり得ます。
この記事では、補助の対象になる設備と経費の範囲、DRアグリゲーターとの関係、申請の期限や手順、そして計画書を書くときに押さえるべき視点までを順にご説明します。
- ディマンドリスポンスIoT化推進事業の基本情報
- ディマンドリスポンスIoT化推進事業を対象者が活用すべき理由(メリット)
- ディマンドリスポンスIoT化推進事業を申請すべき人とそうでない人の特徴
- その他にも利用すべき補助金・助成金制度の代表例
- ディマンドリスポンスIoT化推進事業の申請に必要なもの
- ディマンドリスポンスIoT化推進事業の採択率を上げる事業計画書の作り方
- ディマンドリスポンスIoT化推進事業の申請手順
- ディマンドリスポンスIoT化推進事業を自社で申請する際の注意点
- 自社に申請ノウハウが無い場合は専門家に依頼するのもおすすめ
- ディマンドリスポンスIoT化推進事業を不正受給するとどうなるのか
- ディマンドリスポンスIoT化推進事業のまとめ
ディマンドリスポンスIoT化推進事業の基本情報
| 正式名称 | 令和7年度補正「再生可能エネルギー導入拡大・分散型エネルギーリソース導入支援等事業費補助金」(DRリソース導入のための家庭用蓄電システム等導入支援事業)ディマンドリスポンスの拡大に向けたIoT化推進事業 |
| 対象地域 | 全国(日本国内で事業活動を営んでいることが要件) |
| 実施機関 | 一般社団法人環境共創イニシアチブ(SII)※事務局はSIIと大日本印刷株式会社の二者で構成 |
| 対象者 | 日本国内において事業活動を営んでいる法人で、補助対象設備の所有者となる者(高圧以上の需要家またはDRアグリゲーター) |
| 対象業種 | Jグランツ上の表記は電気・ガス・熱供給・水道業(実際のIoT化対象施設は工場、病院、ホテル、学校、オフィスビル、小売店など) |
| 対象経費 | 設計費(実施設計)、設備費(通信機器、センサー、EMS等のIoT化関連機器)、工事費(設置・据付) |
| その他要件 | 需要家とDRアグリゲーターの間でDR契約を締結し、少なくとも2028年3月31日まで継続すること。外部と通信する機器はJC-STARの★1を取得済みであること |
| 補助対象外 | 基本設計費、金融機関の振込手数料(原則)、事業完了時点で使用予定のない設備や予備品、クラウド上の監視環境、他の国庫補助金との併用 |
| 申請期間 | 2026年3月24日から2026年11月27日まで(Jグランツ上の受付終了日時は2026年11月28日0時) |
| 上限金額 | 1申請あたり2,000万円(申請単位は受電点単位) |
| 補助率 | 補助対象経費の2分の1以内 |
| 申請方法 | 電子申請システムJグランツによる交付申請(GビズIDプライムアカウントが必要) |
| 問い合わせ先 | 一般社団法人環境共創イニシアチブ DR対応IoT化事業窓口 電話03-6281-5085/メールdr_iot_shinsa@sii.or.jp |
補助金・助成金の正式名称
正式な事業名称は「令和7年度補正『再生可能エネルギー導入拡大・分散型エネルギーリソース導入支援等事業費補助金』(DRリソース導入のための家庭用蓄電システム等導入支援事業)ディマンドリスポンスの拡大に向けたIoT化推進事業」です。
長い名称のため、SIIの公募要領では「DR対応IoT化」という略称が併記されています。
親となる補助金は蓄電システム関連の3事業をまとめた枠組みで、そのうち本事業に配分されているのは3.4億円程度とされています。
令和4年度補正から続いてきた事業の最新版にあたり、過去の公募ページもSIIのサイトに残されていますので、名称の年度表記を取り違えないようご注意ください。
対象都道府県・市区町村
対象地域は全国です。
補助対象事業者の要件として掲げられているのは「日本国内において事業活動を営んでいる法人であること」であり、都道府県や市区町村による絞り込みはありません。
地域を分ける代わりに設けられているのが受電の条件で、IoT化するリソースは高圧以上で受電している需要家側に設置されているものに限られます。
契約電力でいえば50kWから2,000kW以上の規模が目安になりますので、低圧契約の小規模な事業所は対象から外れる点を先に確認しておいてください。
実施機関
執行を担っているのは一般社団法人環境共創イニシアチブ、通称SIIです。
正確には、SIIと大日本印刷株式会社の二者で構成される令和7年度補正蓄電システム等導入支援事業事務局が窓口となり、SIIが幹事社を務めています。
財源は経済産業省が所管する国庫補助金であり、審査から交付決定、確定検査までを一貫してこの事務局が行います。
SIIは省エネや蓄電池関連の補助事業を長く扱ってきた団体ですので、他の省エネ系補助金で申請経験がある企業にとっては手続の流れがつかみやすいはずです。
対象者(世帯・個人事業主・法人・団体・研究機関)
補助対象事業者は、日本国内で事業活動を営んでいる法人であることが第一の条件です。
加えて、補助事業で導入する設備の所有者であること、事業を確実に遂行できる経営基盤を有すること、DRアグリゲーターと需要家の間でDR契約を締結できることなど、全部で7つの要件がすべて求められます。
申請者になるのは機器の所有者で、需要家が所有する場合はDRアグリゲーターが共同申請者として加わる形になります。
DRアグリゲーターとして参加する事業者は、交付申請とは別にSIIへの登録申請を済ませておく必要があります。
対象業種
Jグランツの公募詳細ページで業種として掲げられているのは電気・ガス・熱供給・水道業です。
ただし公募要領を読むと、IoT化が可能な場所として官公庁、オフィスビル、ホテル、病院、工場、学校、小売店、コンビニエンスストア、商業施設などが例示されています。
実質的な線引きは業種ではなく、高圧以上で受電しDRに使えるリソースを保有しているかどうかにあります。
従業員数の上限も設けられていませんので、自社の受電形態と保有設備を確認したうえでSIIに相談してみる価値があります。
対象経費
補助対象経費は、リソースをDR対応可能にするために必要なIoT化の費用で、設計費、設備費、工事費の3区分に分かれています。
設備費には通信機器やセンサー、EMSといったIoT化関連機器が該当し、工事費はそれらを設置するために最低限必要な工事費と据付費が対象です。
設計費は実施設計に要する必要最低限の経費に限られ、基本設計費は補助対象外と明記されています。
見積書は指定の内訳書式で作成し、補助対象と補助対象外を切り分けて記載することが求められますので、業者への見積依頼の段階からこの整理を意識しておいてください。
その他要件
最も重要な要件は、需要家とDRアグリゲーターの間でDR契約を締結し、少なくとも2028年3月31日まで継続することです。
この契約には電力需給ひっ迫時の下げDRと、再エネ出力制御対策時の上げDRの両方を含める必要があります。
外部と通信を行う機器については、セキュリティ要件適合評価及びラベリング制度であるJC-STARの★1を取得していることが確認できる設備でなければなりません。
申請単位は受電点単位と定められており、同一受電点内で申請を分けたい事情がある場合は事前にSIIへ相談することになっています。
補助対象外となるもの
基本設計費は対象外です。
金融機関に対する振込手数料も原則として対象外ですが、取引先が負担して取引価格の内数になっている場合は計上できるとされています。
交付決定の通知を受ける前にIoT化に係る発注や契約を行った場合、その経費は補助対象外になりますので、着手のタイミングには細心の注意が必要です。
このほか、事業完了時点で使用予定のない設備や予備品とそれに伴う工事、クラウド上に置く監視環境、そして他の国庫補助金と重複して申請する経費も対象になりません。
申請期間
公募期間は2026年3月24日から2026年11月27日までです。
交付申請書類の受付は、DRアグリゲーターの登録完了後から同じく2026年11月27日までとされており、DRアグリゲーターの登録申請自体の締切は2026年10月30日と一足早く設定されています。
交付決定は随時行われますが、交付申請の受付からおおよそ2週間から4週間程度の審査期間が見込まれています。
なお、Jグランツの公募詳細ページ上で管理されている受付終了日時は2026年11月28日0時となっており、実質的に11月27日いっぱいが期限という理解で差し支えありません。
上限金額・助成額
補助上限額は1申請あたり2,000万円です。
この上限は設備費、工事費、設計費を合算したIoT化関連機器の区分に対して設定されています。
補助下限額は公募要領上定められていませんので、小規模なセンサー追加のような案件でも申請の対象になり得ます。
ただし事業全体の予算規模は3.4億円程度とされており、上限額いっぱいの案件が並べば早期に枠が埋まる可能性がある点は意識しておくべきでしょう。
補助率
補助率は補助対象経費の2分の1以内です。
企業規模や地域による率の変動はなく、すべての申請者に同じ割合が適用されます。
上限2,000万円に到達するには4,000万円分の補助対象経費が必要になる計算ですので、自己負担分の資金繰りを含めて計画を組んでください。
また、三者見積で最安値の事業者以外に発注する場合は、実際の発注額ではなく三者見積の最安値が補助対象経費の上限として扱われます。
問い合わせ先
問い合わせ先は一般社団法人環境共創イニシアチブのDR対応IoT化事業窓口担当です。
電話番号は03-6281-5085、メールアドレスはdr_iot_shinsa@sii.or.jpとなっています。
受付時間は平日の10時から12時、および13時から17時に限られていますので、締切間際の混雑を避けて早めに連絡することをおすすめします。
GビズIDの取得に関する質問はデジタル庁のGビズIDサイトへ、Jグランツのシステム仕様に関する質問はJグランツ側の窓口へと、問い合わせ先が分かれている点にもご留意ください。
公式公募ページと確認すべきこと
制度の全体像と各種様式はSIIの公募情報ページにまとめられています。
補助上限額や対象業種といった要点はJグランツの公募詳細ページでも確認できます。
最初に開くべきは公募要領と交付規程で、公募要領は2026年3月26日に、交付規程は同年4月21日に更新されている点を見落とさないでください。
あわせて公開されているDRアグリゲーター一覧に目を通しておくと、自社のリソースを託せる相手を探す手がかりになります。
ディマンドリスポンスIoT化推進事業を対象者が活用すべき理由(メリット)
この制度の最大の意義は、これまで動かせなかった既存設備を、買い替えることなくDRに参加させられる点にあります。
通信機器やセンサーを後付けするだけで済むため、蓄電池や空調そのものを更新する場合と比べて投資額は大きく抑えられます。
DRに参加すればアグリゲーターとの契約を通じた収益機会が生まれ、電力需給がひっ迫する局面での社会貢献にもつながります。
設備の稼働状況を遠隔で監視できる環境が整うこと自体が、エネルギー使用量の可視化やピークカットの検討に直結する副次的な効果を生みます。
業務産業用蓄電システム導入支援事業と同時に申請する場合には、これから設置する蓄電システムのIoT化も補助対象に含められるという柔軟さもあります。
脱炭素経営の実績を対外的に説明する材料としても、国庫補助金を使ってDRに参加したという事実は分かりやすい根拠になります。
ディマンドリスポンスIoT化推進事業を申請すべき人とそうでない人の特徴
- 申請すべき人
- 見送ったほうが良い人の特徴
申請すべき人
- 高圧以上で受電しており、蓄電池や空調、自家発電設備、生産設備などを保有している法人
- 設備の遠隔監視や制御の仕組みを整えたいが、初期投資の負担が壁になっている企業
- DRアグリゲーターとして事業を展開し、需要家側のIoT化を面で進めたい事業者
- 2028年3月31日まで継続するDR契約を、腰を据えて結べる見通しがある企業
- 業務産業用蓄電システムの導入を検討しており、あわせてIoT化まで済ませたい事業者
- 脱炭素やエネルギーマネジメントの取組を、具体的な設備投資として形にしたい法人
見送ったほうが良い人の特徴
- 低圧契約の事業所しか持たず、高圧以上の受電点が存在しない事業者
- 法人格を持たない個人事業主や任意団体
- DRアグリゲーターとの契約を結ぶ意思がなく、監視環境の整備だけを目的としている企業
- すでに交付決定前にIoT化機器の発注や契約を済ませてしまっている事業者
- 同じ設備投資について他の国庫補助金への申請を予定している企業
- 2027年2月1日までに設備の検収と支払いを終える段取りが立てられない事業者
その他にも利用すべき補助金・助成金制度の代表例
- 新事業進出補助金(新事業進出・ものづくり補助金 新事業進出枠)
- ものづくり補助金(革新的新製品・サービス枠)
- 中小企業省力化投資補助金
- 小規模事業者持続化補助金
新事業進出補助金(新事業進出・ものづくり補助金 新事業進出枠)
これまで手がけてこなかった分野へ踏み出すための設備投資を、国が後押しする枠組みです。
エネルギーマネジメントの知見を活かして新しいサービスを立ち上げる、といった展開を考える企業と相性があります。
付加価値額や給与支給総額の伸び率を数値目標として掲げる必要があり、その達成状況は交付後も継続的に報告することになります。
IoT化で得られる稼働データを、新事業の裏付けとしてどう使えるかを考えておくと申請書に厚みが出ます。
ものづくり補助金(革新的新製品・サービス枠)
革新的な製品やサービスを生み出すための機械装置費やシステム構築費を対象とする、国の代表的な制度です。
生産設備そのものの更新や高度化まで踏み込みたい場面では、こちらのほうが金額の桁が合います。
同一の経費を複数の国庫補助金で重ねて申請することはできませんので、IoT化部分とそれ以外の設備投資を明確に線引きしてください。
公募回ごとに枠の構成や要件が見直されますので、検討する時点で最新の公募要領を確認する習慣をつけておきましょう。
中小企業省力化投資補助金
人手不足に直面する現場で、機械やソフトウェアに作業を肩代わりさせる投資を支える制度です。
設備の遠隔監視によって巡回点検の手間を減らしたいといった課題は、この制度の趣旨とも重なります。
カタログ掲載製品から選ぶ方式は手続が軽い反面、導入後は労働生産性の向上度合いを定期的に報告する義務が生じます。
機器を供給する側の企業にとっては、自社製品をカタログに登録すること自体が販路づくりの一手にもなります。
小規模事業者持続化補助金
従業員数の少ない事業者が販路開拓や業務効率化に取り組む際に、比較的手が届きやすい規模で支援を受けられる制度です。
高圧受電の要件に届かない小規模な拠点でのエネルギー対策を考えるなら、こちらから検討する道もあります。
申請には商工会議所または商工会の確認を受けながら経営計画を作成する手順が組み込まれていますので、締切から逆算して早めに窓口を訪ねてください。
補助額は控えめですが、公的補助金の書類作成に慣れる練習の場としても意味があります。
ディマンドリスポンスIoT化推進事業の申請に必要なもの
- 申請に必要な書類一覧と取得方法
- 記載例はどこで確認できるか
申請に必要な書類一覧と取得方法
- 交付申請書:Jグランツ上で必要事項を入力します(添付は不要)
- 補助事業に要する経費、補助対象経費及び補助金の配分額:同じくJグランツ上で入力します
- 役員名簿:法人のみ提出し、共同申請者を含む全社分が必要です
- 決算報告書(直近2年分):需要家が申請者の場合は需要家分のみ提出します
- 実施体制図および暴力団排除に関する誓約事項:SIIの公募情報ページから指定書式をダウンロードします
- 見積依頼仕様書と見積書、見積内訳書:見積内訳書は指定のExcel書式を使い、補助対象と対象外を切り分けます
- 制御対象リソースリスト、IoT化関連機器一覧、システム構成図、配置図:いずれもSIIの様式類を使用します
- IoT化関連機器の製品カタログまたは仕様書:補助対象とする機器の分だけ提出します
- 設備設置承諾書、リース契約書とリース内訳書、ESCO契約書:該当する体制の場合のみ提出します
記載例はどこで確認できるか
記入方法を確認するうえで最も頼りになるのは、SIIが公開している交付申請の手引きです。
交付申請書様式や見積内訳書、システム構成図の雛形とあわせて、SIIの公募情報ページからまとめて入手できます。
公募説明会の動画も公開されていますので、書式の意図がつかみにくい箇所は映像で補うと理解が早まります。
制度の概要をつかむだけであれば、両面1枚にまとめられた概要資料のPDFから目を通すのが手軽です。
ディマンドリスポンスIoT化推進事業の採択率を上げる事業計画書の作り方
- 市場性を具体的に書く
- 差別化ポイント(自社と他社の違い)を明確に記載
- この制度を利用する必要性・重要性を記載
- 実行体制を明記する
市場性を具体的に書く
この事業で問われるのは商品の売れ行きではなく、IoT化したリソースがDRとしてどれだけの調整力を生むかという量です。
対象となる設備の定格出力、制御可能な範囲、想定される稼働時間帯を、kWと時間の単位で具体的に示してください。
上げDRと下げDRのそれぞれについて、どの設備をどの程度動かせるのかを分けて記載すると、事業の実効性が伝わりやすくなります。
エネルギーミックスにおける再エネ比率4割から5割という国の方針に、自社の取組がどう接続するのかを一言添えておくと文脈が整います。
差別化ポイント(自社と他社の違い)を明確に記載
機器構成が横並びになりやすい事業だからこそ、自社の設備ならではの特徴を掘り起こす作業が効いてきます。
応答速度の速い設備を持っている、複数拠点を束ねて制御できる、といった強みは具体的な数値とともに書き出してください。
組むDRアグリゲーターの実績や制御方式も、事業の確からしさを支える要素として説明に組み込む価値があります。
既存の設備更新では実現できず、IoT化という手段だからこそ得られる効果は何かを、対比の形で示すと輪郭がはっきりします。
この制度を利用する必要性・重要性を記載
補助金がなければ投資判断が下せなかった、という事情を率直に書くことが出発点になります。
IoT化は設備そのものの生産性を上げるわけではないため、社内で優先順位が上がりにくいという実情は審査側にも理解されやすい論点です。
電力需給ひっ迫時の対応と再エネ出力制御への貢献という事業目的に、自社のリソースがどう役立つのかを結びつけて説明してください。
2028年3月31日以降もDRを続ける意思があるのなら、その見通しにも触れておくと事業の継続性が伝わります。
実行体制を明記する
需要家とDRアグリゲーターの役割分担が明確であることは、この事業の審査における前提条件です。
実施体制図には、設備の所有者、制御を担う主体、工事を請け負う事業者、社内の責任者をそれぞれ位置づけてください。
補助事業完了日の最終期限である2027年2月1日から逆算した工程表を添えれば、期間内に確実に終えられることの裏づけになります。
通信試験や検収、支払いまで含めた実務の担当者を書き込んでおくと、体制の実在性がより強く伝わります。
ディマンドリスポンスIoT化推進事業の申請手順
- SIIの公募情報ページから公募要領と交付規程をダウンロードし、要件を確認します
- GビズIDのサイトでGビズIDプライムアカウントを取得します(発行までに時間を要するため早めに着手します)
- DRアグリゲーターとして参加する場合は、2026年10月30日までにJグランツからSIIへ登録申請を行います
- 需要家として申請する場合は、登録済みのDRアグリゲーターを一覧から探し、DR契約の内容を確認します
- IoT化する対象リソースを洗い出し、JC-STARの★1を取得した通信機器を含む機器構成を設計します
- 見積依頼仕様書を作成して業者から見積を取得し、指定書式で見積内訳書を整えます
- 実施体制図や制御対象リソースリスト、システム構成図などの添付書類を作成します
- 2026年11月27日までに、Jグランツから必要事項を入力して交付申請を行います
- 審査を経て交付決定通知を受けたのち、三者見積検査を受けてから発注・契約に進みます
- DR契約の締結、通信試験、設備の検収、経費の全額支払いを完了させ、2027年2月1日までに実績報告書を提出して額の確定を受けます
ディマンドリスポンスIoT化推進事業を自社で申請する際の注意点
最も多くの企業がつまずくのは、交付決定より前に発注や契約を進めてしまう場面です。
交付決定前に着手できるのは見積の取得までで、DR契約の締結も工事も代金の支払いも、決定通知を受けてからでなければ補助対象になりません。
さらに、発注に先立ってSIIによる三者見積検査を受ける必要があり、この検査が完了するまでは原則として発注そのものが認められない点も見落とされがちです。
支払い方法についても、クレジット契約や割賦、手形、相殺による決済は原則認められず、金融機関を通した振込で行うこととされています。
GビズIDプライムの発行には日数がかかりますので、申請を決めた時点で真っ先に手続を始めておくと安全です。
自社に申請ノウハウが無い場合は専門家に依頼するのもおすすめ
- 制度選定の精度が上がる
- 事業計画の質が上がる
- 採択後の実務まで見据えられる
制度選定の精度が上がる
エネルギー関連の補助事業は、蓄電システム、省エネ設備、再エネ電源と細かく枝分かれしています。
同じSIIが執行する事業だけでも複数の枠が並行しており、どこに何を申請するかで受給できる総額が変わってきます。
国庫補助金どうしの併用が認められない以上、どの設備をどの事業に割り当てるかという設計こそが最初の勝負どころです。
複数制度を日常的に扱っている専門家であれば、この振り分けを短時間で組み立てられます。
事業計画の質が上がる
設備の担当者が書く資料は機器仕様の説明に寄りやすく、DRとしての価値が伝わりにくくなる傾向があります。
審査で見られているのは機器の性能そのものより、その機器が電力系統にどんな貢献をもたらすかという点です。
外部の書き手が入ることで、社内では当たり前になっていた前提が言葉になり、公募要領の要件と噛み合った説明へ整えられます。
見積内訳書と機器一覧、システム構成図の記載が食い違っていないかという確認も、第三者の目が入ると取りこぼしが減ります。
採択後の実務まで見据えられる
この事業は交付申請だけで終わらず、三者見積検査、中間検査、実績報告、確定検査と関門が続きます。
証憑の残し方を知らないまま工事に入ると、確定検査の段階で書類が足りないという事態を招きかねません。
補助事業に係る資料は事業完了年度の終了後5年間保存する義務がありますので、最初から保管の仕組みを設計しておく価値があります。
DR対応期間中の実施状況報告まで見通せる相手であれば、交付後の運用面でも心強い味方になります。
ディマンドリスポンスIoT化推進事業を不正受給するとどうなるのか
- 虚偽の申請が招く交付決定の取消と加算金
- 調査に耐えられる記録の残し方
虚偽の申請が招く交付決定の取消と加算金
この補助金は補助金等に係る予算の執行の適正化に関する法律に基づいて執行されています。
不正な手段で受給した疑いがある場合、SIIは補助金の受給者に対して現地調査等を実施し、取引先にまで確認の手が及ぶこともあります。
不正行為が認められれば交付決定は取り消され、受領済みの補助金に年10.95パーセントの加算金を加えた額の返還を求められます。
加えて、一定期間は新たな補助金の交付を受けられなくなり、事業者名と不正の内容が公表される場合があることも公募要領に明記されています。
調査に耐えられる記録の残し方
後ろ暗いところがなくても、記録が乏しければ説明に窮するのが補助事業の難しさです。
見積書と発注経過表、契約書、検収記録、金融機関を通した支払いの証憑、そしてDR契約書と通信試験の結果を一式そろえて保管してください。
これらの資料は補助事業が完了した日の属する年度の終了後5年間、いつでも閲覧に供せるよう保存することが義務づけられています。
自社製品を調達に含める場合は利益相当分を排除して原価で計上するというルールもありますので、社内取引が絡む案件はとくに丁寧な整理が求められます。
ディマンドリスポンスIoT化推進事業のまとめ
令和7年度補正のディマンドリスポンスの拡大に向けたIoT化推進事業は、高圧以上の需要家が保有する既存リソースをDR対応にするための費用を支援する制度です。
補助対象経費は設計費、設備費、工事費の3区分で、補助率は2分の1以内、補助上限額は1申請あたり2,000万円となっています。
申請できるのは日本国内で事業活動を営む法人で、DRアグリゲーターと需要家の間で2028年3月31日まで続くDR契約を結ぶことが条件です。
公募期間は2026年3月24日から2026年11月27日までで、DRアグリゲーターの登録申請は2026年10月30日が締切となっています。
交付決定前の発注は補助対象外となり、発注に先立つ三者見積検査も必要ですので、着手の順序を守ることが採択後のトラブルを防ぐ最大の要点です。
様式類と最新の公募要領はSIIの公募情報ページから、制度の要点はJグランツの公募詳細ページからそれぞれ確認できます。
設備を眠らせたまま電気料金だけが膨らんでいる状況に心当たりがあるなら、この機会にIoT化の検討を始めてみてはいかがでしょうか。
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