擬人法(ぎじんほう)とは?例文で意味・比喩(直喩・隠喩)との違いを解説

擬人法 例文

「擬人法(ぎじんほう)ってなに?」

「擬人法の例文って、どんな感じの文章になるの?」

擬人法という言葉を聞くと、このように疑問に思う人もいるハズ。

擬人法とはモノの動き・性質・状態を人間のように例えて表現する、修辞法の一種です。

例文で言いますと、以下のような文章が擬人法に分類されます。

【擬人法の例文】
空が泣いている

通常であれば『雨が降ってきた』と書くのが一般的ですが、あえて『雨が降る→雨粒が降ってくる→泣く』と表現することで『天気・空模様があまりよくない』ことを暗に意味しています。

そのため単に『雨が降った』と書くよりも空の状態が不安定であり、どこか悲しげであることを読者はイメージしやすくなります。

コレが擬人法の効果です。

しかしそうなりますと「擬人法と比喩(直喩・隠喩)って、同じじゃないの?」と思う人がいるハズ。

実は擬人法と直喩・隠喩には微妙に違いがあるのです。

そこでこの記事では擬人法の意味や効果を例文で解説しつつ、直喩・隠喩との違いも解説致します。

この記事を読み終えるころには擬人法と比喩を使い分けて、上手な文章を書けるようになっています。

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錦橋慶叡

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擬人法(ぎじんほう)とは?意味を解説

今回は擬人法(ぎじんほう)とは何かということに焦点を置いて解説していきます。

また、擬人法を取り入れた有名な文章も紹介していますので、擬人法とはどのような表現なのか参考にしてみましょう。

  1. 擬人法とは?
  2. 擬人法を使った有名な文章

擬人法(ぎじんほう)とは?

擬人法(ぎじんほう)とは修辞法の一種で、人間以外の物を人間のように例える表現技法です。

修辞法の一つ。強調したり親近感・滑稽(こっけい)感を出したりする目的で、人間以外のものを人間めかして大げさに表現する技法。

コトバンク|擬人法(2022年3月23日時点)

例えば以下の例文を見てみましょう。

やかんが怒っている

やかんは調理器具なので言葉を発したり、動くわけではありません。

この例文はやかんが沸騰して音がうるさく鳴っている様子を、人間が怒っている様子に例えたものです。

小鳥が歌っている

小鳥が可愛らしく元気に鳴いている様子を、人が楽し気に歌う様子に当てはめて表現したものです。

上記の2つの例文のように、人間でないものを人の動作や感情で表すものが擬人法となります。

また、擬人法は比喩の一種でもあります。

比喩は「まるで~のようだ」と例える表現方法です。

例えば「彼女は花のようだ」という文章は「彼女」を「花」に例えた比喩です。

何かを別の物に例えるという点では擬人法と同じといえるでしょう。

しかし、比喩の場合は人間や動植物など全てに使うことができます。

一方で擬人法は生物以外のものを、生きているかのように例える手法です。

ですので、大分類として比喩があり、小分類として擬人法があるというのが適切です。

擬人法を使った有名な文章

詩人の金子みすゞさんは、擬人法(ぎじんほう)を多く用いることで有名です。

この方の詩を例にどのように擬人法を使っているのか見てみましょう。

まずは「ふしぎ」という作品の一節です。

わたしはふしぎでたまらない、
たれもいじらぬ夕顔が、
ひとりでぱらりと開くのが。

この詩の「夕顔がひとりで」という表現が擬人法にあてはまります。

夕顔は植物ですので普通なら「ひとり」と表現するのではなく「一本」などが適切でしょう。

しかし、この作品では「ひとり」と擬人法を用いて表現することで、夕顔を人として例えることで人間らしさを出しているのです。

もう一つ「積もった雪」という作品を見てみましょう。

上の雪 
さむかろな。 
つめたい月がさしていて。 

下の雪 
重かろな。 
何百人ものせていて。 

中の雪 
さみしかろな。 
空も地面(じべた)もみえないで。

この作品は雪が積もっている様子を三層に分けて、それぞれ擬人法を用いて表現しています。

雪は自然現象なので生物ではありません。

したがって、寒い・重い・寂しいという感情はありませんが、あえて擬人法を使い人間らしい表現をすることで、切なさが表現されている詩と言えるでしょう。

このように擬人法を使用することで、本来は感情を持たないものでも人間らしさが出るため、情景を思い浮かべやすくなる効果が期待できます。

擬人法(ぎじんほう)の種類を例文で解説

  1. 動き
  2. 性質
  3. 状態

動き

擬人法(ぎじんほう)の種類のうちの一つ目に動きの擬人法があります。

例を用いて、説明します。

動きについての擬人法では以下のようなものがあります。

【擬人法を用いた例文】
・小鳥が歌う
・空が泣いている

【擬人法を使っていない例文】
・小鳥が鳴く
・雨が降っている

上述の例文を見ると、実際の動作に感情や躍動感が加わっているのが分かります。

『小鳥が歌う』であれば、歌う→楽しい、といったように小鳥があたかも楽しそうにしている姿が想像できますよね。

また、『空が泣いている』であれば、雨が降っている+悲しいといった情景も想像することができます。

直接的に悲しいことを表現するより、風景に描写させることで文章に奥行きが生まれるのです。

性質

次に性質の擬人法(ぎじんほう)について解説します。

性質の擬人法とは、例えば性格等を、人以外に対して用いる擬人法です。

【擬人法を用いた例文】
・気難しいパソコン
・神経質な猫

【擬人法を使っていない例文】
・操作の難しいパソコン
・ストレスを感じやすい性質の猫

上述の例文を見ると、対象がどのような性質であるかが一言で伝わります。

これは人の性格というものは、普段から容易に想像できるからです。

それとは別に、ユーモアのある表現でもありますので、単調な文章を避けるという効果もあります。

状態

擬人法(ぎじんほう)の種類の最後は、状態の擬人法です。

状態の擬人法は、人以外のものの状態や外観を人のように例える方法です。

【擬人法を用いた例文】
・まるで教授のようなミミズク
・王者のようなライオン

【擬人法を使っていない例文】
・賢そうなミミズク
・風格のあるライオン

状態の表現では、擬人法を使った方が対象のイメージが容易である場合があります。

例えば、『風格のあるライオン』より『王者のようなライオン』の方がより風格に対する具体度が上がります。

これは、ライオンに対して、我々が王者に対して抱いているイメージがそのまま反映されるからです。

『まるで教授のようなミミズク』も同じですね。

ミミズクに、我々が教授に対して抱いているイメージが反映されています。

賢さの比喩であれば他にも『先生』等がありますが、『先生』と『教授』では、『教授』の方が賢さの度合いが高そうですよね。

実際に、日本で教授というと大学教授をイメージする人が多いでしょう。

このようにただ『賢い』と表現するより、擬人法を用いた方がよりイメージが伝わりやすいといった効果があります。

擬人法(ぎじんほう)の効果を例文で解説

  1. 強調できる
  2. 躍動感が出る
  3. イメージを簡潔に伝えられる
  4. 単調な文章表現を避けられる
  5. 人間的な感情や動作に例えることで親近感が沸き、イメージしやすくなる
  6. 生物でないものに使う事で生き生きとした印象になる
  7. 単調な文章にメリハリがつく

強調できる

擬人法(ぎじんほう)を用いることで、強調した文を作ることができます。

実際に例文を用いて、擬人法の強調効果を見ていきましょう。

【擬人法を用いた場合】
海が怒っている。

【擬人法を用いない場合】
海が荒れた様子である。

上述の例文では、擬人法を用いている方が、強いインパクトを残していると言えます。

理由としては、より表現されていることがイメージしやすくなるからです。

海が荒れている状態を人間が怒っている状態に例えることで、より海がどれほど荒れているのかを身近に想像することができます。

例えば、ここで『海が激昂している』といった表現を用いた場合、海の状態に対してより深刻なイメージを持つことでしょう。

一方で、『海が荒れている』といった直接的な書き方だと、荒れ具合までイメージしづらいといった問題があります。

このように擬人法を用いることで、イメージがつきやすく、その上強調した文を作ることが可能です。

躍動感が出る

擬人法(ぎじんほう)を用いることで、文章に躍動感を与えることができます。

躍動感とは、いきいきとした動きが伝わることを指します。

例文を用いて説明します。

【擬人法を用いた場合】
ペンを走らせる。

【擬人法を用いない場合】
スラスラと書く。

本来、ペンは無機物なので、いきいきとした動きは読み手には伝わりません。

しかし、擬人法を用いて、ペンを人に例えることでいきいきとした動きを表現することも可能になります。

理由としては、人がいきいきとした動きであれば、ペンとは違い容易に想像できるためです。

よって、まるで人であるかのように例える擬人法では、文章に躍動感を与えることが可能となります。

イメージを簡潔に伝えられる

擬人法(ぎじんほう)を用いることで、イメージを簡潔に伝えることができます。

例文を用いて解説します。

【擬人法を用いた場合】
その鳥はまるで、貴婦人のようであった。

【擬人法を用いない場合】
その鳥は、エレガントに洗練された雰囲気で、かつ落ち着いた佇まいであった。

上述の例文で擬人法を用いなかった場合を見ると、その鳥を形容するために複数の修飾語が
つけられていますよね。

鳥を説明する要素がいくつもあり、シンプルにイメージがしづらいといった問題があります。

ここで、擬人法を用いることによって、それら複数の要素を一つ(ここでは貴婦人)に言い換えることが可能です。

また、貴婦人に言い換えることで、その鳥がどういう状態であるのかを端的にイメージ出来るようになりました。

このように、擬人法を効果的に使えば、簡潔にイメージを伝えることが可能です。

単調な文章表現を避けられる

擬人法(ぎじんほう)を用いることで、単調な文章表現を避けることができます。

理由としては、前述の内容が関係するのですが、二つあります。

  • 強調や躍動感を与えることで、読み手を惹きつけることが可能な点
  • 簡潔にイメージを伝えることで、内容を想像しながら読むことが可能な点

まず、強調や躍動感を与えることは、読み手を惹きつけることができます。

そしてこれは、読み手の飽きへの対策でもあります。

また、イメージを簡潔に伝えることによって、読み手が内容を想像しながら読むことができますよね。

よって、文章に奥行きが生まれます。

文章の奥行きも強調や躍動感と併せて、読み手を惹きつけるものなのです。

つまり、一般的な形容詞※で説明するより、擬人法を用いた方が単調な文章表現の回避に繋がります。

※ものの状態や性質を表す言葉

人間的な感情や動作に例えることで親近感が沸き、イメージしやすくなる

喜怒哀楽や動作に例えることで具体的にイメージをしやすくなります。

例えば「花が咲いている」と表現するよりも「花が笑いかけている」と表した方が、より具体的にイメージを膨らますことができます。

「花が咲いている」というだけでは、どのような花が咲いているのか想像がつきません。

しかし「花が笑いかけている」と表現することで、明るく可愛らしい花なのだろうと風景を思い描くことができるでしょう。

このように擬人法を用いる事で具体的なイメージを作ることが可能になるのです。

生物でないものに使う事で生き生きとした印象になる

生物でないものに使う事で、生き生きとした印象を与える事ができるようになります。

生き物であれば動作や鳴き声などで、ある程度の活気ある様子を表すことができます。

しかし、山や海などは生物ではないため無機質な印象を与えがちです。

例えば「海が荒れている」というよりも「海が怒り狂っている」と表現した方が、より一層海の荒れた迫力のある様子が目に浮かぶでしょう。

このように生命のないものに命あるような表現を加えることで、平坦で無機質な文章が生き生きとした文章になるのです。

単調な文章にメリハリがつく

文章は書いているうちに淡々としたものになりがちです。

そのような強弱のない文章は、読者に飽きを感じさせてしまいます。

しかし、擬人法を途中で使うことによって、文章に起伏を持たせることができるようになるのです。

そうしますと、読者が飽きにくい文章にすることができます。

擬人法(ぎじんほう)で文章を上手に作る手順

  1. 人の動き・物の性質・状態を表す文章を書く
  2. 人・物を別の名詞に置き換える
  3. 動き・性質・状態を表す単語を言い換える

1.人の動き・物の性質・状態を表す文章を書く

擬人法(ぎじんほう)で文章を上手に作るためには、まずは人の動き・物の性質・状態を表す文章を書きましょう。

例えば、以下のような文章は擬人法で表現されています。

  • 鳥が歌う
  • 掃除機がバカになった

上記をみてみますと、鳥や掃除機のような人ではない生物や物に対して「歌う・バカになった」といった表現がされています。

このように擬人法の文章は、人ではない物や現象を、あたかも人間のような例えをしている表現をさします。

擬人法で文章を作成するためには、元となる人の動きや物の性質・状態を表す文章から書き始めると、スムーズに作成することができますよ。

例えば、以下のような文章を書いてみましょう。

【人の動き・物の性質・状態を表す文章の例】

項目言い換えた例文
人の動き彼女が踊る
物の性質性能が良いパソコン
状態風格がある猫

上記の例文のように「彼女が踊る」といった人の動きや、「風格のある猫」のように状態を指すような文章を作成しましょう。

主語に対して違和感のない述語を書くことがコツです。

「〇〇が××している」のような文章の形ですと、擬人法の文章にしやすいですよ。

上記の例文の人や物を別の名詞に置き換えたり、性質や状態を表す単語を入れ替えることで、擬人法の表現ができます。

2.人・物を別の名詞に置き換える

先ほどの例文の人や物を、別の名詞に置き換えてみましょう。

別の名詞に置き換えるだけでも、擬人法(ぎじんほう)で表現ができる場合がありますよ。

例文の人・物を別の名詞に置き換えた文章をみてみましょう。

【人・物を別の名詞に置き換えた文章の例】

元の例文置き換えた例文
彼女が踊る落ち葉が踊る
性能の良いパソコン性能の良いコップ
風格のある猫風格のある椅子

上記の例文をみてみますと、「彼女」を「落ち葉」に置き換えることで、擬人法の表現になっています。

なぜなら「踊る」という行為は本来、人に対して使う言葉ですから「落ち葉が踊る」は擬人法であることがわかります。

つまり、人や物を名詞に入れ替えるだけでも、擬人法として成立するというわけです。

普通は落ち葉は踊りませんが、「落ち葉が踊る」と表現することで、風が吹いて舞っている落ち葉をイメージすることができますね。

このように、擬人法を用いることでわかりやすくイメージのしやすい表現ができます。

しかし、そのほかの例文の「性能の良いコップ」や「風格のある椅子」では、主語に対して人のような例えがなされていません。

これでは、擬人法で表現しているとは言えませんね。

その場合は、次の手順に沿って例文を言い換えてみてください。

3.動き・性質・状態を表す単語を言い換える

人や物を別の名詞に置き換えても擬人法の表現にならない場合は、動き・性質・状態を表す単語を言い換えてみましょう。

例えば、先ほどの例文の動き・性質・状態を表す単語を言い換えると、以下のようになります。

【動き・性質・状態を表す単語を言い換えた文章の例】

元の例文言い換えた例文
性能の良いパソコン頭が良いパソコン
風格のある猫王者のような猫

上記のように、「性能が良い」を「頭が良い」と表現することで、擬人法(ぎじんほう)の表現になっています。

なぜなら、「頭が良い」は本来人に対して使う表現だからです。

「性能が良いパソコン」を「頭が良いパソコン」と表現することで、その性質をまるで人かのように表現していますね。

「頭が良いパソコン」と表現する方が、「性能の良いパソコン」よりも親しみやすい表現になっていることがポイントです。

また、「王者」も人に使う単語ですので、「王者のような猫」も擬人法で表現されています。

主語が人ではない「動物」であるのに対して、「王者のような」という人に対する表現をしていることから、擬人法を用いていることがわかります。

「風格のある猫」よりも、「王者のような猫」と表現したほうが、猫の風格がある状態をよりわかりやすく表現しているように感じ取れますね。

このように、動き・性質・状態を表す単語を言い換えることで、擬人法で文章を作成することができるわけです。

なお、主語と述語の両方を言い換えることで、擬人法の表現をする場合もあります。

例えば、以下のような例文は主語と述語を言い換えた文章です。

【擬人法では無い例文】
・雨が降っている

【主語と述語を言い換えた擬人法の例文】
・空が泣いている

上記のように「雨を空」に、「降っているを泣いている」に言い換えることで擬人法の表現がされています。

「空が泣いている」と表現することで、「雨が降っている」よりも描写のイメージが伝わりやすい効果に期待できそうです。

このように、擬人法で表現することで、より親しみのある文章や、イメージの伝わりやすい表現にすることができますよ。

擬人法で文章を書く際は、本記事の手順に沿って書いてみましょう。

擬人法と比喩(直喩・隠喩)の違い

  1. 比喩とは?
  2. 擬人法と直喩の違い
  3. 擬人法と隠喩の違い

比喩とは?

「比喩」とは、ある物事について別の何かに見立て、例える表現のことを示します。

物語やエッセイなどの文学的文章において、特に用いられる表現技法のひとつです。

NHK高校講座テレビ学習メモ|あらためましてベーシック国語:第31回「比喩表現」(2022年2月27日)

例えば、次の例文で見てみましょう。

【比喩を使った表現】
彼女は太陽のように明るい女性だ。

【比喩を使わない表現】
彼女は明るい女性だ。

このように、比喩を使った表現では、太陽という単語を使って、彼女の性格が明るいということを表現しています。

比喩を使わない表現と比べてみると、単に明るいと表現するよりも、とても明るいということが伝わるでしょう。

このことから比喩を使うことで、相手にイメージをわかりやすく伝えられる効果があると言えるのです。

擬人法と直喩の違い

結論としましては、擬人法(ぎじんほう)も直喩も比喩の一種ですが、抽象度に違いがあります。

擬人法は対象が人の行為に限定されますが、直喩は対象および範囲が限定されません。

次のような例文で例えてみましょう。

【擬人法を使用した例文】
・風がささやく
・海が呼んでいる
・春が訪れる

【直喩を使用した例文】
・まるで風のようにささいた
・海が読んでいるようだ。
・春が訪れたかのような暖かさだ

このように、擬人法は無生物や抽象的なものを人の行動などに置き換えて表現しています。

あたかも人であるかのように表現するため、親近感を与えることが出来る表現方法です。

直喩は「まるで」 や「ような」などを使用して、他の物事と比較することで明確にイメージを伝えられる表現方法です。

擬人法と隠喩の違い

擬人法(ぎじんほう)と隠喩は違います。

理由としましては、擬人法は人以外のものを人の行為に例えますが、隠喩は人の行為以外のもので例えるからです。

例えば、以下のような例文で見てみましょう。

【擬人法を使用した例文】
・雨が優しく私に語りかける
・風がそっと私の耳元でささやく

【隠喩を使用した例文】
・私は硝子の心だ
・人生は旅だ

このように、擬人法では人ではない雨や風が、私に語りかけるというように、人間に例えています。

隠喩では、繊細で壊れやすい心を硝子のもろさに例えているので、人の行為ではありません。

人生を長い旅のように例えることも、人の行為ではないため、隠喩となります。

また、隠喩は、直喩のように「まるで」や「ような」などという表現を使わずに、例えを表現する特徴もありますね。

このことから、擬人法と隠喩は比喩の一種ではありますが、表現方法が異なるということが言えるのです。

つまりは、擬人法と隠喩は違うということが言えます。

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