飯塚市の外国人材受入環境整備事業費補助金|令和8年度の対象要件と対象外経費・上限15万円の計算

Illustration showing diverse workers and business professionals discussing subsidy program with icons of money, documents, and chart 補助金
An illustration explaining the subsidy program for accepting foreign workers in Japan
補助金

飯塚市内の事業所で技能実習・特定技能・技術・人文知識・国際業務の在留資格を持つ外国人材を雇用している事業者は、その就業環境や生活環境を整えるための費用について、飯塚市から補助を受けられます。

制度の名称は「飯塚市外国人材受入環境整備事業費補助金」です。補助率は対象経費の3分の2以内、補助限度額は1事業者あたり15万円で、令和8年度も飯塚市 経済部 国際政策課が申請様式を公開しています。

金額の規模だけを見れば小さな制度ですが、この補助金は1事業者につき原則1回しか使えません。さらに、パソコンやプリンターなど汎用性のある備品は交付要綱で明確に対象外と定められており、令和9年2月28日時点で市内在住の外国人材が在籍していることが交付の前提になります。知らずに動くと、申請そのものが無駄になりかねない条件です。

本記事は、飯塚市公式ページ飯塚市外国人材受入環境整備事業費補助金交付要綱(令和8年3月27日告示第90号)補助金チラシ申請書記入例をもとに、対象になるかの判定、補助額の計算、対象外経費、申請書類、交付決定後の義務までを整理しています。

  1. 飯塚市外国人材受入環境整備事業費補助金の基本情報(令和8年度)
    1. 「申請は2027年2月28日まで」と書かれた情報の読み方
  2. 自社が対象になるか:交付要綱が定める8つの要件
    1. 令和9年2月28日時点の在籍が、交付の前提になる
    2. 過去に交付を受けた事業者は原則として再申請できない
    3. 外国人材活躍応援宣言と受入れ事例の作成に協力できるか
  3. 補助対象となる3つの事業と、対象経費8区分
  4. 交付要綱で「補助対象外」と定められている4種類の経費
  5. 上限15万円までの補助額を計算する
    1. 補助額が上限に達する対象経費は22万5,000円
    2. 千円未満の端数処理と、他の補助金を受ける場合の調整
  6. 申請書類と提出方法
    1. 交付申請書に添付する4つの別紙
    2. 市税の納税証明書は同意欄への自署で省略できる
    3. 提出はメール・郵送・持参の3通り
  7. 交付決定前の着手を避けるスケジュールの組み方
    1. やむを得ず先に着手する場合は事前着手理由書を添付する
  8. 交付決定後に必要な手続きと管理義務
    1. 実績報告書に添付する記録は、事業実施中に用意する
    2. 取得価格5万円以上の備品には管理台帳と標章が必要
    3. 事業内容や経費配分を変更するとき
    4. 証拠書類は5年間保存する
  9. 申請前に確認・相談できる飯塚市の窓口と公式資料
  10. 飯塚市外国人材受入環境整備事業費補助金のまとめ

飯塚市外国人材受入環境整備事業費補助金の基本情報(令和8年度)

制度名飯塚市外国人材受入環境整備事業費補助金
根拠飯塚市外国人材受入環境整備事業費補助金交付要綱(令和8年3月27日 飯塚市告示第90号/令和8年4月1日施行)
対象地域福岡県飯塚市
実施機関飯塚市 経済部 国際政策課 国際経済推進係
対象者市内に事務所又は事業所を置き、技能実習・特定技能・技術・人文知識・国際業務の在留資格を持つ外国人材を雇用している(又は年度内に新規雇用の具体的計画がある)事業者
対象事業就業環境整備事業/生活環境整備事業/地域社会共生推進事業
補助率対象経費の3分の2以内
補助限度額150,000円(1事業者あたり)
端数処理補助金の額に千円未満の端数が生じたときは切り捨て(交付要綱第5条第2項)
申請受付飯塚市公式ページ・交付要綱・チラシ・Jグランツのいずれにも受付締切日の記載なし。令和8年度分の申請様式が公開中
交付決定まで市税滞納・暴力団員等の照会のため2週間程度
提出方法メール(kokusai@city.iizuka.lg.jp)/郵送(〒820-8501 飯塚市新立岩5番5号)/持参(本庁舎4階・事前連絡)
問い合わせ先飯塚市 経済部 国際政策課 国際経済推進係 0948-22-5521

「申請は2027年2月28日まで」と書かれた情報の読み方

民間の補助金データベースでは、この補助金の締切として2027年2月28日(令和9年2月28日)が掲載されていることがあります。しかし飯塚市の公式ページ・交付要綱・チラシ・Jグランツのいずれにも、申請受付の締切日は記載されていません

公式資料で日付が示されているのは、交付要綱第3条第3号の「当該年度の2月末日に市内在住の外国人材を雇用している者」という交付要件です。令和8年度であれば令和9年2月28日が判定日にあたります。これは申請の締切日ではなく、交付を受けるための在籍要件です。

あわせて交付要綱第4条第4項は「補助の対象となる事業は、当該事業に係る補助金の交付申請のあった日の属する年度内に完了するものでなければならない」と定めています。実務上は、締切日から逆算するのではなく、年度内に事業を終えられる時期までに申請を済ませるという考え方になります。最新の受付状況は飯塚市公式ページまたはJグランツの公募詳細ページで確認してください。

自社が対象になるか:交付要綱が定める8つの要件

交付要綱第3条は、補助対象者を次の8項目「すべて」に該当する者と定めています。ひとつでも欠けると対象外です。

  1. 市内に事務所又は事業所を置く事業者
  2. 市内事業所において外国人材を現に雇用し、今後も継続して雇用する予定である事業者、又は当該年度内に新たに雇用する具体的な計画がある事業者
  3. 当該年度の2月末日に市内在住の外国人材を雇用している者
  4. 暴力団、暴力団員又は暴力団若しくは暴力団員と密接な関係を有する者でないこと
  5. 市税の滞納がないこと
  6. 市が指定する外国人材受入れ事例の作成等、市の外国人施策に協力する者
  7. 市が実施する外国人材活躍応援宣言を行う者
  8. この告示に基づく補助金の交付を過去に受けたことがない者(ただし、市が共催又は後援する事業を行う場合はこの限りでない)

対象となる在留資格は、交付要綱第2条で技能実習・特定技能・技術・人文知識・国際業務の3種類に限定されています。留学生のアルバイトや永住者など、この3区分に当てはまらない在留資格は要綱上の「外国人材」に含まれません。

なお、交付要綱には業種を限定する規定はありません。法人か個人事業主かの別についても要綱に明記はないため、判断に迷う場合は国際政策課への確認が必要です。

令和9年2月28日時点の在籍が、交付の前提になる

第3号の要件は、申請時点ではなく年度末近くの状態を問うものです。補助金チラシでは、この要件の確認資料として当該年度2月末時点での在留カード(表・裏)の写しの提出が求められると案内されています。

つまり、年度の早い時期に申請して事業を実施しても、令和9年2月28日の時点で市内在住の外国人材が在籍していなければ交付要件を満たしません。技能実習の満了時期や特定技能への移行時期が年度末に重なる場合は、在籍見込みを確認したうえで申請時期を決める必要があります。

まだ雇用していない事業者でも、第2号の「当該年度内に新たに雇用する具体的な計画がある事業者」に該当すれば申請できます。ただし最終的な判定は第3号で行われるため、採用時期が確定してから動くほうが確実です。

過去に交付を受けた事業者は原則として再申請できない

第8号により、この補助金の交付を過去に受けたことがある事業者は対象外です。別の外国人材を新たに雇用した場合でも、事業者単位で1回限りという扱いになります。

例外は「市が共催若しくは後援する事業を行う場合」に限られます。該当しそうな場合は、企画段階で市の共催・後援を受けられるかを国際政策課に相談しておく必要があります。

1回しか使えない制度である以上、少額の備品購入だけで枠を使い切るのか、就業環境・生活環境・地域交流を組み合わせて上限まで使うのかは、最初の申請前に決めておく判断材料になります。

外国人材活躍応援宣言と受入れ事例の作成に協力できるか

第6号・第7号は、金銭的な条件ではなく市の施策への協力を求める要件です。飯塚市外国人材活躍応援宣言(届出書)外国人材受入れ事例の様式は、いずれも市公式ページで配布されています。

受入れ事例の様式は、企業の声(受け入れて良かったこと・苦労したこと)、受入れや定着を進めるにあたっての工夫・取組、外国人本人の声の3項目で構成されています。実際に提出された事例は飯塚市「外国人材受入れ企業と支援団体」のページで企業ごとに公開されているため、提出物のイメージは申請前に確認できます

事例には外国人材本人へのヒアリング内容が含まれるため、本人の協力が前提になります。申請を決めた段階で、誰にどの内容を聞くかを社内で決めておくと、実績報告の段階で慌てずに済みます。

補助対象となる3つの事業と、対象経費8区分

交付要綱第4条は、補助対象事業を次の3類型に整理しています。チラシに示された取組例とあわせて確認してください。

  • 就業環境整備事業:外国人材の就業環境を改善するために取り組む事業(例:母国語のマニュアル作成、資格取得等)
  • 生活環境整備事業:外国人材の生活の本拠となる住居等の環境を改善するために取り組む事業(例:寝具改善、冷暖房設置、リフォーム等)
  • 地域社会共生推進事業:文化・伝統行事の体験や地域住民との交流を行う等、共生社会を推進するために取り組む事業(例:地域イベント参加、歴史資料館訪問、旧伊藤伝右衛門邸訪問等)

補助対象経費は交付要綱の別表で8区分が定められています。

謝金講師等への謝礼金
旅費講師等の交通費、講習を受ける際の交通費等
使用料及び賃借料会場、機材、車両等の借上げ料等
委託料外国人材の母国語への翻訳料等
需用費消耗品費、材料費、教材購入費、資料印刷代等
備品購入費外国人実習生の就業・生活環境の改善に資する備品の購入費
研修費資格取得の講習費用に係る費用
その他経費市長が特に必要と認める経費

3類型は択一ではありません。申請書記入例の別紙2-1では、就業環境整備事業・生活環境整備事業・地域社会共生推進事業の3つすべてにチェックを入れ、フォークリフト運転資格の取得、寮へのエアコン設置、地域住民を交えたバーベキュー大会を1件の申請にまとめた例が示されています。

交付要綱で「補助対象外」と定められている4種類の経費

交付要綱の別表には、対象経費の一覧とは別に、対象外経費が明示されています。ここを外すと申請内容の組み替えが必要になるため、経費を積み上げる前に確認してください。

  1. 補助事業に要したことが明確に区分できない経費(例:社用車のガソリン代、電話代等)
  2. 汎用性があり、目的外使用になり得る備品の購入費(例:パソコン、プリンター、タブレット端末等)
  3. 申請者又は同一企業の社員への謝礼の支払い
  4. 入国前・入国後研修に係る費用

実務上つまずきやすいのは2番目です。多言語マニュアルを作るためのパソコンや、翻訳アプリを動かすためのタブレット端末は、備品購入費として計上できません。一方で、外国人材が居住する寮のエアコンのように、就業・生活環境の改善に直接結びつき目的外使用になりにくい備品は、記入例でも備品購入費として扱われています。

3番目は、社内の日本語が話せる社員に講師役を頼んで謝礼を払う形が対象外になることを意味します。研修を経費に載せるのであれば、外部の講師や教習所を使う設計にする必要があります。

4番目の「入国前・入国後研修」は、監理団体や登録支援機関が実施する受入れ前後の法定研修を指します。すでに雇用している外国人材の就業・生活環境を改善する取組が対象であり、受入れそのものにかかる費用は補助されません。

また第5条ただし書により、補助対象経費は本事業以外の事業に係る経費と明確に区別できるものに限られます。1番目の対象外経費と合わせて、按分計算が必要な経費は避けたほうが確実です。

上限15万円までの補助額を計算する

補助率は対象経費の3分の2以内、補助限度額は1事業者あたり150,000円です。計算の順序は「対象経費 × 3分の2 → 上限150,000円で頭打ち」となります。

補助額が上限に達する対象経費は22万5,000円

補助率が3分の2であるため、対象経費が225,000円のときに補助額が150,000円に達します。これを超える対象経費を計上しても、補助額は150,000円のままです。

  • 対象経費90,000円の場合:90,000円 × 2/3 = 補助額60,000円/自己負担30,000円
  • 対象経費225,000円の場合:225,000円 × 2/3 = 補助額150,000円/自己負担75,000円
  • 対象経費300,000円の場合:300,000円 × 2/3 = 200,000円だが上限を適用し補助額150,000円/自己負担150,000円

3つ目は申請書記入例の別紙3(収支予算書)に示された数値と同じ構成です。記入例では、需用費70,000円(バーベキュー大会の食材費)、備品購入費150,000円(エアコン1台・工事費込み)、その他経費80,000円(フォークリフト運転資格講習2名分)の合計300,000円に対し、市補助金150,000円・自己負担150,000円が計上されています。上記はいずれも計算例であり、実際の採択事例ではありません。

千円未満の端数処理と、他の補助金を受ける場合の調整

交付要綱第5条第2項により、補助金の額に千円未満の端数が生じたときは切り捨てられます。たとえば対象経費が100,000円であれば、100,000円 × 2/3 = 66,666.6…円となり、補助額は66,000円です。

さらに第5条第3項は、当該年度内に国・都道府県その他の公的機関から同様の目的の補助金等を受領した場合、または受領する見込みがある場合について、「補助対象経費から他団体が交付する補助金の額を控除した額の範囲内で市長が定める」と規定しています。

つまり、国や県の外国人材向け助成金と同じ経費を重ねて申請しても、その分は差し引かれます。併用を検討する場合は、国・県の制度で見る経費と、飯塚市の補助金で見る経費を明確に分ける必要があります。記入例の収支予算書にも「その他助成金等」の記入欄が設けられています。

申請書類と提出方法

申請様式は飯塚市公式ページからダウンロードします。申請時に使うのは様式第1号 交付申請書で、記入例とあわせて確認できます。

交付申請書に添付する4つの別紙

  • 別紙1 申請者概要:名称・所在地・代表者名・設立年月・主な事業内容・従業員数に加えて、外国従業員数(既に雇用/新たに雇用予定)、うち市内在住の外国人従業員数、活用した支援団体の名称と住所、国籍、在留資格、従事業務の内容を記載します
  • 別紙2-1 事業実施計画書:3類型のうち実施する取組にチェックし、事業を実施する理由と、実施時期・実施場所・実施方法まで含めた具体的な事業内容を記載します
  • 別紙2-2 事前着手理由書:交付決定前に着手する場合のみ添付します
  • 別紙3 収支予算書:収入に市補助金・自己負担・その他助成金等、支出に8つの経費区分ごとの予算額と摘要を記載します

別紙1で「活用した支援団体」の記入欄がある点は見落としやすいところです。監理団体・登録支援機関・人材派遣会社を利用している場合は、団体名と住所を控えておいてください。

別紙2-1は「実施時期、実施場所、実施方法など具体的に記載してください」と指定されています。記入例では、講習の受講時期と教習所名、エアコンの設置工事日と設置場所(会社寮の所在地)、交流会の実施日と実施場所まで書き込まれています。日程が固まっていない段階では書きにくいため、見積書と実施予定日を先に押さえるほうが進めやすくなります。

市税の納税証明書は同意欄への自署で省略できる

添付書類には市税(個人市民税または法人市民税、固定資産税)の納税証明書が含まれますが、記入例には申請書の同意欄に代表者が自署することで、納税証明書の添付を省略できる旨が明記されています。

同意欄は、交付要綱第3条第3号から第5号(2月末日の雇用、暴力団排除、市税の滞納なし)について担当職員が閲覧・照会することへの同意と、納税情報の閲覧・照会への同意の2か所です。いずれも代表者の自署が求められています。

証明書の取得には窓口へ出向く手間と手数料がかかります。自署で省略できることを知っていれば、その分だけ申請までの日数を短縮できます。

提出はメール・郵送・持参の3通り

  • メール:kokusai@city.iizuka.lg.jp(飯塚市国際政策課国際経済推進係あて)
  • 郵送:〒820-8501 飯塚市新立岩5番5号(飯塚市国際政策課国際経済推進係あて)
  • 持参:飯塚市役所本庁舎4階 国際政策課の窓口(事前連絡が必要)

持参する場合は事前連絡が求められています。窓口で内容を確認しながら提出したい場合は、電話(0948-22-5521)で日程を調整してください。

交付決定前の着手を避けるスケジュールの組み方

交付要綱第4条第2項は「補助の対象となる事業は、交付決定のあった日以降に着手する事業でなければならない」と定めています。交付決定通知を受け取る前に発注・契約・工事を始めた分は、原則として補助対象外です。

そのうえで、飯塚市は申請後に市税滞納の有無や暴力団員等の該当の有無を関係部署等へ照会するため、交付決定までに2週間程度を要すると案内しています。この2週間は審査期間であり、短縮を前提にした計画は立てられません。

チラシに示された流れは、申請 → 審査・照会 → 交付決定(通知)→ 事業開始・事業実施 → 実績報告書の提出 → 補助金額の確定 → 交付請求です。ここから逆算すると、実務上のスケジュールは次のようになります。

  1. 事業内容と実施日を決め、見積書を取得する(別紙2-1・別紙3の記載に必要)
  2. 外国人材活躍応援宣言(届出書)を準備する
  3. 在留カード(表・裏)の写しなど、外国人材本人の協力が必要な書類を依頼する
  4. 様式第1号と別紙1〜3を作成し、同意欄に代表者が自署する
  5. 事業開始予定日の2週間以上前に申請する
  6. 交付決定通知を受け取ってから発注・契約・工事に着手する
  7. 当該年度内に事業を完了し、実績報告書を提出する

エアコン設置や研修の受講は、業者や教習所の日程に左右されます。実施日が先に決まっている取組ほど、申請を早める必要があります。なお、書類の標準的な取得日数は公式資料に記載がないため、具体的な日数は国際政策課に確認してください。

やむを得ず先に着手する場合は事前着手理由書を添付する

第4条第2項ただし書は「事業の性質上又は市長がやむを得ない理由があると認める場合は、この限りでない」とし、第3項でその場合は交付申請書に事前着手理由書(別紙2-2)を添付して提出するものとしています。

記入例に示された理由書の例は、寮のエアコン設置について「補助金交付決定後に着手する予定だったが、猛暑日が続いたことから、熱中症の発症を危惧し、事前着手に至った」というものです。着手(予定)年月日と、事前着手の内容および理由を記載します。

あくまで例外の扱いであり、認めるかどうかは市長の判断です。先に動く必要が生じた時点で国際政策課に相談してください。

交付決定後に必要な手続きと管理義務

この補助金は、事業を実施して終わりではありません。交付要綱には実績報告から財産管理まで複数の義務が定められています。

実績報告書に添付する記録は、事業実施中に用意する

事業が完了したら様式第8号 実績報告書を提出し、補助金額の確定通知を受けてから様式第11号 交付請求書を提出します。補助金が入金されるのは交付請求の後であり、事業費はいったん自己資金で立て替える流れになります。

記入例には、実績報告書に添付する記録として次の指示が付記されています。事後に用意できないものがあるため、実施前・実施中の記録が欠かせません。

  • エアコン設置などの工事:施工前の写真を撮影して添付する
  • 地域住民との交流会:交流会等の様子の画像と、外国人材や地域住民が参加したことがわかる資料(参加者名簿等)を添付する

施工前の写真は、工事が終わってからでは取り返しがつきません。着工日が決まった段階で撮影担当を決めておいてください。

取得価格5万円以上の備品には管理台帳と標章が必要

交付要綱第14条第2項により、取得価額又は効用の増加価格が5万円以上の財産は、「減価償却資産の耐用年数等に関する省令」に定める耐用年数又は補助事業完了の日から5年のいずれか短い期間(処分制限期間)を経過するまで、次の管理が必要です。

  • 取得財産等管理台帳を整備・保管する
  • 当該財産に取得年度及び補助金の名称を記載した標章を貼付して管理する

さらにチラシでは、5万円以上の備品について財産処分承認申請書を提出し、市長の承認がない限り処分できないと案内されています。処分制限期間中の売却・廃棄・目的外使用は認められません。エアコンのように長期間使い続ける設備であれば負担は小さいものの、数年で入れ替える前提の機器を選ぶと管理が続きます。

事業内容や経費配分を変更するとき

交付決定後に事業内容や経費の配分を変更する場合は、あらかじめ市長の承認が必要です(交付要綱第8条)。様式第4号 変更承認申請書を使用します。

ただし、次の軽微な変更は承認が不要とされています。

  • 補助事業経費の総額20パーセント以内の金額の変更
  • 補助の目的に影響を及ぼさない範囲での補助事業の内容の変更

見積りより工事費が上がった、交流会の参加人数が増えて食材費が膨らんだといった場面で、承認申請が必要かどうかを判断する基準になります。事業を中止・廃止する場合は、第9条により速やかに市長の承認を受けなければなりません。

証拠書類は5年間保存する

交付要綱第13条は、補助金に係る経費についての収支の真実を明確にした証拠書類を整理し、補助事業が完了した日の属する会計年度の終了後5年間保存することを義務づけています。

また第15条により、市長が必要と認めるときは関係書類の提出、事情聴取、訪問調査等が行われ、補助事業者はこれに協力しなければなりません。見積書・請求書・領収書・写真などは、実績報告の提出後も破棄せず保管してください。

申請前に確認・相談できる飯塚市の窓口と公式資料

この補助金には公募要領にあたる冊子がなく、判断材料は交付要綱・チラシ・申請様式に分かれています。申請前に確認しておきたい公式資料は次のとおりです。

制度そのものではなく外国人材の受入れ全般で迷いがある場合は、飯塚市が設置している外国人雇用無料相談窓口も利用できます。市内企業が外国人材を受け入れる際の相談に対応する窓口で、国際政策課が案内しています。

他社がどのような取組をしているかを知りたい場合は、外国人材受入れ企業と支援団体のページで、市内の介護・建設・製造・農業など業種別に受入れ事例が公開されています。ただしこれらは飯塚市が公表している受入れ事例であり、本補助金の採択事例として公表されているものではありません。

飯塚市外国人材受入環境整備事業費補助金のまとめ

飯塚市外国人材受入環境整備事業費補助金は、市内事業所で技能実習・特定技能・技術・人文知識・国際業務の外国人材を雇用する事業者が、就業環境・生活環境の整備や地域住民との交流に取り組む費用について、対象経費の3分の2以内・上限150,000円の補助を受けられる制度です。

申請を進める前に押さえておきたい点は次の5つです。

  1. 交付要綱第3条の8要件をすべて満たすこと。特に令和9年2月28日時点で市内在住の外国人材が在籍していること、過去にこの補助金を受けていないこと
  2. パソコン・プリンター・タブレット端末などの汎用備品、区分できない経費、自社社員への謝礼、入国前・入国後研修費用は対象外であること
  3. 対象経費225,000円で補助額が上限に達し、千円未満の端数は切り捨てられること。他の公的補助金を受ける場合はその額が控除されること
  4. 交付決定まで2週間程度かかり、決定前に着手した分は原則対象外であること
  5. 5万円以上の備品には管理台帳と標章、処分制限があり、証拠書類は完了年度の終了後5年間保存すること

金額や要件は年度によって変わる可能性があります。申請前には必ず飯塚市公式ページ交付要綱で最新の内容を確認し、判断に迷う点は飯塚市 経済部 国際政策課 国際経済推進係(0948-22-5521)へ問い合わせてください。