口語体(話し言葉と書き言葉)の意味と文語体との違いを解説|書く際は形式を統一しよう

口語体

「口語体って話し言葉のこと?」

「口語体と文語体の違いって何だろうか?」」

このように考える人も多いのではないでしょうか?

結論を言うと口語体は話し言葉のことです(余談になりますが書き言葉も口語体です)。

簡単にまとめますと、現代で使われている言葉全てが口語体に分類されます。

また、詳しくは後述しますが口語体と文語体には決定的な違いがあります。

そこでこの記事では口語体とは何なのか・文語体との違いは何か・使う際の注意点を解説します。

参考にしてくださいね。

文体の意味と文語体との違いを解説

文体とは、文章の様式のことです。

文体の種類の代表的なものに口語体と文語体があります。

ここでは、口語体と文語体の違いについて以下の流れでご説明します。

  1. 口語体とは
  2. 文語体とは
  3. 口語体と文語体の違い

口語体とは

口語体とは、現代で一般的に用いられている話し言葉をもとにした文章の形式です。

たとえば、以下のような文章が口語体に当たります。

  • 今日のお昼ご飯はカレーです。
  • 第99代内閣総理大臣は菅義偉である。

私たちが普段からよく使っている言葉遣いですね。

現代の文章では口語体が最も多く用いられています。

これは、明治時代に作家たちが起こした言文一致運動が要因となっています。

言文一致運動とは、書き言葉を話し言葉に近づけようという運動のことです。

その結果、現代では話し言葉をもとにした口語体という形式が広く使われるようになったのです。

また、『です』『ます』『である』『だ』(これらを『ですます調』『だ・である調』と言います)などが語尾にくるのが口語体の特徴といえます。

『です』『ます』を語尾に使うと、丁寧な印象を与えることができます。

色々な人に広く読んでもらうWeb記事ではこの書き方が良いでしょう。

『だ』『である』を語尾に使うと、断定的で説得力のある文章になります。

こちらは、ニュースや論文などに適している書き方です。

参考にしてくださいね。

文語体とは

文語体とは、古い時代に用いられていた言葉をもとにした文章の形式です。

明治時代以前の法律文や文学作品に用いられています。

たとえば、以下のような文章が文語体に当たります。

廻れば大門の見返り柳いと長けれど、お歯ぐろ溝に燈火うつる三階の騒ぎも手に取る如く、…
たけくらべ 

樋口一葉|青空文庫(最終閲覧日2021年9月24日)

私たちにはあまりなじみのない難しい表現ですね。

このように、古い言葉遣いが文語体の特徴です。

口語体と文語体の違い

口語体と文語体の違いは文章のなじみやすさにあります。

Webライティングをする上では口語体で書くことが望ましいでしょう。

なぜなら、口語体はほとんどの人にとって最も読みやすい言葉遣いだからです。

口語体と文語体で文章のイメージは大きく変わります。

たとえば、先ほどのたけくらべの一節を口語体にして比べてみましょう。

  • 文語体:廻れば大門の見返り柳いと長けれど
  • 口語体:回っていくと大門の見返り柳は非常に距離があるが

口語体のほうが、なじみがあって読みやすいですよね。

学校の教科書、新聞や雑誌、SNSなど、私たちが触れる文章のほとんどが口語体を使って書かれています。

そのため、ほとんどの人にとって口語体が最も読みやすいのです。

したがって、現代人に広く読んでもらうことが目的のWeb記事では口語体を使うのが良いでしょう。

口語体には話し言葉と書き言葉の2種類がある

ここでは、口語体の種類について以下の流れでご説明します。

  • 話し言葉とは
  • 書き言葉とは
  • 話し言葉と書き言葉の違い
  • 使い分け方

話し言葉

口語体のうち、日常の中で用いる言葉遣いが話し言葉です。

家族との会話や、友人とのメールなどに使われます。

たとえば、以下のようなものが話し言葉です。

  • あっちにすごくおいしいケーキを食べれるお店がありますよ。
  • 直しといて、ちょっと左に傾いてるから。

話し言葉は口に出すための言葉なので、使い勝手の良い形が重視されます。

『食べられる』の『ら』や、『傾いている』の『い』が省略されていますね。

また、『直しておいて』が『直しといて』と短縮されています。

これは縮約形といって、使い勝手が良いように文字が脱落している形の表現です。

他にも、略語や流行語などが使われ、時代とともに表現が変わることもあります。

ここで、それぞれの時代の流行語を比較してみましょう。

【時代ごとの流行語】

昭和ガビーン、ナウい
平成チョベリバ、神ってる
令和ぴえん、~しか勝たん

これらの言葉は主に若者の間で流行しますが、時代とともに使われなくなっていきます。

話し言葉には以上のような特徴があります。

書き言葉

口語体のうち、文章を書くときに用いられる言葉遣いを書き言葉といいます。

書き言葉は、文法などのルールを守って書くことが求められます。

なぜなら、書き言葉は使い勝手よりも正確性が重視されるためです。

話し言葉は聞き手にわからないことがあっても会話の中で聞き直すことができます。

一方で、書き言葉は読み手に一方的に情報を伝えることになります。

そのため、書き言葉は読み手が正しく情報を受け取ることのできる、正確性が重要となるのです。

たとえば、書き言葉で注意すべき文法の間違いに以下のようなものがあります。

【書き言葉で注意すべき文法の間違い】

種類誤し使い方正しい使い方
縮約語買っといて買っておいて
連用中止形~してなくて~しておらず
指示詞あっちあちら

Web記事を書く際にはこのような文法の間違いに気を付けてくださいね。

話し言葉と書き言葉の違い

話し言葉と書き言葉の違いの例をご紹介します。

  • 話し言葉 書き言葉
  • すごい 非常に
  • なんで なぜ
  • ちょっと 少し

これらの言葉は同じ意味ですが、話し言葉と書き言葉では表現に違いがありますね。

これは先述のとおり、話し言葉が使い勝手の良い形に変化してきたことが原因です。

言葉は時代とともに変化していきます。

実際に文化庁のホームページでも以下のように述べられています。

言葉の変化は社会状況の変化とそれに伴う人々の言語意識の変化に応ずるものである

現代の国語をめぐる諸問題について(報告)|文化庁(最終閲覧日2021年9月26日)

話し言葉は使い勝手が重視されるので、変化を起こしやすいということですね。

たとえば、『すごい』という言葉の語源は『過ぐ』の発音が変わったものであると言われています。

『過ぐ』というのは、度が過ぎているという意味です。

このように話し言葉と書き言葉では表現に違いがあることがあります。

話し言葉と書き言葉の使い分け方

話し言葉と書き言葉は適切に使い分けるようにしましょう。

適切に使い分けることで、読み手に合った文章を書くことができるためです。

たとえば以下のように、同じ言葉でも状況によって使うのがふさわしいかふさわしくないかがあります。

  • 急な依頼なのに、ご対応ありがとうございました。
  • 次回は絶対にもうちょっと早く依頼するようにいたします。

このように、ビジネスシーンで話し言葉を使うと幼稚な印象を与えてしまいます。

つまり、言葉にはTPOがあるわけですね。

したがって、書き言葉と話し言葉は目的に応じて適切に使い分けるようにしましょう。

ちなみに、話し言葉は友人とのメールやSNSで使うのに適しています。

書き言葉はビジネス文章や新聞記事などに使うのに適しています。

参考にしてくださいね。

文章を書く際に気を付けたいポイント

ライティングで気を付けたい4つのポイントについて解説していきます。

  1. 統一する
  2. ら抜き言葉
  3. い抜き言葉
  4. 二重表現

統一する

文体は最初から最後まで統一しましょう。

文体が統一されていない文章は読みづらくなるためです。

たとえば、文体の統一されていない文章は以下のようになります。 

ジンギスカンは北海道の名物です。
ンギスカンとは羊肉を使った焼き肉のことである。
山形の独特な鍋を使って焼きます。
北海道を訪れたら試してみるべきだ。

読みづらいですし、情緒不安定な感じがしますね。

また、文体の統一は文化庁の文化審議会国語分科会でも必要と考えられています。

イ 一つの文書内では、常体と敬体のどちらかで統一する
一つの文書内では、文末表現に敬体と常体とを混合して用いない。どちらか一方のみで統一する。

新しい「公用文作成の要領」に向けて(報告)|文化庁(最終閲覧日2021年9月23日)

したがって、文体は記事の最初から最後まで統一するようにしましょう。

ただし、引用した文章や、箇条書きの文章には異なる文体を使っても問題ありません。

覚えておいてくださいね。

ら抜き言葉

ら抜き言葉は使わないように気をつけましょう。

ら抜き言葉とは、『~られる』という可能を表す言葉から『ら』が抜けた言葉です。

たとえば、下記のような例が挙げられます。

  • 食べられる→食べれる
  • 任せられる→任せれる

この言葉は昭和初期ごろから、話し言葉として使われるようになりました。

しかしライティングにおいては、ら抜き言葉は使うべきではありません。

なぜなら、ら抜き言葉は誤った表現とされているためです。

実際に文化庁のホームページには以下のように書いてあります。

ア いわゆる「ら抜き言葉」
この言い方は現時点ではなお共通語においては誤りとされ,少なくとも新聞等ではほとんど用いられていない。

新しい時代に応じた国語施策について(審議経過報告)|文化庁(最終閲覧日2021年9月20日)

このように、ら抜き言葉は誤りであると明記されているのです。

新聞と同様に、Web記事ではら抜き言葉を使うべきではないです。

したがって、Webライティングではら抜き言葉を使わないように気をつけましょう。

い抜き言葉

い抜き言葉も使わないように気をつけましょう。

い抜き言葉とは、『~している』という状態を表す言葉から『い』が抜けた言葉です。

たとえば、下記のような例が挙げられます。

  • 話している→話してる
  • 飛んでいる→飛んでる

話し言葉ではよく使いますが、Webライティングでは避けるべき表現です。

い抜き言葉も、ら抜き言葉と同様に誤った表現であるとされているためです。

実際に、NHK高校講座では、い抜き言葉は避けたい表現として紹介されています。

い抜き言葉
(×「してる」「話してる」、〇「話している」、「している」)

ベーシック国語「適切な表現」|NHK高校講座(最終閲覧日2021年9月23日)

したがって、Webライティングではい抜き言葉を使わないように気をつけましょう。

二重表現

二重表現に気を付けましょう。

二重表現とは、文章の中で同じ意味の言葉を繰り返し使うことです。

なぜなら、過剰な表現になり文章に違和感が生じるためです。

たとえば、下記のような例が挙げられます。

  • 各部品ごとに
  • 優越感を感じる

一見正しいように見えますが、同じ意味の言葉が2回繰り返されています。

このような文章は違和感を生むため、書き言葉として用いるのは望ましくありません。

したがって、Webライティングでは二重表現を使わないように気をつけましょう。