【敬体・常体一覧化】『ですます調』と『だ・である調』の語尾の言い換え方・使い分け方を例文で解説

ですます調

「この文章は『ですます調(敬体)』で書くべきか『だ・である調(常体)』で執筆すべきかわからない……」

「『ですます調』および『だ・である調』への言い換え方を知りたい」

このように思ったことはありませんか?

結論を言うと、『ですます調』と『だ・である調』はシチュエーションによって使い分けます。

例えばECサイトなどの商品紹介であれば『ですます調』を、論文や小論文であれば『だ・である調』を使う方がふさわしいです(理由は後述しますね)。

そのため基本的には掲載媒体やシチュエーションを考慮して文書形式を選択するとよいでしょう。

しかしそうはいっても正しい使い分け方や言い換え方を理解していなければ、なかなか上手には使えませんよね。

そこでこの記事では『ですます調』と『だ・である調』の違い・言い換え方・メリット・使い分け方などを豊富な例文で解説します。

「体言止めや倒置法は『ですます調』『だ・である調』に使えるのか否か?」についても言及していますので、参考にしてください。

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SEOライター兼コンテンツディレクター。編集プロダクションでの勤務を経て独立→法人化。現在は事業拡大に伴い、TwitterにてWebライターを積極採用中。これまでに累計400人以上ものWebライターを指導。「文章でメシを食っていきたい!」と考えている人を最短最速でレベルアップさせるのが使命であり生きがい。

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『ですます調(敬体)』と『だ・である調(常体)』の意味を解説

まずは『ですます調』『だ・である調』の特徴と言い換え方を解説しますね。

  1. 『ですます調(敬体)』とは文末が丁寧語の文書形式のこと
  2. 『だ・である調(常体)』とは文末が敬語でない文書形式のこと

『ですます調(敬体)』とは文末が丁寧語の文書形式のこと

ですます調とは、文末が「~です/~ます」などの丁寧語で構成されている文体のことを指します。

別名『敬体※』とも言います。

※敬体:文末に敬語が用いられる文体のこと。

ですます調(敬体)は教科書や説明書、ビジネス文書などはですます調である場合がほとんどです。

そのため、多くの方が頻繁に目にする文体といえます。

なお、以下にですます調の例・意味・『だ・である調』への言い換え方を一覧表で記載しました。

参考にしてください。

【代表的な『ですます調』と言い換え方一覧】

意味ですます調(敬体)『だ・である調』への言い換え
断定わけですわけだ
意思の伝達思います思う
情報が不確定かもしれませんかもしれない
否定ありませんない
過去ありましただった
推測でしょうだろう
確認ですよねだよね

『だ・である調(常体)』とは文末が敬語でない文書形式のこと

である調とは、文末が「~だ/~である」など敬語でない語句で構成されている文体のことを指します。

別名『常体※』とも言いますね。

※常体:文末に通常の口語が用いられる文体のこと。

小説や論文、ニュース記事などはである調である場合が多いです。

以下に『だ・である調』の例・意味・『ですます調(敬体)』への言い換え方を記載しましたので、参考にしてください。

【代表的な『だ・である調』と言い換え方一覧】

意味だ・である調(常体)『ですます調』への言い換え
断定だったでした
遂行するします
アイデア等の薦めするべきだするできでしょう
現在進行形しているしています
過去したしました
命令しろしなさい

ですます調(敬体)のメリット

ですます調(敬体)のメリットは、文章の内容を読み手に丁寧かつやさしい印象で届けられることにあります。

例えば以下の例文があったとします。

【だ・である調(常体)の例文】
私は○○という者だ。
会社員として勤務している。
趣味は音楽を聴くことで、ライブに参加することも多々あるのだ。

この文章では、偉そうなイメージがありますよね。

しかし文末をですます調に言い換えるだけで、印象がガラッと変わります。

【ですます調(敬体)への言い換え】
私は○○と申します。
会社員として勤務しております。
趣味は音楽を聴くことです。
ライブに参加することも多々あります。

同じ意味の文章なのに、一気に印象が変わりましたよね。

このいうに文末が「~です/~ます」で書かれている文章は、読み手にやわらかく、優しい印象を与えます。

情報を読み手に丁寧に伝えたいときは、ですます調を使ってくださいね。

注意!ですます調を3回連続で使うのはやめよう

同じ語尾の『ですます調(敬体)』を3連続で使うことは控えてください。

同じ語尾を3連続で使うと、単調で稚拙な文章となってしまうからです。

〈同じ語尾3連続の例文〉
私は、健康で暮らすためには運動することが重要だと思います。
運動不足は万病のもとだと思います。
毎日の生活に簡単な運動を取り入れて、継続しようと思います。

文章の内容が伝わりにくく、まるで幼稚園生が書いているかのような稚拙さを感じますよね。

以下のように改善すると違和感なく読むことができます。

〈語尾の改善例〉2文目の語尾を「ます」から「です」に変更
私は、健康で暮らすためには運動することが重要だと思います。
運動不足は万病のもとだといわれているからです。
毎日の生活に簡単な運動を取り入れて、継続しようと思います。

違和感なく読むことができ、内容もスッと理解しやすい文章になりました。

文章を書く際は、同じ語尾を3回連続で使わないように気をつけましょう。

ですます調(敬体)の正しい使い方を例文で解説

先ほどですます調(敬体)の一覧を簡単に紹介しました。

ココではそれらの正しい使い方と『だ・である調(常体)』への言い換え方を例文でご紹介します。

【『ですます調』の正しい使い方と言い換え方】

ですます調の例文『だ・である調』への言い換え
同じ経験をしたことがあるのではないでしょうか?同じ経験をしたことがあるのではないだろうか?
今日は中止になったわけです今日は中止になったわけだ
明日はカレーだと思います明日はカレーだろう
その推理は正解かもしれませんその推理は正解かもしれない
そんなわけはありませんそんなわけはない
先ほどは手元にありました先ほどは手元にあったのだ
来年の花粉は多いでしょう来年の花粉が多いだろう

ですます調(敬体)で文章を書いていると、どうしても単調でつまらない文章になってしまいがちです。

そんなときは、「~ではないでしょうか?」と読み手に問いかけたり、「~ですよね」と同調を得ることでおもしろ味のある文章にできるでしょう。

また、TPO(時・場所・目的)によっては『だ・である調(常体)』の方が書き方としてはふさわしいこともあります。

そんな時は上記のように言い換えてくださいね。

ですます調(敬体)の反対語!『だ・である調(常体)』のメリット

読み手に強く伝えたい場合は「だ・である調(常体)」を使いましょう。

文章を断定的に言い切ることで、強い印象かつ不思議と説得力のある文章になります。

例えば以下の文章があるとします。

【ですます調(敬体)の例文】
本論では核家族の問題点を2点取り上げ、その解決策を提案します。
私が核家族の問題点だと考える点は以下の2点ですね。

1.家事・育児の負担が大きくなりやすいこと
2.近所付き合いが深まりにくいこと

以上の2点です。

悪くない文章なのですが、イマイチ説得力がありませんよね。

しかし『だ・である調』を使うと以下のようになります。

【だ・である調(常体)への言い換え】
本論では核家族の問題点を2点取り上げ、その解決策を提案する。
私が核家族の問題点だと考える点は、以下の通り。

1.家事・育児の負担が大きくなりやすい
2.近所付き合いが深まりにくい

以上2点である。

文章の意味は全く同じなのですが、力強い印象に変わりましたよね。

口調も自信満々ですので、「そこまで断言するなら間違いない」という気にさせてくれます。

このように、文末が「~である」で書かれている文章は、読み手に【書き手の強い根拠や自信】を感じさせることが可能なのです。

その結果、読み手を説得させる効果が生まれるわけです。

注意!『だ・である調』の文章は威圧的になる

『だ・である調(常体)』の注意点としては、文章が少し威圧的になるところにあります。

そのため使う場面によっては偉そうな印象になり、相手からの心証を悪くするおそれがあります。

例えば以下のような文章だと命令されているような気分になり、印象があまりよくありません。

【だ・である調の良くない例】
明日の14時にココに集合だ。
わかったか?

ちょっと偉そうですよね。

この書かれ方だと人によっては「何様だよ」とケンカに発展してしまうかもしれません。

そのためこういった場合ではですます調(敬体)を使う方が好ましいです。

【ですます調に言い換えた例】
明日の14にココに集合してください。
わかりましたか?

先ほどの文章に比べて丁寧な印象になりました。

コチラの文書形式の方が反感を買うことは少ないでしょう。

このように同じ意味の文章・内容でも『だ・である調』を使うことで、印象が良くも悪くも大きく変化するのが特徴です。

したがって『だ・である調』を使うときはこの特性をよく理解し、文章の内容・相手・場面を考慮して使いましょう。

そうすることでトラブルを避けられます。

『だ・である調(常体)』の正しい使い方

ここでは『だ・である調(常体)』の正しい使い方と『ですます調(敬体)』への言い換え方を例文で解説します。

【『だ・である調』の正しい使い方と言い換え方】

だ・である調(常体)の正しい使い方ですます調(敬体)への言い換え方
吾輩は猫である吾輩は猫です
正しいのはお前だった正しいのはお前でした
今日はうどんにする今日はうどんにします
今すぐに休むべきだ今すぐ休むべきでしょう
兄ちゃんはゲームをしている兄ちゃんはゲームをしています
赤ちゃんを抱っこした赤ちゃんを抱っこしました
リビングを掃除しろリビングを掃除しなさい

なお、こういった命令形の多用はおすすめしませんが、読み手に危機感を与えたいときなどには有効でしょう。

相手にこちらの意思をより高い確率で伝えたいときに、使ってみてくださいね。

クイズ!シチュエーション別使い分け方

シチュエーション別で、『ですます調(敬体)』と『だ・である調(常体)』のどちらを使えばよいのかをまとめました。

参考にしてください。

  1. ビジネス文書(社外文書)
  2. 論文や小論文
  3. 社内報告書
  4. 大学の出願書(志望理由書)
  5. AO入試などのレポート試験
  6. 感想文
  7. ニュース
  8. 新聞
  9. 商品紹介
  10. 箇条書き
  11. コラム
  12. 会話文

ビジネス文書(社外文書)

ビジネス文書(社外文書)の場合だと、基本的には『ですます調(敬体)』を使うとよいでしょう。

取引先に対して書くケースでは、文章を丁寧な印象に仕上げる『ですます調』の方がふさわしいといえます。

もしもどちらにすべきか迷ったときは、上司に相談するとよいでしょう。

論文や小論文

論文や小論文の場合だと『だ・である調(常体)』を使うべきでしょう。

これには明確な理由があり、『ですます調(敬体)』を使ってしまうと書ける文字数が削られてしまうからです。

例えばAO入試などのレポート試験などの場合だと、文字数制限がかけられていますよね。

そのため文章を『ですます調』にしてしまうと、全文の1~2割ほどが『です』や『ます』などで埋まってしまうのです。

つまりは1~2割ほどの文章が『評価されることのない語尾』で埋まるわけです。

そもそも論文や小論文は『どういった意見を筋立てて述べているか?』を見られているもの。

口調の丁寧さを見ているわけではありません。

したがってかける文章が削られてしまう『ですます調』よりも、自分の意見をより多く述べられる『だ・である調』を使う方がふさわしいといえます。

もしもそれでも不安なときは、学校の先生に一度相談するとよいでしょう。

社内報告書

社内報告書の場合は、その文章の種類によって変化します。

例えば人事に関する辞令であれば『だ・である調(常体)』を使うのが一般的です。

その一方で上司に対する報告書なのであれば、目上の方に説明する文章ということで『ですます調』の方がふさわしいかもしれません(もちろん企業によっては『だ・である調』の方が良い場合もある)。

このように、書く文章によって好ましい文書形式が変化するので要注意です。

したがって主観的な判断を下す前に、「今までの社内報告書はどちらが使われていたのか?」を一度リサーチするのが無難でしょう。

大学の志望理由書

大学の志望動機書は基本的に『だ・である調』を使うのが正解です。

これも先ほどの論文・小論文に通じる話で、『だ・である調』の方が『ですます調』よりも書ける内容が増えるからです。

実際に『中身がスカスカなですます調の文章』よりも『内容がぎっちり詰められただ・である調』の方が印象もよいですよね。

したがって大学の志望理由書は『だ・である調』で書いてください。

感想文

宿題や学校内で発表する感想文であれば、『ですます調』を使うのが一般的でしょう。

確信がないときは学校の先生に相談してみてくださいね。

ニュース

これはニュースの種類にもよります。

例えばWebで公表するプレリリースのようなニュースであれば『だ・である調』の方が良いでしょう。

情報を簡潔に伝えられるからです。

その一方でテレビニュースの場合だと『ですます調』を使う方が良いです。

『だ・である調』を使ってしまうと、威圧的になってしまうからです。

したがってニュースの場合だと、媒体に応じて臨機応変に対処するとよいでしょう。

新聞

新聞の場合だと『だ・である調』を使います。

説得力が出るというのと、より多くの情報をかけるからです。

もしも新聞を手掛ける気概があれば、『だ・である調』を使ってくださいね。

商品紹介

商品紹介の場合だと『ですます調』を使います。

そちらの方が印象を良く出来るからです。

ECサイトで商品を紹介するのであれば『ですます調』を使ってくださいね。

箇条書き

箇条書きの場合だと『だ・である調』を使います。

ですます調だと同じ語尾が続きやすく、しつこい印象になるからです。

したがって箇条書きの時は『だ・である調』を使ってくださいね。

コラム

これはそのコラムをどういう印象にしたいかで話が変わります。

例えば『丁寧で物腰柔らかな印象』を読者に与えたいのであれば『ですます調』がおすすめです。

その一方で、まるで教授のような雰囲気で説得力のある話を進めたいのであれば『だ・である調』の方がふさわしいです。

このように『コラムを通じて読者からどのように思われたいのか?』で変化します。

覚えておきましょう。

会話文

会話文の場合だと、『ですます調』と『だ・である調』のどちらを使っても問題ありません。

それどころか混在してもOKです。

上手に使えば文章に違和感が出ないからです。

例えば以下のような会話文があったとします。

「今日はなんだか静かですね」
「ホントですね。今日は静かだ。機能はあれほど騒々しかったのに、こわいほど静まり返っていますね」

2文目は『だ・である調』と『ですます調』と混在していますが、文章に違和感がありませんよね。

このように会話文であれば使い方次第で『だ・である調』『ですます調』を混在させてもOKなのです。

もちろん、どちらか片方だけ使うのもよいです。

好みの方を選んでくださいね。

基本ルール!敬体と常体の混在に注意しよう

基本的には、1つの文中で敬体と常体を混ぜてはいけません。

混ぜてしまうと違和感のある文章になってしまうからです。

下記にそれぞれの例文を書いてみます。

【敬体+常体】
私の将来の夢についてお話します。それは喫茶店を開くことだ。

【敬体で統一】
私の将来の夢についてお話します。それは喫茶店を開くことです。

【常体で統一】
私の将来の夢についてお話する。それは喫茶店を開くことだ。

〈敬体+常体〉の文は、最初の文と次の文の繋がりに違和感を感じませんか?

その違和感から、幼稚さをも感じさせてしまいます。

それに比べて〈敬体か常体で統一〉の文は、違和感なく読むことができますよね。

敬体と常体を混ぜて使用しないことが、読みやすい文章を書くうえでの基本となります。

よくある質問

ここでは『ですます調(敬体)』と『だ・である調(常体)』を使う際に、よくある質問について解説していきます。

  1. 使う文書形式を迷ったときはどうすればいい?
  2. 敬体・常体・文語体・口語体のちがい
  3. 『なので』『だから』は『だ・である調(常体)』に使えるのか?
  4. 体言止めは『ですます調』と『だ・である調』のどちらに使える?
  5. 倒置法は『ですます調』と『だ・である調』のどちらに使える?

使う文書形式を迷ったときはどうすればいい?

『ですます調(敬体)』で書くべきか『だ・である調(常体)』で執筆すべきかを迷ったときは、その文章を書く目的を考えるとよいでしょう。

例えばあなたがWebライターで記事を書いているのであれば、執筆の最終目的はクライアントに満足してもらうことになります。

そのためこのケースでいえば、『ですます調(敬体)』と『だ・である調(常体)』のどちらを使えばよいのかはクライアントに聞くことでわかります。

もしもクライアントが丁寧な文章を求めているのであれば『ですます調』を、威厳のある文章を求めているのであれば『だ・である調』を書くべきとわかるからです。

このように自分の文章や記事の目的(この場合だとクライアントが求めている文章)によって、『ですます調』と『だ・である調』のどちらを選ぶべきなのかが変わります。

したがって「どちらで書けばよいのか?」と単純に考えるのではなく、「なんのために書くのか?」を熟考して選んでくださいね。

『敬体・常体』と『文語体』『口語体』のちがい

結論を言いますと敬体・常体・口語体に違いはなく、敬体・常体・文語体は全く持って違う文章です。

敬体・常体・口語体は現代の文章、文語体は明治時代の文章を指すからです。

これだけではちょっとわかりにくいと思いますので、1つずつ解説していきますね。

まず『敬体・常体は口語体と同じ』なのではなく、厳密に言いますと『敬体・常体は口語体の一部』を指します。

このときのイメージを簡単に言うと『敬体・常体』がリンゴ・ミカン、『口語体』が果物みたいな分類ですね。

ちなみに口語体とは、現在私たちが使っている一般的な文章を指します。

具体的には以下のような文章を口語体(話し言葉)と言います。

  • あなたとピクニックなんて楽しみです
  • 彼女は登山が苦手だ

最初の文書は『ですます調』が、後者の文章は『だ・である調』が使われていますよね。

しかしこれらは両方とも口語体に分類されます。

その一方で文語体とは明治ごろに使われていた『古い文書体』のことを指します。

例えば以下のような文章が文語体です。

中等室の卓つくゑのほとりはいと静にて、熾熱燈しねつとうの光の晴れがましきも徒いたづらなり

森鴎外|舞姫(最終閲覧日2021年9月27日)

明らかに先ほどの口語体の例文とは違いますよね。

このことから文語体と口語体は全くの別物といえます。

したがって口語体の一部分である敬体・常体も、文語体とはまったく違う文章と言えるのです。

『なので』『だから』は『だ・である調(常体)』に使えるのか?

『なので』『だから』は『だ・である調(常体)』では使えません。

『なので』『だから』は話し言葉だからです。

まず根本的な話になりますが、文章を書く際に話し言葉は使えません。

書き言葉のみで執筆するのが一般的なルールだからです。

そのため文章の形式が『だ・である調』であろうと『ですます調』だろうと、『なので』『だから』は文中に一切使えません。

もしも論文等で『なので』『だから』と同様の意味を持つ単語を書くのであれば、以下のものを使ってください。

  • そのため
  • よって
  • したがって

どの単語も論文や新聞でよく見る単語ですよね。

これらであれば『ですます調』『だ・である調』のどちらに使っても問題ありません。

体言止めは『ですます調』と『だ・である調』のどちらに使える?

体言止めは『ですます調(敬体)と『だ・である調』の両方に使えます。

どちらも違和感なく使えるからです。

例えば以下のような『ですます調』の文章があるとします。

今日は焼肉カルビ丼を食べました。
私が購入しました牛肉は100gで300円の安物。
『安かろう悪かろう』ということで味の方が心配でしたが、コレがとってもおいしかったのです。

実際に読んでみて、違和感が全然ないですよね。

そのため、ですます調の文章に体言止めを組み込んでも問題ないことがわかります。

また、この例文を『だ・である調』に言い換えてみると、以下のようになります。

今日は焼肉カルビ丼を食べた。
私が購入した牛肉は300円/100gの安物。
『安かろう悪かろう』ということで味の方が心配だったが、コレがとってもおいしかったのだ。

コチラの方も違和感がないですよね。

それどころかですます調の時のように、文章にリズムが出て読みやすくなっています。

したがって『だ・である調』の文章にも体言止めを使っても問題ないと理解できます。

『ですます調』にせよ『だ・である調』にせよ、体言止めはどんどん使ってみてくださいね。

ちなみに、体言止めの詳細に関しては『用言止めと体言止めの違いを例文で解説|それぞれの意味・使い方・注意点も紹介』にて約10,000文字で丁寧に解説していますので、ぜひチェックしてみてください。

倒置法は『ですます調』と『だ・である調』のどちらに使える?

倒置法は『ですます調(敬体)』と『だ・である調(常体)』のどちらにも使えます。

体言止めの時と同様に、どちらの文章に使ったとしても違和感が出ないからです。

そのことを文章で確認してみましょう。

まずは以下の『ですます調』の文章を読んでみてください。

家の前のサムギョプサル店が大行列です。
おいしいですからね、あそこの豚肉は。
行列にも納得がいきます。
あなたも一度は行ってみるとよいでしょう。

まったく違和感なく文章を読めますよね。

そのため、ですます調の文章に倒置法を取り入れても問題ないことがわかります。

一方で、この文章を『だ・である調』に言い換えてみると、以下のようになります。

家の前のサムギョプサル店が大行列だ。
おいしいからな、あそこの豚肉は。
行列にも納得がいく。
あなたも一度は行ってみるといいだろう。

『だ・である調』に言い換えても、倒置法を使われている文章に違和感はありません。

それどころか倒置法を用いることで、リズム感が良く読みやすい文章になっています。

伝えたいメッセージが際立たっていますよね。

したがって倒置法も『ですます調』『だ・である調』に関係なく、文中に使って大丈夫なのです。

まとめ|ですます調とである調は使い分けよう

いかがでしたか?

この記事を読んで、『ですます調』と『である調』の違いと使い分け方がおわかりいただけたと思います。

『ですます調』では文末に「~です/~ます」などの丁寧語を用いて、『である調』では文末に敬語を使わず「~である」などを用います。

読み手に丁寧に優しく伝えたい場合は『ですます調』で文章を書き、読み手に強く伝えたい場合は『である調』で書きましょう。

ですます調は丁寧語や敬語を用いるので読み手にやわらかい印象を与えますし、である調は敬語を用いないことで、断定的で堂々とした印象を与えるからです。

あなたがもし、『ですます調』と『である調』の使い方に悩んでいるのなら、記事内で解説したそれぞれの応用や、気をつけるべきポイントを参考にしてくださいね。

そうすることで、適切に『ですます調』と『である調』を用いた読みやすい文章をかくことができるでしょう。

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