中山間地域所得確保推進事業は、農林水産省が実施する「中山間地域所得確保対策」の中核となる支援事業です。
マーケット調査や販売戦略の検討、所得確保計画の策定・実践といった取り組みに対し、上限500万円の定額助成を受けられます。
対象は都道府県・市町村・地域協議会・農業者団体・農業者(2者以上)で、全国の中山間地域が対象です。
本記事では、制度の内容・対象者・助成額から申請の進め方までを分かりやすく解説します。
中山間地域所得確保推進事業の基本情報
| 正式名称 | 【農林水産省】中山間地域所得確保推進事業(中山間地域所得確保対策) |
| 対象地域 | 全国(中山間地域) |
| 実施機関 | 農林水産省農村振興局地域振興課 |
| 対象者 | 都道府県、市町村、地域協議会、農業者団体、農業者(2者以上) |
| 対象業種 | 農業、林業 |
| 対象経費 | マーケット調査、消費動向調査、所得確保計画の策定・実践等に係る経費 |
| その他要件 | 計画区域内の受益者数が農業者2者以上であること等 |
| 補助対象外 | 実施要綱の要件を満たさない取り組み(詳細は公募要領を確認してください) |
| 申請期間 | 2026年12月1日 17:15まで |
| 上限金額 | 5,000,000円 |
| 補助率 | 定額助成 |
| 問い合わせ先 | 農林水産省農村振興局地域振興課 中山間対策班(ダイヤルイン:03-3501-8359) |
補助金・助成金の正式名称
正式名称は「中山間地域所得確保推進事業」で、農林水産省の「中山間地域所得確保対策」に位置付けられた事業です。
中山間地域の農業者等の所得確保に向けた計画の策定と実践を総合的に支援することを目的としています。
対象都道府県・市区町村
対象地域は特定の都道府県に限定されず、全国の中山間地域が対象です。
実施要綱に定める所得確保計画の区域(計画区域)を対象に実施される仕組みとなっています。
実施機関
実施機関は農林水産省農村振興局地域振興課です。
担当は中山間対策班で、制度に関する相談や申請の連絡先となっています。
対象者(世帯・個人事業主・法人・団体・研究機関)
事業実施主体は、都道府県、市町村、地域協議会、農業者団体、農業者(2者以上)です。
農業者単独(1者のみ)では対象とならないため、複数の農業者や団体での取り組みが前提となります。
対象業種
対象業種は農業、林業です。
従業員数の制約は設けられていません。
対象経費
対象となるのは、国内外のマーケット調査、消費動向調査、生産・加工・流通・販売に関する現状の調査分析、高収益作物導入などの戦略検討、所得確保計画の策定・実践に係る経費です。
このうち所得確保計画の策定(又は見直し)とその実践は必須項目とされています。
その他要件
計画区域内の受益者数が農業者2者以上であることが求められます。
また、可能な限り計画区域内の認定農業者を含めるよう努めることとされています。
補助対象外となるもの
実施要綱・公募要領に定める要件を満たさない取り組みや経費は対象外となります。
選択項目(各種調査・戦略検討)だけを行い、必須項目である計画の策定・実践を伴わない場合は対象になりませんので注意してください。
申請期間
申請期限は2026年12月1日17時15分までです。
計画策定には関係者間の調整が必要になるため、期限から逆算して早めに動き始めることをおすすめします。
上限金額・助成額
助成の上限額は500万円(5,000,000円)です。
具体的な交付額は取り組み内容に応じて決まるため、公募要領で確認してください。
補助率
本事業は補助率方式ではなく定額助成です。
自己負担割合の計算が不要な分、資金計画を立てやすい点が特徴です。
問い合わせ先
問い合わせ先は、農林水産省農村振興局地域振興課の中山間対策班です。
ダイヤルイン03-3501-8359(代表03-3502-8111 内線5638)で相談を受け付けています。
公式公募ページと確認すべきこと
制度の一次情報は、Jグランツの公募詳細ページと農林水産省の公式サイトで確認できます。
なお、本事業はJグランツ上では申請受付を行っていないため、申請を検討する場合は必ず問い合わせ先へ連絡してください。
中山間地域所得確保推進事業を対象者が活用すべき理由(メリット)
中山間地域の農業は、高齢化や人口減少といった構造的な課題を抱えながらも、ブランド化や高収益作物への転換など大きな可能性を秘めています。
本事業を活用すれば、市場調査から販売戦略の検討、計画づくりとその実践までを定額助成で進められるため、地域ぐるみの所得向上への第一歩を踏み出しやすくなります。
また、水田の汎用化や鳥獣被害防止対策、産地生産基盤パワーアップ事業といった関連事業と連携して展開できる点も魅力です。
個々の農家では取り組みにくい調査や戦略立案を地域単位で実施できることが、この制度ならではの価値と言えます。
中山間地域所得確保推進事業を申請すべき人とそうでない人の特徴
- 申請すべき人
- 見送ったほうが良い人の特徴
申請すべき人
- 中山間地域で農業所得の向上に地域ぐるみで取り組みたい農業者・団体
- 高収益作物の導入や販路拡大の戦略を本格的に検討したい地域
- 所得確保計画の策定から実践まで一体的に進めたい市町村・地域協議会
- 2者以上の農業者で連携できる体制がある地域
見送ったほうが良い人の特徴
- 単独(1者のみ)での申請を考えている農業者
- 中山間地域以外での取り組みを予定している事業者
- 調査だけを行い、所得確保計画の策定・実践までは想定していない場合
- 関係者間の調整や計画づくりに時間を割けない場合
その他にも利用すべき補助金・助成金制度の代表例
- 新事業進出補助金(新事業進出・ものづくり補助金 新事業進出枠)
- ものづくり補助金(革新的新製品・サービス枠)
- 中小企業省力化投資補助金
- 小規模事業者持続化補助金
新事業進出補助金(新事業進出・ものづくり補助金 新事業進出枠)
本業とは別の市場に挑戦する中小企業の設備投資等を支える制度です。
農産物加工や観光への展開など、既存事業の枠を越えた新分野進出をまとまった規模で支援してもらえる点が持ち味です。
ものづくり補助金(革新的新製品・サービス枠)
新しい製品やサービスの開発に必要な設備・システムの導入を後押しする制度です。
6次産業化に向けた加工設備の導入や生産ラインの高度化にも活用でき、採択事例も豊富にあります。
中小企業省力化投資補助金
省力化機器の導入によって人手不足を補いたい事業者向けの制度です。
登録されたカタログ製品から選んで申請できる手軽さがあり、労働力確保が難しい地域の現場と相性が良い制度です。
小規模事業者持続化補助金
小規模事業者の販路開拓・業務効率化を幅広く支援する定番の制度です。
直売所のPRやECサイト開設など小さく始められる販路づくりから挑戦でき、初めての補助金活用にも向いています。
中山間地域所得確保推進事業の申請に必要なもの
- 申請に必要な書類一覧と取得方法
- 記載例はどこで確認できるか
申請に必要な書類一覧と取得方法
- 事業実施計画(申請様式)
- 所得確保計画に関する書類
- 実施主体(団体・協議会等)の概要が分かる書類
- 取り組みに係る経費の見積・積算資料
公募要領・交付要綱・申請様式はJグランツ詳細ページと農林水産省の公式ページから入手できます。
記載例はどこで確認できるか
様式の記載方法や実施要綱の詳細は、農林水産省の公式サイトで確認できます。
判断に迷う点は、着手前に中山間対策班へ電話で確認することで、計画の練り直しを防げます。
中山間地域所得確保推進事業の採択率を上げる事業計画書の作り方
- 市場性を具体的に書く
- 差別化ポイント(自社と他社の違い)を明確に記載
- この制度を利用する必要性・重要性を記載
- 実行体制を明記する
市場性を具体的に書く
狙う品目の市場規模や価格動向、想定する販売先の需要を裏付けデータとともに整理しましょう。
「誰に・何を・どの販路で売るのか」を数字で語れる計画は、実現可能性の評価が大きく変わります。
差別化ポイント(自社と他社の違い)を明確に記載
他産地との競合を意識し、自分たちの地域だからこそ実現できる強みを言語化することが大切です。
気候・風土・伝統品種・地域ブランドといった地域資源と結び付けた独自性を示せると、計画に説得力が生まれます。
この制度を利用する必要性・重要性を記載
助成なしでは調査や計画づくりに踏み出せない事情を、地域の現状とあわせて説明しましょう。
高齢化率や耕作放棄地の増加など地域課題の数値を引用しつつ、本事業が転機になる理由を述べると必要性が伝わります。
実行体制を明記する
参加する農業者・団体・市町村それぞれの役割と、意思決定の流れをはっきりさせておきます。
認定農業者の参画状況や市町村の指導・助言を受ける体制まで記載できると、地域一体の取り組みであることを示せます。
中山間地域所得確保推進事業の申請手順
- 農林水産省の公式サイトで実施要綱・公募要領を確認する
- 計画区域と参加者(農業者2者以上)を決め、体制を整える
- 中山間対策班へ連絡し、申請方法・様式を確認する
- 所得確保計画・事業実施計画を作成する
- 期限(2026年12月1日17時15分)までに申請する
- 審査・採択後、計画に基づく取り組みを実践する
- 実績報告を行い、助成金の交付を受ける
中山間地域所得確保推進事業を自社で申請する際の注意点
本事業はJグランツでの電子申請に対応しておらず、問い合わせ先への連絡から手続きが始まる点にまず注意が必要です。
実施主体の要件として農業者2者以上の参画が必要なため、体制づくりの調整期間を見込んでおきましょう。
調査や戦略検討は選択項目ですが、所得確保計画の策定・実践は必須項目である点を計画段階から押さえておく必要があります。
関係者が多い事業のため、役所の担当課や参加農業者との合意形成を早めに進めることが、期限内申請の鍵になります。
自社に申請ノウハウが無い場合は専門家に依頼するのもおすすめ
- 制度選定の精度が上がる
- 事業計画の質が上がる
- 採択後の実務まで見据えられる
制度選定の精度が上がる
農業分野の支援策は本事業のほかにも関連事業が多層的に存在し、最適な組み合わせの判断は容易ではありません。
畜産クラスター事業や産地パワーアップ事業などとの併活用の道筋まで見据えた助言を受けられるのが専門家に相談する利点です。
事業計画の質が上がる
地域単位の計画は関係者の意向をまとめながら書き上げる必要があり、独力では骨格が曖昧になりがちです。
第三者の視点で課題整理と数値目標の設定を支援してもらうことで、審査に耐える計画に磨き上げられます。
採択後の実務まで見据えられる
採択後には計画の実践状況の管理や実績報告といった継続的な事務が発生します。
帳票整理や報告書作成の段取りまで含めた伴走支援を受ければ、農作業と両立しながら事業を完遂しやすくなります。
中山間地域所得確保推進事業を不正受給するとどうなるのか
- 助成金の返還命令と社会的信用の喪失につながる
- 会計検査や関係者の通報をきっかけに発覚する
助成金の返還命令と社会的信用の喪失につながる
架空の経費計上や実態のない取り組みの報告が判明した場合、採択の取り消しや助成金の返還命令の対象となります。
農林水産省など所管する行政機関から不正の内容が公になれば、地域や取引先との信頼関係を一度に失うことになりかねません。
会計検査や関係者の通報をきっかけに発覚する
国費を使う事業は、会計検査や実績報告の精査を通じて資金の使い道が細かくチェックされます。
共同事業ゆえに参加者や地域住民からの通報で明るみに出る例もあるため、ルールに沿った適正な執行を徹底することが何よりの備えです。
中山間地域所得確保推進事業のまとめ
中山間地域所得確保推進事業は、中山間地域の農業者等が行うマーケット調査・販売戦略の検討・所得確保計画の策定と実践を、上限500万円の定額助成で支援する農林水産省の制度です。
申請期限は2026年12月1日17時15分までですので、地域ぐるみで農業所得の向上を目指す方は早めに準備を始めてください。
最新の要領・様式はJグランツの公募詳細ページおよび農林水産省の公式サイトで必ず確認しましょう。
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