一般(普通)名詞の意味や種類|固有名詞との違いや使う際の注意点を解説

一般名詞

「一般(普通)名詞って、結局どういう意味なの?」

「一般名詞と固有名詞の違いがわからない」

文章を書いているときに、このように思う人もいるハズ。

まず一般名詞とは分野・事象・物質・地理などに対して、ある1つのものを特定せずに使うことができる総称を指します。

具体的に言いますと、自然現象・外国などが一般名詞の部類になります。

この一般名詞とよく似た存在が、上述した固有名詞です。

しかし一般名詞と固有名詞には明確な違いがあります。

詳しくは後述致しますが、両者の違いは指定した際に『対象物を1つに限定できるか否か』にあります。

先ほどの例でいえば一般名詞は『自然現象・外国』でしたが、これを固有名詞に置き換えますと『台風・日本』になります。

自然現象・外国という単語であれば他の言葉(落雷・韓国など)に置き換えられますが、台風と日本の場合ですとその言葉以外で表現することができません。

つまり固有名詞だと、指定対象が強制的に1つに限定されるということです。

これが一般名詞と固有名詞の違いになります。

したがって一般名詞と固有名詞を同じ感覚で使うと、相手を困惑させる文章をついつい書いてしまうかもしれません。

そういったことを防ぐためにも、この記事では一般名詞の意味・種類・固有名詞との違い・使う際の注意点を解説いたします。

この記事を読み終えるころには、一般名詞と固有名詞の使い分けが完璧にできていますよ。

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錦橋慶叡

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一般(普通)名詞の意味や種類を解説

まずは一般名詞とは何を表すものかをご紹介していきます。

  1. 一般名詞の基本的な意味
  2. 名詞に含まれるもの
  3. 名詞に含まれないもの

一般名詞の基本的な意味

上述しましたが、一般名詞は大きな括りで分類されるものを表すものです。

例えば「外国」や「OS」などは特定のものを指すのではなく、その分類に含まれるもの全体を表します。

これが「アメリカ」や「Windows」だと固有名詞になるということです。

また、Weblio辞書では一般名詞は名詞の一種であり、大きな分類を指し示すものとされています。

名詞の一。同じ種類に属する事物を広くさすことのできる名詞

Weblio辞書|「普通名詞」の意味や使い方(2022年1月23日)

上記のように一般名詞は固有名詞のように特定のものではなく、カテゴリー全体を指します。

ライティングをする上で特定の商品名や人物名などの固有名詞を記載すると著作権や商標に引っかかるおそれがあります。

仮に有名人が使用している化粧品を宣伝する際も個人名を出すのではなく「有名人も使用している」と、個人が特定されないように一般名詞を使用すること。

個人名を出して、その商品が悪質なものだった場合にどうなるでしょう。

最悪の場合、相手に不利益が生じてしまい訴訟問題に発展するおそれがあります。

そのようなトラブルを避けるためにも一般名詞を使用することが適しているということです。

名詞に含まれるもの

日本で一般的な名詞の種類は以下の4つ。

それぞれの名詞の定義や範囲には様々な説があります。

したがって、人によって解釈が違う可能性があるということも念頭に置いておきましょう。

【名詞の種類と意味】

種類意味
普通名詞幅広い分類を指す
固有名詞特定のものを指す
形式名詞他の文節と対応関係をつくる
動詞性名詞・サ変名詞動作を表す

普通名詞

普通名詞は「猫」など大きなカテゴリーに分類されるものです。

猫と一口に言っても、ソマリやメインクーンなど様々な種類が想像できます。

このように、詳細を表すのではなく、大きな括りでまとめられているものが一般名詞です。

固有名詞

固有名詞は特定の人物・物・場所を指し、他に代わるものがないものです。

固有名詞と一般名詞の違いを簡単にまとめますと以下の通り。

【固有名詞と一般名詞の違い】

固有名詞普通(一般)名詞
人物ベートーベン・ショパン音楽家
三ツ矢サイダー・コーラ飲料水
場所静岡県・北海道都道府県

要するに名称を言われたときに該当するものが複数出てくるのではなく、どれか1つに特定できるものが固有名詞と言えるわけです。

簡単に例えますと「飲料水ちょうだい」と言われるのと「三ツ矢サイダーください」と要求されるのとでは、その後に取るべきリアクションが変化します。

前者であれば「なんの飲料水ですか?」と疑問がわきますが、後者であれば指定されたものを即時に手渡せます。

言っている側は同じかもしれませんが言われている側からしますと、これだけ大きな差があるのです。

これが固有名詞と普通名詞の大きな違いになります。

なお上記のように固有名詞はより具体的な情報を相手に伝えることができますが、使い方によっては著作権や商標権に抵触するおそれがあります。

使用する際は十分に気をつけて下さい。

形式名詞

形容名詞は「聞いたことがある」など他の文節と対応関係を作るものです。

この場合「聞いた」という名詞に「こと」という形式名詞が適応されます。

その他にも「遊ぶところ」や「働くとき」などの「ところ」と「とき」も形式名詞ということです。

このように形式名詞とは明確な意味がなく抽象的な表現をする場合に使います。

また、形式名詞は一般的にひらがなで表記するものです。

しかし、場合によっては漢字表記することもあります。

正確に言えば形式名詞のようで形式名詞ではないものがあるのです。

例えば以下の例文を見てみましょう。

「今回のようなことが起きないように注意します」

「議論することが重要である」

どちらも「こと」という形式名詞を使用しているようにみえます。

しかし、この場合は最初の「今回のようなこと」というのは形式名詞ではありません。

そのため、本来ならば漢字表記するべきです。

なぜかというと「今回のこと」というのは具体的な事例を指しているからです。

一方で「議論すること」というのは議論するという幅広い事柄を指しています。

先ほども述べたように形式名詞というのは抽象的な表現に使用します。

したがって「今回のようなこと」と形式名詞を使用することは誤りです。

形式名詞かどうかは断定できるか否かで区別して、しっかりと使い分けるようにしましょう。

動詞性名詞・サ変名詞

動詞性名詞またはサ変名詞とは「演説する」など「~する」などにサ行変格活用したものです。

上記の例でみると「演説」という名詞に「する」というサ行変格活用を使うことで動作性名詞になります。

動作性名詞になるかは名詞に対して「する」という言葉をつけて違和感があるかないかで判断できます。

例えば、先ほどの「演説する」は違和感がありませんが「数学する」と表記するとしっくりきません。

このように名詞に対して「する」をつけることで言葉として正しく使えるかどうかが重要になります。

名詞に含まれないもの

日本で一般的に名詞に含めないものは以下の5つ。

【名詞の種類と意味】

種類意味
代名詞話し手や聞き手により意味が変わるもの
数詞・数名詞・数量詞物事の個数や順序を指すもの
時詞・時名詞時間を表すもの
時数詞数詞や時詞を総括したもの
形容詞性名詞・ナ名詞・ナニ名詞形容動詞ではなく名詞に 助動詞をつけたもの

代名詞

代名詞は受け手によって意味合いが異なるものです。

例えば「近い」という言葉はその人がいる場所によって変わります。

自分は近くても相手は遠い可能性があるということです。

「私の近く」と「あなたの近く」では示す場所の距離が明らかに違います。

例えば「あなたの近くの本を取って」という場合は、本は聞き手の「近く」にあり、話し手の「遠く」にあるということです。

このように話し手と聞き手によって関係性で意味が変わってくるものが代名詞となります。

数詞

数詞はその名の通り数量などを表すものです。

単位を含めて数詞とすることがほとんどになります。

例えば何件と問われて返す言葉は「30件」などになります。

このように数字であらわすものが数詞です。

また、助詞を使わなくても連用修飾語になることが可能であるという特徴があります。

時詞

時詞は時間を表すものであり、季節なども含まれます。

春夏秋冬や何時など時間的要素全てがあてはまるということです。

例えば「昨日」や「冬」などが時詞になります。

また、数詞と同じく助詞を使用しなくても連用修飾語にすることが可能です。

時数詞

時数詞は数詞と時詞をまとめたものになります。

数詞と時詞の助詞を使わずとも連用修飾語になれるという共通した特徴から総括したものです。

形容詞性名詞

形容詞性名詞は形容動詞を否定し、名詞に対して「だ」などがついたものです。

例えば「鮮やか」という単語は「鮮やかだ」と表現できることから形容詞性名詞になります。

また、普通の名詞と異なり「だ」の代わりに「な」をつけることが可能である。

上記の「鮮やか」であれば「鮮やかな」という表現もできることがわかります。

そのため、ナ名詞やナニ名詞と呼ぶこともあります。

また、ナをつけることができる代わりに、一部を除き格助詞をつけることが不可能であるという特徴がある。

「だ」という表現も含めて形容動詞とまとめることも多くあります。

一般名詞と固有名詞の違い

一般名詞と固有名詞の違いは、その名詞が意味する対象の範囲にあります。

具体的に言うと、一般名詞が意味する対象は幅が広いです。

一般名詞は、そのカテゴリーに含まれるものの全てを指す際に、使用されます。

具体的には以下の通り。

【一般名詞と固有名詞の例】

具体例一般名詞固有名詞
人物海賊黒ひげ
場所フランスモンサンミッシェル
食べ物白米ササニシキ
映画SFスター・ウォーズ

一般名詞ですと、対象範囲が山ほどありますよね。

例えば『海賊』であれば『黒ひげ・白ひげ・赤髪・麦わら』など、複数の対象者が思い浮かびます。

そのため、この言い方では対象者を特定することができません。

それに対して固有名詞は、ただ1つしか存在しない表現方法です。

上記の例でいえば『黒ひげ』と言われれば、対象者は黒ひげ1人になります。

このように対象者を1つに絞り切れるか否かが、一般名詞と固有名詞の違いになります。

そしてジャンルの中には、上記のような間違いをしがちな固有名詞を多く含むものがあることも。

その際は文章を書く際に注意しなければなりません。

特に気を付けるべきジャンルは、次の3つです。

  1. PCや通信機器系
  2. 食品名
  3. ファッションや美容

具体例1:パソコンや通信機器系

【パソコンや通信機器系で紛らわしい名詞】

一般名詞固有名詞
スマートホンiPhone
マトリックス2次元コード/認証コードQRコード

iPhone

iPhoneは、アップル社が商品登録している商品名であり、固有名詞です。

しかし、「スマートホン」が一般名詞として浸透しているため、「iPhone」も一般名詞として誤認識されがちなので、注意しましょう。

なお、iPhoneについて言及する際に固有名詞が使用できない場合は、「スマートホン」で表記を統一する必要があります。

また、もし固有名詞で表記する際は、「i」だけが小文字であるため、誤表記にも気を付けましょう。

QRコード

QRコードもスマホの普及に伴い一般に広く認知されていますが、自動車部品メーカーのデンソーが作成し商標登録された製品であり、固有名詞であることはあまり認知されていません。

一般名詞は「マトリックス2次元コード」という一般名詞が知れ渡っておらず、固有名詞の方が一般的になってしまっているケースです。

この場合は、固有名詞の使用が不可の場合は「認証コード」と表記する必要があります。

または、注釈入りで「マトリックス2次元コード」と表記することも可能です。

具体例2:食品名

一般名詞固有名詞
スナック菓子ポテトチップス
インスタント麺/カップ麺カップヌードル
シリアルフルーツグラノーラ/フルーツグラノラ

ポテトチップス

カルビー株式会社が商標登録している「ポテトチップス」は、ポテトを揚げたスナック菓子の代表的な呼称となっているため、一般名詞として使用してしまう危険性が高いです。

固有名詞の使用が不可の場合は、「スナック菓子」と表記する必要があります。

カップヌードル

株式会社サッポロの商品名である「カップヌードル」は知名度が高く、ジャンルの代表的な商品となっています。

そのため、一般名詞である「インスタント麺」「カップ麺」との混同をしてしまう可能性が非常に高いため、要注意です。

フルーツグラノーラ

カルビー株式会社「フルグラ」、ケロッグ合同会社「フルーツグラノラ」などの類似品が多数存在するため、混同しないように注意が必要です。

具体例3:ファッションや美容

【ファッションや美容で紛らわしい名詞】

一般名詞固有名詞
機能性インナーヒートテック
機能性インナーエアリズム
ヘアオイル/ヘアケアオイルモロッカンオイル

ヒートテック

どちらも株式会社ユニクロの商品ですが、他の会社やブランドからも似たような特徴を持つ商品が販売されているため、一般名詞として混同されがちです。

固有名詞が使用不可の場合、「機能性インナー」などの一般名詞での表記に注意しなければなりません。

モロッカンオイル

モロッカンオイルという名前のオイル全般を指す一般名詞のように感じますが、株式会社コスモのヘアケアブランドの名称なので、固有名詞です。

固有名詞が使用不可の場合は、「ヘアオイル」「ヘアケアオイル」などと表記する必要があります。

固有名詞を使う際の注意点

固有名詞を使う際の注意点は以下の通り。

  1. 漢字表記
  2. ローマ字表記
  3. 漢数字と算数字の表記
  4. 商標登録の可否

漢字表記 

漢字表記で固有名詞を使う際は、漢字1文字も間違えないように注意しましょう。

固有名詞の場合だと漢字1つ間違えるだけでトラブルが発生するおそれがあるからです。

例えば、「太田良平」さんのインタビュー記事を執筆するとします。

そのインタビュー相手である「太田良平」の名前を「大田良平」さんと一文字でも間違えて執筆してしまった場合、誰のインタビュー記事かわからなくなってしまいますよね。

また、名前を間違えると失礼にあたり信頼を失墜してしまったり、クレームに繋がりかねません。

つまり、漢字が1文字異なるだけで大きなトラブルの原因になるおそれがあるわけです。

トラブルを引き起こさないためにも、漢字1文字の間違いも見逃さないよう注意しましょう。

ローマ字表記

ローマ字表記で固有名詞を使う際は、綴りの1文字目は必ず大文字にするように注意しましょう。

ローマ字の綴りの1文字目を大文字にすることで、その名詞が固有名詞であることを表しているからです。

例えば、以下のように表記をします。

【固有名詞のローマ字表記一例】

固有名詞ローマ字表記
富士山Mt.Fuji
日本Japan
さとし(人名)Satosi
横浜Yokohama

ローマ字の綴りの1文字目が大文字でない場合、その名称が固有名詞なのか、普通名詞なのか混乱する表現になりかねません。

上記の通り、ローマ字を固有名詞で表記する際には、綴りの1文字目が大文字になっているか必ず確認しましょう。

また、ブランド名や商品名をローマ字表記する場合、大文字と小文字の誤りによる綴りのミスが発生するケースがあります。

商品名やブランド名は、一文字目が大文字でなかったり、大文字と小文字が入り乱れていて間違いやすい傾向にあります。

各メーカーが発表している正しいローマ字表記をするように、細心の注意を払いましょう。

漢数字と算数字の表記

漢数字と算数字を用いた固有名詞であれば、どちらの数字を使った表記方法かが決まっているので注意が必要です。

例えば、人名や地名のような固有名詞の場合は、必ず漢数字を使用します。

日本の海軍軍人である「山本五十六」さんを「山本56」と表記することはありませんし、地名の「九州」を「9州」と表記することもありませんよね。

この辺りは間違えることは少ないとは思いますが、変換ミスや見落としも考えられるため、必ず見直しを行い正確な数字を表記するよう心がけましょう。

また、中には社名に算数字を用いたケースがあります。

例えば、CGクリエイティブや映像制作を行う会社「1inc.」や、グラフィックデザインを手がける「(株)20パーセント」は社名に算数字を使用しています。

特に社名を間違えて表記してしまうと失礼にあたりますし、トラブルになるおそれも考えられますよね。

特殊な例ですが、固有名詞にも算数字を用いる場合があるため、どちらの数字を使用しているかを確認して正しい表記をするよう心がけましょう。

商標登録の可否

商標登録の可否を確認せず無断で使用すると、権利の関係でトラブルになりかねないため細心の注意を払うことが大切です。

対照の固有名詞の使い方によっては、以下の罰金刑もしくは禁錮になるかもしれません。

第七十八条 商標権又は専用使用権を侵害した者(第三十七条又は第六十七条の規定により商 標権又は専用使用権を侵害する行為とみなされる行為を行つた者を除く。)は、十年以下の懲役 若しくは千万円以下の罰金に処し、又はこれを併科する。

特許庁|参照条文(商標法)(2022年1月25日)

こうなってしまうのは不本意ですよね。

そのため固有名詞を使う際は、対象が商標登録されているか否かを確認することが非常に重要になります。

なおその確認方法ですがJ-PlatPat(特許情報プラットホーム)を使用すればOK。

J-PlatPatとは、意匠や商標などの産業財産権に関する情報を検索できるサービスです。

J-PlatPatを使うことで、使用したい固有名詞が商標登録されているものかどうか確認することができます。

使い方は、以下を参考にしてください。

・J-PlatPat(特許情報プラットホーム)にアクセスする
・ページ上部の「商標」をクリックし、商標検索にアクセスする
・検索バーから、商標名や呼称名を検索する

商標登録されているものかどうか不安な場合は、事前に確認をすることでトラブルを防ぐことができますよ。

英語の名詞の種類を解説

英語の名詞にも種類があります。

  1. 一般名詞(common noun)
  2. 固有名詞(proper noun)
  3. 集合名詞(collective noun)
  4. 物質名詞(material noun)
  5. 抽象名詞(abstract noun)

一般名詞(common noun)

英語の名詞の種類には一般名詞というものがあります。

一般名詞とは、同じ種類のものに共通して用いられる名詞のことです。

例えば、以下のようなものが例として挙げられます。

  • BOOK(本)
  • HOUSE(家)
  • BANK(銀行)

以上のように、何か1つのものを指すのではなく、そのジャンルの全体を指すときに使用するものです。

一般名詞だけを使用した文章では、具体性が表現しにくいため、おおまかな説明になってしまいます。

以下のAとBの例文で見てみましょう。

・Aの文章
He works for a bank
(彼は銀行で働いている)

・Bの文章
He works for nippon bank
(彼は日本銀行で働いている)

Aの文章のように、一般名詞だけだとおおまかな情報は伝わりますが、イメージは膨らまない文章になります。

Bの文章のように具体的な名称を使用することで、読みやすい文章となり、有益な情報も伝えられるようになるでしょう。

多くの人はBANK(銀行)で働いていると言えば、職種はなんとなくわかると思います。

しかし、どこの職場かまでは、一般名詞だけだと伝わりません。

同じようにBOOK(本)であれば、小説をイメージする人もいれば漫画をイメージする人もいます。

このように、そのカテゴリーに含まれるすべてのものを指す名詞が、一般名詞です。

固有名詞(proper noun)

英語の名詞の種類には、固有名詞というものもあります。

例としては、次のような単語です。

  • JAPAN(日本)
  • TARO(太郎)
  • TOKYO(東京)

このように、地名や個人の名前など、同種類のなかから特定の名詞を指しています。

次のような例文で見てみましょう。

・Taro has been to Japan
(太郎は日本に行ったことがある)

このなかで、Taro(太郎)は特定の個人の名前で、Japan(日本)は特定の国の名前です。

一般名詞では伝わらない単語でも、固有名詞は特定のものを指しているので、単体でも伝わります。

つまり英語も日本語同様、固有名詞にはスムーズに相手へ伝える力があると言えます。

集合名詞(collective noun)

集合名詞も英語の名詞の種類の1つです。

集合名詞とは、家族や会社などの同じ種類の人やものの集合体を指す名詞です。

例えば、以下のような単語があります。

  • FAMILY(家族)
  • COMPANY(会社)
  • PEOPLE(人々)
  • BAGGAGE(荷物)

このように、個々の人などの集合体を指します。

上記の集合名詞を使用した例文で見てみましょう。

・My family are going back to Japan next month.
(私の家族は来月日本に戻る)

この文章で見てみると、FAMILY(家族)は、複数と受け止めるのか、単体で受け止めるのかが曖昧になります。

伝える側としては、子供だけと思っていても、受け止め方によっては、配偶者も含めた全員とも受け止められますね。

このことから、集合名詞を使用する際には、状況や場面をよく考えて使用する必要があると言えます。

物質名詞(material noun)

物質名詞も英語の名詞の1つの種類です。

物質名詞とは、材料や水、空気などの一定の形のない物質を表す名詞のことを指します。

例えば、以下のようなものです。

  • WATER(水)
  • AIR(空気)
  • WOOD(木)
  • MONEY(お金)

上記の単語を使用して、例えてみましょう。

・Time is money
(時は金なり)

このように、MONEY(お金)は形や区切りのない物質名詞として使用されます。

一見するとMONEY(お金)については、形のあるものですので、物質名詞とはならないと思われがちです。

しかし、形のあるものはCOIN(硬貨)やBILL(紙幣)なので、お金そのものではないと言えます。

MONEY(お金)は、一定の形のない漠然とした量の物質と考えられているものです。

単にMONEY(お金)と使用する状況や場面と、時には具体的に円やドルなどの表記を使用するなど、使い分ける必要があると言えるでしょう。

抽象名詞(abstract noun)

英語の名詞の種類には抽象名詞もあります。

抽象名詞とは、愛や平和などの抽象的で形のないものや、動作や状態などを指す名詞です。

例えるなら、以下のような単語のことです。

  • LOVE(愛)
  • PIECE(平和)
  • HOPE(希望)
  • HONESTY(誠実さ)
  • LANGUAGE(言語)

上記の単語を使用して、例えてみましょう。

・You shouldn’t give up hope
(あなたは望みを捨てるべきではない)

このようなHOPE(希望)などの形のない抽象的なことを表現する際に使用します。

また、例文のようなHOPE(希望)などの単語は、単体でも使用されることが特徴的と言えるでしょう。

このように、抽象名詞は目に見えないような概念上のものを指す名詞です。

しかし、抽象名詞としても一般名詞としても使用することができるものがあるので、注意が必要です。

以下の文章で例えてみましょう。

・抽象名詞の文章
It is important for us to learn language
(言語を学ぶことは私達にとって重要です)

・一般名詞の文章
I can speak three languages
(私は3つの言語を話すことができます)

上記のように、LANGUAGE(言語)という単語は、同じ単語でも一般名詞と抽象名詞の両方で使用できます。

どちらも単語自体の意味には大きな違いはありません。

しかし、文脈によっては、どちらの種類で使用するかを注意する必要があります。

表記ゆれが起こらないように、しっかりとルールを決めて使用していきましょう。

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