反復法の例文をご紹介|意味・効果・各種表現技法・対句法との違いは?

反復法 例文

反復法の例文をご紹介|意味・効果・各種表現技法・対句法との違いは?

「反復法ってなに? 例文にするとどんな感じになるの?」

「反復法を詩に使う意味がよくわからん。効果はあるのかな?」

詩を書く際に表現技法の一種である反復法を使うとき、このような疑問を抱く人もいるハズ。

詳しくは本文にて解説いたしますが、そもそも反復法とは同じもしくは似た単語を繰り返して使う表現技法を指します。

【反復法の代表的な例文】
痛い、痛い、痛い。

上記のように反復法を使うことで、印象を強く植え付けることが可能です。

その結果、読者は「著者はこれを特に伝えたいんだな」と感じるようになり、こちらからのメッセージを理解してくれやすくなります。

そのため印象が薄い詩には反復法を用いて、強烈な印象をもたらすのがおすすめです。

しかしそうなると、反復法の上手な使い方が気になりますよね。

そこでこの記事では反復法の意味や効果だけでなく、例文や注意点を解説いたします。

この記事を読み終える頃には反復法を使って、印象が強いだけでなくリズム感のある詩を上手に作れるようになっています。

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錦橋慶叡

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反復法とは?意味や対句法との違いを解説

こちらの記事では、反復法の説明と詩で使う際の特徴、そして対句法との違いについてご紹介します。

  1. 反復法を使う意味とは
  2. 反復法は詩で使うことがある
  3. 反復法と対句法は似ているが違う

反復法を使う意味とは

反復法(別名:繰り返し、畳句、リフレイン)とは、同じもしくは似た語句を繰り返す技法です。

goo辞書によりますと以下の通り。

修辞法の一。同一または類似の語句を繰り返すもの。「あなうれし、よろこばし」など。

反復法|goo辞書(2022年4月18日)

文章を作成する際に書き手側が反復法を用いる事で、文全体にリズム感を出したり、繰り返す語句の意味を強調する効果があります。

【例文】
私はこの服を絶対に買う

【反復法の例文】
私この服買う!絶対買う!絶対買う!

前者の例文では、目当ての服を買うという意思を簡潔に述べています。

一方後者の例文では「買う」という語を繰り返す事で、服に対する購入意欲を前者の例文よりも強く表現しています。

このように、意味が同じ文章でも反復法を使った例文の方が音のリズムが良くなり、表現をより強く伝えられるのです。

反復法は詩で使うことがある

反復法は、詩でも多く使われる表現技法です。

実際に金子みすず「ふしぎ」の文章にも、以下のような反復法が使われています。

わたしはふしぎでたまらない、
たれもいじらぬ夕顔が、
ひとりでぱらりと開くのが。

わたしはふしぎでたまらない、
たれにきいてもわらってて、
あたりまえだ、ということが。

金子みすず「ふしぎ」|音読・朗読・表現よみの学校(2022年4月18日時点)

金子みすずの『ふしぎ』では「わたしはふしぎでたまらない」という句を規則的に繰り返し、文全体をリズミカルにしています。

揃った音が定間隔に来る事で、文章を読みやすくしているのです。

また物事の道理に疑問を持つ作者の好奇心を反復する事で強調しています。

詩の中でリズム感を出したい時や、意味を強調したい語句に反復法を使うと良いでしょう。

反復法と対句法は似ているが違う

反復法と対句法は似ていますが「何を繰り返すか」という点で違っています。

反復法が「同一もしくは類似の語句を並べる技法」であるのに対し、対句法は「同一もしくは類似の表現を並べて対にする技法」を指します。

例文を用いて比較してみましょう。

【反復法の例文】
花を見た。青と白の花を見た。

【対句法の例文】
青い花を見た。白い花も見た。

前者の例文は同じ句を文章の前後で繰り返し「花を見た」事を強調しています。

しかし後者の例では「色」+「花を見た」という表現を対にして「どんな花を見たのか」を強調しているのです。

反復法は語句を強調したい時に利用し、対句法は表現を比較して際立たせたい時に使うと良いでしょう。

同じような語句を繰り返し使うという点で似た技法に見えますが、繰り返すものが違い、使いどころも異なるのです。

詩にも使う反復法の表現技法を例文で解説

ココでは反復法の具体例を紹介していきます。

  1. 畳語法・畳句法
  2. 首句反復
  3. 結句反復
  4. 前辞反復
  5. 隔語句反復
  6. 回帰反復
  7. 同語反復

畳語法・畳句法

「畳語法」とは同じ単語を繰り返し使う技法を指します。

例えば、以下のような表現が畳語法です。

【畳語法の例文】
・熱い熱いやかん
・前へ前へと進む

上記の例文のように、「熱い熱い」や「前へ前へ」と同じ言葉を繰り返し使うことで、畳語法の表現方法になっています。

「熱い熱い」と繰り返すことで、よりやかんが熱いことを感じ取ることができますね。

また、「前へ前へ」と繰り返すことで、前へすすみたい感情をさらに強調できる文章になっています。

一方で「畳句法」は、同じフレーズを繰り返し使う表現方法です。

例えば、以下のように表現します。

【畳句法の例文】
・絶対に来て。絶対に来て。
・そんなはずはない。そんなはずはない。

上記のように、「絶対に来て」や「そんなはずはない」のような同じフレーズを繰り返すことで、勢いや感情がより強調された文章になっていることがわかりますね。

このように畳語法・畳句法は、言葉やフレーズを繰り返し使うことで、内容をより強調することができるわけです。

首句反復

首句反復は、隣り合った節の先頭の言葉を繰り返すことで、言葉を強調する技法のことを指します。

先頭の言葉を繰り返すことで、その言葉をより強調させて読者に伝えることができます。

例えば、以下のような表現が首句反復です。

【首句反復の例文】
元気よく遊び、元気よく働き、元気よく生きる

例文をみてみますと、先頭の言葉である「元気よく」を繰り返すことで、リズム感があり言葉がより強調された文章になっていますね。

「元気よく生活を送る」でも似たような意味になりますが、それだけだと淡白な印象の文章になってしまうことも考えられます。

つまり、首句反復の表現を用いることで淡白な文章になりにくく、言葉を強調できる文章を書くことができるわけです。

このように強調したい言葉がある文章の場合ですと、首句反復を用いた表現を行うことで、読者により伝わりやすくなる効果があります。

結句反復

結句反復とは、文の最後に同じ言葉を繰り返す表現技法です。

文末の言葉を繰り返すことで、言葉の印象を強調することができます。

例えば、結句反復は以下のように使用します。

【結句反復の例文】
朝もお好み焼き。昼もお好み焼き。夜もお好み焼き。

上記のように、文末に「お好み焼き」という言葉が繰り返されていることで、結句反復の表現方法だと言うことがわかります。

「3食ともお好み焼き」と表現するよりも、「お好み焼き」の印象が強調されているのがわかりますね。

このように、あえて同じ言葉を繰り返し文末に使用することで、言葉の印象を強調することができるわけです。

前辞反復

前辞反復とは、文末の単語を、次の文の最初で繰り返す表現技法のことを指します。

前辞反復の表現方法を使うことで、前後の文章が結びつき一体感のある文章になります。

例えば、以下のような文章が前辞反復を用いた文章です。

【前辞反復の例文】
昨日より今日、今日より明日の方が成長している

例文をみてみますと、文末と次の文の先頭で「今日」が使われていることで、前辞反復の表現がされていることがわかります。

前後の文を「今日」と言う同じ言葉で繋ぐことで、成長していることがよりわかりやすく一体感のある文章に感じ取ることができますね。

このように前辞反復の技法を用いることで、前後の文章が結びつき一体感のある文章になります。

隔語句反復

隔語句反復とは、文章の先頭に出て来た単語や句を最後に再び使う技法です。

読み手側が文中で特に注目する部分は、始めと終わりです。

その2箇所に同じ語句を置く事で意味が強調され、記憶に残りやすくなります。

【結句反復の例文】
やだ。いつも使ってるタオルじゃないとやだ。

例文では「やだ」という単語を繰り返し用いて、拒否感を強調しています。

また文の最初と最後に同じ語句を使う事で、特定のタオルへのこだわりを読み手側の印象に残しているのです。

回帰反復

しばらく間を置いてから前に出て来た言葉や句を繰り返し使う技法を、回帰反復と言います。

話が脱線した時やしそうな時に回帰反復を使うと、自然な流れで話を本題に戻す事が出来ます。

【結句反復の例文】
私は猫が好きだ。今までいろんなペットを飼ってきた。鶏を飼った時は卵を産んでくれたし、犬は芸を覚えて披露してくれた。でもやっぱり私は猫が好きだ。

実際に例文では「猫好きな人の話」を「今まで飼ってきたペットの話」に脱線させた所、回帰反復を使い、本題に戻しています。

「私は猫が好きだ」という前後の句の間に他の動物とのエピソードを挟む事で、それらと比較しても「猫が好き」というアピールになっています。

ただ本題だけを綴るよりも、他の話題を交えたり比較対象のネタを挟む事で、主張したい句に説得力をつける効果があるのです。

同語反復

同語反復(別名トートロジー、類語反復)とは一つの語句を表す時、同じもしくは似た語句を繰り返して説明をする技法です。

【結句反復の例文】
人は人

例文のように、A=Aと繰り返すことで語句の意味を再認識させ、強調する効果があります。

また小樽商科大学の佐山公一教授曰く、同語反復には以下の4つのタイプがあると言います。

顕著な特長の不変性を強調/再認識させる
例外な性質をもつ概念でも仲間であることを強調/再認識させる
特異なアイデンティティを強調/再認識させる
状態・性質などを確信していることを強調/再認識させる

言語処理学会|日本語同語反復表現の検出手法について(2022年3月26日)

以上を簡単に要約すると以下の通りです。

【結句反復の種類と例文】

種類例文
1.外見と本質は異なることを強調何歳なっても息子は私の子供です
2.個性も含めて仲間だと強調アボガドだって果物は果物
3.他とは違う個性を強調君は君だよ
4.その状態や性質を確信し強調カエルの子はカエル

同語反復の使い方のパターンを知っておくと、同じ言葉の繰り返しでも論理的な意味を持つ文章を作ることが出来ます。

それでは、パターン4を使った例文をご紹介しましょう。

例文A:私は午前0時に星空を見に行った。
例文B:私は真夜中の午前0時に星空を見に行った。

ただ単に「夜に星空を見に行った話」の説明文としては、例①で充分意味は伝わります。

しかし例②では、夜の表現として「午前0時」に同じ意味合いの「真夜中」を足す事で文に深みを出し、後から出てくる「星空」を読み手側に想像しやすくしているのです。

以上のように同語反復を使う事で、同じ意味合いの語句を並べただけでも意味をなす文章が作れます。

反復法のメリットを豊富な例文でご紹介

反復法には以下のような3つのメリットがあります。

  1. 文脈を強調できる
  2. 文章のリズムを整える
  3. 注意を強烈に促せる

文脈を強調できる

反復法を使うことにより、文脈を強調することができます。

同一の言葉を2回以上繰り返すことにより、強調して相手に伝えることができるためです。

たとえば、すごくすごく嬉しいという反復法の表現は、本人が非常に喜んでいる姿が相手に伝わりやすい表現となります。

すごく嬉しいという表現と比べて、本人が喜んでいる度合いが伝わりやすいです。

したがって、読み手や聞き手に意識をさせたい場合は、文脈を強調する反復法を用いて文章を作成するのがおすすめです。

文章のリズムを整える

文章のリズムを整える場合、反復法が活用できます。

同じ語句を繰り返すことにより、音数が同じとなり、文章にリズムをもたらすためです。

よく寝て、よく食べて、よく遊ぶという反復法の文章にはリズムがあり、音楽のような性質を感じられるでしょう。

同じ意味の文章である、よく寝て、食べて、遊ぶの場合は反復法と比べてリズム感が乏しく感じます。

このように、文章に音数が同じリズムが存在することは、読者の心に響きやすくなる作用があります。

したがって、読者の心に響く文章を書きたい場合は、反復法を用いて文章を作成するのがおすすめです。

注意を強烈に促せる

注意を強烈に促すことも、反復法を使えば可能となります。

同じ言葉を繰り返すことにより、聞き手や読者の記憶に残りやすくなるためです。

以下のような2つの例文で比べてみましょう。

【通常の文章】
0時に集合してください

【反復法を用いた例文】

10時に集合してください、10時です

2つの意味することは同じです。

しかし、反復法を用いた文章の方が、時間が重要であることが伺えます。

集合時間に遅れてはならないことを感じられる文章です。

このように、相手に強く注意喚起することが可能です。

覚えていてほしい事柄を強調することで、相手に強く意識させる働きがあります。

すなわち、反復法を活用することは、注意を強烈に促すメリットがあるといえるでしょう。

詩で使う際に注意!反復法で気を付けること

反復法を使う上での注意点は2つあります。

  1. 使いすぎると印象が薄れる
  2. 使いすぎると嫌味になる

この注意点を使用してしまうと、どのような文章になるのかを詳しく見ていきましょう。

使いすぎると印象が薄れる

何が大切なのか、何を印象付けたいのかがわからなくなります。

反復法は、同じ言葉を繰り返すという簡単な技法で印象付けたり、強調・注意喚起をする事の出来る技法なのです。

そのため、しっかり強調をしたい事がある場合は、反復法を使うことは効果的といえるでしょう。

文章の中で、反復法を使って同じ言葉を繰り返すことでその言葉に目を引きます。

そうすることで、しっかりとした印象を与えること、強調したいことがより伝わるのです。

プレゼンをする時も同様に、同じ言葉を繰り返すことで文章の中でリズムが生まれ受け手にしっかりと伝えられます。

スピーチにも使うことが出来て、効果がしっかりあるので使われることが多いのが反復法です。

反復法を使う時は、印象付けたいところで使うようにしましょう。

使いすぎると嫌味になる

強調をしたい、印象つけをしたいと思い反復法を使いすぎると、しつこく感じるからです。

下記の例文で、見てみましょう。

【しつこく繰り返している例文】
「今日は天気が良いし掃除、掃除しよう。一週間忙しかったから掃除、掃除しよう」

【シンプルな例文】
「今日は天気も良いし、一週間忙しかったから掃除、掃除しよう」

上の例文をみますと、内容は全く同じことを言っているのに、印象が違うことがお分かり頂けます。

同じ「掃除をしよう」と伝えているのにしつこく繰り返している例文は、嫌味に聞こえますし、しつこい印象です。

使い方次第では、良い文章がマイナスの印象になってしまう事がありますので気を付けるようにしましょう。

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