福岡市では、天神・博多駅周辺など都心部のビルやまちなみに緑を増やすための独自の補助制度を設けています。
それが「福岡市グリーンビル促進事業補助金」で、オフィスビルや商業施設などの所有者・建築主が敷地や壁面に緑化を施す際の工事費用の一部を支援してくれる仕組みです。
補助上限額は3,000万円、補助率は対象経費の2分の1と、都心部の緑化事業としては手厚い内容になっている点が大きな特徴です。
対象となるのは新築ビルの緑化だけでなく、既存ビルの緑化促進も含まれるため、幅広い事業者にとって活用の余地があります。
一方で、緑化工事の着工前に必ず事前相談と申請を済ませておく必要があるなど、申請時期には注意が必要です。
この記事では、制度の概要から対象者の条件、申請に必要な書類、採択率を高める事業計画書の作り方まで、順を追って解説していきます。
都心部でビルの緑化やまちづくりへの参加を検討している方は、ぜひ最後まで参考にしてください。
福岡市グリーンビル促進事業補助金の基本情報
| 制度名 | 福岡市グリーンビル促進事業補助金 |
| 実施機関 | 福岡市(住宅都市みどり局 みどり推進部 みどり推進課) |
| 対象地域 | 福岡県福岡市都心部(天神・博多駅・博多ふ頭中央ふ頭周辺エリア) |
| 対象者 | 都心部のオフィスビル等の緑化を行う建築物所有者・建築主・土地所有者等 |
| 対象業種 | 建設業・製造業・卸売業小売業・不動産業物品賃貸業等ほぼ全業種 |
| 対象経費 | オフィスビル等の緑化工事費用(必須緑化・効果促進緑化) |
| 補助上限額 | 3,000万円 |
| 補助率 | 対象経費の2分の1(効果促進緑化は3分の1) |
| 申請期間 | 2026年3月31日〜2027年3月31日(工事着工前の事前相談・申請が必須) |
| 申請方法 | Jグランツによる電子申請(事前相談後に申請書類を提出) |
| 問い合わせ先 | 福岡市住宅都市みどり局みどり推進部みどり推進課 |
| 公募要領 | Jグランツの公募詳細ページで確認可能 |
補助金・助成金の正式名称
正式名称は「福岡市グリーンビル促進事業補助金」で、根拠となる要綱は「福岡市グリーンビル促進事業補助金交付要綱」です。
都心部に緑や潤いをもたらすことを目的とした福岡市独自の補助制度として設けられています。
Jグランツ上では「【福岡市】グリーンビル促進事業」という名称でも案内されているため、検索する際はあわせて覚えておくと便利です。
対象都道府県・市区町村
対象となるのは福岡県福岡市の都心部に限られており、全国どこでも使える制度ではありません。
具体的には天神、博多駅、博多ふ頭・中央ふ頭を中心として、東は御笠川、南は百年橋通り、西は大正通りに囲まれたエリアが対象範囲です。
自社のビルや土地がこのエリアに含まれるかどうかは、福岡市の公式サイトで公開されている地図で事前に確認しておくことをおすすめします。
実施機関
本補助金の実施機関は福岡市で、窓口は住宅都市みどり局みどり推進部みどり推進課が担当しています。
制度の目的や交付要綱の解釈、緑化計画の技術的な相談についても、この窓口に問い合わせることができます。
申請前の事前相談も同課が対応しているため、疑問点は早めに相談しておくとスムーズです。
対象者(世帯・個人事業主・法人・団体・研究機関)
対象者は、補助事業を行う建築物の所有者、建築主、土地の所有者、またはこれらの方から承諾を得た方です。
個人事業主か法人かを問わず、対象エリア内でビルや土地を所有・管理する事業者であれば申請できる可能性があります。
テナントとして建物を借りている立場の場合は、所有者等からの承諾を得たうえで申請者になる必要がある点に注意してください。
対象業種
対象業種は非常に幅広く設定されており、業務施設や商業施設、宿泊施設などを所有・運営する事業者であれば、ほぼすべての業種が対象に含まれます。
建設業、製造業、卸売業・小売業、不動産業、宿泊業・飲食サービス業、金融業・保険業など、対象となる業種の範囲は多岐にわたります。
自社の業種が対象に含まれるか不安な場合も、まずは窓口に問い合わせてみるとよいでしょう。
対象経費
対象経費は、都心部のオフィスビル等における緑化工事にかかる費用です。
必須緑化として、空地緑化、壁面緑化などの建物緑化、その他の建物緑化の3種類が対象になります。
必須緑化とあわせて実施する場合に限り、屋内緑化や花壇整備といった効果促進緑化の費用も対象経費に含まれます。
効果促進緑化のみを単独で行う工事は対象外となるため、必ず必須緑化とセットで計画する必要があります。
その他要件
敷地面積が1,000平方メートル未満の場合は、高木・中木・壁面緑化による緑化面積を10平方メートル以上とすることが求められます。
敷地面積が1,000平方メートル以上の場合は、緑化面積10平方メートル以上に加えて、必須緑化のみによる緑化率を5パーセント以上にする必要があります。
緑化整備は申請する会計年度内に完了できる計画であることも要件のひとつです。
補助対象外となるもの
効果促進緑化である屋内緑化や花壇整備のみを単独で実施する工事は補助対象外です。
すでに緑化工事に着工したあとに申請した場合も補助対象外となるため、着工前の事前相談・申請が欠かせません。
法律等によりもともと緑化義務が課されている部分については、その基準を超えた部分のみが補助対象になる点にも留意してください。
申請期間
Jグランツ上の公募情報によると、申請の受付期間は2026年3月31日から2027年3月31日までとされています。
ただし緑化工事の着工前に事前相談と申請書類の提出を済ませる必要があるため、実際にはできるだけ早めの相談・申請が推奨されます。
申請から交付決定通知書の発行までは、概ね1か月程度の標準処理期間がかかる点もスケジュールに組み込んでおきましょう。
上限金額・助成額
補助上限額は3,000万円で、都心部の緑化を目的とした自治体独自の補助金としては比較的大きな金額です。
大規模なビルの空地緑化や壁面緑化など、まとまった工事費用が発生するケースでも活用しやすい上限設定といえます。
実際の交付額は対象経費や補助率の計算によって決まるため、工事内容ごとに見積もりを取ったうえで試算しておくと安心です。
補助率
補助率は対象経費の2分の1です。
屋内緑化や花壇整備などの効果促進緑化については、必須緑化にかかる費用の3分の1が上限として計算される点に注意してください。
見積もり段階で必須緑化と効果促進緑化の費用を分けて算出しておくと、補助額のシミュレーションがしやすくなります。
問い合わせ先
問い合わせ先は福岡市住宅都市みどり局みどり推進部みどり推進課です。
住所は〒810-8620福岡市中央区天神1丁目8番1号、電話番号は092-707-1295となっています。
メールでの問い合わせも受け付けているため、事前相談の前に制度の疑問点を整理してから連絡するとやり取りがスムーズです。
公式公募ページと確認すべきこと
最新の公募情報や交付要綱の詳細は、福岡市グリーンビル促進事業補助金のJグランツ公募詳細ページで確認できます。
また、緑化の対象エリアや過去の整備事例などについては、福岡市グリーンビル促進事業の公式サイトにも詳しい説明が掲載されています。
申請前には公募要領・交付要綱・申請様式の3点を必ずダウンロードし、最新の要件を確認したうえで事前相談に臨むことが重要です。
制度内容は年度ごとに見直される可能性があるため、公式情報を都度チェックする習慣をつけておきましょう。
福岡市グリーンビル促進事業補助金を対象者が活用すべき理由(メリット)
都心部のビル緑化は景観や環境価値を高める一方で、工事費用の負担が重くなりやすいという課題があります。
福岡市グリーンビル促進事業補助金を活用すれば対象経費の2分の1、最大3,000万円まで補助を受けられるため、初期投資の負担を大きく抑えながら緑化計画を進められます。
緑豊かなビルは企業イメージの向上にもつながり、テナント誘致や従業員の働きやすさの面でもプラスに働くことが期待できます。
既存ビルの緑化促進も対象に含まれているため、新築時だけでなく、老朽化した建物のリニューアルにあわせて活用することも可能です。
福岡市が推進するまちづくりの取り組みに参加することで、地域社会への貢献をアピールできる点も見逃せないメリットといえます。
福岡市グリーンビル促進事業補助金を申請すべき人とそうでない人の特徴
- 申請すべき人
- 見送ったほうが良い人の特徴
申請すべき人
- 福岡市都心部の対象エリア内にオフィスビルや商業施設を所有している方
- 既存ビルの空地や壁面を緑化してビルの資産価値を高めたいと考えている方
- 緑化工事の着工前で、事前相談から余裕を持ってスケジュールを組める方
- 緑化面積や緑化率の要件を満たす計画を立てられる方
見送ったほうが良い人の特徴
- 対象エリア外にビルや土地を所有している方
- すでに緑化工事に着工してしまっている方
- 屋内緑化や花壇整備などの効果促進緑化のみを単独で行いたい方
- 今年度中の工事完了が難しく、長期スケジュールでしか計画できない方
その他にも利用すべき補助金・助成金制度の代表例
- 新事業進出補助金
- ものづくり補助金(革新的新製品・サービス枠)
- 中小企業省力化投資補助金
- 小規模事業者持続化補助金
新事業進出補助金
新事業進出補助金は、既存事業とは異なる高付加価値な新分野への進出を後押しする制度で、事業再構築を検討する中小企業にとって心強い選択肢のひとつです。
設備投資や販路開拓など、新事業の立ち上げにかかる幅広い経費が対象になる点も特徴です。
ものづくり補助金(革新的新製品・サービス枠)
ものづくり補助金は、中小企業が行う革新的な製品・サービス開発や生産プロセスの改善に必要な設備投資を支援する制度として広く知られています。
新規性の高い試作品開発やシステム構築など、幅広い投資に対応できる汎用性の高さが魅力です。
中小企業省力化投資補助金
中小企業省力化投資補助金は、人手不足に悩む中小企業がIoTやロボットなどの省力化製品を導入する際の費用を支援する制度です。
カタログに掲載された製品から選ぶだけで申請できる簡易な手続きが用意されているケースもあり、初めて補助金を活用する事業者にも取り組みやすい制度です。
小規模事業者持続化補助金
小規模事業者持続化補助金は、小規模事業者が販路開拓や業務効率化に取り組む際の経費を補助する制度で、比較的少額から活用できる点が特徴です。
商工会議所や商工会のサポートを受けながら経営計画を作成できるため、初めて補助金にチャレンジする事業者にもおすすめです。
福岡市グリーンビル促進事業補助金の申請に必要なもの
- 申請に必要な書類一覧と取得方法
- 記載例はどこで確認できるか
申請に必要な書類一覧と取得方法
福岡市グリーンビル促進事業補助金の申請には、交付申請書に加えて、緑化計画図や求積図、工事費の見積書、建物や土地の所有を証明する書類などが必要になります。
- 交付申請書(Jグランツ所定の様式)
- 緑化計画図・求積図(緑化面積や緑化率が分かるもの)
- 工事費見積書(必須緑化・効果促進緑化を区分したもの)
- 建物・土地の登記事項証明書等、所有関係を証明する書類
- 所有者以外が申請する場合は所有者からの承諾書
様式や添付書類の詳細は交付要綱および申請様式に定められているため、事前相談の際にあわせて確認しておくと準備がスムーズです。
記載例はどこで確認できるか
具体的な様式の記載例や最新の申請書類は、福岡市グリーンビル促進事業の公式サイトで公開されています。
様式のバージョンが年度によって更新されることもあるため、申請直前に最新版を改めてダウンロードしておくと安心です。
福岡市グリーンビル促進事業補助金の採択率を上げる事業計画書の作り方
- 市場性を具体的に書く
- 差別化ポイント(自社と他社の違い)を明確に記載
- この制度を利用する必要性・重要性を記載
- 実行体制を明記する
市場性を具体的に書く
緑化事業そのものに市場性を語る場面は少ないものの、緑化によってビルの資産価値やテナント需要がどう変化するのかを具体的な数値や事例で示すことができれば、計画の説得力が増します。
周辺エリアの再開発動向やオフィス需要の傾向にも触れながら、緑化投資の意義を客観的に説明する姿勢が求められます。
差別化ポイント(自社と他社の違い)を明確に記載
同じ都心部のビルであっても、緑化のデザインや配置の工夫によって得られる効果は大きく異なります。
自社ビルならではの立地条件や建物構造を踏まえ、他の緑化事例と何が違うのかを具体的に書き分けることが評価につながります。
この制度を利用する必要性・重要性を記載
自己資金だけで緑化工事を実施する場合と比べ、本補助金を活用することでどの程度投資回収の見通しが改善するのかを示すと説得力が高まります。
福岡市が掲げるまちづくりの方針と自社の緑化計画がどのように合致しているのかを明記することも重要なポイントです。
実行体制を明記する
緑化工事を誰がどのように管理し、完了検査までどのような体制で進めるのかを具体的に記載しておくと、審査担当者に安心感を与えられます。
設計事務所や造園業者など外部パートナーと連携する場合は、その役割分担も明確にしておきましょう。
福岡市グリーンビル促進事業補助金の申請手順
- 福岡市住宅都市みどり局みどり推進部みどり推進課へ事前相談を行う
- 緑化計画図や見積書など必要書類を準備する
- Jグランツ上で交付申請書を作成し、必要書類とあわせて提出する
- 福岡市による審査を受け、交付決定通知書の発行を待つ(概ね1か月程度)
- 交付決定後に緑化工事へ着工する
- 工事完了後、完了報告書を提出し完了検査を受ける
- 検査完了後、補助金が交付される
福岡市グリーンビル促進事業補助金を自社で申請する際の注意点
緑化工事に着工したあとの申請は補助対象外となるため、スケジュールには十分な余裕を持たせておく必要があります。
申請から交付決定までに概ね1か月程度を要するため、着工希望時期から逆算して早めに事前相談へ動き出すことが重要です。
緑化面積や緑化率の要件は敷地面積によって条件が変わるため、計画段階で正確な求積計算を行っておく必要があります。
効果促進緑化のみを単独で計画すると対象外になってしまうため、必須緑化とのバランスを考えた設計が求められます。
自社に申請ノウハウが無い場合は専門家に依頼するのもおすすめ
- 制度選定の精度が上がる
- 事業計画の質が上がる
- 採択後の実務まで見据えられる
制度選定の精度が上がる
補助金や助成金は制度ごとに対象経費や要件が細かく異なるため、自社の緑化計画にどの制度が最も適しているかを見極めるには専門知識が必要です。
行政書士や中小企業診断士などの専門家に相談することで、見落としがちな併用可能な制度や有利な申請枠を提案してもらえる場合があります。
事業計画の質が上がる
専門家は数多くの採択事例や審査のポイントを把握しているため、緑化計画の意義や効果をより説得力のある形で事業計画書に落とし込むサポートが期待できます。
第三者の視点でチェックを受けることで、自社だけでは気づきにくい記載の不備を事前に修正できます。
採択後の実務まで見据えられる
採択後も完了報告や検査対応など事務手続きが続くため、申請段階から実務全体を見据えたサポートを受けられると安心です。
専門家に継続的に伴走してもらうことで、交付までのスケジュール管理や書類不備によるやり直しのリスクを減らすことができます。
福岡市グリーンビル促進事業補助金を不正受給するとどうなるのか
- 虚偽申請が発覚した場合の取り扱い
- 不正が疑われる場合の相談・情報提供先
虚偽申請が発覚した場合の取り扱い
実際には対象とならない工事を対象であるかのように装って申請したり、見積書の内容を偽って申請したりする行為は不正受給にあたります。
不正受給が発覚した場合、交付決定の取り消しや補助金の返還を求められるだけでなく、加算金の支払いが必要になるケースもあります。
福岡市が所管する補助制度である以上、悪質な事案については福岡市の判断により事業者名の公表など、社会的な信用に関わる対応が取られる可能性も否定できません。
不正が疑われる場合の相談・情報提供先
自社の申請内容に不安がある場合や、周囲で不正受給が疑われる事例を見聞きした場合は、福岡市住宅都市みどり局みどり推進部みどり推進課へ相談することができます。
制度を正しく理解し、事実に基づいた書類で申請することが、結果的に自社を守ることにもつながります。
福岡市グリーンビル促進事業補助金のまとめ
福岡市グリーンビル促進事業補助金は、福岡市都心部のビルや土地の緑化にかかる工事費用を、上限3,000万円・補助率2分の1という手厚い水準で支援してくれる制度です。
緑化工事に着工する前に必ず事前相談と申請を済ませておく必要がある点は、申請を検討するうえで特に押さえておきたいポイントです。
対象エリアや対象緑化の種類、緑化面積・緑化率の要件などを正確に把握したうえで、余裕を持ったスケジュールで準備を進めましょう。
最新の公募状況や申請様式は、福岡市グリーンビル促進事業補助金のJグランツ公募詳細ページと福岡市グリーンビル促進事業の公式サイトで随時確認できます。
自社での準備に不安がある場合は、専門家の力も借りながら、都心部のまちづくりに貢献する緑化計画を実現させてください。
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