「オウンドメディアの成功事例ってどんなのがあるんだろう?」
「そもそもオウンドメディアを運用する目的ってなに?」
オウンドメディアを運用・活用しようと考える企業は増えてきていますが、それと同時にこのように悩む人も多いハズ。
詳しくは本文で解説いたしますが、オウンドメディアの成功事例は有名どころで15個あります。
【4種類の成功のカタチと15個の成功事例】
成功のカタチ | 成功事例 |
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コンテンツSEOで集客に成功 | ferret LISKUL VERY 侍エンジニア塾ブログ |
SNSとの連携で集客に成功 | LIG FASHION HEADLINE TERIYAKInews |
人材採用の面で成功 | ジモコロ メルカン CAREER HACK LINE HR BLOG |
ブランディング面で成功 | サイボウズ式 THE BAKE MAGAZINE Red Bull 北欧、暮らしの道具店 |
オウンドメディアの運用目的を事業面・採用面にするかで話は少し変わるのですが、何かしらの成果を上げているメディアは、上記4種類の内いずれかで目を見張る結果を得ています。
このような成功事例が実際に数多くあるために「自社でもオウンドメディアを運用・活用し、ビジネスを加速させよう!」と意気込むBtoB・BtoC企業様は、昔に比べてとても多くなりました。
しかしそうなると「オウンドメディアを運用するには、まず何から始めればいいのかな。注意点とかはある?」などといった疑問が残りますよね。
そこでこの記事ではオウンドメディアの成功事例15選だけでなく、運用する目的・メリット・作り方・注意点を解説していきます。
この記事を読み終える頃には、オウンドメディアで目覚ましい成果を上げる方法・落とし穴の回避方法など、すべてがわかります。
オウンドメディアをコンテンツSEOで成功させた事例
コンテンツSEOでの成功例について解説いたします。
今回は下記4メディアを中心に、実際の記事の分析を交えながらご紹介いたしましょう。
- ferret
- LISKUL
- VERY
- 侍エンジニア塾ブログ
ferret
ferretは、自社サービスへのお問い合わせを目的に作成されたBtoB向けオウンドメディアです。
基本情報を表にまとめました。
【ferret基本情報】
メディア名 | ferret |
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コンセプト | マーケターのよりどころ |
運営会社 | 株式会社basic |
運営開始時期 | 2004年3月 |
ferretの成功理由は、自社サイトでマーケター向けの知識やノウハウを発信し、マーケターの集約に力を入れたことにあります。
ferretの記事である『広告運用の始め方。経営の安定化と競合に打ち勝つために必要なスキルとは?』|ferretを例にご紹介いたします。
この記事では、「広告運用を始めたいがどうすればいいかわからない」というマーケターを対象に知識やノウハウを伝授していますね。
注目したいのは、各小見出しごとにある「資料をダウンロード」ボタンです。
疑問を持って記事を開いて、知識を得て納得した後にさらに詳細な情報が詰まった資料があれば、ダウンロードしたくなりますよね。
このダウンロードした資料には、ferretが運営するシステムの紹介も含まれています。
つまり、ferretは自社サイトをメディア化し、各記事の解決策として自社製品を紹介することで自社製品への問い合わせアップにつなげているとわかりました。
LISKUL
LISKULは、マーケティングの知識やノウハウに特化したオウンドメディアです。
基本情報は以下の通りです。
【LISKUL基本情報】
メディア名 | LISKUL |
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コンセプト | 中小・ベンチャーのWebマーケターが、経営者の右腕たるCMOになるまでに必要な情報を提供するメディア |
運営会社 | ソウルドアウト株式会社 |
運営開始時期 | 2014年 |
LISKULが成功した理由として挙げられるのは、自社ノウハウを基に信ぴょう性の高い記事を提供したことでしょう。
例として、『自社サイトのメディア化実績データ公開!【LISKUL】の1年を振り返る』|LISKULを基に解説いたします。
この記事では、「WEBマーケティングを支えるLISKULだが、そのLISKULのサイト自身はどう成長したのか?」を惜しみなく開示、分析しています。
LISKULが実際に運営してきたサイトを分析し、その結果導き出される結論には信ぴょう性がありますよね。
他社との競争を考えれば不利になり得る自社ノウハウをあえて公開し、弱みを逆手に取った戦法です。
LISKULは自社ノウハウを基に信ぴょう性の高いサイトづくりをおこない、着実な集客につなげていることがわかりました。
VERY
VERYは子育てする女性向けのファッション雑誌です。
サイトの詳細情報は以下にまとめました。
【VERY基本情報】
メディア名 | VERY |
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コンセプト | 基盤がある女性は、強く優しく美しい |
運営会社 | 株式会社光文社 |
運営開始時期 | 2017年8月 |
VERYの最大の強みはSEO戦略を踏まえたコンテンツ制作にあります。
例えば、『謝恩会の服装どう選ぶ? シーン別おすすめコーデ』|VERYという記事があります。
調べたところ、この記事はグーグルで「謝恩会 服装」と検索した場合の上位3位に表示されることがわかりました。
つまり、VERYは雑誌のメインターゲット層である子育て中の女性が検索しやすい用語を意識して記事作成し、見事検索上位をキープしているということです。
SEO戦略に沿った記事作成が検索結果の上位表示を可能にし、結果としてPV数の増加につながるということがわかりますね。
侍エンジニア塾ブログ
侍エンジニア塾ブログは自社が運営するプログラミングスクールへの流入を目的としたサイトです。
基本情報を以下にまとめました。
【侍エンジニア塾ブログ基本情報】
メディア名 | 侍エンジニア塾ブログ |
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コンセプト | 質の高いIT教育を、すべての人に |
運営会社 | 株式会社SAMURAI |
運営開始時期 | 2015年3月19日 |
侍エンジニア塾ブログの成功理由としては、記事の構成からSEO対策していることが挙げられます。
例としてプログラミングを始める前に知っておきたい基本と3つの鉄則|SAMURAI ENGINEER Blogをご紹介いたしましょう。
この記事の構成には注目すべき点が2つあります。
1つめは、hタグによりしっかり段落構成されている点でしょう。
hタグとは、ユーザー及び検索エンジンに記事テーマを伝えやすくするために用いるHTMLの見出しタグのことです。
見出しを大文字にしたり、段落を区切ることはSEO対策でのポイントですね。
2つめは、重要なキーワードを複数回登場させている点です。
例に挙げた記事でいいますと、「基本」「理解」「把握」などが重要キーワードにあたりますね。
重要キーワードを複数回出すことも、SEO対策には有効な手段とされています。
以上より、侍エンジニア塾ブログは記事構成におけるSEO対策を徹底することでコンテンツSEOに成功したとわかりました。
オウンドメディアをSNSとの連携で成功させた事例
SNSとの連携で成功させたオウンドメディアの例をご紹介いたします。
各メディアの詳細情報とあわせて、それぞれの実際の記事をもとに成功理由の分析までおこないました。
今回取り上げる3社は以下の通りです。
- LIG
- FASHION HEADLINE
- TERIYAKInews
特徴や成功理由をしっかりチェックしていきましょう。
LIG
LIGはWEBメディア制作会社です。
LIGの基本情報をご紹介いたします。
【LIGの基本情報】
メディア名 | LIG |
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コンセプト | デジタルクリエイティブでより良い世界を作る |
運営会社 | LIG株式会社 |
運営開始時期 | 2007年 |
LIGが競合他社の中でも抜きんでることができたのは、統一性と独自性を重視したためでしょう。
LIGは掲載記事をテック系、会社紹介などに絞り込むことで一定層をファンにすることに成功しています。
特筆すべきは後者、LIGならではのおもしろさ重視の記事構成です。
例えば経営マネジメントについて書いた記事『返信した回数300回!勤怠連絡に全部返信したら起きた社内コミュニケーションの変化とは?』|LIG公式サイトを例に挙げましょう。
コロナ禍での社内コミュニケーション活性化という平凡な内容とは思えないほど、くだけた口調と突飛な施策が目立つ記事になっています。
記事の題名の通り、LIGはコミュニケーション活性化の一環として勤怠連絡に全て返信するという施策を取りました。
施策そのものも奇抜ですが、何よりおもしろいのは一見「ありえない!」と思える施策に真面目に取り組み、方法や効果までしっかりと解説する点です。
このおもしろさが、数多の競合がひしめくWEB業界でLIGを特徴づけるのに一役買っていますね。
FASHION HEADLINE
FASHION HEADLINEはファッションを中心に、食、美容、ライフなどのニュースを発信しています。
FASHION HEADLINEの基本情報を以下にまとめました。
【FASHION HEADLINEの詳細情報】
メディア名 | FASHION HEADLINE |
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コンセプト | 明日のファッションから、10年先のファッションまで |
運営会社 | 株式会社ファッションヘッドライン |
運営開始時期 | 2012年 |
FASHION HEADLINEの強みはSNSでシェアされやすい構造になっていることです。
例に挙げる記事『「ととのい」の世界へ! パリのサウナ、人気のモロッコ式ハマムを体験』|FASHION ONLINEをみてみましょう。
まず目を引くのが、全体的に余白をひろくとった自由なレイアウトです。
中でも幅いっぱいにひろげた大きな写真は、スクロール後にぱっと出てくることで目を引く要素になっています。
文だけで内容を伝えようとせず、大きめの写真をふんだんに盛り込んだ読みやすさ重視のレイアウトである点もポイントですね。
記事の内容に触れますと、取材のためにフランスのパリへ自ら出向く独自性が感じられます。
他の企業の追随を許さない独自視点の取材により、思わず「これ、知ってる?」とSNSにシェアしたくなる記事が多く見受けられるのが特徴です。
このように、FASHION HEADLINEはSNSにシェアされやすく、結果として内容が広く認知されやすい構造になっていることがわかりました。
TERIYAKInews
TERIYAKInewsは巷のおいしいお店を紹介するグルメサービスです。
TERIYAKInewsの基本情報は以下をご覧ください。
【TERIYAKInewsの基本情報】
メディア名 | TERIYAKInews |
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コンセプト | 本当にうまい店が探せるグルメサービス |
運営会社 | テキヤキ株式会社 |
運営開始時期 | 2019年 |
TERIYAKInewsが他のグルメアプリと一線を画しているのは、食のプロフェッショナルを用いている点でしょう。
TERIYAKInewsの記事を執筆しているのは、テキヤキストと呼ばれる食通の方々です。
例に挙げる記事『日本で2番めに美味しい海苔で巻いたトロタクが、ほんと最高。』|TERIYAKInewsを手掛けるのは、飲食店経営と食作家の園山さんというテリヤキストです。
TERIYAKInewsでは食への豊富な見地を持つテリヤキストを基にお店を選抜することで、他にはない美味しさを紹介できているのですね。
LINEからの情報発信など、SNSでの拡散に力を入れているのも強みです。
以上より、TERIYAKInewsはプロフェッショナルによる確かなおすすめと幅広いSNS拡散力でユーザーとの距離を縮めることに成功しているといえるでしょう。
採用面で成功したオウンドメディアの事例
採用面で成功したオウンドメディアを4社紹介いたします。
- ジモコロ
- メルカン
- CAREER HACK
- LINE HR BLOG
それぞれ基本情報を表にまとめ、実際の記事をもとにしながら成功理由を分析、解説いたします。
それでは早速内容をチェックしていきましょう!
ジモコロ
ジモコロは、地元密着型求人を得意とするアイデムと、漫画からグッズまで様々なおもしろアイデアを生み出すバーグハンバーグバーグが運営するオウンドメディアです。
【ジモコロの基本情報】
メディア名 | ジモコロ |
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コンセプト | あなたがどこに暮らしていても、もっと地元が好きになる |
運営会社 | 株式会社アイデム |
運営開始時期 | 2015年 |
ジモコロの強みはなんといってもその取材力でしょう。
例えば、ジモコロ|玉ねぎだけじゃない! 淡路島出身ライターが心底オススメする観光スポット10選という記事では取材地で生まれ育ったライターが現地取材のうえニッチな観光名所を紹介しています。
地元民しか知らないような定食屋や、歩くだけでは見過ごしてしまうような小さな映画館など一次取材ならではの地元発見が楽しめるメディアですね。
このように、ジモコロでは現地に根付いた取材を活かして「この場所おもしろい、働いてみたい!」という人材と求人を結びつけているとわかりました。
メルカン
メルカンは、フリマアプリのメルカリを運営する株式会社メルカリが手がけるオウンドメディアです。
【メルカンの基本情報】
メディア名 | mercan |
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コンセプト | メルカリの「人」を伝える |
運営会社 | 株式会社メルカリ |
運営開始時期 | 2019年 |
メルカンの特徴は、オウンドメディアでは設定することの多いKPIを考えていないところでしょう。
※KPIとは、事業目標を達成するためのプロセスが適切におこなわれているかを測るための指標です。例えば、営業であれば契約件数や訪問件数がKPIにあたります。
メルカンは社員同士のコミュニケーションやどのような事業をしているかなどの紹介記事を多く手がけており、それによる訪問者数、閲覧数の獲得は重視していません。
例えば、mercan|フェイスガードってどうなの?メルカリEngineering Officeメンバーでいろいろ試してみたという記事では、メルカリのエンジニアチームが仲良くフェイスガードを付けてランチしている様子が記事になっています。
同じテーブルで食べる描写や、少しふざけた写真があることで、読み手に「この会社のメンバーの雰囲気がよさそうだな」という印象を与えます。
以上より、メルカンは自社の雰囲気を記事にまとめ、好印象をもとに採用につなげていくスタイルのオウンドメディアだとわかりました。
CAREER HACK
CAREER HACKは採用大手のエン・ジャパンが運営するオウンドメディアです。
【CAREER HACKの基本情報】
メディア名 | CAREER HACK |
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コンセプト | テック業界で働く人のためのWEBメディア |
運営会社 | エン・ジャパン株式会社 |
運営開始時期 | 2012年 |
CAREER HACKの強みは、質の高いインタビュー記事です。
CAREER HACK|Google、Salesforceの選考で出る課題とは? 実例に学ぶ強いプロダクト組織の採用&育成を例に挙げますと、googleやsalesforceなどの大手企業を相手に「採用とは?」という問いを対談形式で掘り下げていますね。
採用大手のエン・ジャパンだからこそ実現する豪華対談であり、かつ各企業の採用の特色や重視するポイントを知ることができて一石二鳥の内容になっています。
サイトでは大手企業幹部の採用話だけでなく、異業種からテック業界に挑戦する人など様々なひとの生き方、考えを知ることができます。
このように、CAREER HACKでは独自目線の良質なインタビュー記事を掲載することで、各企業の採用に興味を持たせることに成功しているといえるでしょう。
LINE HR BLOG
LINE HR BLOGは大手SNSのLINEを運営するLINE株式会社が立ち上げたオウンドメディアです。
【LINE HR BLOGの基本情報】
メディア名 | LINE HR BLOG |
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コンセプト | コミュニケーション |
運営会社 | LINE株式会社 |
運営開始時期 | 2012年 |
LINE HR BLOGの魅力は自社の情報発信に特化している点でしょう。
例を挙げますと、LINE HR BLOG|【LINEのしくみ】社員の働きやすさをサポートする「LINE CARE」ではLINEが持つ業務ケアシステムの紹介をおこなっています。
LINEでは社員が気持ちよく働けるようにこんな取り組みをしていますよ、という広報活動のような記事ですね。
この他にも、LINEで求めている人材像の紹介や、どれだけ多様な働き方が可能か社員にインタビューする記事も見受けられました。
共通していえるのは、全ての記事が「LINEはこんなにいい風土ですよ」という宣伝に近いテイストをもっていることでしょう。
このように、LINE HR BLOG では自社の情報発信に注力することで、「この会社に入りたい!」という気持ちを高めて採用につなげていることがわかりました。
ブランディング面で成功したオウンドメディアの事例
ブランディング面で成功したオウンドメディアを紹介いたします。
- サイボウズ式
- THE BAKE MAGAZINE
- Red Bull
- 北欧、暮らしの道具店
サイボウズ式
サイボウズ式は働き方や生き方などを掲載しているメディアです。
【サイボウズ式概要】
メディア名 | サイボウズ式 |
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コンセプト | 新しい価値を生み出すチームのための、コラボレーションとITに関する情報を届ける |
運営会社 | サイボウズ株式会社 |
運営開始時期 | 2012年 |
サイボウズ式のコンテンツには以下のような、働き手の気持ちに寄り添う記載があります。
コロナ禍を経てすっかりおなじみになったビデオ会議。でも、発言のタイミングって難しいですよね?
引用元:サイボウズ式|仕事って、しんどい!スイス出身白熊の「仕事しんどいあるある」(2022年6月7日時点)
誰かが質問やリアクションをしてくれないと、不安になってしまったり、一方的なおしゃべりが続いてしまってしんどいです……。
この記事のように、働く悩みに対する解決方法や働き方などのコンテンツが掲載されています。
社員さんの声を反映した内容からは、働き手の正直な想いに理解がある社風ということが読み取れます。
例えば「チームワークを大切にしています」という会社の主張よりも、「チームワークを高めるためにどのように共有するかを議論しました」という社員さんの声を取り入れている内容の方が、社風を感じ取ることができますよね。
記事からにじみ出る社員さんの様子を読み取ることで、この会社は自分に合うのか、やりたい仕事ができそうかなど想像ができます。
そうすることで、読み手は働くイメージがしやすくなるのです。
働くイメージができるということは、より明確な応募への動機につながります。
このように社風や働き方のブランディングにより、求職者の応募を増やし、人材の確保につなげています。
THE BAKE MAGAZINE
THE BAKE MAGAZINEでは、自社商品に関する情報を掲載しています。
【THE BAKE MAGAZINE概要】
メディア名 | THE BAKE MAGAZINE |
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コンセプト | おいしいは、しあわせにBAKE(バケ)る。そこには、ストーリーがある。 |
運営会社 | 株式会社BAKE |
運営開始時期 | 2015年 |
THE BAKE Magazineでは、ファンを獲得するために以下のような記事を掲載しています。
今回のTHE BAKE MAGAZINEでは、「ばたふく〈苺〉」の苺を生産されている「村田農園」代表の村田和寿さんに、美味しい苺づくりの秘訣や農業にかける想いについてお話を伺いました。
引用元:THE BAKE Magazine|イチゴづくりはチームづくりから。「村田さん家のいちご」が美味しい本当の理由(2022年6月7日時点)
ここでは、使用する食材の生産者の取り組みを紹介しています。
こだわりや商品の背景を紹介することで、商品に対する姿勢がわかります。
具体例を挙げて説明すると、無農薬にこだわって育てられた食材だとわかれば、品質の高い商品であると納得できますよね。
どんな食材が使われているかがわかるということは、自社の商品に対する信用度を高めます。
それを続けることで、信頼できるよい商品を作っているイメージになるのです。
よい商品を作る会社というイメージができれば、売上につながります。
上記のとおり、こだわりのある商品づくりという背景を知ってもらうことで商品のブランディングに成功しています。
Red Bull
Red Bullはアスリートやその道のプロフェッショナルを特集したメディアです。
【Red Bull概要】
メディア名 | Red Bull |
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コンセプト | 翼をさづける |
運営会社 | レッドブル・ジャパン株式会社 |
運営開始時期 | 不明 |
コンテンツにはスポーツに関する以下のような記事が掲載されています。
厳しい悪路も駆け抜ける、しなやかな肉体を持つプロ山岳ランナーの上田瑠偉に、我々市民ランナーが取り入れるべきトレーニング術を聞いた。
引用元:Red Bull|プロ山岳ランナーが実践する【初心者ランナーにオススメのストレッチ】(2022年6月7日時点)
この記事では、アスリートによるストレッチ方法が紹介され、エナジードリンクに関する説明はされていません。
Red Bullでは商品の紹介をせず、アスリートやプロフェッショナルな人のインタビューなどを掲載していることが特徴です。
そうすることで、頑張りどき=Red Bullというイメージ付けをしています。
事実、Red Bullはスポーツ時や仕事・勉強をもうひと頑張りしたいとき、気持ちを切り替えたいときに飲むものというイメージがありますよね。
このようなイメージから、頑張っている人をターゲットにしていることがわかります。
それにより、頑張りどきにはRed Bullを飲むという消費行動を起こさせているのです。
このように、商品の売上増加を目的としたブランディングがされています。
北欧、暮らしの道具店
北欧、暮らしの道具店は、ライフスタイルに関する情報とECサイトの一体化メディアです。
【北欧、暮らしの道具店概要】
メディア名 | 北欧、暮らしの道具店 |
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コンセプト | 北欧のライフスタイルに惹かれ、そのスタイルの本質を取り入れ、自分たちらしく表現すること |
運営会社 | 株式会社クラシコム |
運営開始時期 | 2015 |
北欧、暮らしの道具店では、以下のように消費者の悩みに共感して自社の商品を紹介しています。
これまでは照明迷子の日々でした。例えばダイニングランプは、見た目で選んだはいいものの、家族に「まぶしい」といわれたり。ライティングレールにスポットライトをつけたものの、色や向きが難しかったり……
引用元:北欧、暮らしの道具店|【スタッフの愛用品】簡単なのにぴったり!我が家の夜じかんに欠かせなくなった「スタンドライト」(2022年6月7日時点)
このように、読み手のライフスタイルに寄り添った記事の掲載が多く、その商品を使ったイメージが湧きやすい内容が特徴です。
他にも収納術などのよみものの記事もあり、購入の目的以外にも情報サイトとしての機能もあります。
こうしたコンテンツにより、日々の悩みを解決する商品や情報があるという利用者に身近なメディアのイメージを作っているのです。
これを継続し、多くの利用者にとって身近なメディアというイメージがつけば、利用頻度も高くなります。
つまり、ブランディングによりファンの獲得につなげ、売上増加に貢献しているのです。
このように、北欧、暮らしの道具店は生活雑貨の販売や生活に関する情報メディアとしてブランディングに成功しています。
企業必見!オウンドメディアを運用する目的
オウンドメディアの目的は3つあります。
- 事業課題の解決
- 採用課題の解決
- アーンドメディア・ペイドメディアにはできないことを実践する
事業課題の解決
事業課題には以下のようなことが挙げられます。
【事業課題と解決例】
事業課題 | 解決例 |
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売上の向上 | ECサイトへの誘導 |
ファンを増やす | 顧客目線の有益なコンテンツの蓄積 |
新規ユーザーの獲得 | SEO対策によるキーワード検索からの流入 |
具体例として、オウンドメディアの目的に設定される売上について説明します。
売上の向上に関する課題は、オウンドメディアを使い集客を増やし、ECサイトに誘導することで解決します。
なぜなら、商品に興味があるユーザーはキーワード検索からアクセスするからです。
実際に購入を考えている場合、検索エンジンを使って商品についての説明や値段などを参考にしますよね。
オウンドメディアは、SEO対策をおこないユーザーにヒットしやすい特徴があります。
ですので、オウンドメディアを使うことで売上向上の課題は解決できるのです。
採用課題の解決
採用には次のような課題があります。
【採用課題と解決例】
採用課題 | 解決例 |
---|---|
採用後の相違 | 自社の理念や雰囲気を掲載し理解を深める |
求める人材からの応募 | 活動内容や求める人物像の提示 |
人材の獲得 | 採用目的のコンテンツで多方面からアクセスを増やす |
では、採用後の相違の解決について解説します。
採用後の相違は、自社の理念や雰囲気を掲載し理解を深めることで解消します。
理由は、働くイメージができるからです。
例えば、社風です。
日常の働く風景や人間関係、やりがいなどが提示されていると、自分にあっているかが判
断しやすくなりますよね。
入社後にイメージの相違を感じ、早期退職を防ぐことができます。
このように、自社について理解を深めてもらうことで採用後の相違課題を解決できます。
アーンドメディア・ペイドメディアにはできないことを実践する
アーンドメディアやペイドメディアにはできないことを実践することです。
それぞれメディアの概要を以下のようにまとめました。
【トリプルメディアの概要】
種類 | 宣伝方法 | 発信元 | 効果 | 内容 |
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オウンドメディア | 自社サイト | 自社 | 半永久的 | オリジナルコンテンツ |
アーンドメディア | SNS レビューサイト | 顧客 | 一時的 | 利用者の口コミ |
ペイドメディア | 費用を支払う広告 | 広告メディア | 一時的 | 消費者に向けた商品やサービスの紹介 |
この表からわかることは、アーンドメディアやペイドメディアは自社でコントロールができないということです。
例えば、アーンドメディアでは顧客による口コミのため、自社の目的とは関係なく顧客の反応に左右されます。
顧客の口コミには、商品の特徴だけでなく、対応がどうであったかや感想も含まれがちです。
良い商品にかかわらず対応がスムーズでなかったなどの内容の場合、新規顧客には『対応が遅い』という商品とは関係のないイメージがついてしまいます。
その結果、自社が主張したい商品の魅力が新規顧客に伝わらない可能性があるのです。
その点、オウンドメディアはターゲット層や目的を明らかにできます。
それは、発信元が自社によるものだからです。
例を挙げると、毛質の良いヘアブラシの販売目的があるとします。
自社発信であれば、毛質の良さや使用感など、具体的に魅力を伝えることができます。
つまり、商品に関係のない情報を省いて、伝えたいことだけを伝えられるのです。
このようなことから、明確な目的がある場合、自社でコントロール可能なオウンドメディアを活用することが良策です。
以上のように、オウンドメディアにはアーンドメディアとペイドメディアのデメリットをカバーする目的があります。
企業がオウンドメディアを活用すべき理由
ここではオウンドメディアが必要な理由を解説いたします。
- 【認知力Up・見込み客Get】集客効果が高い
- 収益拡大効果がある
- インターネット広告の効果が低くなってきている
- Web広告に比べてコストが低い
- コンテンツをストックできる
- ネットで情報収集する人が増えている
- SNSとの連携で認知力がさらに上がる
- ブランディング効果がある
- 求人コストなし!採用活動を同時並行できる
- 発信内容を自社で決められる
【認知力Up・見込み客Get】集客効果が高い
オウンドメディアが必要な理由の1つ目は、集客効果が高いということです。
オウンドメディアを運用することにより、認知力が上がり見込み客を獲得することができます。
それらのことが集客効果につながっていきます。
SEO対策をしっかりとおこない上質なコンテンツを発信していれば、ユーザーが必要な情報を検索することにより、オウンドメディアに辿り着くことができるでしょう。
つまり、認知力のUpです。
そこにユーザーが必要な情報や、商品に関連する情報を盛り込んだコンテンツを掲載することにより、購買意欲などにつながっていきます。
見込み客をGetできるということです。
それらのことから、オウンドメディアによる集客効果が高いと言えるでしょう。
収益拡大効果がある
2つ目の理由は、収益拡大効果があるという点です。
オウンドメディアを訪れた見込み客が、商品購入や資料請求をしてくれることにつながるからです。
実際、ユーザーは必要な情報を検索することにより、オウンドメディアを訪れています。
そこにユーザーが必要としている良質で魅力的なコンテンツがあれば、より購買意欲が高まり、企業に対する信頼も得られるでしょう。
その先に、実際の収益につながるサイトへの誘導があれば、そちらにも訪れてくれて商品購入や問い合わせにつながります。
その結果、収益拡大効果があるということになります。
インターネット広告の効果が低くなってきている
3つ目の理由として、インターネット広告の効果が低くなってきていることが挙げられます。
なぜなら、インターネット広告に抵抗を感じるユーザーが増えてきているからです。
実際、現在では、ユーザーが必要とする情報はユーザー自身が検索することにより入手することができます。
そこに、企業目線のインターネット広告が表示されたとき、ユーザーはそれらの広告をクリックするでしょうか。
「相手に押し付けられた情報」より、「自分自身で調べた情報」の方がユーザーはより納得しますよね。
そのため、オウンドメディアのように、ユーザーが必要としている情報を発信するほうが抵抗なく見てもらうことができるでしょう。
Web広告に比べてコストが低い
4つ目にあげられるのは、Web広告に比べてコストが低いという点です。
実際、Web広告にかかる費用は下記のようになります。
【Web広告の種類と費用】
種類 | 課金方式 | 費用相場 |
---|---|---|
純広告 | 期間保証型 | 数万円~数千万円 (1週間あたり) |
リスティング広告 | クリック課金 | 10円~数千円 (1クリックあたり) |
アフィリエイト広告 | 成果報酬型 | 100円~数万円 (1成果あたり) |
動画広告 | 再生課金 | 5円~200円 (1再生あたり) |
対してオウンドメディアは、初期費用が数十万円・運用コストが月額数万円~数十万円となります。
数字だけを見るとオウンドメディアの方がコストがかかるようですが、ターゲットを絞らずに広くWeb広告を出すのは効率的ではありません。
まったく興味のない人に広告を出すのは意味がありませんよね。
また、Web広告は広告料を支払い続けなければ終了してしまいます。
一方で、オウンドメディアは1度立ち上げてしまえば広告費などはかかりません。
オウンドメディアは、半永久的にインターネット上に情報として残るため、それだけで企業にとっては広告になります。
相対的に見れば、Web広告に比べてコストが低いということになるでしょう。
コンテンツをストックできる
5つ目の理由は、コンテンツをストックできるということです。
オウンドメディアで定期的にコンテンツを公開すれば、情報として蓄積されていくからです。
コンテンツが増えるほどに、SEO評価も向上し、検索順位も上がっていきます。
その結果、オウンドメディアは企業にとって資産となります。
逆にTwitterやInstagramなどのSNSは、リアルタイムでの情報発信のために、コンテンツをストックするのには向いていません。
コンテンツをストックできるオウンドメディアは、企業にとって必要なものとなります。
ネットで情報収集する人が増えている
オウンドメディアが注目されるようになったのは、SNSの爆発的な普及により、Webコンテンツの重要性が高まっているからです。
情報通信白書令和3年版によると2020年のインターネット利用率は8割を占めており、下記のようにWebによる情報収集が一般的になっていることがわかります。
2020年のインターネット利用率(個人)は83.4%となっている
総務省 令和3年情報通信白書のポイント(2022年6月2日)
また、端末別のインターネット利用率は、「スマートフォン」(68.3%)が「パソコン」(50.4%)を17.9ポイント上回っている
インターネット普及とともにスマホの利用率が高まっており、消費者は自由に情報収集が可能となったため、従来型のアウトバウンドの広告効果が薄れてきました。
いままで能動的にしか情報を受け取れなかった消費者は、スマホ普及により知りたい情報を能動的かつリアルタイムで検索できるようになったのです。
つまり、発信側もこれまで以上に多くの消費者にとって有益な情報を発信することが重要といえます。
SNSとの連携で認知力がさらに上がる
SNSは多くの人にとって、情報収集やコミュニケーションに欠かせないツールです。
SNSを利用する人は多いからです。
事実、SNSの利用状況については、若い世代で7割・60歳以上でも半数近くがSNSを利用しています。
SNSはユーザー間のコミュニケーションだけではなく、情報収集としても重要なツールといえるでしょう。
ブランディング効果がある
オウンドメディアは自社で情報発信をおこなうため、継続して取り組んでいくことでブランドイメージを高められ、ファンを増やすことができます。
専門性の高いコンテンツを発信し続けることにより、「〇〇のことならこの会社」と消費者から信頼できる専門家として認知されやすくなります。
例えば自社のオウンドメディアが、とある分野のあらゆるキーワードにて上位表示されれば、オウンドメディアへのアクセスが増えますよね。
そして訪問者に対して専門的かつ有益な情報を提供すれば、「このジャンルでは、このサイト・運営企業が詳しいんだな」という印象になります。
コレを何年も続けることで、オウンドメディアによるブランディングが実現するのです。
求人コストなし!採用活動を同時並行できる
オウンドメディアを取り上げることで、費用を抑えながら自社にマッチした人材からの募集を集めることが可能です。
採用するには下記のように1人あたり100万円程度のコストがかかることが予想されます。
2019年度新卒採用および中途採用1人あたりの平均採用コストは、新卒採用が93.6万円、中途採用が103.3万円です。
リクルート 「就職白書2020」 (2022年6月4日)
そのうえ、求人票だけでは社内の雰囲気や社員の様子など伝わりづらい点が多くありますよね。
オウンドメディアでは自社の雰囲気や社員の様子など、求職中の方にとって応募を決める判断材料となることを発信が可能です。
例えば社員インタビューによるワークスタイルの情報や、事業体制などを発信すれば企業のイメージが伝わりやすくなります。
継続的な自社の情報発信はアクセス数の獲得だけでなく、社内の雰囲気や実際に働くイメージがしやすくなり、求職者にとって入社意欲が高まるといえます。
このようにコンテンツのストック効果と企業イメージの発信により、長期にわたるアクセスが見込めます。
結果、求人媒体へ追加の費用をかけることなく自社の情報発信で、求職者への認知度も高まり入社後のミスマッチを軽減できるでしょう。
発信内容を自社で決められる
自社の知識を惜しみなくユーザーに提供することが、オウンドメディアの魅力です。
SNSやほかのメディアなどの外部プラットフォームを利用する場合とは異なり、情報のコントロールが可能で、自社の意図したとおりに情報発信を行い集客に繋げられます。
SNSなどのソーシャルメディアは、時間とともに記事が流れていき過去のコンテンツが資産として蓄積されません。
また、サービス提供元の都合でサービス停止となり、これまで作成した記事やユーザー間の繋がりが消えてしまう可能性があります。
オウンドメディアでは、発信した情報を蓄積していくことが可能で、ブログやホームページなど、一度作成した記事やページは消さないかぎり残り続けます。
このように情報のストックができることが、Webマーケティングにおける武器であり、オウンドメディアの特徴です。
コンテンツを資産化して継続的に集客するには時間はかかりますが、一度効果がでると継続的な評価につながりやすくなります。
しかし、自社のコンテンツを持ち、質の高い情報を発信し続けることは容易ではありません。
オウンドメディアを成功に導くためには、下記のような条件を確認しましょう。
- 目的に合わせた戦略
- 運営体制の構築
- 分析と対策を継続
ターゲット層を考えたうえで、ブランディングや採用促進など目的を明確にしながら、どんな情報を発信するのか決めていきます。
また、メディアを作成するためにはさまざまな運営体制の構築が必要です。
社内チームを組むのか、外部に依頼するのがよいか企業の状況によって選択しましょう。
継続的な集客のためには、情報発信を続けるだけでは確実とはいえません。
ユーザーの反応を分析したうえで、発信するコンテンツ内容や頻度など、適切な対策をし続けることが大切です。
BtoB・BtoC企業注目!オウンドメディアの作り方
オウンドメディアの作り方は、下記のようになります。
- 運用の目的を明確にする
- ターゲットを決める
- メディア戦略を立てる
- サイトを制作する
- SNSと連携させる
- コンテンツを制作する
- 効果計測をする
- データをもとに改善する
- 競合サイトを分析する
- 実行・計測・分析・改善を継続させる
運用の目的を明確にする
オウンドメディアを作る際には、運用の目的を明確にしましょう。
最初に目的を明確にすることで、オウンドメディアのターゲット・目標数値・戦略などを決めることができるからです。
例えば離職率が高く、ミスマッチが多い企業がオウンドメディアを作るとします。
その場合、どのような人材を求めているのかで、採用者のターゲットが決まってきます。
ターゲットが決まれば、どのようなコンテンツを用意すれば求める人材に見てもらえるかなどの戦略を考えることができますよね。
このように、最初に目的を明確にすることでオウンドメディアのターゲット・目標数値・戦略などを決めることができます。
ターゲットを決める
オウンドメディアを運営するときにはターゲットを決めることも必要です。
ターゲットユーザーによって、施策が変化するからです。
例としてアウトドアグッズの販売をしている企業を見てみましょう。
ターゲットが初心者なのか、上級者なのかによって、内容も変わってきますよね。
初心者の場合、キャンプ入門の知識を必要としています。
そのため、初心者でも安心なキャンプ場や必要な道具などを紹介したコンテンツを作ることになります。
また、上級者には穴場スポットや、よりレベルの高い道具の紹介などのコンテンツが必要になるでしょう。
このように、ターゲットユーザーによって必要な情報が変わってきますので、施策も変化していきます。
できればより詳細なペルソナを作成して施策を考えましょう。
メディア戦略を立てる
オウンドメディアを運用するにあたり、メディア戦略を立てることも重要です。
メディア戦略を立てないと、施策内容がブレるからです。
戦略を立て、何をもって成果とするのか、どのような懸念があるのかを考えることで施策内容を定めることができます。
実際、戦略を立てずにオウンドメディアを運用すると、いろいろな情報を詰め込みすぎて結局すべてが中途半端になってしまいますよね。
それでは何のためにオウンドメディアを運用しているのかが、わからなくなってしまいます。
メディア戦略を立てて、方向性を決定しましょう。
サイトを制作する
メディア戦略まで立てたら、次はサイト制作です。
サイト製作には2つの方法があります。
- 製作会社に依頼する
- 自社でチームを作って製作する
自社で製作するのもよいですが、製作会社に依頼することをおすすめします。
なぜなら、デザイン・企画・システム開発など、専門的な知識が多く必要になるからです。
自社で製作すると、それぞれの担当が1つのチームになってオウンドメディアを立ち上げなければいけません。
それでは時間も労力もかかってしまいますよね。
製作会社ですと、ノウハウもありますし、運用の成功実績もあります。
そのため、オウンドメディア運用の成功の近道になります。
サイト制作は制作会社に依頼しましょう。
なお、制作会社には例として下記のようなものがあります。
【制作会社の例】
会社名 | 特徴 | 価格 |
---|---|---|
MOLTS | ・実務経験が豊富なプロフェッショナルがクライアントに合わせて最適な施策を選択して実行してくれる | ・コンサルティング/インハウス化ー400,000円~ ・運用及び施策代行ー10,000,000円 |
Neutral Works | ・自社のオウンドメディアで実績がある ・SEOを考慮した構成案を作成 ・ユーザーに記事を読ませるUI設計 | ・オウンドメディア構築費用ー2,000,000円~ |
GP-ONLINE | ・WebソリューションとDXソリューション、2つのデジタルの力を用いてお客さまのビジネスを支援 | 要問合せ |
また、費用の相場としては下記のようになります。
- サイトだけの作成ー500,000円前後
- コンテンツの設計から依頼ー1,000,000円~2,000,000円以上
その他に、運用費用として月額数千円〜数万円も必要です。
どの程度の作業を依頼するのかにもより、費用が大きく変わってきます。
まずは制作会社に問い合わせて相談してみましょう。
SNSと連携させる
オウンドメディアを運用する際には、SNSと連携させることも重要です。
SNSの利用者数は非常に多く、一定の流入を見込めるからです。
事実、総務省のソーシャルネットワーキングサービスの利用状況は以下のような結果になっています。
年齢階層別ソーシャルネットワーキングサービスの利用状況
総務省|インターネットの利用状況(2022年5月21日)
全体で73.8%(2020年)n=31,958
2020年のSNSの利用状況は、73.8%(31,958人中、約23,585人)と非常に高い数字です。
そして日本の人口は以下のようになっています。
2020年(令和2年)12月1日現在(概算値)
総務省統計局|人口推移ー2020年(令和2年)12月報ー(2022年5月22日)
<総人口>125,710,000人
つまり単純計算で92,773,980人もの人がSNSを利用していることになります。
このように、多くの人がSNSを利用している現代においては、オウンドメディアをSNSと連携させるべきでしょう。
SNSと連携させて、情報を広く発信しましょう。
コンテンツを制作する
コンテンツ制作におけるポイントのひとつにキーワードの選定があります。
なぜポイントかというと、ユーザーはキーワード検索からアクセスするからです。
実際に、調べものをする場合多くの人がキーワードで検索をしますよね。
では、『北海道へ旅行』を具体例に挙げ、サイトにアクセスするまでの流れを説明します。
旅行プランや旅費を知りたいとき、検索キーワードは『北海道』『旅行』『交通費』『予算』などで調べますよね。
すると、旅行プランを掲載している旅行会社がヒットします。
また、旅先での滞在スケジュールを考える場合のキーワードは『北海道』『旅館』『グルメ』『観光』などです。
そうすると、観光案内やグルメ情報を掲載している旅サイトなどがヒットします。
このように、ユーザーは調べたいものをいくつかのキーワードで検索し、知りたい情報があるサイトへアクセスします。
つまり、サイト側はユーザーが検索しそうなキーワードを予想することが重要です。
したがって、サイトへのアクセスを増やすには適切なキーワードを設定することがポイントになります。
自社サイトのターゲット層を決め、検索の可能性があるキーワードを使ってSEO対策をおこないましょう。
以上のことから、コンテンツの制作にはキーワードの選定が重要といえます。
効果計測をする
効果計測をすることで、原因と改善がわかります。
その理由は、どの程度結果につながったかを計測するからです。
例えば、インテリアを取り扱うECサイトがオウンドメディアを作った場合で解説します。
目的は自社商品の売上増加です。
効果を比較するため、2つのパターンを同じ期間掲載し計測します。
【オウンドメディアの効果計測】
内容 | 結果 | |
---|---|---|
パターンA | 新商品の紹介 | 売上は以前と変わらなかった |
パターンB | 商品の使い方の紹介 | 売上の増加が見込めた |
この表から効果計測により以下のように読み取れます。
- 原因:商品の紹介だけでは使う場面をイメージしにくい
- 改善:インテリアコーディネートをしたり、実際に部屋に置いたイメージ写真を掲載したり、商品を使うシーンがわかる内容にする
このように、どの要因がどのような結果をもたらしたかを測定します。
そうすることで、原因や改善を読み取ることができるのです。
以上の理由から、効果測定をすると原因と改善が見つけられます。
データをもとに改善する
データをもとに改善することは、ターゲット層にマッチすることにつながります。
なぜなら、データからユーザーの興味や関心、行動を読み取ることができるからです。
例えば、どこからのアクセスが多いかをデータで調べるだけでも改善点を見つけることができます。
具体例を挙げて説明します。
メディアへの流入がキーワード検索から30%、SNSから70%だとします。
ここからわかることは、設定したキーワードがユーザーの検索ワードとズレている可能性があるということです。
また、SNSから流入が多いということは、スマホ向けのデザインに変更することが必要なのかもしれません。
このように、データからユーザーの傾向や行動パターンを読み取ることで、それに合わせた改善策を見つけることができます。
なお、データの確認方法はGoogle Analyticsの利用がおすすめです。
その理由は無料で利用でき、分析データの種類が多いからです。
事実、Google Analyticsは経済産業省から以下のとおり推奨されています。
Google Analyticsはアクセス分析ツールにおけるデファクトスタンダードであることから知見について巷間に豊富であり、利用経験者も多数存在することから、汎用性の観点で採用優先度を高めても差し支えないと判断した。
引用元:経済産業省|デジタルプラットフォーム構築事業報告書(2022年5月27日時点)
このようなツールを使い、データをチェックしましょう。
以上の理由から、データをもとに改善をすることでユーザーのニーズに合うコンテンツに近づけます。
競合サイトを分析する
競合サイトを分析することで自社メディアの強みや特徴がわかります。
なぜなら、市場の規模や既存サイトの特徴が分析できるからです。
例えば、自社メディアの競合サイトがフリマアプリで有名な株式会社メルカリのオウンドメディアmercan(メルカン)であったとします。
まずは、mercanについて分析します。
【mercanについて】
目的 | 採用やブランディング |
コンセプト | メルカリの人を伝える |
方針 | 1.メルカリだからこそメディアをもつ 2.毎日更新。 最悪一人でもまわせる 3.点在する情報を集約。 ここを見ればメルカリがわかる状態にする 4.PVは共有するが追わない。 社員へのシェア教養はしない |
更新頻度/年間記事本数 | 毎日/350本以上 |
成果 | 採用:コンテンツを読んだ人が応募し、採用に成功 認知拡大:記事が新聞に取り挙げられる 月間PV:約300,000~350,000PV |
このように競合サイトを分析すると、自社サイトでは以下のような提案ができます。
- 認知度アップのため、コンテンツの更新を1日2本
- SNSを連携させ間口を広くする
- 採用アップのために、社内の案内動画やイベントの紹介
など、競合サイトにはない自社の特徴が見つかります。
他にも、どの程度採用に前向きな人材がいるか、どのような人材がいるのかを知ることもできるのです。
そうすることで、競合サイトと差別化ができ、自社サイトならではの特徴をアピールすることが可能になります。
このことから、競合サイトを分析することで自社メディアの強みや特徴がわかるのです。
実行・計測・分析・改善を継続させる
実行・計測・分析・改善を継続しておこなうことで、ユーザーにとって質の高いメディアが作れます。
なぜなら、テストを重ねその都度繰り返し改善をおこなうからです。
例えば、ロングヒット商品の開発過程でも同じことがいえます。
【実行・計測・分析・改善の例】
実行:ターゲットに向けた商品の販売計測:商品がどの程度売れたか・顧客からの口コミやリピート率分析:他店の類似商品を分析し、自社商品の強みや弱みを見つける改善:より品質が上がるよう改良をする
このようにロングヒット商品を作るには、繰り返し改良をおこない商品の品質向上に努め、顧客の満足度をあげることが重要です。
つまり、オウンドメディアもロングヒット商品を作ることと同じです。
より多くの人に長く利用されるメディアを作るには、ユーザーのニーズを満たす
ことが必要になります。
したがって、実行・計測・分析・改善を繰り返しおこなうことで質の高いオウンドメディアが作れるのです。
成果はすぐに出ない!オウンドメディアの注意点
オウンドメディアの注意点は8つあります。
- KGI・KPIを適切に設定する
- 目的とKPIに沿った運用を実行する
- ユーザー・企業の悩みを解決するコンテンツ作りをする
- コンテンツに独自性を持たせる
- 効果が出るまでに時間がかかる
- 初期費用と運用コストがかかる
- コンテンツ担当者が必要になる
- 持続可能な組織体制を構築する
KGI・KPIを適切に設定する
KGI(目的)とKPI(成果指標)を適切に設定することが大切です。
目的・KPIを決めず、曖昧な理由のままオウンドメディアを運用すると、運用計画に大きな支障が出ると考えられるからです。
例えばKPIを『月間アクセス100万』にしたとします。
数字で明確に目標設定を行えば、『達成で成功・未達で失敗』と誰でも瞬時に判断できますよね。
しかし『月間アクセス100万』というKPIを設定していない場合だと、達成数値によっては成功・失敗の判断が人によって分かれます。
想像してみてほしいのですが、達成値が50万アクセスなのであれば、成功か失敗かは人によって判断が分かれるハズ。
月間50万アクセスという数字は、客観的に見て十分に多いからです。
事前に『KPIは月間アクセス100万』という明確な基準を設けていなければ、人によっては「十分に成功だろ」と判断してしまいます。
そして問題はココからで、人は『自分の取り組みが成功したか失敗したのか』で、その後の取り組み方に変化が生じます。
成功したのであればその次のステップに進みますし、失敗したのであれば危機感をもってブラッシュアップした施策を実行するからです。
取り組む内容・方向性がそれぞれ異なるのですから、長期的に見たときに得られる成果は変化しますよね。
それが運用計画に大きな影響をもたらすことは容易に想像できます。
取り組む内容やその方法によっては非効果的・非効率的、最悪の場合だと無駄になるかもしれません。
オウンドメディアで結果を出すのにはただでさえ時間がかかるわけですから、このような事態は何としても回避しなくてはなりません。
したがってオウンドメディアを運用する際は必ずKGI・KPIを設定しましょう。
そうすればオウンドメディアを最短最速でマネタイズ化することも夢ではありません。
目的とKPIに沿った運用を実行する
KGIとKPIを設定したら、設定した内容に沿って正しく運用することが重要です。
ただ闇雲にコンテンツを作成しても、目的に合ったコンテンツが作られていなければ、成果を出すことができません。
例えば『企業の知名度向上』を目的として設定した場合で考えてみましょう。
企業の知名度を上げるには、まず企業自身のことを知ってもらわなければいけません。
具体的には、どのような商品を作っているのか、どのようなサービスを提供しているかなどです。
ですが、ただ商品やサービスを紹介するだけではユーザーの記憶には残らず、アクセス数も伸びないでしょう。
なぜならネットワークには様々な企業のオウンドメディアがあり、ユーザーは自分が興味を持ったサイトのみアクセスするからです。
なので他社のオウンドメディアと差別化を図らないといけません。
さらにユーザーが興味を引くようなコンテンツを作成する必要があります。
具体的な運用方法として「KPIツリー」があります。
これは設定した目的を達成するために、プロセスを段階ごとに分け、順に達成していく方法です。
段階を踏んで目的に近づいているか確認することで、道を誤っていた場合でも、途中で気づくことができます。
KPIツリーなどを使用し、KGIとKPIを適切に設定することで、オウンドメディアが成功する確率が高くなるでしょう。
ユーザー・企業の悩みを解決するコンテンツ作りをする
オウンドメディアでは、ユーザーや企業の悩みを解決するコンテンツ作りをする必要があります。
悩みごとを解決するコンテンツを作成しないと、ユーザーはアクセスしてくれず、企業もKGIを達成することができません。
例えば『採用活動の強化』を目的としていた場合、経営理念や雰囲気など、ユーザーとミスマッチしやすい部分をコンテンツ化することで自社に合う人材を集めやすくなります。
具体的な例としては株式会社LINEの「OnLINE」があります。
OnLINEでは社内の雰囲気や、実際に働いている人の紹介記事を作成し、求職者が実際にLINEでどのように働けるのか、イメージしやすいようになっています。
また、『たくさんのWOWへとつながるように』をコンセプトに掲げており、OnLINEを通じてチャレンジ精神がある人材を求めていることを呼びかけています。
企業側は自社に合った人材を確保することができ、ユーザー側も入社後のミスマッチを感じることなく働くことができます。
企業が抱える悩みを目的化し、ユーザーが必要とする情報を提供することで、企業とユーザーの良好な関係を築くことができたオウンドメディアの成功例です。
このように、ユーザーが求めている情報をコンテンツ化することが結果的にKGI達成につながり、オウンドメディアが成功する秘訣といえます。
自社の目的とユーザーのニーズを擦り合わせながらコンテンツを作成していきましょう。
コンテンツに独自性を持たせる
作成するコンテンツはオリジナリティーを持たせることが重要です。
オウンドメディアは様々な企業が取り組んでおり、独自性がなければユーザーにアクセスしてもらえない可能性があるからです。
独自性を持たせた具体的な例として「LIGブログ」があります。
「LIGブログ」は株式会社LIGが運営しているオウンドメディアで、実際に働いている社員がその月に学んだことを執筆し、情報発信しています。
サラリーマンブログとも呼ばれ、専門性の高いコンテンツ記事で注目を集め、Web制作に興味があるユーザーを中心に知名度を高めていきました。
このように他の企業にはなく、ユーザに興味を持ってもらえそうなコンテンツを作ることがオウンドメディアには重要です。
まずは自社だからできる商品やサービスが何か考えてみましょう。
効果が出るまでに時間がかかる
1つ目は、効果が出るまでに時間がかかるという点です。
なぜなら、新規コンテンツはGoogleに評価されるまでに時間がかかるからです。
Google検索セントラルでは、SEOの効果が出るまでには4か月〜1年かかると記載されています。
成果が出るまで時間がかかることを忘れないでください。変更に着手してからメリットが得られるようになるまで、通常は 4 か月から 1 年かかります。
Google 検索セントラル | SEOとは (2022年5月30日)
どんなにSEO対策をしっかりと講じ上位表示を狙っても、Googleに評価されるまでに最低4か月はかかるということです。
当然、上位表示されなければ多くの人の目には留まりません。
広く見てもらうことができなければ、効果も上がりませんよね。
そのため、効果が出るまでには時間がかかるということになります。
初期費用と運用コストがかかる
次に、初期費用と運用コストがかかるという注意点があります。
社内にオウンドメディアに精通した人材がいない場合、制作会社に依頼することになるからです。
実際にオウンドメディアの立ち上げを制作会社に依頼すると、最低でも500,000円は必要になります。
また、運用するのにも、月額数万円〜数十万円が必要になります。
月額費用の内訳は下記のとおりです。
- コンテンツ制作費(1記事10,000円~100,000円程度)
- サーバー代(月額:数千円~50,000円程度)
- ドメイン代(年間:100円~数千円程度)
定期的にコンテンツを更新し、新しい情報を公開することで、オウンドメディアの効果が表れます。
そのため、月額経費も必要不可欠です。
自社でオウンドメディアのチームを作っても、社内人件費はかかります。
また、専門の知識が不足している場合は結局外注になってしまい、費用が余計にかかってしまうという懸念もあります。
このように、オウンドメディア運用には、初期費用と運用コストがかかることを覚えておきましょう。
コンテンツ担当者が必要になる
オウンドメディアを運用するにあたり、コンテンツ担当者が必要になります。
コンテンツ担当者を置くことで、コンテンツに統一性が生まれるからです。
例えばコンテンツ担当者を置かず、全社員が自由に投稿・更新できたとします。
そうすると、下記のようなことが起こり得ます。
- 同じような内容のコンテンツが投稿されてしまう
- まったく関係のない内容のコンテンツになってしまう
- レギュレーションがないため記事の質がバラバラになってしまう
- 主張内容が食い違ってしまう
- 更新頻度が偏ってしまう
このように、様々な問題が生じてしまいます。
このような問題が起きないためにも、コンテンツ担当者を置き、内容を把握することが必要です。
持続可能な組織体制を構築する
オウンドメディアを運用する際には、持続可能な組織体制を構築することも重要です。
持続可能な組織体制を有していなければ、オウンドメディアの長期的な成長を実現できないからです。
例えばメンバーがドンドンやめてしまい、投稿・更新頻度がおろそかになってしまうとオウンドメディアのコンテンツ量・質が低下しますよね。
ユーザーにとって、訪れるたびに新しく質の高いコンテンツが投稿されているオウンドメディアは魅力的です。
逆に、いつ訪れてもコンテンツが更新されていなければ、ユーザーは離れていってしまうでしょう。
オウンドメディアを長期的に成長させたいのであれば、魅力的なコンテンツを定期的に発信していかなければいけません。
メンバーの入れ替わりが激しいと、そのようなオウンドメディアを運用することは難しいですよね。
そのため、持続可能な組織体制を構築する必要があります。