東京都内で人材確保や働き方改革に取り組む中堅・中小企業にとって、テレワーク環境の整備は避けて通れない経営課題となっています。
東京都と公益財団法人東京しごと財団は、テレワークの導入から定着までを支援するため「テレワークトータルサポート助成金」を実施しています。
この制度の最大の特徴は、常時雇用労働者数に応じて最大250万円までの助成を受けられる点にあります。
パソコンやタブレットの導入費用、VPN設定費用など、テレワーク環境構築にかかる幅広い経費が助成対象となります。
本記事では、テレワークトータルサポート助成金の対象者や申請方法、申請時の注意点について詳しく解説します。
テレワークトータルサポート助成金の基本情報
| 制度名 | テレワークトータルサポート助成金 |
| 対象地域 | 東京都内 |
| 実施機関 | 公益財団法人東京しごと財団(東京都) |
| 対象者 | 都内に本社または事業所を置く、常時雇用労働者2〜999人の中堅・中小企業等 |
| 対象業種 | 業種の制限なし(ほぼ全業種が対象) |
| 対象経費 | テレワーク環境整備に係る情報通信機器等の導入費、パソコン・タブレット設置設定費、VPN設定費 |
| その他要件 | テレワーク相談窓口の利用、過去の受給歴がないこと等 |
| 補助対象外 | 相談窓口未利用の経費、募集要項に定める対象外経費等 |
| 申請期間 | 2026年5月29日〜2027年2月5日(予算上限に達し次第終了) |
| 上限金額 | 150万円(2〜29人)/250万円(30〜999人) |
| 補助率 | 2/3または1/2 |
| 問い合わせ先 | 公益財団法人東京しごと財団 企業支援部 雇用環境整備課 テレワーク支援係(03-5211-5200) |
補助金・助成金の正式名称
本制度の正式名称は「テレワークトータルサポート助成金」です。
東京都が推進する「テレワークトータルサポート事業」の一環として、公益財団法人東京しごと財団が運営しています。
申請前には東京都が実施するテレワーク相談窓口の利用が必須要件となっている点に注意が必要です。
対象都道府県・市区町村
対象地域は東京都内に限定されています。
都内に本社または事業所を置いていることが申請の前提条件です。
都外に本社を置く企業であっても、都内に事業所があれば対象となる可能性があるため、詳細は募集要項で確認しましょう。
実施機関
実施機関は公益財団法人東京しごと財団です。
東京都から事業を受託し、企業支援部雇用環境整備課が窓口となって運営しています。
申請前の相談から助成金交付まで一貫してサポートを受けられる体制が整っています。
対象者(世帯・個人事業主・法人・団体・研究機関)
対象者は、都内に本社または事業所を置く中堅・中小企業等です。
常時雇用する労働者数が2人以上999人以下であることが条件となります。
個人事業主単独(従業員なし)や999人を超える大企業は対象外となるため注意しましょう。
また、東京都が実施する「テレワーク相談窓口」を利用していることも必須条件です。
対象業種
対象業種には特段の制限が設けられていません。
製造業、情報通信業、卸売業・小売業、医療・福祉など、ほぼすべての業種が対象に含まれています。
業種を問わず幅広い企業がテレワーク環境整備に活用できる制度といえます。
対象経費
対象経費は、在宅勤務やモバイル勤務を可能にする情報通信機器等の導入費用です。
具体的には、パソコンやタブレットなどの端末購入費、ネットワーク機器の導入費用が含まれます。
パソコン設置・設定、タブレット設定、VPN設定に関する委託費も一部助成対象となります。
ただし委託費については機器1台あたり3万円、VPN設定は1申請につき15万円という上限が設けられています。
その他要件
過去にテレワークトータルサポート助成金を受給した実績(受給予定を含む)がないことが要件です。
申請前に東京都のテレワーク相談窓口を利用し、コンサルティングを受けることが必須となっています。
その他にも細かな要件があるため、必ず募集要項で最新の内容を確認してください。
補助対象外となるもの
テレワーク相談窓口を利用せずに導入した機器の費用は対象外です。
委託費のうち募集要項で定める3種類以外の費用は助成対象外とされています。
私的利用が目的の機器や、業務との関連性が不明確な経費も対象外となる可能性が高いため注意しましょう。
申請期間
申請受付期間は2026年5月29日から2027年2月5日までです。
予算の上限に達し次第、期間内であっても受付が終了する可能性がある点に注意が必要です。
申請を検討している場合は、早めにテレワーク相談窓口へ問い合わせることをおすすめします。
上限金額・助成額
助成額は常時雇用労働者数によって2区分に分かれています。
常時雇用労働者数が2〜29人の場合は上限150万円、30〜999人の場合は上限250万円までの助成を受けられます。
従業員規模が大きいほど、活用できる助成額の上限も高くなる仕組みです。
補助率
補助率も従業員規模に応じて異なります。
常時雇用労働者数2〜29人は補助率2/3、30〜999人は補助率1/2となっています。
小規模な事業者ほど自己負担割合が少なく済む設計になっている点が特徴です。
問い合わせ先
問い合わせ先は公益財団法人東京しごと財団 企業支援部 雇用環境整備課 テレワーク支援係です。
電話番号は03-5211-5200で、平日9時から17時まで対応しています(12時〜13時、土日祝、年末年始を除く)。
問い合わせの際は「テレワークトータルサポート助成金」の名称を伝えるとスムーズです。
公式公募ページと確認すべきこと
最新の要件や申請様式は、必ず公式の公募ページで確認してください。
Jグランツの公募詳細ページでは、申請受付状況や補助上限額などの最新情報を確認できます。
より詳しい応募要件や様式は、テレワークトータルサポート助成金の公式募集要項ページで公開されています。
申請前には必ずテレワーク相談窓口の利用が必要なため、まずは公式サイトから予約することをおすすめします。
テレワークトータルサポート助成金を対象者が活用すべき理由(メリット)
テレワークトータルサポート助成金を活用する最大のメリットは、自己負担を抑えながらテレワーク環境を整備できることです。
補助率が最大2/3のため、初期投資のハードルを大きく下げられます。
また、東京都のテレワーク相談窓口による専門コンサルティングを無料で受けられる点も見逃せません。
自社に合った機器選定や運用方法について、外部の専門知見を取り入れながら導入を進められます。
テレワーク環境の整備は、働き方改革や人材採用力の強化にもつながる重要な投資といえるでしょう。
テレワークトータルサポート助成金を申請すべき人とそうでない人の特徴
- 申請すべき人
- 見送ったほうが良い人の特徴
申請すべき人
- 都内でテレワーク導入を検討している中堅・中小企業
- 常時雇用労働者数が2〜999人の範囲に該当する企業
- 在宅勤務やモバイルワークの環境整備にまとまった初期費用がかかる企業
- 専門家のコンサルティングを受けながら制度活用を進めたい企業
見送ったほうが良い人の特徴
- 常時雇用労働者がいない、または1人以下の個人事業主
- 都外にのみ拠点を置き、都内に事業所がない企業
- テレワーク相談窓口の利用や書類準備に時間を割けない企業
- 助成対象経費以外の投資(人件費等)を中心に検討している企業
その他にも利用すべき補助金・助成金制度の代表例
- 新事業進出補助金
- ものづくり補助金
- 中小企業省力化投資補助金
- 小規模事業者持続化補助金
新事業進出補助金
新市場・新分野への進出を伴う思い切った事業転換を支援する制度です。
大規模な投資を伴う新規事業展開を検討している企業にとって心強い選択肢となります。
ものづくり補助金(革新的新製品・サービス枠)
革新的な製品・サービス開発や生産プロセスの改善に取り組む中小企業を支援する制度です。
設備投資を伴う技術革新を目指す事業者から高い人気を集めています。
中小企業省力化投資補助金
人手不足解消に向けた省力化設備の導入を後押しする制度です。
カタログ形式の製品から選ぶだけで申請できる手軽さも魅力です。
小規模事業者持続化補助金
小規模事業者の販路開拓や業務効率化の取り組みを支援する制度です。
比較的少額から活用しやすく、初めて補助金に挑戦する事業者にもおすすめです。
テレワークトータルサポート助成金の申請に必要なもの
- 申請に必要な書類一覧と取得方法
- 記載例はどこで確認できるか
申請に必要な書類一覧と取得方法
申請にはテレワーク相談窓口の利用実績や見積書、会社概要資料など複数の書類が必要です。
- テレワーク相談窓口の利用実績が分かる資料
- 導入予定機器の見積書
- 会社案内・登記事項証明書等の企業概要資料
- 雇用保険の加入状況が分かる書類
- Jグランツ電子申請用のGビズIDプライム
各書類は税務署や法務局、金融機関、GビズIDの公式サイト等でそれぞれ取得・発行が可能です。
記載例はどこで確認できるか
申請様式の記載例は、テレワークトータルサポート助成金の公式募集要項ページ内の申請様式で確認できます。
不明点があれば、テレワーク相談窓口の担当者に直接質問できるのも安心材料です。
テレワークトータルサポート助成金の採択率を上げる事業計画書の作り方
- 市場性を具体的に書く
- 差別化ポイント(自社と他社の違い)を明確に記載
- この制度を利用する必要性・重要性を記載
- 実行体制を明記する
市場性を具体的に書く
自社が置かれている採用市場や労働環境の動向を、できるだけ具体的な数字で示すことが重要です。
離職率や求人応募数の推移など、客観的なデータを添えると説得力が増します。
差別化ポイント(自社と他社の違い)を明確に記載
同業他社と比較して、自社ならではの働き方や強みを整理しておきましょう。
テレワーク導入によって実現できる独自のサービス体制や生産性の向上をアピールすることがポイントです。
この制度を利用する必要性・重要性を記載
なぜ今、自己資金ではなく本助成金を活用する必要があるのかを具体的に説明します。
早期のテレワーク環境整備が事業継続や人材確保にどう直結するかを論理的に示すことが評価につながります。
実行体制を明記する
導入後の運用担当者や管理体制を明確にしておくことも欠かせません。
誰がいつまでに何を実行するのか、スケジュールとあわせて記載すると審査担当者に伝わりやすくなります。
テレワークトータルサポート助成金の申請手順
- 東京都のテレワーク相談窓口の申込ページからテレワーク相談窓口に申し込む
- 担当コンサルタントによるヒアリング・アドバイスを受ける
- 導入する機器やサービスを選定し、見積書を取得する
- GビズIDプライムを取得し、Jグランツのアカウントを準備する
- Jグランツの公募詳細ページから必要書類を確認し、申請フォームを作成する
- Jグランツ上で電子申請を行う
- 審査結果の通知を受け、交付決定後に機器を導入する
- 実績報告書を提出し、助成金の交付を受ける
テレワークトータルサポート助成金を自社で申請する際の注意点
まず、テレワーク相談窓口の利用が申請の前提条件であるため、コンサルティングを受けないまま申請を進めることはできません。
次に、交付決定前に機器を発注・購入してしまうと、原則として助成対象外になってしまう点に十分注意しましょう。
さらに、予算の上限に達すると期間内であっても募集が締め切られるため、準備が整い次第早めに動くことが望まれます。
最後に、委託費には細かな上限額が設定されているため、見積段階から募集要項の条件を丁寧に確認することが欠かせません。
自社に申請ノウハウが無い場合は専門家に依頼するのもおすすめ
- 制度選定の精度が上がる
- 事業計画の質が上がる
- 採択後の実務まで見据えられる
制度選定の精度が上がる
数ある補助金・助成金の中から自社に最適な制度を見極めるには専門的な知識が求められます。
専門家に相談することで、複数の制度を比較しながら最も有利な選択肢を選びやすくなります。
事業計画の質が上がる
採択されやすい事業計画書には、一定の型やロジックの組み立て方があります。
専門家の知見を借りることで、自社だけでは気づきにくい訴求ポイントを盛り込めます。
採択後の実務まで見据えられる
採択後には実績報告や経費精算など、細かな事務手続きが数多く発生します。
申請段階から専門家に伴走してもらうことで、交付後の実務トラブルを未然に防ぎやすくなります。
テレワークトータルサポート助成金を不正受給するとどうなるのか
- 助成金の返還と事業者名の公表というリスク
- 行政機関への情報提供という選択肢
助成金の返還と事業者名の公表というリスク
虚偽の申請内容や不正な手段で助成金を受給した場合、交付決定の取り消しと全額返還を求められます。
悪質なケースでは事業者名が公表され、加算金を含めた返還が命じられることもあります。
東京しごと財団や東京都との今後の取引・助成金申請にも大きな支障が生じるおそれがあります。
行政機関への情報提供という選択肢
不正受給が疑われる事案については、誰でも実施機関や所管の行政機関に情報提供を行うことができます。
制度の公平性を保つためにも、正しい手続きに沿って申請することが何より大切です。
テレワークトータルサポート助成金のまとめ
テレワークトータルサポート助成金は、東京都内の中堅・中小企業がテレワーク環境を整備する際に活用できる心強い制度です。
最大250万円、補助率2/3までの助成を受けられる一方、申請前のテレワーク相談窓口の利用など独自の要件がある点には注意が必要です。
最新の募集状況や必要書類については、Jグランツの公募詳細ページやテレワークトータルサポート助成金の公式募集要項ページで必ず確認してから申請を進めましょう。
-1200-x-400-px-3.png)
