「『文字・文章を書いた後は校正しろ』ってよく聞くけど、なんで必要なんだろ?」
「文字校正って、どうやってするんだろ?」
文字・文章を書き終わったときに、このように思う人もいるハズ。
文字校正が必要な理由はいろいろありますが、主に以下4つが考えられます。
- 間違った情報を広めてしまうから
- 修正にコストがかかるから
- 執筆者本人による推敲には限界があるから
- 書物制作の場合だと他の工程で遅滞が発生するから
上記4点は文字校正をすることによって9割方避けられます。
逆に言いますと校正をまったくしなかった場合、このようなトラブルが発生するかもしれないのです。
そのため文字・文章を書き終わった後は校正を必ずするようにしましょう。
しかしそうなると「校正って具体的にどうやるの? チェックポイントは? ツールを使ってできるものなの?」といろいろと疑問がわく人がいるかもしれません。
そこでこの記事では文字校正が必要な理由だけでなく、チェックポイント・ツールもしくは自分で校正をする方法・校正と校閲の違いを、現役SEOライティング講師が解説します。
この記事を読み終えるころには校正の重要性と実施方法がわかりますよ。
なぜ文字・文章に校正が必要なのか
先ほど軽く触れましたが、文字校正が必要な理由は以下の4つです。
- 間違った情報を広めてしまうから
- 修正にコストがかかるから
- 執筆者本人による推敲には限界があるから
- 書物制作の場合だと他の工程で遅滞が発生するから
間違った情報を広めてしまうから
一つ目の理由は、間違った情報を広めてしまうおそれがあるからです。
校正とは、文字の誤りを見つけ出し、文章を正しく整える仕事です。
作業の流れとしては、Web記事の場合、テキストデータを目視でチェックしていきます。
チェック項目は主に5つあります。
- 誤字脱字
- 表記ゆれ
- 数字表記
- 正しい日本語
- 体裁の整合性
校正担当者は上記5つチェックし、不備がないかどうかの確認をします。
その後、間違いがないと判断された記事はWeb上にアップされます。
結果として、内容が不正確であったり、文章クオリティの低い記事のアップを未然に防ぐことが出来ます。
一方、校正をしなかった場合、どういった問題が発生するでしょうか?
文章を執筆するに当たって、上記についてのミスが起こる要因として以下のものが考えられます。
- 漢字の誤認識(誤ちを改める×/過ちを改める◯…)
- 変換ミス
- タイプミス
- 算用数字・漢数字の不理解
- 不正確な日本語表現を使っている
- 引用、参考、その他記載のルールが統一されていない
このように、ひとくちにミスの要因といってもいくつもあります。
仮に校正をしない場合、これらのミス確認が抜け落ちた状態で、記事のアップをすることになります。
そうなると、上述の通り、内容が不正確であったり、文章クオリティの低い記事をアップしてしまうかもしれませんよね。
また、中には文意が全く違う内容になってしまう可能性もあります。
結果として、間違った情報を広めてしまうかもしれませんよね。
修正にコストがかかるから
二つ目の理由は、修正にコストがかかるからです。
先程の内容の続きで、仮に間違った情報の記事をアップしたとしましょう。
その場合、記事を修正し、場合によっては謝罪文を作成する必要があります。
人員が必要となり、そのための人件費が発生するでしょう。
その他、上司やクライアントへの説明もあるため、そのための時間も必要になります。
さらには、記事のアップが遅れセッションが獲得出来ず、CVRの低下にも繋がります。
ミスの内容によっては、執筆者、もしくは企業の信用が落ちる可能性があり、今後のCV獲得に悪影響を及ぼす可能性もあるでしょう。
このように、間違った情報の記事をアップすることは多くのリスクを抱えています。
どの事態も避けたいものばかりですよね。
Webライティングは校正を経ることで、こういったリスクを格段に低減することが出来ます。
執筆者本人による推敲には限界があるから
三つ目の理由は、執筆者本人による推敲には限界があるからです。
執筆(書く作業)と校正・校閲(読む作業)は違います。
校正・校閲は対象となる執筆物に対し、徹底して客観的でなければいけません。
何故なら、文章は徹底的に客観的に見ることによって、間違いを見つけられるからなのです。
そしてこれには、執筆者本人が行う遂行では客観性という点で明らかに限界があります。
推敲とは、文章を吟味して練り直すことを指します。
よく、執筆から校正までにはなるべく時間を空けなさいと言われます。
これは、執筆中は文章に集中するので、その後すぐに客観的に文章をチェックするのが困難だからです。
また、新聞社や出版社などには校正を担当する専門職がいるそうです。
一方で、どうしても自分自身で校正をしなければならない時は、校正ツールを使いましょう。
例えば、Wordには校正ツールが機能として備わっています。
「校閲」タブの「文章校正」から「スペルチェックと文章校正」をクリックすると、校正の必要な部分が表示される仕組みになっています。
その他、web上にもいくつかフリーの校正サイトがあるので、是非使ってみてくださいね。
書物制作の場合だと他の工程で遅滞が発生するから
4つ目の理由は、書物制作の場合だと他工程での遅滞が発生するからです。
書物制作の場合は、Web記事と違い、校正が終わった後に下版という工程があります。
下版とは、実際に製品の制作に取り掛かる段階のことです。
データを制作会社に提出(入稿)した後、校正を行い、問題が無ければ下版に移ります。
また、紙媒体の校正の場合、初期の原稿と印刷物を照会し修正を見つけていくという方法を取る場合が多いです。
その際、最初の修正点と初校(最初の校正)、初校の修正点と再校、そして再校の…という形で何度もチェックします。
これは、複数回のチェックによって、修正箇所があれば下版前に必ず見つけるためです。
Web記事と比べると、書物制作の校正は作業コストが大きいことがわかります。
それは、何故でしょうか?
下版の段階に入ると、実際に制作に取り掛かるため、そのための原価が発生します。
仮に下版の段階で、修正箇所が見つかった場合、再度刷り直しということになりその分余計な費用が発生してしまいます。
書物制作において、執筆工程の不手際が、印刷工程のしわ寄せになります。
執筆工程が遅れると、印刷工程もその分遅れます。
また、データに修正箇所が見つかった場合、印刷工程は一度取り込んだデータを再度取り込まなければなりません。
現物を制作するわけですから、再制作にも一定の時間が必要です。
修正箇所の発見が、完成の段階に近ければ近い程、修正のコストや遅延時間もより大きなものになる可能性があ流というわけです。
このように、書物制作の場合は、執筆工程と印刷工程が別で存在するために修正のリカバリーもより大変になります。
只、どちらにも共通して言えることは、校正がいかに大切であるかということですよね。
文字・文章を校正する際のチェックポイント
文字・文章を校正する際のチェックポイントは4つあります。
- 情報内容
- 誤字脱字
- 表記ゆれ
- 日本語の使い方
情報内容
校正時のチェックポイントの1つは、情報内容です。
なぜなら、情報内容を誤ってしまうと、それだけでその記事を読む気がなくなってしまうからです。
例えば、後で確認するから大丈夫という気持ちで資料などの確認を怠ってしまうと、校正時に修正箇所が多く、予定よりも時間がかかってしまいます。
何より読者にとっての不利益となり、記事の信用性も低くなってしまうでしょう。
また、間違いに気づかないままにしてしまうと、読まれないことももちろんですが、最悪の場合損害賠償なんてこともあるかもしれません。
なので、記事に掲載している情報が事実であるかを何度も確認することが大切なのです。
以下の項目は、間違えてしまうと致命的なので、特に気を付ける必要があります。
- 数値データ
- 固有名詞
- 連絡先や日程
上記の間違いは、電話番号や金額の間違いなど、よくあるケースです。
例えば、レストランの予約受付の広告で電話番号を間違えて掲載してしまうと、予約を受付することができないでしょう。
さらに、間違えた電話番号が繋がらなければまだ良いのですが、万が一別な人に繫がると被害は拡大します。
もし、そこがお店などだった場合は、営業妨害で訴えられる可能性もありますね。
地名などといった固有名詞を間違えてしまうと集合場所等が変わってしまい、その結果何かしらのトラブルが起こることは目に見えています。
連絡先や日程の間違いだと、大事な取引だったりすると、取引が不成立となり、損害賠償を求められるかもしれません。
このように、間違えてしまうと致命的な場合もあります。
情報について、少しでも気になるところがあるのなら、資料や参考文献などで徹底的に調べてみましょう。
一見遠回りなやり方とも思われるかもしれませんが、結果的には良い記事を書くことに繋がります。
誤字脱字
誤字脱字のチェックも、校正時のチェックポイントの1つと言えます。
なぜなら、どんなに丁寧に記事を仕上げても、どうしても細かい誤字脱字は発生してしまうからです。
1人の力ではすべての誤字脱字を見つけることは、難しいものです。
そのため、第三者の目で仕上がった記事をチェックすることが、校正の意義とも言えるでしょう。
誤字脱字の種類としては、以下のようなものがあります。
- 執筆者の誤認識によるミス
- 変換ミス
- タイプミス
この中でも、パソコンが主流となっているため、特に変換ミス、タイプミスが多くあります。
文章にミスがある場合、正しく読み上げるのとができないため、音読すると見つけやすいでしょう。
表記ゆれ
校正時のチェックポイントとして、表記ゆれのチェックがあります。
なぜなら、表記ゆれがある場合、文章は読みにくいものとなるからです。
表記ゆれとは、同じ単語が文章のなかに二通り以上の書き方となっていることです。
例えば、猫のことを「猫」「ネコ」「ねこ」のように、同じ意味でも漢字とカタカナとひらがななどの書き方があります。
1つの文章のなかで、書き方を統一しなくては読みにくい文章となります。
例えば、以下のAとBの文章で見てみましょう。
Aの文章
学校でこっそりと飼っている猫は、とてもかわいい模様のネコで、そのねこが好きな食べ物はちくわなのです。
Bの文章
学校でこっそりと飼っている猫は、とてもかわいい模様の猫で、その猫が好きな食べ物はちくわなのです。
このように、Aの文章はちぐはぐな印象となり、Bの文章はしっかりとまとまりのある印象になりますね。
特に表記ゆれが起こりやすい言葉は、社内ルールなどで統一しておくと良いでしょう。
日本語の使い方
日本語の使い方をチェックすることも、校正時のチェックポイントです。
なぜなら、正しい日本語を使用することで、読みやすい文章となるからです。
例えば、以下の文章で見てみましょう。
彼も彼の妻も、テニスも上手だし韓国語も上手です。
この文章を校正すると、以下のようになります。
彼とその妻は二人とも、テニスも韓国語も上手です。
このように、日本語の使い方を修正することで、シンプルで読みやすい文章となります。
他にも敬語の間違いがある場合や、日本語の意味を取り違えて使用している場合などがあります。
特に敬語は間違えやすいので、気を付ける必要があります。
例えば、次のA・Bの文章で見てみましょう。
Aの文章
お気軽にご相談してください。
Bの文章
お気軽にご相談ください。
このように、一見すると間違いではないように思えます。
ですが、この例文の場合だと、「お〜する」は自分のどうさをへりくだり、相手を敬う謙譲語です。
このため、相手の動作を表現する場合に使用することは間違いです。
特に敬語はうっかりと間違えてしまいがちなので、注意しましょう。
明らかな敬語の間違いや、日本語の意味を取り違えて使用している場合は、校正時に見つけて修正を行いましょう。
ツールで文字・文章を校正する方法
校正に使えるツールをご紹介いたします。
- 文章校正ツール
- Word
- Enno
- 日本語校正サポート
- プレスリリース校正ツール
文章校正ツール
ツールで校正をする方法には、文章校正ツールを使用する方法があります。
(文章校正ツール[so-zow.zip])
一度にチェックできる文字数 | 特徴 |
---|---|
10,000文字 | ・誤字脱字だけでなく、使用注意語、不快語(使用不適切語や隠語)などにも指摘が入る ・外国の地名、固有名詞、人名もチェックしてくれる ・「ら抜き言葉」もチェックしてくれる ・用語の言い換えや略語の指摘も入る |
so-zow.zipが運営元で、日本語の文章を解析し、間違った表現や不適切な表現を指摘してくれるツールです。
基本無料で使用することができ、文章校正ツールの他にも全角半角変換ツールなど、多くのツールを扱っています。
文章校正ツールの使い方は以下のとおりです。
- 文章校正ツールにアクセス
- テキスト入力
- 検査
- 結果表示
1.文章校正ツールにアクセス
まずは文章校正ツールにアクセスしましょう。
2.テキスト入力
水色枠の検査対象文章欄にテキストを入力します。
3.検査
青枠の検査ボタンをクリックしましょう。
4.結果表示
画面歌舞に結果が表示されます。
システムによる校正のため、完璧とは言えませんが、少しでも良い記事にするために、どんどん活用していきましょう。
Word
Wordの校正ツールを使用することで、校正を行うことができます。
Wordはマイクロソフトが提供している文章作成ソフトで、認知度の高い文章作成ソフトです。
普段から利用している人も、校正を行うのであれば、別な校正ツールを使用すると考える人が多いでしょう。
ですが、Wordには校正ツールが備わっています。
使用方法は以下のようになります。
- Wordにアクセス
- テキスト入力
- 文章校正
- 修正
1.Wordにアクセス
Wordソフトを起動させましょう。
2.テキスト入力
テキストを入力します。
3.文章校正
校閲タブの文章校正からスペルチェックと文章校正をクリックしましょう。
4.修正
スペルチェックを行うと、校正が必要な箇所が赤文字で表示されるので、修正します。
また、赤文字で表示されているが、間違えていない場合は無視をクリックしましょう。
無視と同時にすべて無視も選択できますが、この場合は、それ以降修正候補とならないので、うまく使い分ける必要があります。
このような便利な機能を活用し、正しい文章に仕上げていきましょう。
また、文章を書いているときに、語句の下に色のついた波線が出ることがあります。
Enno
ツールで校正する方法にはEnnoを使用する方法があります。
Ennoの概要は以下のようになります。
(Ennoの特徴)
運営元 | 特徴 |
---|---|
ハングリィ・ライク・カネゴン | ・日本語のあからさまな間違い(タイプミス、スペースのエラー、誤字脱字、変換ミス、入力後の編集ミス、文字)を抽出してくれる。 ・「,」「.」を使用する理工系文書もチェックできる ・英語のスペルミスもチェックできる ・指摘の理由が丁寧に説明されており、学び・気づきが得られる |
無料で使用できる校正ツールで、誤字脱字や変換ミス、半角スペースのエラーなどもチェックしてくれます。
具体的な使い方は以下のようになります。
- Ennoにアクセス
- テキスト入力
- チェック
1.Ennoにアクセス
Ennoにアクセスしましょう。
ユーザー登録などは不要で、誰でも使用できます。
2.テキスト入力
水色枠の文章入力欄にテキストを入力しましょう。
3.チェック
青枠のタイポ/変換ミス/誤字脱字エラーをチェックするをクリックしましょう。
このように、使い方は簡単です。
チェックした文章は、データベースに保存されないため、外部へ情報が漏れることは起こりにくいでしょう。
現代の日本語で書かれた文体の多くに対応しています。
また、Webで文章を書く場合によくある、半角スペースのエラーもチェックできるので、とても便利です。
日本語校正サポート
日本語校正サポートも文章を校正するためのツールです。
日本語校正サポートの特徴は以下のようになります。
(日本語校正サポートの特徴)
運営元 | 特徴 |
---|---|
Yahoo!API | ・ガイドがシンプルで使いやすい ・設定をカスタマイズできる ・チェック結果が、表で出力される |
日本語校正サポートは、校正したい文章を貼り付けるだけで簡単に使用できます。
また、以下のように希望するレベルに合わせて設定が可能となります。
- レベル1「基本」
- レベル2「難読」
- レベル3「品質」
校正する文章によって使い分けましょう。
具体的な使い方は以下のようになります。
- 日本語校正サポートにアクセス
- レベル設定
- テキスト入力
- チェック
1.日本語校正サポートにアクセス
まずは、日本語校正サポートにアクセスしましょう。
2.レベル設定
校正する内容に応じて、レベルのチェックボックスをはずします。
3.テキスト入力
水色枠の文章入力欄にテキストを入力しましょう。
4.チェック
青枠の日本語チェックをクリックします。
このように、操作は簡単です。
無料で使用可能なので、どんどん活用して良い記事に作り上げましょう。
プレスリリース校正ツール
プレスリリース校正ツールでも文章を校正することができます。
プレスリリース校正ツールについては、以下のような特徴があります。
- プレスリリース作成における広報担当者の確認作業効率化のためにつくられた。
- 入力ミスや言葉の誤用がないか、わかりにくい表記が使われていないかなどをチェックしてくれます。
- 校正の仕組みには、Yahoo!APIを使用。
指摘箇所と指摘事項が横並びで表示され、色別で表示されるためわかりやすい仕様となっています。
使い方は以下のようになります。
- プレスリリース校正ツールにアクセス
- テキスト入力
- 校正チェック
- 結果確認
1.プレスリリース校正ツールにアクセス
プレスリリース校正ツールにアクセスしましょう。
2.テキスト入力
画面左側の入力フォームにテキストを入力します。
3.校正をチェック
画面上下にある校正チェックをクリックしましょう。
4.結果確認
画面右側のチェック済みに結果が以下のように色で指摘が表示されます。
- 赤色:表記や表現の間違いや、不適切な表現を指摘
- 黄色:わかりやすい表記にするために指摘
- 青色:文章をより良くするための指摘
以上のように簡単な操作で校正ができますので、このようなツールを活用して良い記事にしていきましょう。
【印刷するなど】自分で文字校正をする方法
信頼される記事を書くには、まず校正で自分の書いた文章が適切かどうか客観視し、確認するようにしましょう。
以下に、校正する際のポイントをまとめました。
- 翌日に校正をする
- 文章を印刷する
- 音読する
- 校正ごとにチェック項目を変える
- 校正者を雇う
これから、それぞれの説明をしていきたいと思います。
翌日に校正をする
一番大事なのは、文章を書き終わってから時間を空けて校正することです。
よく、執筆から校正までに時間を空けなさいと言われています。
それは、文章を書いているときの思考と、校正するときの思考の切り替えがうまくいかないからです。
例えば、夜に書いた文章を改めて翌朝確認してみると、なんでこんな支離滅裂なことを書いたんだと愕然としたことはないでしょうか。
この経験をしたことがある方ならば、時間を置くという重要さがわかるはずです。
書くことに集中している頭と、校正に使う頭では、頭の使い方も変わってきます。
なので、時間をおいて頭の切り替えをすることが重要です。
書くことにエネルギーを注いで疲れた頭では、よい校正もできません。
休息を挟んで脳をリフレッシュし、頭を切り替えましょう。
結局は時間をおいたほうが、校正の作業効率を上げ、時間短縮にもつながります。
文章を印刷する
書き終わった文章を印刷するのも、有効な手です。
まず、パソコンなどの液晶と紙面では、目の疲れやすさが違います。
目が疲れると、それだけでミスが見つけづらいですよね。
長い時間を校正に掛けるほど、この差異は顕著になります。
また、紙面に印刷することによって、テキストデータなどより間違っている部分に、すぐに書き込めるという利点があります。
人によっては液晶と紙面で、文字の印象が違って見えるため、ミスが見つけやすいという方もいるはずです。
文章を印刷することが難しい場合は、テキストフォントを変えたり、普段とは違う文章ソフトを使ってみるのもおすすめです。
音読する
音読すると、文字の1音づつが確認出来るため、特に「てにをは」などの助詞の間違いに気づきやすくなります。
また、文章のリズムが崩れている箇所がわかりやすくなります。
目だけで確認するのではなく、耳から情報を入れることで、文章を客観視しやすくなります。
文書ソフトなどの文書読み上げ機能を活用し、ミスがないか確認するのもおすすめです。
職場や図書館など、音読しづらい環境の場合は、頭の中で1音づつ音読するのも良いでしょう。
校正ごとにチェック項目を変える
一度にすべての間違いを見つけようとせずに、校正の段階を分けて、ミスをみつけることも重要です。
校正の段階を分けることによって、精度が増すため、ミスを見つけやすくなります。
下記の表に例を上げました。
- 1回目:文章中の情報や内容が正しいか
- 2回目:誤字脱字がないか
- 3回目:表記ゆれがないか
上の表からわかるように、そもそも書いてある情報や内容が間違っていれば、記事そのものの評価自体をしてもらえません。
ミスがあれば、文章全体を書き換えなければならず、作業範囲も膨大になります。
そのため、特に重要な事柄から始めることが重要です。
その次の段階から、文章の細かい範囲を校正していきましょう。
何回もミスをしている箇所があった場合、リストアップしておきましょう。
次回の執筆時に気をつけられるようにしておければ、後々の校正作業が楽になります。
校正者を雇う
さらに記事の正確さを求めるなら、校正者を雇いましょう。
校正の専門家を雇うことで、自分一人で校正するより、記事の正確さが担保されます。
しかし、時間や資金面での余裕がない場合もあります。
記事の重要性と、時間や資金面でのバランスを考えて依頼するようにしましょう。
あくまで、最終責任者は記事を書いている本人です。
校正者任せにするのではなく、自分で文章の最終チェックを出来るようにしましょう。
今まで5つの校正のポイントについて説明をしてきましたが、共通して重要なことは、客観性です。
文章を客観視したときに、ミスや違和感がない文章になるように校正しましょう。
校正をする際によくある質問
校正する時に、下記の3つのような質問がよく出ます。
- 校正と校閲の違いって何?
- 校正記号って何?
- 校正するときは黒文字でいいの?
そこで、この3つの質問について解説します。
校正と校閲の違いって何?
校正と校閲の違いはチェック対象にあります。
端的に言いますと、校正はあくまで文字単位でミスがないか確認し、校閲は内容や情報が正しいか確認しています。
そもそも校正とは、Weblio辞典で以下のように原稿を比較してミスを見つけ、修正することと定められています。
校正とは、記事の制作過程において、現在の原稿と1つ前の原稿を比較し、誤りを見つける作業のこと。また、誤字や脱字、衍字などの誤りを見つける作業のこと。
weblio辞書|校正(2022年1月5日)
例えば、原稿校正段階のものと初稿を比較したり、校正したものと製作物との比較をします。
その一方で校閲とは、原稿に書かれている文書の内容や情報にミスが無いか確認し、ミスを修正することです。
校閲は原稿を比較するのではなく、内容の矛盾点は無いかや、固有名詞や情報が合っているかなどを確認します。
このように校正と校閲は同じ『文章の確認作業』を指すのですが、チェック対象が異なります
ちなみに各作業の欠点としましては、校正は文字を1字1字追うことに注力し文章内容を理解できないことが多いです。
対して校閲は徹底的に文章を読み込むために、文章表記を見落とすことが多くなります。
そのため校正と校閲の両方を行うことで、ミスを見つけやすくなります。
文章を書いたときは面倒くさがらずに、校正と校閲の両方をするようにしましょう。
校正記号って何?
校正記号とは、読んで字のごとく、修正内容を指示する記号のことです。
校正記号には、それぞれに決まった意味があり、JIS(日本産業規格)にも定められています。
他人に校正を任せた場合、校正記号を理解することによって、自分の文章がどのようなミスがあったかを理解出来るようになります。
また正しい校正記号がわからないと、自分が校正した原稿を相手に渡したときに、修正指示の意図が伝わりません。
そのため、代表的な校正記号だけでも覚えておくと、相手との相互理解がしやすいでしょう。
ちなみに、代表的な校正記号とその書き方を下記に集めました。
- 修正指示内容と校正記号の書き方
- 文字の修正指示の校正記号の書き方
- 文字の挿入指示の校正記号の書き方
- 文字の入れ替え指示の校正記号の書き方
- 改行指示の校正記号の書き方
- 改行をやめてそのまま続ける指示と校正記号の書き方
修正指示内容と校正記号の書き方
修正指示の校正記号は、間違いなく1番使われるものです。
また、これが他の校正記号の書き方に共通する基礎となるので、よく覚えておきましょう。
以下に、校正記号の書き方を記します。
該当する文字が1字の場合は、該当部分に斜線を引きます。
該当する文字が2文字以上の場合は、該当する箇所の最初と最後の文字に斜線を引き、その間を横線でつなぎます。
その後、空いているスペースまで線を引っ張り、トル(トルツメ)と表記しましょう。
文字の修正指示の校正記号の書き方
文字の修正指示は頻出の校正記号です。
覚えておくと、校正がしやすくなります。
以下に校正記号の書き方を記しました。
該当する文字が1字の場合、斜線を引いて、正しい字を空いているスペースに書きます。
そして、斜線と正しい字の間は線でつなげましょう。
該当する文字が2文字以上の場合、該当する箇所の最初と最後の文字に斜線を引き、その間を横線でつなぎます。
空いているスペースまで線を引っ張り正しい文字を書きましょう。
文字の挿入指示の校正記号の書き方
文字挿入の指示は、「てにをは」や句読点、ら抜き言葉のミスでよく使います。
もし、自分が句読点などの抜けが多い自覚があるならば、覚えておいて損はありません。
以下に、校正記号書き方を記しました。
句読点の場合は、挿入したい箇所に、縦書きの場合<の記号を記入します。
挿入したい句読点を書き、横書きの場合∧の記号を記入した後挿入したい句読点を書きましょう。
2文字以上の場合は、基本的に句読点の場合と同じようにします。
記号で挿入箇所を指定して、そこから空いているスペースまで線を引き、挿入したい文字を書きましょう。
文字の入れ替え指示の校正記号の書き方
これは、S字のような記号を使う独特の校正記号なので、覚えておかないと修正指示の意味がわからなくなります。
S字のような記号を使うということを最低限覚えておきましょう。
以下に校正記号の書き方を記しました。
文字が隣り合っている場合は、該当箇所をS字または、逆S字でかこいます。
文字が離れている場合は、該当箇所をそれぞれ◯でかこい、矢印で入れ替えを指示しましょう。
改行指示の校正記号の書き方
改行指示の校正記号は、文字の入れ替え指示の校正記号と同じく、覚えて置かなければ意味がわからないものです。
以下に、校正記号の書き方を記します。
改行したい箇所に、逆Z字のような記号を書きましょう。
改行をやめてそのまま続ける指示と校正記号の書き方
改行をやめてそのまま続ける指示の校正記号は、わかりやすいため頭の片隅に記憶しておけば、自然とかけます。
以下に、校正記号の書き方を記しました。
つなげたい行の最後と、行の頭を線でつなげましょう。
この見出しの最初に書いた通り、校正記号はJISで指定され、誰が使っても同じの記号で同じ意味になります。
ある程度の校正記号の表記ゆれは許容されていますが、できるだけ正しい記号の使い方で校正するようにしましょう。
特に頻繁に使用する、文字の修正・挿入指示の部分だけでも覚えておくと良いでしょう。
校正するときは黒文字でいいの?
校正するときは、赤のボールペンを使いましょう。
赤の色は原稿の文字の色と違うため目立ち、そしてボールペンだと校正指示が読みやすいからです。
そのため、校正をするときは基本的に黒文字ではなく赤文字で行うのが一般的です。
ときどき多色のペンなどを駆使して校正指示をする方もいらっしゃいますが、この共通認識に則って赤のボールペンを使用するのが無難です。
そして、間違いを指摘する時に、わかりやすい指示でなければいけません。
薄い蛍光ペンや太すぎるフェルトペンなども使わないようにしましょう。
また、校正記号の修正などのときは、修正ペンなど使えません。
修正ペンを使うと、今までどこが校正されてきたのかの記録がなくなり、比較できなくなってしますからです。
校正記号の修正部分も赤のボールペンで修正して下さい。