東京都の介護休業取得応援奨励金とは?中小企業向け支給要件と申請方法を解説

介護と仕事の両立に悩む従業員を抱える都内中小企業の経営者や人事担当者にとって、支援制度の活用は重要な選択肢の一つです。

東京都は、従業員の介護休業取得と職場復帰を後押しする「介護休業取得応援奨励金」を実施しています。

この奨励金は公益財団法人東京しごと財団が運営しており、合計15日以上の介護休業を取得して原職復帰した従業員がいる都内中小企業等が対象です。

加算の取組を組み合わせることで、支給額は最大145万円まで増額される点が大きな特徴です。

申請にはGビズIDプライムの取得や労働関係法令の遵守など複数の要件が設けられているため、早めの準備が欠かせません。

本記事では、介護休業取得応援奨励金の対象者や支給額、申請の流れ、注意点までを詳しく紹介します。

  1. 介護休業取得応援奨励金の基本情報
    1. 介護休業取得応援奨励金の正式名称
    2. 介護休業取得応援奨励金の対象都道府県・市区町村
    3. 実施機関
    4. 対象者(世帯・個人事業主・法人・団体・研究機関)
    5. 対象業種
    6. 対象経費
    7. その他要件
    8. 補助対象外となるもの
    9. 申請期間
    10. 上限金額・助成額
    11. 補助率
    12. 問い合わせ先
    13. 公式公募ページと確認すべきこと
  2. 介護休業取得応援奨励金を対象者が活用すべき理由(メリット)
  3. 介護休業取得応援奨励金を申請すべき人とそうでない人の特徴
    1. 申請すべき人
    2. 見送ったほうが良い人の特徴
  4. その他にも利用すべき補助金・助成金制度の代表例
    1. 新事業進出補助金
    2. ものづくり補助金(革新的新製品・サービス枠)
    3. 中小企業省力化投資補助金
    4. 小規模事業者持続化補助金
  5. 介護休業取得応援奨励金の申請に必要なもの
    1. 申請に必要な書類一覧と取得方法
    2. 記載例はどこで確認できるか
  6. 介護休業取得応援奨励金の採択率を上げる事業計画書の作り方
    1. 市場性を具体的に書く
    2. 差別化ポイント(自社と他社の違い)を明確に記載
    3. この制度を利用する必要性・重要性を記載
    4. 実行体制を明記する
  7. 介護休業取得応援奨励金の申請手順
  8. 介護休業取得応援奨励金を自社で申請する際の注意点
  9. 自社に申請ノウハウが無い場合は専門家に依頼するのもおすすめ
    1. 制度選定の精度が上がる
    2. 事業計画の質が上がる
    3. 採択後の実務まで見据えられる
  10. 介護休業取得応援奨励金を不正受給するとどうなるのか
    1. 支給決定の取消しと事業者名の公表
    2. 窓口への情報提供という選択肢
  11. 介護休業取得応援奨励金のまとめ

介護休業取得応援奨励金の基本情報

制度名令和8年度介護休業取得応援奨励金
実施機関公益財団法人東京しごと財団(東京都)
対象地域東京都
対象者都内中小企業等・個人事業主(常時雇用従業員300人以下)
対象業種漁業・建設業・製造業・情報通信業・卸売業小売業・宿泊飲食サービス業・医療福祉 等(ほぼ全業種が対象)
対象となる取組介護休業取得(合計15日以上)+原職復帰+職場環境整備
補助対象外個人事業主本人や代表者の三親等内親族の休業 等
申請期間原職復帰後3か月経過の翌日から2か月以内(事業実施期間:令和8年4月1日〜令和9年3月31日)
上限金額55万円(加算により最大145万円)
補助率定額支給
問い合わせ先東京しごと財団 企業支援部 雇用環境整備課 育児介護支援係(03-5211-2399)
情報源Jグランツ公募詳細ページ

介護休業取得応援奨励金の正式名称

本制度の正式名称は「令和8年度介護休業取得応援奨励金」です。

運営するのは公益財団法人東京しごと財団で、東京都の政策と連動した雇用環境整備事業の一環として実施されています。

名称に「奨励金」とあるとおり、審査で採択を競う補助金とは異なり、要件を満たせば支給される仕組みである点が特徴です。

介護休業取得応援奨励金の対象都道府県・市区町村

対象地域は東京都内に限定されています。

本店登記または支店の事業所が都内にあり、実質的に営業していることが条件です。

都外に本社を置く企業であっても、都内に実態のある事業所があれば対象になり得る点は見落とされがちです。

実施機関

実施機関は公益財団法人東京しごと財団です。

東京都から雇用環境整備事業を受託し、企業支援部雇用環境整備課が窓口を担っています。

東京都政策連携団体そのものは対象外とされているため、財団自身や関連団体は申請できません。

対象者(世帯・個人事業主・法人・団体・研究機関)

対象となるのは、都内で事業を営む中小企業等または個人事業主です。

常時雇用する従業員数が300人以下であることに加え、都内勤務の雇用保険被保険者を2名以上、6か月以上継続雇用していることが求められます。

直近年度の都税を納付していることや、過去5年間に重大な法令違反がないことも対象者の要件に含まれます。

対象業種

対象業種は非常に幅広く設定されています。

漁業、建設業、製造業、情報通信業、卸売業・小売業、宿泊業・飲食サービス業、医療、福祉など、ほぼすべての業種が申請対象に含まれます。

業種による除外がほとんどないため、幅広い中小企業が申請を検討できる制度です。

対象経費

本制度は経費補助ではなく、従業員の介護休業取得と職場環境整備の取組そのものが支給対象です。

具体的には、合計15日以上の介護休業取得、原職復帰後3か月の就業継続、就業規則への法を上回る制度の整備が条件になります。

加算の取組として、応援手当の支給や介護休業に関する研修・相談体制の整備なども支給額に反映されます。

その他要件

労働関係法令の遵守も重要な要件です。

最低賃金の遵守、36協定の締結、年5日の年次有給休暇取得義務の履行など、複数の労務管理項目を満たす必要があります。

就業規則を作成し労働基準監督署に届け出ていることも必須で、従業員10人未満の事業所であっても届出が必要です。

補助対象外となるもの

個人事業主本人の休業は対象外です。

申請企業の代表者と三親等内の親族にあたる従業員が取得した介護休業も対象になりません。

同一の事由で国や区市町村の他の補助金・助成金を受給した場合、本奨励金は支給されない点に注意が必要です。

申請期間

申請受付期間は一律の締切ではなく、従業員ごとの休業取得状況に応じて設定されます。

合計15日以上の介護休業取得後、原職復帰から3か月が経過した日の翌日から2か月以内に申請する必要があります。

事業実施期間は令和8年4月1日から令和9年3月31日までで、予算上限に達すると期間内でも受付が終了します。

上限金額・助成額

支給額は介護休業の取得日数に応じて変動します。

合計15日以上で27.5万円、合計31日以上取得した場合は55万円が基本額です。

4つの加算要件を組み合わせることで、支給額は最大145万円まで増額されます。

補助率

本制度には一般的な補助金のような補助率の設定はありません。

休業取得日数や加算要件の達成状況に応じて、あらかじめ定められた金額が定額で支給される仕組みです。

経費の実支出額を証明する必要がある補助金と比べて、申請書類の準備負担が異なる点も押さえておきたいポイントです。

問い合わせ先

制度に関する問い合わせ先は公益財団法人東京しごと財団企業支援部雇用環境整備課育児介護支援係です。

電話番号は03-5211-2399で、受付時間は平日9時から17時まで(正午から13時、土日祝日、年末年始を除く)となっています。

制度の詳細や最新の申請要件は、必ず公式の募集要項で確認することが推奨されます。

公式公募ページと確認すべきこと

制度の詳細情報はJグランツの公募詳細ページで確認できます。

ページ内には募集要項や交付要綱、申請様式などのPDFファイルが掲載されており、最新の要件を必ず確認する必要があります。

申請にはGビズIDプライムの取得が必要で、発行までに時間がかかるため早めの準備が推奨されます。

介護休業取得応援奨励金を対象者が活用すべき理由(メリット)

介護休業取得応援奨励金を活用する最大のメリットは、従業員の介護離職を防ぎながら経済的な負担を軽減できる点です。

中小企業にとって熟練した人材の離職は大きな損失であり、介護を理由とした離職を防ぐ体制づくりは経営上のリスク管理にもつながります。

最大145万円の支給を受けられる可能性があるため、就業規則の整備や職場環境の改善にかかるコストを抑えながら制度を導入できます。

また、介護と仕事を両立できる職場であることは、採用活動や既存従業員の定着率向上においてもプラスに働きます。

奨励金の活用を通じて働きやすい職場づくりを進めることは、企業のイメージアップにも寄与します。

介護休業取得応援奨励金を申請すべき人とそうでない人の特徴

  • 申請すべき人
  • 見送ったほうが良い人の特徴

申請すべき人

  • 従業員が合計15日以上の介護休業を取得し、原職復帰する見込みがある企業
  • 都内に本店登記または実質的な事業所があり、常時雇用従業員が300人以下の中小企業等
  • 就業規則の整備や労務管理体制について、法令を上回る改善に取り組む意欲がある企業
  • GビズIDプライムを取得済み、または取得を検討している企業

見送ったほうが良い人の特徴

  • 介護休業の取得実績がまだ無く、当面取得予定もない企業
  • 就業規則の整備や労基署への届出などの事務対応に時間を割けない企業
  • 同一の事由で国や自治体の他の補助金・助成金をすでに受給している企業
  • 労働関係法令の遵守状況に課題があり、是正に時間を要する企業

その他にも利用すべき補助金・助成金制度の代表例

  • 新事業進出補助金
  • ものづくり補助金(革新的新製品・サービス枠)
  • 中小企業省力化投資補助金
  • 小規模事業者持続化補助金

新事業進出補助金

新事業進出補助金は、既存事業とは異なる新市場への進出を支援する制度です。

大胆な事業転換を後押しする内容になっており、思い切った新分野への挑戦を検討する企業に向いています。

ものづくり補助金(革新的新製品・サービス枠)

ものづくり補助金の革新的新製品・サービス枠は、試作品開発や生産プロセスの改善に活用できる制度です。

設備投資を伴う新製品・新サービスの開発に取り組む中小企業にとって、有力な資金調達手段となります。

中小企業省力化投資補助金

中小企業省力化投資補助金は、人手不足に対応するための省力化機器の導入を支援する制度です。

カタログに掲載された汎用製品を選ぶだけで比較的簡易に申請できる点が特徴です。

小規模事業者持続化補助金

小規模事業者持続化補助金は、販路開拓や業務効率化に取り組む小規模事業者を対象とした制度です。

比較的小規模な投資でも申請しやすく、初めて補助金を活用する事業者にもおすすめです。

介護休業取得応援奨励金の申請に必要なもの

  • 申請に必要な書類一覧と取得方法
  • 記載例はどこで確認できるか

申請に必要な書類一覧と取得方法

  • 支給申請書(募集要項所定の様式)
  • 新旧の就業規則(労働基準監督署の受領印があるもの)
  • 介護休業取得者の休業期間・原職復帰状況が分かる書類(出勤簿、賃金台帳等)
  • 雇用保険被保険者証の写しなど、対象従業員の雇用状況を証明する書類
  • 履行確認のための誓約書・チェックリスト類

記載例はどこで確認できるか

申請様式や記載例は、Jグランツの公募詳細ページからダウンロードできます。

募集要項・電子申請版には加算要件ごとの詳細な提出書類が記載されているため、事前に必ず目を通しておく必要があります。

介護休業取得応援奨励金の採択率を上げる事業計画書の作り方

  • 市場性を具体的に書く
  • 差別化ポイント(自社と他社の違い)を明確に記載
  • この制度を利用する必要性・重要性を記載
  • 実行体制を明記する

市場性を具体的に書く

本奨励金は事業計画書の提出を必須とする制度ではありませんが、就業規則の整備内容や運用計画を具体的に整理しておくことは審査上有効です。

自社の従業員構成や介護を必要とする可能性のある年代層のデータを示すことで、制度導入の必要性を説得力をもって伝えられます。

差別化ポイント(自社と他社の違い)を明確に記載

同業他社と比較して自社がどのような職場環境整備に取り組んでいるかを整理しておくと、社内外への説明がしやすくなります。

応援手当の支給や研修体制など、他社にはない独自の取組を明記することで、制度活用の意義がより明確になります。

この制度を利用する必要性・重要性を記載

介護離職のリスクや人材確保の観点から、なぜ本奨励金の活用が自社にとって必要なのかを整理しておくことが重要です。

介護と仕事の両立支援を経営課題として明確に位置づけることで、社内での合意形成もスムーズになります。

実行体制を明記する

就業規則の整備や相談窓口の設置など、実際に取組を運用する担当部署や責任者を明確にしておく必要があります。

人事労務担当者だけでなく経営層も関与する体制を整えることで、制度の実効性が高まります。

介護休業取得応援奨励金の申請手順

  1. 就業規則を確認し、育児・介護休業法を上回る制度を整備・届出する
  2. 対象従業員が合計15日以上の介護休業を取得し、原職復帰する
  3. 原職復帰後3か月間の就業継続を確認する
  4. GビズIDプライムを取得し、Jグランツ上で申請フォームを作成する
  5. 必要書類を準備し、電子申請と郵送書類を期限内に提出する
  6. 財団による審査を経て、支給決定通知を受け取る

介護休業取得応援奨励金を自社で申請する際の注意点

自社で申請する場合は、就業規則の新旧比較や労基署受領印の日付など、細かな確認事項が多い点に注意が必要です。

申請受付期限は休業取得者ごとに個別に設定されるため、社内でスケジュール管理を徹底することが求められます。

新旧の就業規則が同日に届け出られている場合は対象外となるため、届出のタイミングには特に注意してください。

書類に不備があると差戻しとなり、支給が遅れる可能性があるため、提出前のダブルチェックをおすすめします。

自社に申請ノウハウが無い場合は専門家に依頼するのもおすすめ

  • 制度選定の精度が上がる
  • 事業計画の質が上がる
  • 採択後の実務まで見据えられる

制度選定の精度が上がる

社会保険労務士などの専門家に相談することで、自社の状況に最も適した制度を的確に選定できます。

介護休業取得応援奨励金以外にも活用できる助成金がないか、専門家の視点で幅広く洗い出してもらえる点は大きな利点です。

事業計画の質が上がる

就業規則の整備内容や運用計画についても、専門家の助言を受けることで実務に即した内容に仕上げられます。

労務管理の専門知識をもつ専門家が関与することで、書類の不備による差戻しのリスクを減らせます。

採択後の実務まで見据えられる

支給決定後の運用や、加算要件を満たすための継続的な取組についても、専門家に相談しながら進められます。

制度活用後の職場環境整備を一過性で終わらせず、継続的な人事労務改善につなげやすくなる点もメリットです。

介護休業取得応援奨励金を不正受給するとどうなるのか

  • 支給決定の取消しと事業者名の公表
  • 窓口への情報提供という選択肢

支給決定の取消しと事業者名の公表

虚偽の申請内容が判明した場合、支給決定が取り消され、既に支給された奨励金の返還を求められる可能性があります。

悪質なケースでは、事業者名や不正の内容が公表される場合があるため、企業の信用に関わる重大なリスクとなります。

窓口への情報提供という選択肢

不正受給の疑いに気づいた場合は、公益財団法人東京しごと財団の問い合わせ窓口に情報提供することができます。

制度の公正な運用を維持するためにも、疑わしい事案については所管する窓口へ相談することが望まれます。

介護休業取得応援奨励金のまとめ

介護休業取得応援奨励金は、従業員の介護休業取得と職場復帰を支援する都内中小企業向けの制度です。

支給額は最大145万円まで増額できるため、就業規則の整備や職場環境の改善を検討している企業にとって有効な選択肢となります。

制度の詳細や最新の申請要件は、Jグランツの公募詳細ページで必ず確認してください。

申請にはGビズIDプライムの取得や複数の書類準備が必要なため、早めに準備を始めることをおすすめします。

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