句読点の打ち方|日本語文章に句点・読点を使う際には11のルールがある

句読点 打ち方

「句読点の打ち方にはルールがあるのかな?」

「日本語文章を読みやすくするために、句点・読点は必要なのかな」

日本語の文章を書く際は句読点を使いますが、このように疑問に感じる人もいるハズ。

詳しくは本文で解説致しますが、まず句読点の打ち方には以下11のルールがあります。

  1. 一文を短く区切る
  2. 息継ぎのタイミングで打つ
  3. 漢字・ひらがな・カタカナが連続で並ぶ箇所に打つ
  4. 固有名詞が連続で出たときに打つ
  5. 接続詞や助詞の後に打つ
  6. 1つの文章に長い修飾語が2つあるときに打つ
  7. 重文・複文の時に打つ
  8. 主語が長くなった時に打つ
  9. 文章の最後に句点を打つ
  10. 注釈として使うなら丸括弧の後に句点を打つ
  11. 著者名や出典として使うなら丸括弧の前に句点を打つ

正直に言いますと『句読点におけるこれらのルールは絶対であり、必ず守るもの』ではありません。

しかし読点・句点を使うことで、以下のように日本語文章は確実に読みやすくなります。

【句読点がある日本語文章の例】
家庭科の先生が言うに、カレーの材料はじゃがいも、にんじん、玉ねぎ、鶏肉がベストらしい。個人的にはりんご、マンゴーチャツネも欠かせないんだけどな。

【句読点がない日本語文章の例】
家庭科の先生が言うにカレーの材料はじゃがいもにんじん玉ねぎ鶏肉がベストらしい個人的にはりんごマンゴーチャツネも欠かせないんだけどな

2つの例文を見ますと、どう見ても句読点がある日本語文章の方が読みやすいですよね。

したがって日本語文章を書く際には、句読点が欠かせない存在であるといえます。

そこでこの記事では句読点の打ち方におけるルールだけでなく、句点・読点の上手な使い方・注意点を解説します。

この記事を読み終えるころには、句読点の打ち方1つでわかりやすい日本語文章を書けるようになっていますよ。

なお、この記事では句読点の打ち方に関する解説はするのですが、句読点そのものに関するご紹介はしていません。

もしも句読点の打ち方だけでなく意味・役割・起源などが気になるのであれば『【「。」は句点?読点?】句読点の読み方・正しい使い方・ルールを解説』をチェックしてみて下さいね。

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句読点の打ち方|日本語文章における11のルール

正しい読点の打ち方を覚えることで、文章の読みやすさが格段に向上します。

また、適切な場所で読点を使うことができないと、読み手に意図が伝わらない可能性があるのです。

そこで今回は読点を打つ適切な場所についてご説明していきます。

  1. 一文を短く区切る
  2. 息継ぎのタイミングで打つ
  3. 漢字・ひらがな・カタカナが連続で並ぶ箇所に打つ
  4. 固有名詞が連続で出たときに打つ
  5. 接続詞や助詞の後に打つ
  6. 1つの文章に長い修飾語が2つあるときに打つ
  7. 重文・複文の時に打つ
  8. 主語が長くなった時に打つ
  9. 文章の最後に句点を打つ
  10. 注釈として使うなら丸括弧の後に句点を打つ
  11. 著者名や出典として使うなら丸括弧の前に句点を打つ

一文を短く区切る

読点の打ち方には、一文を短く区切るものがあります。

実際に長い一文を読点で区切った例文は以下のようになります。

【読点のない長い一文の例文】
手を水で洗っただけではウィルスはまだ生きています

【読点で短く区切った例文】
手を水で洗っただけでは、ウィルスはまだ生きています

上記を見ますと、1つの文章につき1つの意味となるように、読点が打たれていることがわかります。

例えば、前者では一文が長いため間延びして読みづらく、後者では読点の前後で各1つずつの意味をもつ文章となるように区切られています。

このように一文を短く区切ることで、文章が読みやすいと同時に意味がわかりやすくなる効果があるのです。

したがって一文は読点を使い、短く区切るようにしましょう。

息継ぎのタイミングで打つ

息継ぎのタイミングで読点を打つのは良いやり方です。

以下に、息継ぎのタイミングで読点を打った例文とそうでない例文とを比較しました。

【息継ぎのタイミングで読点を打った例文】
子ども達と一緒に、お菓子を食べませんか

【細かく読点のある例文】
子ども達と、一緒に、お菓子を、食べませんか

上記を実際に音読をしてみますと、読みやすさに違いがあるのがわかります。

前者ではちょうど一息で読めるところに読点が入っていて読みやすいですし、後者では単語毎に区切られていて通常の読み方ではありません。

つまり読点を入れたときに、ひと続きの要素になっていることが大切となります。

このように読点を入れるときは、実際に音読をしてみることで適切な位置を知ることができます。

したがって読点を打つときは、口に出して読み上げてから決めるようにしましょう。

漢字・ひらがな・カタカナが連続で並ぶ箇所に打つ

漢字・ひらがな・カタカナが連続で並ぶ箇所では、読点を打ちます。

以下に各項目について例文を挙げました。

【漢字が連続している例文】
この度、毎日配信されるメールマガジンをとるのをやめました。

上記では「この度」と「毎日」の間に読点を打っています。

このように単語が切れる場所に読点を打つことで、誤読を防ぐことができます。

【ひらがなが連続している例文】
入室の前に、はきものを脱いでください。

もしこの例文で読点がない場合、脱ぐのは「きもの」なのか「はきもの」なのか分からなくなってしまいます。

つまり、ひらがなの間に読点があることで、誤認識を防ぐことができるのです。

【カタカナが連続している例文】
ソフトクリーム、プリン、パフェをカフェで食べました。

カタカナが連続した場合は、同じ言葉が連続して並んでいるように見えます。

つまり単語の区切りが分かりづらくなってしまうのです。

例文のように読点を打つことで、一つの単語を分かりやすくすることができます。

このように同じ言葉が続く場合は、読点を打つようにしましょう。

固有名詞が連続で出たときに打つ

読点は、固有名詞が連続で出たときに打つようにします。

理由は並列であることを示し読みやすくするためです。

実際に、読点を使った場合と助詞「と」を使った場合の文章を比較してみると、以下のようになります。

【読点で区切った例文】
ご参加の場合は、氏名、電話番号、日時、人数をお知らせください。

【助詞「と」で区切った例文】
ご参加の場合は、氏名と電話番号と日時と人数をお知らせください。

上記例文の前者ではスッキリした印象を与えますが、後者では助詞「と」が続いているため稚拙な印象になってしまいます。

したがって文中で固有名詞が続くときは、項目毎に読点を打つようにしましょう。

そうすることで、スッキリした印象を与え読みやすくなります。

接続詞や助詞の後に打つ

接続詞や助詞の後ろに読点を打つことで内容を読みやすくすることができます。

接続詞とは品詞の一つであり、文と文、語と語などを繋げる役割を持ちます。

一部の接続詞をご紹介しましょう。

  • だが
  • 同じく
  • もしくは
  • さらに
  • ただし

このような接続詞を使ったあとに読点を打つことで、以下のように文章が読みやすくなります。

【接続詞の後に読点がない例】
だがこの本の面白いところはそれだけじゃない

【接続詞の後に読点を打った例】
だが、この本の面白いところはそれだけじゃない

上記の二つは同じ内容ですが、接続詞の「だが」の後に読点を打つことで文章が格段に読みやすくなったことがわかります。

また、読点を打つことで接続詞の後に続く内容を強調する効果があるため、前文との繋がりがわかりやすくなるメリットもあるのです。

冒頭で助詞の後にも読点を打つと紹介しましたが、助詞の場合は読点を打たないケースもあります。

それは名詞と名詞を繋ぐ助詞の場合です。

名詞を繋ぐ助詞とは以下の通り。

これらの助詞の後ろに読点をつけるとこのような形になります。例として「太陽と月」という言葉で見てみましょう。

【助詞の後ろに読点がある例】
太陽と、月

このように助詞の「と」の後ろに読点を打つと違和感があることが見てわかります。

読点を打つといい助詞は「~のに」や「~から」などの接続助詞です。

したがって、助詞の後なら全てに読点をつけるのではなく、種類によって読点をつけるかつけないかを判断するようにしましょう。

1つの文章に長い修飾語が2つあるときに打つ

長い修飾語が2つある時も句読点が重要になってきます。

以下の例文を見るとわかりやすいでしょう。

とても鮮やかで綺麗な花を道端で見つけて、持ち帰りたいと考えて手を伸ばしたのだが、自然に咲くからこそ美しいのだと気づき、花を手折るのをやめた。

このように文章がダラダラと続いていると、何を伝えたいのか意図が読めないため、内容がとてもわかりづらくなります。

それでは、適切な場所で句読点を打つとどう変わるでしょうか。

とても鮮やかで綺麗な花が道端にあり、持ち帰りたいと考え手を伸ばした。
しかし、自然に咲くからこそ美しいのだと気づいた。
だから、花を手折るのをやめることにした。

このように、同じ内容でも句読点を正しく使い区切りをつけることで、文章の見やすさが格段に上がります。

重文・複文の時に打つ

重文とは主語と述語の組み合わせが、一文の中に複数出てくることです。

重文の時には適切な場所に読点を打つことで内容を理解しやすくなります。

【重文・複文に読点がない例】
彼女はとても眠たかったが遅くまで勉強をした。

【重文・複文に読点を打った例】
彼女はとても眠たかったが、遅くまで勉強をした。

上記の例文の場合は「彼女は眠たい」と「遅くまで勉強した」ということが重文にあたります。

このように重文の時に一つの意味を持つ文章を、区切りとして読点を打つことで情報がまとまり理解しやすくなるのです。

主語が長くなった時に打つ

主語が長くなった時に読点を打つことで、何が主語なのか明確化することで際立たせることができます。

以下の例文を見てみましょう。

【主語が長くなった場合に読点がない例】
どこまでも果てしなく続いているように見える海はどこで終わりを迎えるのだろう。

この文章を大まかに主語と述語にわけると「海は」「どこで終わるのか」となります。

しかし、このように読点が打たれていない場合は主語と述語の境が曖昧です。

それでは、主語と述語の間に読点を入れてみましょう。

【主語が長くなった場合に読点を打った例】
どこまでも果てしなく続いているように見える海は、どこで終わりを迎えるのだろう。

このように文章がしっかりと主語と述語で区切られていることで、内容が把握しやすくなります。

しかし、短い主語の場合は読点をつけるべきではありません。

短い主語に読点をつけて区切ると、逆に読みにくくなってしまうからです。

実際に短い主語に読点をつけた場合と、つけない場合を見比べてみます。

【短い主語で読点を打った例】
彼は、優しい

この例文のように短い文章の中で読点があると、煩わしさが出てしまいます。

それでは、読点を抜いた例文を見てみましょう。

【短い主語で読点を打たない例】
彼は優しい

こちらの方が文章として見やすくなりましたね。

また、主語と述語がこれだけ近くにあるので、読点をつけなくてもしっかりと文章の関係性が理解できます。

したがって、本来の読点の目的である「文章を読みやすくする」という効果が得られません。

ですので、短い主語の場合は読点をつけないほうが読みやすい文章になります。

日本語文章にて句読点を上手に打つコツ

日本語文章における句読点の打ち方にはルールがあることがわかりました。

そのルールを守ることで読みやすい文章になるのですが、句点・読点には上手な使い方というモノもあります。

  1. 原因と結果がぱっと見で理解できるように打つ
  2. 修飾関係を明確になるように打つ
  3. 【逆説】文脈が反転するときに打つ
  4. 文脈が変わるタイミングで打つ

原因と結果がぱっと見で理解できるように打つ

原因と結果の間に読点を打つことで、ぱっと見で理解しやすい文章になります。
 
なぜなら、適切な位置に読点を打つことで、原因と結果がわかりやすくメリハリのある文章になるからです。

例えば、以下の文章を見てみましょう。

NG例:食べ放題でご飯を食べ過ぎてしまったためお腹がいっぱいで動けない
OK例:食べ放題でご飯を食べ過ぎてしまったため、お腹がいっぱいで動けない

NG例では、読点が全く打たれていないため、メリハリがなく読みにくい文章になっています。

一方でOK例ですと「食べ過ぎた」という原因と、「お腹がいっぱい」という結果の間に読点を打つことで、文章がわかりやすくなっていますね。

このように、原因と結果の間に読点を打つことで、ぱっと見で理解しやすい文章にすることができます。

また、以下のように読点を打ち過ぎても、わかりづらい文章になるため注意しましょう。

食べ放題で、ご飯を、食べ過ぎてしまったため、お腹がいっぱいで、動けない

例文のように読点を打ちすぎると、どこまでが原因で、どこからが結果かわかりづらい文章になってしまいます。

これでは、ぱっと見で理解しにくい文章になってしまいますよね。

つまり、原因と結果の間を明確にすることで、理解しやすい文章になるわけです。

原因と結果をぱっと見で理解できるようにするためにも、原因と結果の間に読点を打つように心掛けましょう。

修飾関係を明確になるように打つ

文章を正確に伝えるためには、修飾関係が明確になるように読点を打つことが大切です。

修飾関係とは、ほかの文節を説明する「修飾語」と、説明されている「被修飾語」からなる分節どうしの関係を表した言葉です。

例えば「美しい花」の修飾関係は、「美しい」が修飾語で、美しいと説明されている「花」が被修飾語になります。

修飾関係が明確になるように読点を打つと、文章が読みやすくなりますよ。

例えば、以下の例文を見てみてください。

【読点が打たれていない例】
学校の暗くてジメジメした裏庭に大きなバラがなぜか生えてきた

【修飾関係が明らかになるように読点を打った例】
学校の暗くてジメジメした裏庭に大きなバラが、なぜか生えてきた

バラの後に読点を打つ区ことで主語と述語、つまりは修飾語と被修飾語が明確になっていますよね。

そのため後者の文章の方が読みやすくなっていることがわかります。

このように修飾関係を明確にするように読点を打つことで、文章をわかりやすく伝えることができますよ。

【逆説】文脈が反転するときに打つ

文脈が反転するときに読点を打つことで、逆説的な関係性が伝わりやすくなります。

なぜなら、読点を打つことで反転の意味合いが強調されて読みやすくなるからです。

例えば、以下のような文章で読点を打つと、文章が反転していることを伝えやすくなります。

NG例:3ヶ月間、ダイエットに取り組んだが痩せることはできなかった
OK例:3ヶ月間ダイエットに取り組んだが、痩せることはできなかった

上記のように、NG例でも文章の意味は伝わりますが、「ダイエットで痩せることはできなかった」という逆説的な意味合いはわかりづらくなっています。

むしろ、「3ヶ月間」ダイエットに取り組んだことが強調されているようにも見えますね。

OK例をみてみますと、「ダイエットに取り組んだが」「痩せることができなかった」の間に読点を打つことで、逆説的な意味がわかりやすくなっています。

このように、文章が反転するときに読点を打つことで、逆説の意味合いを強調することができます。

つまり、文章が反転していることを読点で強調することで、わかりやすく伝えることができるわけです。

上手に句読点を打つためにも、文脈が反転するときに適切な位置に読点を打つよう心掛けましょう。

文脈が変わるタイミングで打つ

文脈が変わるタイミングで読点を打つことで、文章を適切に伝えることができます。

適切なタイミングで読点を打たないと、誤って文章を伝える原因になりかねません。

例えば、以下の2つの例文をみてみましょう。

例1:兄は嬉しそうに、野球をする弟を見ていた
例2:兄は、嬉しそうに野球をする弟を見ていた

例1を見てみますと、野球をする弟を「兄が嬉しそうに」見ていることがわかります。

例2の場合ですと、「嬉しそうに野球をする弟」を、兄が見ていることがわかりますね。

このように、どこで読点を打つかによって、文脈の捉え方が変わるわけです。

兄が嬉しそうなのか、弟が嬉しそうなのかで、前後の文章も違った捉えられ方をしてしまう可能性もあります。

つまり、読点を適切なタイミングで打たないと、意図していない意味合いで文章が伝わってしまう原因になりかねません。

読点を打つタイミングは、文章を読者に対してどのように伝えたいのかを明確にすることが大切です。

文脈が変わる適切なタイミングで、読点を打つように注意しましょう。

文章の最後に句点を打つ

句点は以下のように文章の最後に打ちます。

句点とは、文章の終わりに打つ文章表記で、。のことを指します。

【句点の正しい打ち方の例】
通常の場合、句点は文の最後に打ちます。

【間違った例文】
句点は、通常の場合は、文の最後に打ちます

上述の【間違った例文】には、終わりの位置に句点がありませんよね。

句点とは文章の終わりを表す記号なので、終わりの位置に句点が無い点が文法的に誤りです。

注釈として使うなら丸括弧の後に句点を打つ

丸括弧内が注釈だと、丸括弧の後に句点を打ちます。

丸括弧とは、()で表される文章表記です。

主に、丸括弧内で補足や説明をする場合などに使用します。

実は、丸括弧を注釈として使用する場合、句点は丸括弧の後につけるというルールがあります。

例文を用いて、説明しましょう。

【正しい例文】
××市役所は、午前9時から午後5時までの営業時間です(土、日、祝を除く)。

【間違った例文】
××市役所は、午前9時から午後5時までの営業時間です。(土、日、祝を除く)

注釈とは、そもそも文章や語句の解説・補足のことを指します。

上述の例文の場合、注釈部分が前の文の内容の補足となるため、丸括弧の終わりまでが一つのまとまりと言えるでしょう。

そもそも、句点とは文の終わりを表す記号ですよね。

よって、一つの文の終わりである、丸括弧の後に句点をうつという訳なのです。

著者名や出典として使うなら丸括弧の前に句点を打つ

丸括弧内が著者名や出典だと、丸括弧の前に句点を打ちます。

例文を用いて説明しましょう。

【正しい例文】
内閣の支持率は50%であった。(××新聞)

【間違った例文】
内閣の支持率は50%であった(××新聞)。

上述の場合、××新聞の出典となるので、丸括弧の前に句点を打ちます。

このケースは、インタビュー記事や感想などで、回答者を文末に明記する場合なども該当します。

【例文】
今期のボーナスですが、全額貯金に回そうかと考えています。(28歳、会社員、女性)

このように、同じ丸括弧を用いる場合でも、括弧内の内容で句点の位置が変化します。

出典とはそもそも、引用した事柄の出所です。

主に引用した内容の信頼性を証明することを目的としています。

よって、文の内容と直接の関係はありません。

上述のそれぞれの例文を見ても、丸括弧内の出典は文章の内容に関わってはいないですよね。

よって、出典の後に句点を打つことは相応しくありません。

文章の内容は丸括弧の前に完結しているので、句点はその位置に打つという訳です。

句点・読点の打ち方における注意点

句読点を使うことで日本語文章が読みやすくなることがわかりましたね。

しかし、句点・読点の打ち方には注意点があります。

  1. 句読点は!や?の前後に打たない
  2. 句読点は「」や『』の前後に打たない
  3. 句読点はタイトル・見出し・箇条書きに打たない
  4. 句点は()や「」内の文末に打たない

句読点は!や?の前後に打たない

句読点を打つときは、!や?の前後に打たないように注意しましょう。

理由としましては、感嘆符(!)や疑問符(?)は句点を兼ねているため、連続すると読みづらくなるからです。

例えば、以下のAとBで見てみましょう。

【正しい打ち方をしている文章:A】
寄り道しないで帰って来なさい!

【打ち方が間違っている文章:B】
寄り道しないで帰って来なさい!。

【打ち方が間違っている文章:C】
寄り道しないで帰って来なさい。!

上記の例文だと、Aの文章は強さを感じる文章となっています。

しかし、B の文章は同じ文言であっても、感嘆符と句点が連続しているため、少し弱く感じる文章になっています。

そして、Cの文章においては、感嘆符の役割すら感じられない文章と言えるでしょう。

そもそも、感嘆符と疑問符は感情を伝える時に使う記号です。

そのため、例文のような感情を強く伝えたい場合は、感嘆符で文章を終わらす方が適切でしょう。

このことから、句読点を打つときの注意点は、感嘆符や疑問符の前後に打たないことです。

句読点は「」や『』の前後に打たない

句読点を打つときの注意点は「」(鍵括弧)や『』(二重鍵括弧)の前後に打たないことです。

なぜなら、句読点を前後に打たない方が読みやすいからです。

次のような例文を使って解説してみましょう。

【正しい打ち方をしている文章:A】
心配そうな顔をしている彼は「明日晴れるといいな」と、発言していた。
【打ち方が間違っている文章:B】
心配そうな顔をしている彼は「明日晴れるといいな」、と発言していた。

【正しい打ち方をしている文章:C】
肉屋が運営しているこのサイトによると、肉の焼き方は『ミディアムレア』で大丈夫だ。
【打ち方が間違っている文章:D】
肉屋が運営しているこのサイトによると肉の焼き方は、『ミディアムレア』で大丈夫だ。

Aの文章は、鍵括弧内の言葉が「彼」の発言だとわかる、リズムの良い文章となっています。

しかし、Bの文章については、読点が少しズレているだけで、リズムが悪く読みにくい文章となっていますね。

Cの文章は、読点を打つことで、サイトで肉の焼き方はミディアムレアであることをはっきりさせています。

Dの文章では、鍵括弧の前に読点があるため、呼吸を吸った後にまた吸うようなリズムで読みにくいです。

このことから、句読点を打つときの注意点の1つとして「」や『』の前後には句読点を打たないことが言えるのです。

句読点はタイトル・見出し・箇条書きに打たない

タイトル・見出し・箇条書きに句読点を打たないことも注意点の1つです。

理由は読み手の目を中断させるため、記事に引き込むことが出来なくなるからと言えます。

例えば、以下のようにタイトルから見出し、そして箇条書きの順で書いた例文で見てみましょう。

句読点なしの例文
「我が家の予算の件」
お小遣いの予算「合理化」を検討
[家計の状況]
・食費
・光熱費
・現在のお小遣いの額

句読点ありの例文
「我が家の、予算の件」。
お小遣いの予算、「合理化」を検討。
[家計の状況]。
・食費。
・光熱費。
・現在の、お小遣いの額。

このように、句読点があると1行ずつで中断しているような印象になりますね。

文章の最後は句点で終わらすことが基本です。

しかし、タイトルや見出しなどには、句点を打たない方が読みやすいと言えるでしょう。

また、タイトルや見出しなどは短い文章でわかりやすく伝えるものです。

そのため、文章を区切らずまとめる方が読みやすく、伝わりやすいと言えます。

文章の終わりだから、などと基本通りに句読点を打つことは、逆に読みにくくなる場合もあるのです。

このことから、句読点はタイトル・見出し・箇条書きに打たないように注意することも大切なのです。

句点は()や「」内の文末に打たない

結論から言いますと、句点は()や「」内の文末に打たないことも注意が必要です。

なぜなら、句点は括弧書きとの兼ね合いで、一定のルールがあるからです。

1946年3月に当時の文部省教科書局調査課国語調査室作成の「くぎり符号の使ひ方〔句読法〕(案)」という文書にのっとっています。

表題に「(案)」とありますように、この文書は内閣告示のような正式文書ではないのです。

しかし、句読点に関する公式機関の文書がこれ以外にほぼなかったため、案のままでいろいろな資料に収録されています。

その代表例が『句点は()や「」内の文末に打たない』になります。

【正しい打ち方をしている文章】
高橋さんは「『あなたのカレーライス』は大変好評です」と語ってくれた。

【打ち方が間違っている文章】
高橋さんは「『あなたのカレーライス』は大変好評です。」と語ってくれた。

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