読みにくい文章の特徴3選と9つの改善方法|正しい書き方で表現下手を直そう!

読みにくい文章

「なんか文章が読みにくいんだよな」

「長文の書き方が下手すぎるといわれたけど、原因がわからないから改善のしようがない……」

このようにお悩みではありませんか?

結論を言うと、読みにくい文章には以下3つの特徴があります。

  1. 『という・こと』など冗長的な表現が多く読みにくい
  2. 表記ゆれがあり読みにくい
  3. 文中の単語が抽象的で場面を想像できない

つまり、これらをなくすことで文章は大幅に改善されるわけです。

しかしそうなりますと「3つだけでなく、そのほかの改善方法も知りたい!」と思う人もいるハズ。

そこでこの記事では文章が読みにくくなる原因はもちろん、おすすめの改善方法9選も解説いたします。

現役のSEOライティング講師が実例を用いながら解説していますので、文章を書くのが苦手な方でも直感的に理解できる内容になっています。

この記事を読み終えるころには、文章による表現が上手になっていますよ。

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錦橋慶叡

SEOライター兼コンテンツディレクター。編集プロダクションでの勤務を経て独立→法人化。現在は事業拡大に伴い、TwitterにてWebライターを積極採用中。これまでに累計400人以上ものWebライターを指導。「文章でメシを食っていきたい!」と考えている人を最短最速でレベルアップさせるのが使命であり生きがい。

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読みにくい文章の特徴3選

読みにくい文章には共通した特徴が3つあります。

  • 『という・こと』など冗長的な表現が多く読みにくい
  • 表記ゆれがあり読みにくい
  • 文中の単語が抽象的で場面を想像できない

『という・こと』など冗長的な表現が多く読みにくい

文章が読みにくい原因は『という・こと』など冗長的な表現が多い文章です。

冗長的な表現は文章のぜい肉です。

無駄を削ぎ落としてスリムな文章を作ります。

例えば、以下の文章を見てみましょう。

「犬という動物は、外を駈けまわることが大好きだということだ」

この短い文章の中にもぜい肉が潜んでいます。

ぜい肉を削ぎ落としてみるとどうでしょうか。

「犬は、外を駈けまわるのが大好きだ」

スマートな文章になりましたね。

ぜい肉が無くなると、情報がストレートに頭に入ってきます。

もしも、あなたが書く文章に『という・こと』などの表現が頻繁に登場するとしたら、それは無自覚で使っている状態かもしれませんね。

つまりはクセです。

読み返す時に修正できるようにしましょう。

『という・こと』などの冗長的な表現が多く読みにくい文章は、スマートにしてあげましょう。

書くときには「予定文量よりも多め」に書き、書き終えたら「3分の1程度の文量」を削ります。

この手法が習慣化したとき、あなたの文章作成能力は大きく飛躍するでしょう。

表記ゆれがあり読みにくい

文章が読みにくい原因は表記ゆれがある場合です。

表記ゆれとは『指すものは同じだけど呼び方や書き方が違うもの』

例えば、以下の言葉が表記ゆれです。

  • サーバとサーバー
  • 水羊羹と水ようかん
  • パソコンとPC

どちらも指しているものは同じです。

しかし書き方が少し違います。

このように同じ意味で使用している言葉なのに表記が違うものが文章中に混在していることを『表記ゆれ』と言います。

同じ意味なのに言葉が違うと読みにくいです。

以下「りんご」を用いた例文をそれぞれ見てみましょう。

【『りんご』を統一した例文】
りんごは、皆様もご存じの通り、ペクチンとポリフェノールが豊富な健康食として知られています。皮ごと食べられるのも魅力の1つです。
りんごは、日本だけではなく、アメリカなどの国でも重宝する果実です。
アメリカでは「1日1個のりんごで医者知らず」という有名なことわざがあり、栄養豊富なりんごを食べていれば、病気にかかることはないとされています。

【『りんご』を統一していない例文】
りんごは、皆様もご存じの通り、ペクチンとポリフェノールが豊富な健康食として知られています。皮ごと食べられるのも魅力の1つです。
リンゴは、日本だけではなく、アメリカなどの国でも重宝する果実です。
アメリカでは「1日1個の林檎で医者知らず」という有名なことわざがあり、栄養豊富なアップルを食べていれば、病気にかかることはないとされています。

どちらが読みやすいかは一目瞭然ですね。

以上のことから表記ゆれがある場合は文章が読みにくいということになります。

文中の単語が抽象的で場面を想像できない

文章が読みにくい原因は文中の単語が抽象的で場面を想像できないことにあります。

例えば、以下の文章を読んでみてください。

  • あそこに人が立っている
  • 時計台の下に帽子をかぶった身長の高い男性が1人立っている

後者の方が圧倒的にわかりやすい、つまりは場面を想像しやすいですよね。

なぜこのようになるのかといいますと、場所と人の特徴を具体的にしているがために想像しやすくなっているのです。

前者の場合だと『あそこ』とこそあど言葉を使っているがために、「どこを指して話しているのか?」がまったくわかりません。

それだけでなく『人』という抽象的な単語を使用しているため、「対象者は男性なのか女性なのか? どういった服装なのか? 何人なのか?」が1つもわかりません。

このように、たとえ同じ話をしているのだとしても『どういった単語で表現・説明をするのか?』で場面の想像のしやすさが大きく変わるのです。

このようにちょっとしたことが原因で文章は読みにくくなります。

こういった事態を防ぐためにも、文章を書く際は次の9つのコツを実践してみてください。

  1. 執筆する前に構成をキチンと練る
  2. 文章は型に沿って書く
  3. 一文一意の長さを80文字以内にする
  4. 句読点を適切に使う
  5. 漢字・ひらがな・カタカナを適切に使う
  6. 修飾語が係る先をわかりやすくする
  7. 段落付け・改行をする
  8. 接続詞を使う
  9. 文法を学びなおす

執筆する前に構成をキチンと練る

読みにくい文章を読みやすくするには【執筆する前に構成をキチンと練る】ことです。

なぜなら構成をキチンと練っている文章は主旨や結論がブレない傾向があり、読みやすくなります。例えば以下の例文を見てみましょう。

【構成を考えずに書いた文章】
私たちは普段ものを考えるとき、「AだからB」と理由が先行します。
しかし、書く順番は逆です。
読者にとってわかりやすい文章は結論ファーストの文章です。
結論を先に述べましょう。

【構成を考えて書いた文章】
結論を先に述べましょう。私たちは普段ものを考えるとき、「AだからB」と理由が先行します。
しかし、書く順番は逆です。
読者にとってわかりやすい文章ら結論ファーストの文章です。

このように同じ単語でも構成を練って書くことで主旨や結論がブレない文章になります。

構成を練る方法は様々ですが、その中でも「見出し」を作ることがおすすめです。

例えば『文章を読みやすくする方法』というテーマで考えてみましょう。

そして各見出しは以下のものとします。

  • 執筆する前に構成をキチンと練る
  • 文章は型に沿って書く
  • 一文一意の長さを80文字以内にする

文章を執筆する前に見出しを設定しておくと、どのような流れで進めるべきかが明確になります。

また、項目ごとに必要な資料やデータをそろえやすくなります。

無駄のない文章を効率的に作成するためにも、見出しを含む事前の構成が重要だと言えるでしょう。

文章は型に沿って書く

読みにくい文章を読みやすくするには【文章は型に沿って書く】ことが大事です。

なぜなら読みやすい文章は型に沿って書かれており、上手に組み立てられているからです。

では、どういう文章に読みやすさを感じるのでしょう。

答えは実は簡単で、ひとはとにかく矛盾を嫌い、論理的な文章に読みやすさを感じます。

例えば以下の文章でみてみましょう。

【型を無視して文章を書いた場合】
冬将軍が到来したそうです。
いきなり冷え込んだから、衣替えが追いつきません。
急に寒くなりましたよね。
天気予報では、今日の最高気温は10℃以下です。

【PREPという型に沿って書いた場合】
急に寒くなりましたよね。
冬将軍が到来したそうです。
天気予報では、今日の最高気温は10℃以下です。
いきなり冷え込んだから、衣替えが追いつきません。

文章を読んで辻褄の合わない箇所があったり、前後の文脈がつながっていないと納得感が低下します。

論理的な文章を読むと「なるほど、そういうことなのか。よくわかった」と納得し、文章自体が評価されます。

『文章の型』には具体的に以下のようなものがあります。

PREP

「結論→理由・根拠→具体例→まとめ」の流れで書く形式です。

結論を先に書くことが大前提であるビジネスシーンのほか、ロジカルに人を説得したい場面で使えます。

始めに結論を述べることで文章が脱線しにくくなり、道筋の通った文章に仕上がるメリットがあります。

列挙型

「この映画が大ヒットした理由は3つあります」「工場視察の結果、3つの改善点を発見しました」など、列挙する数を冒頭で示してから、それぞれ説明していく方法です。

ストーリー型

「発端(マイナス)→転機→成長→未来」の4ステップからなる形式で、映画やドラマ、小説でよく見られる手法です。

相手の感情に訴えかける良い文章を書きたい時はストーリー型がおすすめです。何かしらのマイナス(失敗や課題、不満など)を抱えた状態から始まるので、読者はその後の展開が気になってぐんぐん引き込まれます。

以上のことから文章は型に沿って書くことが文章を読みやすくする方法と言えます。

一文一意の長さを80文字以内にする

読みにくい文章を読みやすくするには【一文一意の長さを80文字以内にする】ことが重要です。

なぜなら文字数が多いと、主語と述語がわかりにくくなったり、内容が複雑になったりするため、読者は混乱してしまいます。

以下のA・Bの文章をみてみましょう。

【一文が80文字以上の文章】
確定申告は、フリーランスとして活動するなかで手間のかかる作業のひとつですが、さまざまな費用を経費として計上することで大きな節税効果を得られるというメリットもあるため、作業効率化のために確定申告ソフトを活用することや、税理士に依頼することを検討して、しっかりと行うことが大切です。(139文字)

意味がわからないわけではありませんが、一文が長すぎて読みにくく、一番伝えたいことが何かもわからない状態です。

以下のように、短い文に分割してみます。

【一文が80文字以内の文章】
確定申告は、フリーランスとして活動するなかで手間のかかる作業のひとつです。(37文字)
ただ、さまざまな費用を経費として計上することで大きな節税効果を得られる、というメリットもあります。(49文字)
作業効率化のために、確定申告ソフトの活用や税理士への依頼などを検討して、しっかりと行うことが大切です。(51文字)

どちらが読みやすいかは一目瞭然ですね。

一文一意を意識して、3文に分割してみることで、一文は80文字以内となり読みやすくなります。

また、Twitterを投稿する場面で考えてみます。

Twitterの文字制限が140文字なので、それよりも少ない80文字だと意識して書かないとすぐに文字数をオーバーしてしまいます。

そのため、うまく抑えるためには必然的に簡潔な文章が求められます。

上記のとおり、一つの文章で一つのことを言う一文一意の文章がベストです。

タイトルを見て「面白そう!」と思ってもらえても、「結局何が言いたいのかわからない」と思われたくはありませんよね。

以上のことをまとめると、文章を読みやすくする方法は、一文一意の長さを80文字以内にすることがポイントと言えます。

一文一意を意識してまとまりのある、読みやすい文章を書いていきましょう。

句読点を適切に使う

読みにくい文章を読みやすくしたいのであれば、句読点を使いましょう。

句読点とは、文の終わりに使う句点「。」と文中の意味の切れ目に使う読点「、」のことです。

句点の使い方は難しくありませんが、読点の使い方は文章の読みやすさに直結する重要な記号(符号)です。

句読点は、1文の意味を明確にするために使う必要があります。

ただし「、」1つで意味が変わってしまうので注意して使わなければなりません。

文法上、句点を使うのは文の終わりだけです。

「。」がないと「この文はどこまでだろう?」と区切りがなくなってしまうので忘れないでください。

「ありがとう。」のような独立語なら、単語でも文になります。

句点を文中に使うことはありません。

  • 〇:会議が終わり次第、横浜で会食の予定です。
  • ✖:会議が終わり次第。横浜で会食の予定です。

「会議が終わり次第」はまだ文が続いていますので、使うなら読点になります。

「終わり次第横浜」と漢字が連続する部分に読点を入れるのも読みやすくするポイントですね。

しかし、読みやすさのためには「適量」でなければなりません。

前提として1文は80字以内で書きます。

その上で、1文で使う読点は3つまでにしましょう。

【読点が適量】
冬になると急に肌が乾燥してしまう人に多いのが、肌のバリア機能を壊してしまう熱いシャワーをしていることなので、38~40度のお湯で優しく洗うようにしましょう。

【読点が明らかに多い】
冬になると、急に、肌が、乾燥してしまう人に多いのが、肌の、バリア機能を、壊してしまう、熱いシャワーを、していることなので、38~40度の、お湯で、優しく洗うようにしましょう。

これだけ読点が使われていると、文が細切れで、読者が意味のまとまりを考えなければいけません。

大きなストレスなので、読者が離れていくばかりです。

文を区切るためではなく、意味のまとまりを明示するために読点を使う意識を持ってくださいね。

「自分は読点が多すぎる・少なすぎる」という人は、1度読点なしの文を書いて、あとから「3つまで使える読点をどこに置くのがベストか」を考えてみましょう。

漢字・ひらがな・カタカナを適切に使う

漢字・ひらがな・カタカナを適切に使うだけで、読みにくい文章から脱却できます。

バランスを考える時のポイントは「漢字にするかしないか」です。

ひらがな:漢字:カタカナ=6:3:1の割合が読みやすいと言われているので、1つの基準として文章を見直してみてくださいね。

【ひらがな:漢字:カタカナのバランスが良い例】
よくストレスを感じるという人には「完璧主義、人を優先させる、責任感が強い」といった特徴があるようです。

【漢字が多くバランスが悪い例】
頻繁に精神的負荷を感じる人は「完璧主義、自己犠牲精神、過剰な責任感」等の特徴を備えているようです。

ぱっと見た時に、上の例文の方が余白を感じて読みやすい印象です。

下の例文は全体的に黒っぽく、難しい漢字が多くて堅苦しい印象です。

第一印象で、読者が「わかる!読める!」と判断できるように、バランスに気を付けましょう。

なお、以下のものは基本的にひらがな表記が望ましいです。

形式名詞

こと
もの
ところ
とき
うち
はず
ほう
わけ
ごと
たび
とおり通り

補助動詞

いく行く
いただく頂く
おく置く
ください下さい
くる来る
みる見る

接続詞

ため
ゆえ
たとえば例えば
なぜならなぜなら
あるいは或いは
または又は
ただし但し
さらに更に
したがって従って
および及び

副助詞

ほど
ころ
など
くらい
まで

副詞

たいへん大変
すでに既に
ずいぶん随分
ちょうど丁度
おおむね概ね

連体詞

ある或る
いわゆる所謂
この此の

動詞、形容詞、形容動詞

できる出来る
わかる分かる、解る、判る
ない無い
よい良い
さまざまだ様々だ
いろいろだ色々だ

ただし、これらには絶対のルールはありません。

「漢字が多い、難読漢字が多い」と思ったら、全体のバランスを見てひらがな・カタカナにします。

薔薇(ばら)麒麟(きりん)蟷螂(かまきり)我儘(わがまま)絨毯(じゅうたん)など、画数が多く日常ほとんど使わないような漢字は使わない方が読者思いです。

読みやすさのために「どれを漢字(ひらがな)表記するか」上記をもとにマイルールを決めて、一貫性のある記事にすることが大切です。

文章の前半は「なぜなら」とひらがな表記していたのに、後半には「何故なら」と漢字表記になってしまうような事態は避けましょう。

書き手には、ささいな違いに見えるかもしれません。

しかし、読者は気になって内容に集中できなくなってしまうので、書き終わったら統一された表記になっているか、絶対に校正しましょう。

修飾語が係る先をわかりやすくする

読みにくい文章を読みやすくするには、修飾語がかかる先をハッキリさせましょう。

修飾語とは、他の言葉の意味や内容を詳しく説明したり補ったりする文節のこと。

そうすることで文脈がわかりやすくなり、結果的に読みやすくなります。

そもそも修飾語を使うとき、必ず「修飾される言葉(被修飾語)」が存在します。

例文修飾語修飾されている言葉
父がゆっくり歩く。ゆっくり歩く
私の父が歩く。私の父が

上記をもとに説明しますね。

「父が歩く」に修飾語は使われていません。

「父がゆっくり歩く」では「父がどんな風に歩いているのか?」を「ゆっくり」という言葉で説明しています。

「私の父が歩く」では「だれの父なのか?」を「私の」という言葉が補っています。

こうした短文なら修飾・被修飾の関係がわかりやすいのですが、1文が長くなるとそうもいきません。

(例)昨日電話でパソコンに疎い母から頼まれてWi-Fi接続の設定をした。

一見すると、なんとなく意味がつかめそうです。

しかし大問題があります。

「昨日」はどこに係るのか?です。

「昨日→頼まれて」なのか「昨日→設定をした」なのかはっきりしません。

読点の使い方でも説明しましたが、複数の意味が存在する文はNGですよね。

直すポイントは以下の3点です。

  • 語順を入れ替え、修飾・被修飾の関係を近づける
  • 読点を加える
  • 言葉の終わりを変える

では例文を直していきましょう。

「頼まれたのが昨日」の場合
パソコンに疎い母から昨日電話で頼まれて、Wi-Fi接続の設定をした。

「設定したのが昨日」の場合
パソコンに疎い母から電話で頼まれて、昨日Wi-Fi接続の設定をした。

語順を入れ替えて「昨日」が係る先を近づけました。

読点も加えるとさらに読みやすくなります。

言葉を少し変えることも有効です。

「頼まれたのが昨日」の場合
昨日の電話で、パソコンに疎い母から頼まれて、Wi-Fi接続の設定をした。
(「昨日の」が修飾しているのは「電話で」に変わっているが、伝えたい内容は変わらない)

「設定したのが昨日」の場合
昨日、パソコンに疎い母から電話で頼まれていたWi-Fi接続の設定をした。
(「頼まれていた」に変えて「パソコンに~設定」を一続きのまとまりにした)

今回は文章を読みやすくする方法として3つのポイントを挙げました。

文章を読みやすくするためには、書き終わってからの読み直しが必要不可欠です。

今回説明した内容を参考に、読みやすくするコツを身に付けていきましょう!

段落付け・改行をする

読みにくい文章を読みやすくしたい場合は、方法は段落付け・改行をすることです。

なぜなら段落付け・改行はその文章の「道しるべ」の意味を持っているからです。

話が進んでいく方向へ読み手を誘導していくため、適当に段落付け・改行で切り替わっている文章では、読み手は混乱し内容の理解が追いつきません。

段落付け・改行はその文章の中身が次に移行したことを知らせ、文章を整理する重要な役割を担っているのです。

例えば次のA・Bの文章で見てみましょう。

・Aの文章
あるところに、ケンカ番長と呼ばれ恐れられた少年がいた。肩に届きそうな長髪は動きやすいように後ろでまとめられ、首筋には金属プレートのペンダントが光っている。彼は三度の飯が好きだ。

句読点を打っただけの「段落のない」文章です。これだけでは読みにくいですよね。

次に段落ごとに区切った文章を見てみましょう。

・Bの文章
あるところに、ケンカ番長と呼ばれ恐れられた少年がいた。
肩に届きそうな長髪は動きやすいように後ろでまとめられ、首筋には金属プレートのペンダントが光っている。
彼は三度の飯が好きだ。

このように段落ごとに区切り改行することは、句読点よりも大きな区切りをつけることです。

また、区切りをつける時のポイントは、文章の中で説明している対象ごとに分けるとスッキリした文章になります。

簡単に言うと、犬と猫のことを書くなら、犬のことを書く段落と猫のことを書く段落とに分けることです。

このように段落付け・改行を行うことによって文章がスッキリし、読みやすくなります。

接続詞を使う

読みにくい文章を読みやすくしたい場合は接続詞を使いましょう。

接続詞は文章の道筋をはっきりさせる効果があるからです。

接続詞とは、前後の文節や文をつなぐ単語のことで、以下の6種類があります。

①順接
・前の事柄を原因・理由として、その順当な結果・結論をあとに続けること
「それで」「だから」「したがって」など
②逆説
・前の事柄に対して順当でない事柄をあとに続けること
「しかし」「ところが」「けれども」など
③累加・並立
・前の事柄にあとの事柄を付け加えたり、対等に並べたりすること
「そして」「それから」「また」など
④説明・補足
・前の事柄について説明を加えたり、内容を補ったりすること
「つまり」「なぜなら」「ただし」など
⑤対比・選択
・前後の事柄を比べたり、どちらかを選んだりすること
「それとも」「あるいは」「または」など
⑥転換
・話題を変えること
「さて」「ところで」「では」など

例えば、順接では以下のようになります。

  • A:たくさん食べた。お腹がいっぱいだ。
  • B:たくさん食べた。だから、お腹がいっぱいだ。

Aの文章にはないが、Bの文章には「だから」という単語をはさんでいます。

この「だから」という単語があることによって、前の文の内容があとの文の内容の理由であることが一目瞭然となり、意味がつながるようになります。

つまり、接続詞を使うことによって文章は読みやすくなると言えます。

文法を学びなおす

読みにくい文章を読みやすくしたい場合は、文法を学びなおしましょう。

日本語というのはあいまいな表現が多く、日常生活で何気なく使っている言葉づかいが実は間違っているということがよくあるからです。

例えば、「は」と「が」で見てみましょう。

  • A:富士山「は」きれいだ
  • B:富士山「が」きれいだ

Aの文章は「は」を使っていて、この場合は一般論として富士山はきれいだという際に使われます。富士山が目の前にない状況で、誰でも知っている情報を伝えています。

それに対し、Bの文章の富士山「が」きれいだの方は、目の前に富士山がある状況で、聞き手にとって新しい情報を伝えるニュアンスを持ちます。

このように、たった一つの文字で読み手に与える印象は変わってきます。

読みやすい文章が書けないと悩んでいる人も、もしかすると、当たり前のように使っている言葉を1文字変えるだけで、読みやすい文章になるかもしれないということですね。

上記の他にも色々な文法がありますので、普段当たり前のように使っている日本語も実は使い方が違っているかもしれません。

日本語の文章は、細かい単位に区切ることができます。

文章、段落、文、文節、単語といったようにより細かい単位に分解して、それぞれの働きや使い方を学びなおしてみるといいですね。

文法を理解することで、正しい文法で文章を書けるようになり、読み手のストレスを減らし、読みやすい文章を書くことができます。

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