【尊敬語】いらっしゃるの3つの意味・使い方・類語との違いを例文で解説

いらっしゃる

「仕事で敬語を使うときに自信がない」

「『いらっしゃる』の使い方って合っているのかな」

あなたが敬語を使うとき、このように感じたことはありませんか?

そんなときには『いらっしゃる』の意味を知るのがおすすめです。

なぜなら『いらっしゃる』の意味を知ることで、どのように使い分けるか明確になるからです。

実際に『いらっしゃる』には3つの意味があり、目的地や到着先などを明確に伝えなければ意味がわからない文章になってしまいます。

このことから『いらっしゃる』を使うときには意味や使い方を知るのがおすすめですよ!

そこでこの記事では『いらっしゃる』の意味や正しい使い方を紹介しています。

仕事で敬語を使う方や敬語に自信がない方はぜひこの記事をチェックしてくださいね。

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錦橋慶叡

SEOライター兼コンテンツディレクター。編集プロダクションでの勤務を経て独立→法人化。現在は事業拡大に伴い、TwitterにてWebライターを積極採用中。これまでに累計400人以上ものWebライターを指導。「文章でメシを食っていきたい!」と考えている人を最短最速でレベルアップさせるのが使命であり生きがい。

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『いらっしゃる』の意味を知ろう

『いらっしゃる』にはどんな意味があるのかをご紹介します。

  1. 『いらっしゃる』の3つの意味
  2. 『ある』『いる』の尊敬語

『いらっしゃる』の3つの意味

『いらっしゃる』には以下3つの意味があります。

  • 行く
  • 来る
  • 居る

『いらっしゃる』は上記3つの意味の尊敬語で、入ってくるという意味の『入らせらる(いらせる)』が語源の言葉です。

実際にgoo辞書には以下のように記載があります。

「行く」「来る」「居る」の尊敬語。おいでになる。「休日にはどこへ―・るのですか」「先生が―・った」「明日は家に―・いますか」

goo辞書|いらっしゃ・るの解説(最終閲覧日2021年8月19日)

このように『いらっしゃる』には3つの意味があるため、前後の文脈から意味を汲み取る必要があります。

接客やビジネスシーンにおいてよく使う敬語なので、しっかりと意味を押さえておきましょう。

『いらっしゃる』の正しい使い方や例文は後述していますので、ぜひチェックしてくださいね。

『ある』『いる』の尊敬語

『いらっしゃる』は『ある』『いる』の尊敬語です。

動詞・形容詞・形容動詞の連用形に『て』を合わせた形で使います。

たとえば以下のような表現です。

  • 『待つ』待っていらっしゃる
  • 『見る』見ていらっしゃる
  • 『元気だ』お元気でいらっしゃる

このように『いらっしゃる』は動詞や形容詞、形容動詞と組み合わせることで『ある』『いる』の尊敬語として使うことができます。

尊敬語と謙譲語の違いは?正しい使い方

『いらっしゃる』を使うときのポイントは以下の2つです。

  1. 尊敬語と謙譲語を使い分ける
  2. 使う相手を見極める

尊敬語と謙譲語を使い分ける

尊敬語と謙譲語は同様に敬語ですが、使う場面や意味が若干異なります。

そのため尊敬語である『いらっしゃる』を使うときは、謙譲語とごちゃまぜにならないように気を付けましょう。

そもそも尊敬語とは

尊敬語は相手のことを高めて表現することで、敬意を表す敬語です。

動詞・名詞・形容詞を変化させることで表現できます。

具体的な尊敬語の例は以下のとおりです。

【動詞の尊敬語】

一般的な動詞尊敬語
食べる・飲む召し上がる
言うおっしゃる
見るご覧になる
知っているご存じ
読むお読みになる
聞くお耳に入る
書くお書きになる
するされる・なさる
与える賜る

【名詞の尊敬語】

一般的な名詞尊敬語
時間お時間
活躍ご活躍
名前お名前
住所ご住所
会社貴社(きしゃ)・御社(おんしゃ)

【形容詞の尊敬語】

忙しいお忙しい
元気お元気
上手お上手

このように動作主に敬意を表す表現を尊敬語と言います。

そもそも謙譲語とは

謙譲語は自分のことをへりくだって表現することで、相手を敬う敬語です。

尊敬語と同じように、動詞・名詞を変化させることで表現できます。

謙譲語の例は以下のとおりです。

【動詞の謙譲語】

一般的な動詞謙譲語
食べる・飲むいただく・頂戴する
言う申す
見る拝見する
知っている存じる・存じ上げる・承知する
読む拝読する
聞く伺う・拝聴する
書く書く
するいたす・させて頂く
与える差し上げる

2021年8月21日時点

【名詞の謙譲語】

一般的な名詞謙譲語
会社弊社

2021年8月21日時点

このように自分をへりくだって表現する敬語を謙譲語と言います。

使う相手を見極める

敬語を使うときはしっかりと使う相手を見極める必要があります。

なぜなら尊敬語と謙譲語の使い分けは動作主によって変わるからです。

具体的には、尊敬語は動作主に対して敬意を示す言葉なので『目上の人(上司・取引先)』や『お客様』に使います。

反対に謙譲語は自分をへりくだって表現する言葉なので『自分自身』や『家族』『社内の人』に対して使います。

このことから敬語は動作をする相手の立場をしっかりと見極めて使う必要があるのです。

いらっしゃるを日本語の例文で解説

ここでは実際に使える『いらっしゃる』の例文をご紹介しますね。

  1. 『行く』の意味で使うとき
  2. 『来る』の意味で使うとき
  3. 『居る』の意味で使うとき
  4. よくある間違った使い方

『行く』の意味で使うとき

『いらっしゃる』を『行く』の意味で使った例文は以下のとおりです。

  • お客様、どちらまでいらっしゃいますか? ご案内いたします。
  • 課長は明日の会議にはいらっしゃいますか?
  • 〇〇様、担当営業よりご相談がございますので応接室へいらしてください。

このように『行く』の意味で使う場合は、行き先や『〜まで』『〜に』『〜へ』を使って『行く』の意味だとわかるように表現するのがポイントです。

お客様や目上の人に『〇〇へ行って欲しい』や『行くかどうか聞きたい』ときにも使えるので、ぜひ活用してくださいね。

『来る』の意味で使うとき

『いらっしゃる』を『来る』の意味で使った例文は以下のとおりです。

  • 来週のイベントに是非いらして下さい。
  • 何時ごろに弊社へいらっしゃいますか?

このように『いらっしゃる』を『来る』の意味で使う場合は、到着場所をはっきり示しましょう。

そうすることでこの場合の『いらっしゃる』が『来る』の意味だと伝わりやすくなります。

その証拠に到着場所が示されている文章とそうでないものとでは、以下のようにわかりやすさが全然違います。

  • A:〇〇様がこちらまでいらっしゃるそうです。
  • B:〇〇様がいらっしゃるそうです。

Aの例文は『こちらまで』という到着場所が示されているので、『来る』意味だと分かりますよね。

対してBの例文は到着場所が示されていないため、『居る』『来る』『行く』のどの意味なのか分かりません。

このことから『いらっしゃる』を『来る』の意味で使う場合は必ず目的地を入れてくださいね。

『居る』の意味で使うとき

『いらっしゃる』を『居る』の意味で使った例文は以下のとおりです。

  • 〇〇様は社内にいらっしゃいますか?
  • 課長がいらっしゃると非常に心強いです。
  • そのまま席にいらっしゃってください。こちらから伺います。

このように『居る』の意味は相手が居るかどうかの確認でよく使われます。

対面時だけでなく、電話やメールでも以下のように使うことができるので応用してみてください。

よくある間違った使い方

よくある間違いとして『いらっしゃられる』という表現があります。

なぜ間違いなのかというと、同じ意味の敬語が重なって使われており『二重敬語』になっているからです。

実際に『いらっしゃられる』は『行く』『来る』『居る』の尊敬語である『いらっしゃる』と尊敬の助動詞である『れる』の2つの敬語から成り立っています。

このように同じような敬語が重複している言葉は『二重敬語』と呼ばれ、間違った敬語なのです。

実際のビジネスシーンで使わないように覚えておきましょう。

『いらっしゃる』と『おられる』『おる』の違い

『いらっしゃる』と『おられる』『おる』をそれぞれご紹介します。

  1. 『いらっしゃる』と『おられる』の違い
  2. 『いらっしゃる』と『おる』の違い

『いらっしゃる』と『おられる』の違い

『いらっしゃる』と『おられる』は言葉の意味に違いがあります。

『おられる』の意味は以下の2つです。

  • 『おる』の尊敬語
  • 『ある』『いる』の尊敬語

『おる』の尊敬語

『おられる』は『おる』に尊敬を表す『れる』を合わせた言葉です。

実際には「課長は会議室におられます。」のように使えます。

ただし、『おる』は『いる』の謙譲語なので、目上の方に使う『いらっしゃる』の方がより丁寧な表現です。

ビジネスシーンでは『いらっしゃる』を使うのが無難でしょう。

『ある』『いる』の尊敬語

『おられる』は『いらっしゃる』と同じように、『ある』『いる』の意味を持ちます。

動詞・形容詞・形容動詞の連用形に『て』を合わせて使うことができるのです。

実際には以下のような使い方があります。

  • 『座る』座っておられる
  • 『立つ』立っておられる

このように『いらっしゃる』と同様の使い方ができるのが『おられる』の特徴です。

『いらっしゃる』と『おる』の違い

『おる』は助動詞の『ます』をつけることで、謙譲語として使えます。

謙譲語とは自分をへりくだることで相手に敬意を示す敬語でしたよね。

実際の使い方は以下のとおりです。

  • 本日〇〇は大阪支社におります。
  • 私には姉が2人おります。

もし上記の文章で『いらっしゃる』を使うと以下のようになります。

  • 本日〇〇は大阪支社にいらっしゃる。
  • 私には姉が2人いらっしゃる。

『いらっしゃる』は尊敬語なので、おかしな文章になりますよね。

このように、『おる』は『ます』と組み合わせることで、自分や身内のことをへりくだって話すときに使うことができます。

『いらっしゃる』は尊敬語として、『おる』は謙譲語としてシーンに合わせてうまく使い分けましょう。

『いらっしゃる』の異なる表現方法を紹介!

『いらっしゃる』の言いかえ方は以下の5つです。

  1. 来られる
  2. おいでになる
  3. お見えになる
  4. 行かれる
  5. お越しください

来られる

『来られる』は『来る』の敬語表現です。

『いらっしゃる』と同じように『来る』の意味で使うことができます。

『来られる』の例文は以下のとおりです。

  • 先ほど、お客様が来られました。
  • 明日の会議には来られますか?
  • 社長はあと5分ほどで来られるそうです。

ビジネス上ではより丁寧な表現の『いらっしゃる』を使い、社内では発話しやすい『来られる』を使うなどシーンや相手に合わせて使い分けましょう。

おいでになる

『おいでになる』は『行く』『来る』『いる』の敬語表現です。

『いらっしゃる』と同様に3つの意味があり、文脈により使い分けることができます。

『おいでになる』の例文は以下のとおりです。

  • 課長はどちらまでおいでになりますか?(行く)
  • 10時頃に社長がおいでになります。(来る)
  • 部長が先ほどおいでになりました。(居る)

このように前後の文脈によって3つの意味で使うことが可能です。

こちらもビジネスシーンではより丁寧な表現の『いらっしゃる』を使い、社内では『おいでになる』を使うのが無難です。

シーンや使う相手に合わせて使い分けましょう。

お見えになる

『お見えになる』は『来る』敬語表現です。

目上の人が来たときに使うことができます。

『お見えになる』の例文は以下のとおりです。

  • お客様がお見えになりました。
  • まもなく社長がお見えになります。

このように目上の人が来たことを丁寧に伝えることができます。

行かれる

『行かれる』は『行く』の敬語表現です。

『いらっしゃる』と同様に『行く』の意味で使います。

『行かれる』の例文は以下のとおりです。

  • 部長は明日のイベントに行かれますか?
  • 社長は来週、大阪支社へ行かれます。
  • 課長がまもなくそちらへ行かれます。

こちらもビジネスシーンではより丁寧な『いらっしゃる』を使い、社内では『行かれる』を使うのが無難な表現です。

うまく使い分けていきましょう。

お越しください

『お越しください』は『来る』と『する』の尊敬語を合わせた敬語表現です。

目上の方に『来てください』と伝える時に使います。

『お越しください』の例文は以下とおりです。

  • 弊社イベントにぜひお越しください。
  • 当日は混雑が予想されますので、お早めにお越しください。
  • 恐れ入りますが、会場へは電車でお越しください。
  • 本日はありがとうございました。ぜひまたお越しください。

このように『来てください』という意思を伝えたいときに使うことができます。

まとめ|いらっしゃるの意味や使い方を理解しよう

この時事を読んで『いらっしゃる』の意味や正しい使い方がわかりましたね。

もしも『いらっしゃる』を使うときは、意味が複数あることをふまえて分かりやすく表現するのがポイントですよ。

記事で解説したように『いらっしゃる』には『行く』『来る』『居る』の3つの意味があり、目的地や到着先を明確に伝えないと意味がわかりにくくなりましたよね。

このことから『いらっしゃる』使うときはしっかりと意味を理解して、分かりやすく表現するのがおすすめです。

ぜひ参考にしてくださいね。

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