国のキャリアアップ助成金(正社員化コース)で正社員へ転換した従業員について、東京都から上乗せの助成を受けられるのが「東京都正規雇用転換安定化支援助成金」です。
令和8年度第3回の受付は2026年7月31日で終了し、現在は第4回(2026年8月1日〜8月31日)の交付申請受付期間中です。
この記事では、東京都が公開している交付要綱とTOKYOはたらくネットの情報をもとに、自社と対象労働者が要件を満たすか、いくら受給できるか、8月31日までに何を用意すべきかを判断できるように整理します。
令和8年度は第4回が受付中|2026年8月31日が交付申請の締切
本助成金は年6回の受付が設定されており、回ごとに「交付申請受付期間 → 3か月の支援期間 → 実績報告受付期間」が固定されています。どの回で申請するかによって、支援事業を実施する時期と実績報告の締切がそのまま決まります。
令和8年度 第1回〜第6回の日程一覧
| 申請回 | 交付申請受付期間 | 支援期間 | 実績報告受付期間 |
|---|---|---|---|
| 第1回 | 5月1日(金)〜5月31日(日) | 7月1日〜9月30日 | 10月1日(木)〜10月25日(日) |
| 第2回 | 6月1日(月)〜6月30日(火) | 8月1日〜10月31日 | 11月1日(日)〜11月25日(水) |
| 第3回 | 7月1日(水)〜7月31日(金) | 9月1日〜11月30日 | 12月1日(火)〜12月25日(金) |
| 第4回(受付中) | 8月1日(土)〜8月31日(月) | 10月1日〜12月31日 | 1月1日(金)〜1月25日(日) |
| 第5回 | 9月1日(火)〜9月30日(水) | 11月1日〜1月31日 | 2月1日(月)〜2月25日(木) |
| 第6回 | 10月1日(木)〜10月31日(土) | 12月1日〜2月28日 | 3月1日(月)〜3月16日(火) |
受付時間は平日の8時30分から17時15分までで、12月29日から1月3日は除かれます(TOKYOはたらくネット)。第4回の実績報告受付期間は1月1日からとなっており、年末年始の窓口休止期間と重なる点に注意してください。
第4回で申請した場合に確定する3つの日付
- 2026年8月31日:交付申請の締切。郵送の場合は受付期間終了日までの消印有効ですが、料金後納郵便など消印がない場合は到着日で判定されます
- 2026年10月1日〜12月31日:支援期間。指導育成計画の策定、メンターによる3回・3日以上の指導、研修の実施、加算対象の制度整備をすべてこの3か月に収める必要があります
- 2027年1月1日〜1月25日:実績報告受付期間。ここで報告を出さなければ助成金は交付されません
制度整備加算をねらう場合、就業規則等を労働基準監督署へ届け出るところまでを12月31日までに終える必要があります。年末は監督署の窓口が混み合うため、10月・11月のうちに届出まで完了させる想定で逆算するのが現実的です。
予算到達による早期終了と、第5回・第6回を選ぶ判断
東京都は「予算の範囲を超えた場合は、年度途中であっても申請受付を終了することがある」と明記しており、受付終了時はTOKYOはたらくネットで案内されます。第5回・第6回に回す判断をする場合は、申請前にホームページで受付状況を確認してください。
また第6回は実績報告受付期間が3月1日〜3月16日と他の回より短く設定されています。書類の差し替えに使える余白が小さいため、準備が整っている企業ほど早い回で申請しておくほうが安全です。
東京都正規雇用転換安定化支援助成金の基本情報
| 正式名称 | 東京都正規雇用転換安定化支援助成金(令和7年度までは「東京都正規雇用等転換安定化支援助成金」) |
| 実施機関 | 東京都産業労働局雇用就業部(受付窓口:東京都正規雇用化推進窓口/ハローワーク新宿5階) |
| 対象地域 | 東京労働局管内に雇用保険適用事業所を有する事業主 |
| 対象者 | キャリアアップ助成金(正社員化コース)の支給決定を東京労働局長から受けた中小企業事業主 |
| 対象業種 | 業種による限定はなし。ただし風俗営業等を行う事業主は対象外 |
| 助成対象の取組 | 3年間の指導育成計画の策定、メンターの選任と3回・3日以上の指導、研修の実施(+退職金・結婚育児・介護の各制度整備、賃上げの加算) |
| 申請期間 | 令和8年度第4回:2026年8月1日〜8月31日(第1回〜第6回まで設定) |
| 支援期間 | 第4回:2026年10月1日〜12月31日(3か月間) |
| 助成額 | 対象労働者1人20万円(最大5人・100万円)+加算最大90万円=最大190万円 |
| 助成の方式 | 経費に対する補助率を定めた制度ではなく、対象人数と加算要件に応じた定額助成 |
| 申請方法 | 電子申請(Jグランツ)または郵送。FAX・メールでの受付は不可 |
| 問い合わせ先 | 東京都正規雇用化推進窓口 03-6205-6730(平日8時30分〜17時15分) |
交付対象事業主かどうかを判定する(交付要綱第4条)
交付要綱第4条は、交付対象事業主の要件を10号にわたって列挙し、「次の各号を全て満たしているもの」と定めています。1つでも欠けると対象になりません。
まず確認する3つの前提条件
- 中小企業事業主であること(中小企業の範囲は国の正社員化コースの定めと同じ)
- 東京労働局管内に雇用保険適用事業所があること
- 令和5年4月1日以降に交付対象労働者を転換等し、東京労働局長からキャリアアップ助成金(正社員化コース)の支給決定を受けていること
交付要綱が求めているのは「東京労働局管内に雇用保険適用事業所があること」であり、本社の所在地についての規定は置かれていません。逆に、本社が都内にあっても対象労働者が勤務する事業所が都外であれば要件を満たさない構造になっています。
あわせて、交付申請日の時点で、正社員化コースで転換等をした労働者が在職し、支援可能な状況であることも要件です(第4条第1項第4号)。支援期間に入る前に対象者が退職した場合は申請できません。
見落とされやすい要件|法人都民税・法人事業税の未納と東京都政策連携団体
交付要綱には、雇用面とは無関係に見える要件も含まれています。
- 法人都民税および法人事業税(個人事業主の場合は個人都民税および個人事業税)の未納がないこと。要綱は「納付義務があるにもかかわらず未納付がある場合」を未納と定義しています
- 東京都政策連携団体、事業協力団体、または東京都が設立した法人でないこと
- 交付申請日の前日から起算して5年前の日から前日までに重大な法令違反等がないこと
- 暴力団、暴力団員、暴力団関係者に該当しないこと
都税の納付状況は自社で即答しにくい項目です。申請書の作成に着手する段階で、法人都民税・法人事業税の納付状況を確認しておくと、締切直前に足を止められずに済みます。
労働関係法令に関する9項目(ア〜ケ)
交付要綱第4条第1項第8号は、労働関係法令の遵守についてアからケまでの9項目を定めています。誓約書だけで済む項目ではなく、実態が伴っていることが前提です。
| ア | 従業員に支払われる賃金が、東京都の地域別最低賃金額を上回っていること |
| イ | 固定残業代等の時間当たり金額が時間外労働の割増賃金に違反していないこと。固定残業時間を超えて残業した場合、超過分に割増賃金が追加で支給されていること |
| ウ | 法定労働時間を超えて勤務させる場合は36協定を締結し、全労働者に対し協定で定める上限時間を超える時間外労働をさせていないこと |
| エ | みなし労働時間制(事業場外みなし・裁量労働制)で労使協定等が定めた時間が法定労働時間を超える場合、その時間が月80時間以下であること |
| オ | 交付申請日の前日から起算して過去6か月の時間外労働の平均が月80時間を超える労働者がいないこと |
| カ | 交付申請日の前日から起算して5年前の日から前日までに、労働基準法に定める時間外労働の上限規制を順守していること |
| キ | 労働基準法第39条第7項(年次有給休暇を年5日取得させる義務)に違反していないことを誓約すること |
| ク | 厚生労働大臣の指針に基づき、セクシュアルハラスメント等を防止するための措置を取っていること |
| ケ | その他賃金や労働時間に関する労働関係法令を遵守していること |
「オ」は交付申請日の前日から遡る6か月間が対象なので、第4回で8月末に申請する場合はおおむね2026年2月下旬以降の勤怠が範囲に入ります。36協定の上限や時間外労働の記録は、申請書を書き始める前に確認しておくべき項目です。
申請の対象外となる事業
業種そのものを限定する規定はありませんが、交付要綱第4条第1項第9号により、風俗営業等の規制及び業務の適正化等に関する法律に規定する風俗営業、性風俗関連特殊営業、特定遊興飲食店営業、接客業務受託営業およびこれらに類する事業を行っている事業主は対象外です。
さらに同条第2項で「前項の規定にかかわらず、知事が適正でないと判断した場合は本助成金の対象外とすることができる」と定められています。
対象労働者の要件(交付要綱第5条)
事業主が要件を満たしていても、対象に含められる労働者は限られます。交付要綱第5条は次の3つをすべて満たす労働者と定めています。
- 正社員化コースの支給要件を満たしたうえで、その支給対象となった労働者であること
- 令和5年4月1日以降に都内事業所において転換等された労働者であること
- 転換等された日から3か月間の支援期間終了日まで、同一の事業主との間で転換または直接雇用後の雇用区分状態が1年以上継続し、都内の事業所に継続して在籍している労働者であり、有期雇用労働者でないこと
3つ目の「雇用区分状態が1年以上継続し」という条件は、転換した直後の従業員がそのまま対象になるとは限らないことを意味します。第4回の支援期間終了日は2026年12月31日なので、転換日から同日までの期間が判定の対象になります。自社の対象者が要件に当てはまるか判断がつかない場合は、申請前に東京都正規雇用化推進窓口(03-6205-6730)へ確認してください。
また、支援期間の終了日に有期雇用労働者に戻っていると対象外です。契約更新のタイミングが支援期間中に来る場合は、雇用区分が変わらないことを確認しておく必要があります。
受給額の計算|基本額100万円+加算90万円で最大190万円
本助成金は経費の一定割合を補助する制度ではありません。要件を満たした対象労働者数と、実施した加算の内容に応じて定額が交付されます。
基本額と年度の上限・申請回数の限度
| 区分 | 金額 | 限度 |
|---|---|---|
| 基本額 | 対象労働者1人につき20万円(1人20万円/2人40万円/3人60万円/4人80万円/5人100万円) | 1年度につき1雇用保険適用事業所5人まで |
| 退職金制度整備加算 | 10万円 | 1事業主あたり1回のみ |
| 結婚・育児支援制度整備加算 | 10万円 | 1事業主あたり1回のみ |
| 介護支援制度整備加算(令和8年度新設) | 10万円 | 1事業主あたり1回のみ |
| 賃上げ加算 | 賃上げした対象労働者1人につき12万円(最大5人・60万円) | 対象労働者数の範囲内 |
金額以外の上限も要綱で定められています。交付要綱第7条第2項は、申請を1年度につき1雇用保険適用事業所につき5回を限度とし、交付上限額を1年度につき100万円と定めています。あわせて、同一の事業主が同一の対象労働者について交付決定を受けられるのは1回限りです。前年度に本助成金を受けた従業員を、再び対象者に含めることはできません。
なお、TOKYOはたらくネットには「撤回届提出期限後は対象労働者の変更や追加はできません。また、同期限後に事業計画を中止した場合は、年度内の申請回数にカウントされ、交付したものとみなします」と記載されています。回数の枠を無駄にしないためにも、対象者の確定は撤回届の期限までに済ませる必要があります。
賃上げ加算の判定式と時間当たり賃金額の計算方法
加算のなかで金額が最も大きいのが賃上げ加算です。交付要綱第6条第6項は、次の2つを同時に満たすことを求めています。
- 増額要件:支援期間の2か月目と3か月目の時間当たり賃金額が、支援期間の前月と前々月の時間当たり賃金額の平均額と比べて、それぞれ60円以上増額していること
- 水準要件:賃上げ後の時間当たり賃金額が、東京都の地域別最低賃金額を60円以上上回っていること
時間当たり賃金額は、対象労働者の賃金額を「月の平均所定労働時間」で除して算出し、1円に満たない部分は切り捨てます。さらに、次に該当するものは賃金の総額に含めません。
- 臨時に支払われる賃金
- 1箇月を超える期間ごとに支払われる賃金(賞与など)
- 所定労働時間を超える時間の労働に対して支払われる賃金
- 所定労働日以外の日の労働に対して支払われる賃金
- 午後10時から午前5時までの労働に対して支払われる賃金のうち、通常の労働時間の賃金の計算額を超える部分
- 実費補填である賃金、および家族の有無や毎月の勤務状況により変動する賃金
水準要件の基準となる東京都最低賃金は、東京労働局によれば令和7年10月3日から時間額1,226円です(東京労働局「最低賃金に関すること」)。この金額を前提にすると、賃上げ後の時間当たり賃金額は1,286円以上である必要があります。最低賃金は例年10月に改定されるため、申請時点の金額を東京労働局のページで必ず確認してください。
計算例|対象労働者3人・3制度整備・3人賃上げの場合
以下は実際の採択事例ではなく、要綱の計算方法に当てはめた計算例です。
【時間当たり賃金額の計算例】
月の平均所定労働時間160時間、支援期間の前月・前々月の賃金額がいずれも20万円の場合
200,000円 ÷ 160時間 = 1,250円(1円未満は切り捨て)
支援期間の2か月目・3か月目の賃金額を21万円に引き上げると
210,000円 ÷ 160時間 = 1,312円
1,312円 − 1,250円 = 62円 → 60円以上の増額要件を満たす
1,312円 ≧ 1,286円(1,226円+60円)→ 水準要件も満たす
【助成額の計算例】
| 基本額(対象労働者3人) | 20万円 × 3人 = 60万円 |
| 退職金制度整備加算 | 10万円 |
| 結婚・育児支援制度整備加算 | 10万円 |
| 介護支援制度整備加算 | 10万円 |
| 賃上げ加算(3人) | 12万円 × 3人 = 36万円 |
| 合計 | 126万円 |
対象労働者を5人にし、3つの制度整備と5人全員の賃上げを行った場合が上限で、100万円+30万円+60万円=190万円になります。加算は任意なので、基本の支援事業だけを実施して基本額のみを受けることもできます。
支援期間の3か月で実施する取組
第4回で申請した場合、支援期間は2026年10月1日〜12月31日です。この3か月のうちに、必須の支援事業と、加算をねらう場合の制度整備を実施します。
必須の支援事業3つ
交付要綱第6条は、支援期間中に対象労働者に対して次の取組を実施することを求めています。
- 3年間の指導育成計画書の策定
- 指導育成計画に基づく研修の実施
- メンター(指導育成者)の選任
- メンターによる3回・3日以上の指導
実績報告では、指導育成計画書(様式第6号別紙1)、メンター選任・指導報告書(同別紙2)、研修実施報告書(同別紙3)をそれぞれ提出します。メンター指導は「3回かつ3日以上」なので、同じ日にまとめて3回行っても要件を満たしません。3か月で3日以上に分けて実施できるよう、10月のうちに指導日程を押さえておくのが安全です。
退職金制度整備加算(10万円)
交付申請日の時点で退職金制度がないことが前提で、支援期間中に次のいずれかを行うと加算されます。
- 新たに退職金制度を整備し(金額を明示すること)、規定を労働基準監督署へ届け出る
- 新たに中小企業退職金共済制度(中退共)に事業主として加入する
「金額を明示すること」が要綱に明記されているため、支給基準が曖昧な規程では要件を満たしません。また、本加算を過去に申請していないことも条件です。
結婚・育児支援制度整備加算(10万円)
この加算は「制度を1つ作れば足りる」ものではありません。交付要綱第6条第4項は、次のアからカのうちいずれか2つを就業規則に規定することを求めています。
| ア 結婚休暇 | 従業員が結婚する場合に、1労働日以上の有給休暇を取得できること |
| イ 母子保健健診休暇 | 妊娠中の女性職員が、男女雇用機会均等法第12条で定める保健指導または健康診査を受けるための休暇を、有給休暇として取得できること |
| ウ 妊娠出産休暇 | 産前産後の休業期間について、労働基準法第65条の定めを超えた休業期間を取得できること |
| エ 出産支援休暇 | 配偶者の出産を支援するために、1労働日以上の有給休暇を取得できること |
| オ 子どもの看護等休暇 | 育児・介護休業法第16条の2に規定する子の看護等休暇を有給休暇として取得でき、かつ子が小学4年生から6年生に就学している間も、一年度において1労働日以上を有給休暇として取得できること |
| カ 一時金制度 | 結婚祝い金、転居に伴う一時金、出産祝い金、入学祝い金のうちいずれか1つの一時金の支給を受けられること(現金、口座払いまたは厚生労働省令で認められたデジタル払いに限る) |
いずれも交付申請日の時点で類似の規定を含めて存在しないことが条件で、支援期間中に新たに規定を整備し、労働基準監督署へ届け出る必要があります。実績報告時には結婚・育児支援制度整備確認票(様式第12号)を提出します。
介護支援制度整備加算(10万円・令和8年度新設)
令和8年度から新設された加算です。育児・介護休業法第16条の5に規定する介護休暇を、有給休暇として取得できるよう新たに規定することが要件です。法定の介護休暇は無給でも差し支えないため、有給化する規程改定が必要になります。
こちらも交付申請日時点で規定がなく、支援期間中に新たに整備して労働基準監督署へ届け出ることが条件で、実績報告時に介護支援制度整備確認票(様式第13号)を提出します。
東京都が公開している取組事例
東京都は、実績報告書により提出された指導育成の取組事例を「キャリアアップの取組事例」として公開しています。指導育成計画書に何を書けばよいか迷う場合の参考になります。
- 介護(労働者数10人以下・契約社員から正社員への転換):1年目は介護技術の向上、2年目は後輩の指導・教育、3年目は業務向上に貢献する立場になることを目標に設定。メンターは相談援助業務の実例に沿った指導などを担当し、研修は生活相談員研修(自社研修)、機能訓練・レクリエーションでADL向上を図る方法、介護技術・接客マナーの向上を実施
- 飲食業・デリバリー(労働者数10人以下・アルバイトから正社員への転換):1年目は店舗責任者になる準備としてマニュアルに関するテストの実施や複数店舗の経験を積み、3年後には2店舗を管理できる店長へ成長することを目標に設定
いずれも「3年後の到達目標」と「年度ごとの取組目標」が具体的に書き分けられている点が共通しています。なお本助成金は採択結果を公表する形式の制度ではないため、事業者名を伴う採択一覧は公開されていません。
交付申請の提出書類と申請方法
交付要綱第8条が定める提出書類
交付要綱第8条は、東京労働局長から正社員化コース支給決定通知書を受領した後、次の書類を指定の期日までに提出すると定めています。
- 東京都正規雇用転換安定化支援助成金事業実施計画書兼交付申請書(様式第1号)
- 正社員化コース支給申請書の写し(キャリアアップ助成金における様式第3号。別添様式1-1、1-2を含む)。様式第3号は、原則として東京労働局管内の公共職業安定所の受付印があるもの
- 正社員化コース支給決定通知書の写し(同一の支給決定通知書の写しを提出できるのは1回のみ)
- 誓約書(様式第2号)
- 最新の就業規則等(労働基準監督署の受付印があるもの)※退職金制度整備・結婚育児支援制度整備・介護支援制度整備による加算の適用を受ける場合のみ
- その他知事が必要とする書類
受付印の有無は、書類を集め直すと日数がかかる項目です。正社員化コースの様式第3号の控えに公共職業安定所の受付印があるか、加算を申請するなら現行の就業規則に労働基準監督署の受付印があるかを、最初に手元で確認してください。
このほか、実務上はTOKYOはたらくネットに掲載されているセルフチェックリストと支払金口座振替依頼書を使用します。提出代行者が申請する場合は委任状(様式第10号)が必要です。様式はTOKYOはたらくネットからダウンロードでき、令和7年度以前の様式は使用できません。
電子申請(Jグランツ)と郵送申請の違い
申請方法によって、その後の手続きの選択肢が変わります。
- 電子申請:Jグランツを利用するにはGビズIDプライムのアカウントが必要です。取得にはデジタル庁のGビズID運用センターによる審査があり、東京都は「ID発行まで時間がかかるため余裕をもって準備」するよう案内しています。交付申請を電子申請で提出した場合、その後の実績報告書・撤回届・中止申請書・再提出書類はすべて電子申請で提出する必要があります。
- 郵送申請:送達記録が残るレターパック等で送付します。申請書類は信書に該当するため、メール便や宅配便は使用できません。交付申請書を郵送または窓口で提出した場合、実績報告書等を電子申請で提出することはできません。
FAXやメールでの申請受付・書類の受理は一切行われていません。書類不備・不足の場合や申請受付期間外の申請も受け付けられません。手引きは郵送申請用と電子申請用が別々に用意されており、いずれも7月1日付で改正されています(郵送申請の手引き/電子申請の手引き)。
8月31日から逆算する準備の順番
第4回に間に合わせる場合、着手する順番は次のようになります。
- 正社員化コースの支給決定通知書があるか確認する。本助成金は支給決定を受けていることが前提のため、これがなければ第4回には間に合いません
- 対象労働者を確定する。転換日から2026年12月31日までの雇用区分の継続状況、支援期間終了日に有期雇用でないかを確認します
- 受付印のある書類をそろえる。正社員化コース様式第3号の公共職業安定所の受付印、加算を申請する場合は就業規則の労働基準監督署の受付印
- 法人都民税・法人事業税の未納がないか確認する
- 電子申請ならGビズIDプライムの取得状況を確認する。未取得で審査が間に合わない場合は郵送申請に切り替えます
- 加算をねらうなら、支援期間中の届出スケジュールを先に決める。就業規則等の労働基準監督署への届出を12月31日までに終える必要があります
- セルフチェックリストで確認し、8月31日までに提出する
要件や様式は年度途中でも改正されます(令和8年度は7月1日付で手引きが改正されました)。着手前に最新版の手引きをダウンロードし直してください。
交付決定後・支援期間後に必要な手続き
申請を撤回できるのは交付決定通知の受領後14日以内
交付要綱第10条は、交付決定の内容やこれに付された条件に異議がある場合、当該通知の受領後14日以内に申請の撤回ができると定めています。また交付決定の前であれば、理由を記載した申請撤回届(様式第5号)を提出することで撤回できます。
撤回届の提出期限を過ぎると対象労働者の変更や追加ができなくなり、その後に事業計画を中止した場合は年度内の申請回数にカウントされます。
実績報告は2027年1月1日〜1月25日
第4回の実績報告受付期間は2027年1月1日から1月25日です。提出書類は実績報告書(様式第6号)、指導育成計画書、メンター選任・指導報告書、研修実施報告書に加え、加算を申請する場合は確認票や賃金支払実績確認表(様式第11号・月給制/日給制/時給制/出来高払制で様式が分かれます)が必要です。
賃上げ加算の対象労働者が複数いる場合、賃金支払実績確認表は全員分が必要です。窓口は12月29日から1月3日まで開いていないため、年末に慌てないよう12月中に書類をそろえておくのが現実的です。
加算を受けた企業が使える東京都中小企業制度融資
本事業の結婚・育児支援制度整備加算、介護支援制度整備加算または賃上げ加算について支給決定および額の確定を受けている企業は、東京都中小企業制度融資「働き方改革支援」の対象となり、信用保証料の3分の2の補助を受けられます。
さらに、これらの取組に加えて厚生労働省の「女性の活躍推進企業データベース」に登録・公表している中小企業は、東京都中小企業制度融資「女性活躍推進融資(TOKYOウィメン・ビズ・サポート)」の対象となり、信用保証料の3分の2の補助や利率優遇を受けられます。詳細は東京都産業労働局の制度融資のページで確認できます。
加算を取るかどうかを迷っている場合、助成金の10万円だけでなく、この制度融資の優遇まで含めて判断すると考えやすくなります。
東京都正規雇用転換安定化支援助成金のまとめ
- 令和8年度第4回の交付申請受付は2026年8月1日〜8月31日。支援期間は10月1日〜12月31日、実績報告は2027年1月1日〜1月25日
- 対象は東京労働局管内に雇用保険適用事業所を持ち、正社員化コースの支給決定を受けた中小企業事業主。法人都民税・法人事業税の未納がないことも要件
- 助成額は対象労働者1人20万円(最大5人・100万円)+加算最大90万円で、上限190万円。同一労働者について交付決定を受けられるのは1回限り
- 賃上げ加算は「前月・前々月の平均から60円以上の増額」と「東京都最低賃金+60円以上」の両方を満たす必要がある
- 加算をねらう場合は、就業規則等の労働基準監督署への届出まで支援期間中に完了させる
申請にあたっては、必ず最新版の手引きと交付要綱をTOKYOはたらくネットで確認してください。要件の解釈に迷う場合は、東京都正規雇用化推進窓口(03-6205-6730/平日8時30分〜17時15分)へ問い合わせられます。
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