躍進的な事業推進のための設備投資支援事業|第13回は受付終了 事業区分の選び方と助成額の計算・次回への準備

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東京都内で中小企業を営む方の中には、生産設備の更新やソフトウェアの導入を検討しながら、初期投資の大きさから踏み切れずにいるケースが少なくありません。

そうした設備投資を後押しするのが、公益財団法人東京都中小企業振興公社が実施する「躍進的な事業推進のための設備投資支援事業」です。

ただし、第13回(令和8年度第2回)の申請書類提出は令和8年7月23日17時で締め切られており、2026年8月時点で申請を受け付けている回はありません。公社が公表しているプレスリリース一覧にも、令和8年8月6日時点で次回にあたる募集の発表はありません。

第13回の募集要項に記載されたスケジュールでは、一次審査結果の通知が令和8年9月下旬、二次審査(面接審査・価格審査)が10月中旬から10月下旬、助成対象事業者の決定が11月中旬です。助成対象期間は令和8年12月1日から最長令和10年5月31日までで、この期間内に契約・納品・支払いをすべて完了させる必要があります。

この記事では、第13回(令和8年度第2回)募集要項をもとに、すでに申請した事業者が交付決定までに確認すべきこと、事業区分とコースの選び方、助成額と自己負担額の計算、対象になる経費とならない経費、次の募集に備えて先に着手できる準備を順に解説します。

  1. 躍進的な事業推進のための設備投資支援事業の基本情報
  2. 第13回の受付終了後に公表されているスケジュールと、いま確認すべきこと
    1. 一次審査から助成金の入金までの流れ
    2. すでに申請した事業者が交付決定まで注意すべきこと
    3. 次回の募集は現時点で発表されていない
  3. 自社はどの事業区分・どのコースで申請できるか
    1. 事業区分は「競争力強化」「後継者チャレンジ」「アップグレード促進」の3つ
    2. ゼロエミコースと賃上げコースは併用できない
    3. 第11回(令和7年度第3回)とは事業区分と助成限度額が異なる
  4. 躍進的な事業推進のための設備投資支援事業の対象になる事業者・ならない事業者
    1. 申請資格の中心になる要件
    2. 中小企業者・小規模企業者の判定基準
    3. 申請できない法人形態・業態と、重複申請の扱い
  5. 助成額・自己負担額の計算と、入金までの流れ
    1. 事業区分・コース別の助成率と助成限度額
    2. 助成金交付申請額が100万円を下回ると申請できない
    3. 賃上げコースは助成金が2回に分けて交付される
    4. 助成金は後払いで、事業完了後5年間の報告義務がある
  6. 助成対象になる経費とならない経費
    1. 対象になるのは固定資産に計上する機械装置・器具備品・ソフトウェア
    2. 見積書は2社分が原則で、「一式」表記は対象外
    3. 助成対象にならない主な経費
    4. 設備の設置場所には都内・都外で別の条件がある
  7. 躍進的な事業推進のための設備投資支援事業の申請方法と必要書類
    1. 申請はJグランツのみで、持参・郵便・メールは受け付けられない
    2. 第13回で求められた提出書類
    3. 代理申請でできること・できないこと
  8. 次回募集に向けて今から準備できること
    1. GビズIDプライムの取得は募集開始前に済ませておく
    2. 有効期限や取得先が決まっている書類を把握しておく
    3. 公表されている審査の視点と加点措置を確認する
    4. 公表済みの採択結果と成果事例で申請テーマの実例を見る
  9. 躍進的な事業推進のための設備投資支援事業を不正受給するとどうなるのか
    1. 公社が注意喚起している「自己負担なし」「キャッシュバック」の勧誘
    2. 助成金交付決定の取消しと返還が生じる主なケース
  10. 躍進的な事業推進のための設備投資支援事業のまとめ

躍進的な事業推進のための設備投資支援事業の基本情報

制度名躍進的な事業推進のための設備投資支援事業(第13回/令和8年度第2回)
実施機関公益財団法人東京都中小企業振興公社 企画管理部 設備支援課
基準日令和8年7月1日
対象地域東京都(設備を都外に設置する場合は都内に本店があること)
対象者基準日現在で都内に登記簿上の本店又は支店があり、都内で2年以上事業を継続している中小企業者等
対象業種全業種(風俗関連業・ギャンブル業等を除く)
事業区分Ⅰ 競争力強化/Ⅱ 後継者チャレンジ/Ⅲ アップグレード促進
助成率通常コース2分の1〜3分の2以内、ゼロエミコース4分の3以内、賃上げコース4分の3〜5分の4以内
助成限度額Ⅰ・Ⅱは100万円〜1億円、Ⅲは1億円〜2億円
助成対象経費機械装置・器具備品(1基50万円税抜以上)、ソフトウェア(1基300万円税抜以上・合計2,000万円以下)
申請期間令和8年7月14日9時〜令和8年7月23日17時(受付終了
助成対象期間令和8年12月1日〜最長令和10年5月31日(交付決定日の翌月1日から1年6か月)
申請方法Jグランツによる電子申請のみ(持参・郵便・電子メール不可/GビズIDプライムが必要)
助成対象事業者の決定令和8年11月中旬(Jグランツで通知)
問い合わせ先公益財団法人東京都中小企業振興公社 企画管理部 設備支援課(電話:03-3251-7884)

正式名称は「躍進的な事業推進のための設備投資支援事業」で、Jグランツ上では「第13回(令和8年度第2回)躍進的な事業推進のための設備投資支援事業」として案内されました。本事業は試作・開発ではなく量産フェーズの設備投資が対象で、回次ごとに事業区分・助成限度額・基準日が見直されます。過去の回次を解説した記事を参照する際は、必ず回次を照合してください。一次情報は公社の第13回募集ページ第13回募集要項(PDF)で確認できます。

第13回の受付終了後に公表されているスケジュールと、いま確認すべきこと

  • 一次審査から助成金の入金までの流れ
  • すでに申請した事業者が交付決定まで注意すべきこと
  • 次回の募集は現時点で発表されていない

一次審査から助成金の入金までの流れ

第13回募集要項に記載された募集スケジュールは次のとおりです。申請状況等により日程が変更される場合があるため、最新の情報は公社ホームページで確認します。

申請書類提出令和8年7月14日9時〜7月23日17時(Jグランツ/終了)
一次審査令和8年8月中旬〜9月初旬(資格審査・経理審査・事業計画審査)
一次審査結果通知令和8年9月下旬(Jグランツ)
二次審査(一次通過者のみ)令和8年10月中旬〜10月下旬(面接審査・価格審査・総合審査)
助成対象事業者決定令和8年11月中旬(Jグランツ)
事務手続き説明会令和8年11月下旬
助成対象期間令和8年12月1日〜最長令和10年5月31日(契約・納品・支払いまで完了)
完了報告助成事業完了後に完了報告書を提出
完了検査〜助成金確定約1か月
助成金交付助成金確定後 約1か月(設備代金の支払い後に交付=後払い)
事業化状況報告書事業完了後、翌年度以降5年間(Jグランツ)

一次審査・二次審査の結果はいずれもJグランツで通知され、通知メールはJグランツで起票した申請の「担当者メールアドレス」欄に届きます。このアドレスは申請時のものから変更できず、通知を確認しなかったことによる不利益には対応しないと明記されているため、登録したアドレスを確実に受信できる状態にしておく必要があります。

すでに申請した事業者が交付決定まで注意すべきこと

  • 面接審査の日時は公社が指定し、変更や希望は受け付けられません。指定日時に来場しない場合は申請を辞退したものとみなされます。
  • 面接審査・現地調査・申請書類提出は、会社概要と申請内容を説明できる申請企業の方が対応します。経営コンサルタントや社外顧問など自社以外の方の同席・代行は認められておらず、同席が判明した場合は交付決定の取消し事由(不正の手段の例)として挙げられています。録音が可能な機器や撮影機器の持ち込みもできません。
  • 事業区分Ⅱ(後継者チャレンジ)のうち、同一法人の代表者交代、個人事業の廃業・開業を伴う事業譲渡、個人事業主から新設法人への事業譲渡で申請した場合は、後継者本人の出席が必須です。他の役員や従業員による代理出席は認められません。
  • 助成対象経費は助成対象期間(令和8年12月1日〜令和10年5月31日)内に契約・納品・支払いまで完了した経費に限られます。公式FAQでも交付決定前に支払った経費は助成対象経費にならないと明記されているため、採択発表前に発注や支払いを進めないよう注意が必要です。
  • 申請書類提出後の加筆・修正は原則できません。やむを得ない事由で計画を変更する場合も、交付決定後に事業計画の変更手続きを行い、公社の事前承認を得る必要があります。事前承認がないまま変更した事実が確認されると、交付決定が取り消される場合があります。
  • 現地調査は申請者全社が対象ではありません。対象になった事業者には日程が別途知らされます。

次回の募集は現時点で発表されていない

公社のプレスリリースでは、第12回(令和8年度第1回)の募集決定が令和8年3月16日、第13回(令和8年度第2回)の募集決定が令和8年6月2日に公表されました。一方、令和8年度のプレスリリース一覧では、令和8年8月6日時点で次回にあたる募集の発表は確認できません。次回が実施されるかどうか、実施される場合の時期・事業区分・助成限度額も公表されていない状態です。

次回の実施を前提に設備の発注や契約を進めるのではなく、公社の事業ページとプレスリリース一覧で募集決定の発表を確認したうえで動くのが確実です。第13回では募集決定の公表(令和8年6月2日)から書類提出開始(7月14日)まで約6週間でした。

自社はどの事業区分・どのコースで申請できるか

  • 事業区分は「競争力強化」「後継者チャレンジ」「アップグレード促進」の3つ
  • ゼロエミコースと賃上げコースは併用できない
  • 第11回(令和7年度第3回)とは事業区分と助成限度額が異なる

事業区分は「競争力強化」「後継者チャレンジ」「アップグレード促進」の3つ

第13回の助成対象事業は、次のⅠ〜Ⅲのいずれかに合致する必要があります。いずれの区分でも、設備投資後に従業員一人当たりの付加価値額(労働生産性)を年率3%以上向上させる計画であることが条件です。

  • Ⅰ 競争力強化:更なる発展に向けて競争力強化を目指した事業展開と、そのために必要な機械設備を新たに導入する事業。募集要項では、量産体制の構築、安定供給体制の確立、多品種少量生産への対応、生産工程の改善、一貫加工の実現、特殊素材や難加工・複雑形状への対応、短納期対応、コストダウンなどが例示されています。
  • Ⅱ 後継者チャレンジ:事業承継を契機として、後継者による事業多角化や新たな経営課題への取り組みに必要な設備を導入する事業。第13回では令和5年7月1日から令和8年11月30日までに事業承継を行った、または行う予定の事業者が対象です。
  • Ⅲ アップグレード促進:競争力強化と生産性向上を実現し、地域経済の中心となるべく成長するために必要な設備を導入する事業。ゼロエミコースと賃上げコースの両方の要件を満たすことが必須です。

Ⅱ 後継者チャレンジの承継方法は、①同一法人における代表者交代による承継、②法人間のM&A(吸収合併・吸収分割・事業譲渡)、③個人事業における廃業・開業を伴う事業譲渡による承継、④個人事業における廃業を伴う個人事業主から新設法人への事業譲渡による承継、の4つに限られます。公式FAQでは、法人間の株式譲渡・株式交換・新設合併・株式移転による承継や、法人から個人事業主への事業譲渡は対象にならないと明記されています。グループ内の事業再編、譲渡価格が0円の取引、店舗や車両など有形資産のみの引継ぎ、顧客リストのみの引継ぎなども、実質的な事業承継が行われたとみなされません。

Ⅲ アップグレード促進では、申請書の事業計画に記載した製品・サービスに関して取引が生じる受注企業が作成した「生産(増産)要請に関する証明書」と、パートナーシップ構築宣言の写しの提出が必要です。証明書の発行主体は、生産拠点が都外の場合は神奈川県・埼玉県・千葉県・群馬県・栃木県・茨城県・山梨県に所在する工場等に限られ、親会社・子会社・グループ企業等の関連会社は発行主体になれません。労働生産性の伸び率も、3年後9%以上、4年後12%以上、5年後15%以上と具体的に定められています。

なお、事業計画を伴わない単なる機械設備の更新、量産および販売等の目途が立っていない研究開発目的の投資、自社工場への自家発電設備の設置、助成対象設備を外注業者や関係会社など助成事業者以外が使用するものは、助成対象にならない事業として明記されています。

ゼロエミコースと賃上げコースは併用できない

第13回では通常コースのほかに助成率が引き上げられる2つのコースがありますが、募集要項ではゼロエミコースと賃上げコースは併用できないと明記されています。どちらを選ぶかは申請時に決める必要があります。

  • ゼロエミコース:申請時に提出する「ゼロエミッション概要書」の記載内容を総合的に判断し、省エネ効果が高いと見込まれる事業計画の場合に助成率が高くなります。
  • 賃上げコース:申請時に提出する「賃金引上げ計画書」や関係書類の記載内容を総合的に判断し、計画の実効性が高いと見込まれる場合に助成率が高くなります。

賃上げコースの「賃金引上げ計画」は、①賃金引上げ計画期間に支払う給与支給総額を、基準日が属する月の前月から遡る12か月間の給与支給総額(基準給与支給総額)の1.02倍以上に増加させること、②機械設備設置場所の事業場内最低賃金を地域別最低賃金+30円以上の水準にすること、の両方を満たす1年間の計画です。ここでの給与支給総額は賃金台帳に記載の差引支給額(手取り額)で、役員は除き非常勤を含みます。賃金引上げ計画期間は、助成事業完了日が属する月の翌月から起算した12か月間です。

第13回で賃上げコースを選ぶ場合は、令和7年7月から令和8年6月までの合計12か月分について、全従業員の賃金台帳の写しを提出する必要がありました。また公式FAQでは、賃上げコースを適用する事業所は基準日時点ですでに従業員が所属している事業所や工場等を指すとされ、新設の事業所や無人の資材置き場に設備を設置する場合は賃上げコースの対象外と説明されています。

第11回(令和7年度第3回)とは事業区分と助成限度額が異なる

東京都と公社が令和8年6月30日に公表した第11回(令和7年度第3回)の支援対象事業の発表資料では、事業区分は「Ⅰ競争力強化」「ⅡDX推進」「Ⅲイノベーション」「Ⅳ後継者チャレンジ」「Ⅴアップグレード促進」の5区分、助成限度額は3,000万円〜2億円と記載されています。これに対して第13回募集要項では、事業区分はⅠ〜Ⅲの3区分に整理され、助成限度額はⅠ・Ⅱが100万円〜1億円、Ⅲが1億円〜2億円です。

「DX推進」「イノベーション」といった区分を前提に解説している記事は第11回以前の情報である可能性があります。区分名・助成限度額・基準日は回次ごとに確認してください。

躍進的な事業推進のための設備投資支援事業の対象になる事業者・ならない事業者

  • 申請資格の中心になる要件
  • 中小企業者・小規模企業者の判定基準
  • 申請できない法人形態・業態と、重複申請の扱い

申請資格の中心になる要件

  • 基準日(令和8年7月1日)現在で、東京都内に登記簿上の本店又は支店があること。機械設備を都外に設置する場合は、都内に本店があることが必要です。個人事業者は、税務署に提出済みの個人事業の開業・廃業等届出書の写しにより、納税地・主たる事業所等が都内にあることを確認します。
  • 基準日現在で、東京都内の事業所で継続的に2年以上事業を行っていること。
  • 本助成事業の成果を、都内で引き続き活用し続ける予定があること。
  • 東京都に納税し、法人事業税・法人都民税等を滞納していないこと。都税事務所等との協議のもとで分納している期間中も申請できません。
  • 同一回での申請は一企業一申請に限られること。既存申請の審査結果が判明するまで、次の回に申請することはできません。
  • 設備投資緊急支援事業や過去の本助成事業で採択を受けている場合、基準日現在で助成額の確定通知書を受けていること。
  • 過去に公社から助成金の交付を受けている場合、その助成事業で定める報告期間すべての「事業化状況報告書」を提出していること。未提出があると、報告期間満了の翌年度の3月31日まで申請できません。
  • 申請日までの過去5年間に、公社・国・都道府県・区市町村等が実施する助成事業等で不正等の事故を起こしていないこと。

「都内で実質的に事業を行っていること」は、単に登記や建物があることだけでは足りません。募集要項では、申請書・納税状況・ホームページ・看板や表札・電話等連絡時の状況・事業実態や従業員の雇用状況などから総合的に判断すると説明されています。確認資料として、法人は履歴事項全部証明書と都税事務所発行の2期分の納税証明書、個人事業者は開業・廃業等届出書の写しと2期分の納税証明書の提出が必要です。

中小企業者・小規模企業者の判定基準

中小企業者は、中小企業基本法第2条第1項及び中小企業支援法施行令第1条に規定する範囲で、資本金または常用従業員数のいずれかが次の基準以下であることが条件です。

業種資本金及び常用従業員数
製造業・建設業・運輸業・その他の業種(ソフトウェア業、情報処理サービス業を含む)3億円以下 又は 300人以下
ゴム製品製造業の一部(自動車・航空機用タイヤ製造業及びチューブ製造業並びに工業用ベルト製造業を除く)3億円以下 又は 900人以下
卸売業1億円以下 又は 100人以下
サービス業5,000万円以下 又は 100人以下
旅館業5,000万円以下 又は 200人以下
小売業(飲食業を含む)5,000万円以下 又は 50人以下

助成率が優遇される小規模企業者(Ⅰ 競争力強化の申請者区分B)は、上記の中小企業者のうち、基準日現在で常用従業員数が製造業・その他は20人以下、商業(卸売業・小売業)・サービス業は5人以下の事業者です。中小企業団体等は、構成員の内訳にかかわらず小規模企業者とはみなされません。

また、大企業が単独で発行済株式総数又は出資総額の2分の1以上を所有している場合、複数の大企業で3分の2以上を所有している場合、役員総数の2分の1以上を大企業の役員・職員が兼務している場合などは、大企業が実質的に経営に参画しているとみなされ対象外になります。

申請できない法人形態・業態と、重複申請の扱い

公式FAQでは、社会福祉法人・医療法人・NPO法人・学校法人・宗教法人・一般社団法人・一般財団法人は、中小企業基本法上の中小企業に該当しないため申請資格がないと明記されています。医療業については、医療法人が経営している場合は申請できませんが、個人開業医であれば医療業として申請可能とされています。

このほか、風俗営業等の規制及び業務の適正化等に関する法律第2条に規定する風俗関連業、ギャンブル業、賭博等のほか、連鎖販売取引、ネガティブ・オプション(送り付け商法)、催眠商法、霊感商法など、公的資金の助成先として適切でないと判断される業態も対象外です。民事再生法・会社更生法・破産法に基づく申立・手続中や私的整理手続中の事業者、休眠会社として解散したものとみなされている法人も申請できません。

他制度との関係は次のとおりです。公社が実施する他の助成事業に、同一機械設備(同一型番)で併願申請することはできません。一方、ものづくり補助金など他機関の助成金との併願申請は可能ですが、同一機械設備で二重に助成金を受け取ることはできないため、両方採択された場合はどちらか一方を辞退することになります。

助成額・自己負担額の計算と、入金までの流れ

  • 事業区分・コース別の助成率と助成限度額
  • 助成金交付申請額が100万円を下回ると申請できない
  • 賃上げコースは助成金が2回に分けて交付される
  • 助成金は後払いで、事業完了後5年間の報告義務がある

事業区分・コース別の助成率と助成限度額

事業区分/申請者区分通常コースゼロエミコース賃上げコース助成額
Ⅰ 競争力強化(中小企業者・区分A)2分の1以内4分の3以内4分の3以内100万円〜1億円
Ⅰ 競争力強化(小規模企業者・区分B)3分の2以内4分の3以内5分の4以内100万円〜1億円
Ⅱ 後継者チャレンジ(区分C)3分の2以内4分の3以内4分の3以内100万円〜1億円
Ⅲ アップグレード促進(区分D)ゼロエミコース・賃上げコースの要件を両方満たすことが必須で4分の3以内1億円〜2億円

助成対象経費は消費税等の間接経費を除いた金額(税抜)で計算します。見積書の税込金額をそのまま使うと、実際に受け取れる助成額より大きい数字になってしまうため注意が必要です。また、「ゼロエミコース」「賃上げコース」で申請しても、審査の結果、適用助成率が変更となり、助成金交付申請額と助成金交付決定額が異なる場合があると明記されています。

助成金交付申請額が100万円を下回ると申請できない

募集要項には、助成上限額・下限額の考え方が競争力強化(中小企業者・通常コース)の例で示されています。

  • 上限を超える例:助成対象経費が3億円(税抜)の場合、3億円×助成率2分の1=1億5,000万円ですが、助成上限額は1億円です。上限額を超えた5,000万円は自己負担になり、これに助成対象外の消費税等が加わります。
  • 下限の例:助成対象経費が200万円(税抜)の場合、200万円×助成率2分の1=100万円で助成下限額に一致します。助成金交付申請額が100万円を下回る場合は申請できないため、この区分・コースでは助成対象経費が税抜200万円を下回る設備投資は申請の対象になりません。

経費区分ごとの下限額も定められています。機械装置・器具備品は1基50万円(税抜)以上、ソフトウェアは1基300万円(税抜)以上です。ソフトウェアはさらに、1基あたり2,000万円以下、かつ複数基を導入する場合でも助成対象経費の合計が2,000万円以下に制限されます。1基の判定は原則として法人税法の減価償却単位に基づき、機械装置は1台又は1基ごと、器具備品は1個・1組・1揃いごとに行います。

賃上げコースは助成金が2回に分けて交付される

賃上げコース、およびアップグレード促進区分で採択された場合、助成金の交付は2回に分割されます。1回目は賃上げコースの優遇を受けない助成率で算出した金額、2回目は賃金引上げ計画の達成確認後に、優遇助成率で算出した助成金から1回目の交付額を差し引いた金額です。募集要項では次の計算例が示されています。

  • Ⅰ 競争力強化(中小企業者)賃上げコース:助成対象経費6,000万円、助成率4分の3で助成金額4,500万円。1回目は6,000万円×2分の1=3,000万円、2回目は4,500万円-3,000万円=1,500万円。
  • Ⅲ アップグレード促進:助成対象経費1億5,000万円、助成率4分の3で助成金額1億1,250万円。1回目は1億5,000万円×3分の2=1億円、2回目は1億1,250万円-1億円=1,250万円。
  • Ⅰ 競争力強化(小規模企業者)賃上げコース:助成対象経費1億円、助成率5分の4で助成金額8,000万円。1回目は1億円×3分の2=6,666万6千円、2回目は8,000万円-6,666万6千円=1,333万4千円。

賃金引上げ計画期間は、助成事業が完了した月(助成金確定通知書の発行日が属する月)の翌月から起算した12か月間です。つまり2回目の交付は、設備の導入が終わってからさらに1年以上先になります。賃上げコースを選ぶ場合は、この期間を資金計画に織り込んでおく必要があります。

なお、賃金引上げ計画が未達成でも、天災など事業者の責めに帰さない理由がある場合、計画期間中の給与支給総額の増加率が「付加価値額の年率増加率÷2」を超えている場合、付加価値額増加率が年率1.5%に達しない場合などは、達成された際の助成率での算出が認められることがあると記載されています。

助成金は後払いで、事業完了後5年間の報告義務がある

助成金は設備導入代金の支払い後に交付される後払いです。募集要項のスケジュールでは、完了報告書の提出後に完了検査が行われ、完了検査から助成金の確定まで約1か月、助成金の確定から交付まで約1か月と示されています。設備代金はいったん事業者が全額を支払う必要があるため、借入れを含めた資金繰りの検討が欠かせません。

助成事業に係る経費の支払いは、金融機関・郵便局からの振込払いに限られ、送金口座は普通預金又は当座預金のみです。現金・手形・小切手・クレジットカード等による支払いは助成対象になりません。

採択後は、助成事業完了年度の終了後、その翌年度分から5年間、事業化の実施状況について報告書を提出します。この間に助成事業の事業化により相当の収益を得た場合は、収益の一部を納付します(納付額は助成金額が限度)。また、助成事業に係る関係書類と帳簿類は、助成事業が完了した年度の翌年度から起算して10年を経過する日か法定耐用年数を経過する日のいずれか早い日まで保存が必要です。この処分制限期間内に設備を処分・移設する場合は、あらかじめ公社の承認を得なければならず、首都圏(東京都・神奈川県・埼玉県・千葉県・群馬県・栃木県・茨城県・山梨県)以外へ移設する場合は、承認を得ても残存簿価相当額をもとに算定した額の納付義務が生じます。

助成対象になる経費とならない経費

  • 対象になるのは固定資産に計上する機械装置・器具備品・ソフトウェア
  • 見積書は2社分が原則で、「一式」表記は対象外
  • 助成対象にならない主な経費
  • 設備の設置場所には都内・都外で別の条件がある

対象になるのは固定資産に計上する機械装置・器具備品・ソフトウェア

助成対象経費は、税法上の固定資産のうち「機械装置」「器具備品」「ソフトウェア」に該当するものを新たに導入し、搬入・据付等を行うために要する経費です(稼働のために最低限必要な訓練費用を含む)。搬入・据付等の経費は、機械設備本体の購入先が行い、設備の設置と一体で捉えられるものに限られます。導入した設備は固定資産として計上し、適正に減価償却を行う必要があります。

ソフトウェアは、パッケージ・アドオン・プラグインなど、すでに仕様が決まって販売されているものが対象です。自社の要望に合わせた大掛かりな開発要素のあるスクラッチ開発は対象になりません。一方、機械設備と一体で運用し、機械装置・器具備品として資産計上される専用制御ソフトウェアや組込みソフトウェアは対象になります。クラウドサービスの利用料金は、公式FAQで助成対象にならないと明記されています。

購入予定の機械設備が「機械装置」「器具備品」「ソフトウェア」のいずれに該当するかについては、公社は事前に回答しないとしており、顧問税理士等に確認するよう案内されています。資産区分の判断は申請前に済ませておく必要があります。

見積書は2社分が原則で、「一式」表記は対象外

機械設備1機種につき、同一メーカー・同一型番で2社の見積書を取得し、それぞれより安価な見積書を採用します。2社分を入手できない場合は「見積限定理由書」の提出が必要です。見積書には次の条件が定められています。

  • 「一式」の表記は、事業構築のために必要な経費か判別できないため対象外経費になります。メーカー・型番・内訳項目の記載が必要です。
  • 同一メーカー・同一型番での相見積書であること。類似の機械の見積書は認められません。
  • 申請時点で有効期限内であること。
  • 値引きがある場合は、値引きが反映された後の金額であること。値引きの対象が不明瞭な場合、採択されても交付予定額から減額される場合があります。
  • 相見積書は、購入先と資本・系列・取引等の関係がない販売会社が発行したものであること。
  • 複数機器で構成される装置は、機器ごとに価格・メーカー・使用詳細・型式等が記載されていること。
  • 工事費用が含まれる場合は、工事工程表と費用の明細(人工数、人工単価、現場経費、クレーン等の使用機材等)を記載すること。
  • 海外製の設備などで見積書・仕様書・図面が日本語以外の場合は、日本語訳の資料も添付すること。
  • 見積書発行元の押印が原則必要で、押印を省略する場合は発行元の連絡先を記載すること。必要に応じて公社から確認の連絡が入る場合があります。

助成対象にならない主な経費

  • 中古品の導入経費
  • 不動産・構築物、車両及び運搬具、船舶、航空機等の導入経費
  • 既存機械設備の改良・修繕及び撤去・移設・処分に係る経費
  • 自社内製の機械設備に係る経費(構成部品の導入費用、ソフトウェアの内製費用等)
  • 設置場所の整備工事や基礎工事、電気工事等に係る経費
  • 設置後に発生する費用(年間保守費用、バージョンアップ費用、サブスクリプション等の従量課金・定量課金、ライセンス使用料、定期的な技術指導、教育訓練費用等)
  • 汎用性のあるパソコン、サーバー、ソフトウェア等、目的外使用が可能なもの
  • デモンストレーション等を目的とし、生産や役務の提供のために直接使用しない機械設備の導入経費
  • 親会社・子会社・グループ企業等の関連会社との取引に係る経費(代表者の三親等以内の親族が経営する会社、自社やその役員・従業員が顧問・コンサルタント・技術指導等の契約をしている会社を含む)
  • 消費税、関税、振込手数料、従業員に支払う旅費・交通費、収入印紙代、保険料等
  • 割賦・リース・レンタルに係る経費(所有権留保のないものを除く)
  • 購入額の一部又は全額に相当する金額を申請者へ払い戻すことで、証憑に記載の金額と実際に支払われた金額が一致しない経費

設備の設置場所には都内・都外で別の条件がある

機械設備は、助成対象期間内に、自社所有物件又は賃貸借契約が結ばれている物件で、自社の管理下にある場所へ設置する必要があります。設置場所によって条件が異なります。

設置場所条件
東京都内基準日現在で都内に登記簿上の本店又は支店があること。原則として、基準日現在で環境条例に定められた工場設置認可・認定を受けていること。
東京都以外基準日現在で都内に登記簿上の本店があること。設置場所が神奈川県・埼玉県・千葉県・群馬県・栃木県・茨城県・山梨県に所在する工場等であること。原則として、基準日現在で環境保全等に関する法令に基づく特定施設の各種届出がなされ、認可・認定を受けていること。

無償で土地や建物を使用する「使用貸借」契約の物件には設置できません。公式FAQでは、代表者の所有物件を賃貸借契約なしで使用している場合も設置できず、設置までに賃貸借契約を結ぶ必要があると説明されています。また、他社(関連会社を含む)の従業員が混在するフロアや共用スペースなど、他社の使用が可能な場所にも設置できません。

申請書に記載した設置場所は原則として変更できません。建設予定・賃貸借予定の物件を想定する場合は、助成対象期間内(令和8年12月1日〜令和10年5月31日)に設置できる計画かどうかを十分に検討する必要があります。

躍進的な事業推進のための設備投資支援事業の申請方法と必要書類

  • 申請はJグランツのみで、持参・郵便・メールは受け付けられない
  • 第13回で求められた提出書類
  • 代理申請でできること・できないこと

申請はJグランツのみで、持参・郵便・メールは受け付けられない

申請は国(デジタル庁)が提供する電子申請システム「Jグランツ」でのみ受け付けられ、持参・郵便・電子メール等による提出はできません。Jグランツを利用するには、事前に「GビズIDプライム」アカウントの発行が必要です。公社は、アカウントの発行には審査で原則2週間程度かかるとしています。

申請書類は回次ごとの書式で作成する必要があり、第13回以外の書式を使用すると原則として申請を受け付けてもらえません。申請書は「誓約事項・申請書(Excel)」と「事業計画書(Word)」の両方を作成し、それぞれ推奨されたファイル形式のまま提出します。記載漏れや添付書類の不足があった場合は受け付けられず、Jグランツで差し戻しとなる可能性があると明記されています。

締切日はJグランツへのアクセス集中が予想され、データのアップロードに時間を要するため、公社は早めの提出を呼びかけています。第13回の書類提出期間は令和8年7月14日9時から7月23日17時までの約10日間でした。

第13回で求められた提出書類

  • 申請書(誓約事項・申請書:Excel)と申請書(事業計画書:Word)の両方【必須】
  • 確定申告書の直近3期分(創業3年未満の企業は直近2期分。後継者チャレンジは事業承継前後の決算期を通算して直近3期分)
  • 履歴事項全部証明書(発行後3か月以内の原本)/個人事業者は開業届の写し
  • 都税事務所発行の納税証明書 直近2期分(法人事業税・法人都民税等)
  • 積算根拠書類(機種ごとに2社の見積書、機械設備の最新カタログ、見積書採用予定の会社の会社案内、必要な場合は見積限定理由書)
  • 機械設備設置場所の外観・内観写真と、平面図・配置図
  • 会社案内、法令上必要な事業許可書・工場設置認可書又は認定書の写し
  • 小規模事業者に該当することの確認書(申請者区分Bで申請する場合のみ)
  • 事業承継概要書(申請者区分Cで申請する場合のみ)
  • ゼロエミッション概要書(ゼロエミコースで申請する場合のみ)
  • 賃金引上げ計画書(賃上げコースで申請する場合のみ)
  • 生産(増産)要請に関する証明書(アップグレード促進区分で申請する場合のみ)
  • Jグランツ代理申請に関する同意書(代理申請を実施する場合のみ)

取得先を間違えやすいのが登記事項証明書と納税証明書です。登記情報提供サービスを利用してダウンロードした登記情報は、履歴事項全部証明書の原本にはあたりません。納税証明書も都税事務所の発行が必要で、法人は法人事業税と法人都民税等の2期分を提出します。カタログがない設備の場合は、具体的な設計図面や仕様書など設備の詳細がわかる書類で代替します。

代理申請でできること・できないこと

Jグランツの代理申請機能を使えば、申請手続きを申請者に代わって第三者が行えます。ただし、助成対象経費に関与する事業者(外注・委託先の事業者)とその従業員、本助成事業の運営及び審査に関わる者やこれらの者が所有・所属する事業者(公社職員・相談員等)は、代理申請を請け負うことができません。

代理申請を行う場合も、申請の確認及び提出は申請者自身が行う必要があり、申請受付以降の手続きも申請者自身が行います。委任関係を結ぶには、委任者・受任者の双方がGビズIDプライムを保有し、マイページ上で委任申請と承認の作業を行う必要があります。なお、代理申請に関して申請者と代理申請者の間に生じたトラブルには事務局は関与しないと明記されています。

次回募集に向けて今から準備できること

  • GビズIDプライムの取得は募集開始前に済ませておく
  • 有効期限や取得先が決まっている書類を把握しておく
  • 公表されている審査の視点と加点措置を確認する
  • 公表済みの採択結果と成果事例で申請テーマの実例を見る

GビズIDプライムの取得は募集開始前に済ませておく

第13回の書類提出期間は約10日間でした。一方でGビズIDプライムのアカウント発行には審査で原則2週間程度かかるとされているため、募集の発表を待ってからアカウントを取得したのでは提出期間に間に合わない可能性があります。GビズIDプライムは他の補助金・助成金の電子申請にも使えるため、設備投資を検討し始めた段階で取得手続きを進めておくのが現実的です。

また、GビズIDの二要素認証の方法は令和7年12月17日から変更されています。すでにアカウントを持っている場合も、実際にログインできる状態かどうかを事前に確認しておきます。申請方法や技術トラブルなどGビズIDに関する質問は、デジタル庁のGビズIDヘルプデスク(0570-023-797)が窓口です。

有効期限や取得先が決まっている書類を把握しておく

履歴事項全部証明書は発行後3か月以内の原本、納税証明書は都税事務所発行の直近2期分と定められています。有効期限があるため早く取りすぎても使えませんが、取得先が限られる点は先に把握しておく必要があります。

一方、募集開始前から着手できる、あるいは時間がかかりやすいのは次の項目です。

  • 同一メーカー・同一型番で2社から取得する、内訳が明記された見積書
  • オーダーメイド設備の場合の詳細な仕様書及び図面
  • 工事費用が含まれる場合の工事工程表と費用の明細
  • 工場設置認可や特定施設の設置届出など、法令上必要な許認可
  • 設置場所となる建物の外観・内観写真と平面図・配置図
  • 事業計画の前提となる、労働生産性を年率3%以上向上させる計画の数値根拠

許認可については、区市町村の環境課・環境保全課・環境管理課など環境条例を取り扱う部署やホームページで確認するよう案内されています。未取得の場合や、代表者名・本店住所・工場住所などの届出事項に変更が生じている場合は、速やかに手続きを開始し、その予定を申請書に記載します。手続きの完了は助成金を受領するにあたって必要になります。

公表されている審査の視点と加点措置を確認する

公社は審査を非公開としており、審査に関する個別の問い合わせには応じないと明記しています。採択率や配点も公表されていません。ただし、募集要項には審査の視点が次のように示されています。

  • 資格審査(一次審査):本助成事業の資格要件に合致しているか
  • 経理審査(一次審査):財務内容の安全性・収益性・成長性
  • 事業計画審査(一次審査・二次審査):目的との適合性、優秀性、実現性、成長・発展性、計画の妥当性
  • 価格審査(二次審査):機械設備が一般的な市場価格に対して著しく高額でないか

また、第13回では次の加点措置が示されています。

  • 事業区分Ⅰ 競争力強化で、令和2年度までに公社が実施した「IoT、AI導入前適正化診断」又は「ロボット導入前適正化診断」を終了し、その診断結果に基づく申請者
  • 事業区分Ⅰ 競争力強化で、公社が実施している「DX推進支援事業」「生産性向上のためのデジタル技術活用推進事業」「企業変革に向けたDX推進支援事業」のいずれかの支援を受け、その支援内容に基づく申請者
  • 事業区分Ⅰ 競争力強化で、公社が実施している「デジタル技術活用推進緊急支援事業」の支援を受け、その支援内容に基づく申請者
  • すべての事業区分で、東京都(環境局)に「地球温暖化対策報告書」を提出している申請者
  • すべての事業区分で、東京都(環境局)に「地球温暖化対策計画書」又は「特定テナント等地球温暖化対策計画書」のいずれかを提出している申請者

このうち上の3つの加点措置は、令和8年度の本助成事業の申請受付分をもって終了すると明記されています。地球温暖化対策報告書等については、令和6年度実績又は令和7年度実績について提出したものが対象です。加点措置の内容や適用可否については、募集要項に記載された各事業の問い合わせ先で確認してください。

公表済みの採択結果と成果事例で申請テーマの実例を見る

公社は、助成事業者の企業名・所在地・事業区分・テーマ名・事業内容等を公表しています。令和8年6月30日に東京都と公社が公表した第11回(令和7年度第3回)の支援対象事業は80件で、企業名・事業区分・事業計画テーマの一覧が公開されています。公社の「助成金事業 採択企業一覧」では、第10回(令和7年度第2回)の92件をはじめ、過去の回次の一覧も確認できます。

さらに公社の「設備投資の助成金 成果事例」では、本事業を活用した企業の取り組みが動画で紹介されています。公表されている6件は次のとおりです。

企業名採択年度・回次区分事業計画テーマ
アクスモールディング株式会社令和5年度 第6回中小企業者賃上げ高精度Tダイ製作の為の研磨機導入
株式会社帯刀ギヤー製作所令和5年度 第5回小規模企業者ゼロエミ最新鋭の立形NC旋盤と精密NC旋盤の導入による大型化・高精度化・生産性向上の実現
株式会社昭和石材工業所令和4年度 第3回競争力・ゼロエミ世界初サイズ砕石機器の動力変更によるCO2削減と生産性向上の両立
竹内木材工業株式会社令和3年度 第2回DX推進本社販売部と生産工場をIOTで繋ぎ顧客対応力と生産性向上を図るDXの推進
株式会社日本パープル令和3年度 第1回DX推進ロボット導入による一部無人化で高セキュリティの実現
有限会社丸正製作所令和3年度 第2回後継者チャレンジ製品生産性向上と人材育成を可能とし組織改革を実現する

これらの一覧で公表されているのは、企業名・区分・事業計画テーマ・事業内容です。採択された理由や審査の評価内容は公表されていません。どのようなテーマで申請が行われているかを知る材料として活用し、採択されやすい条件を推測する根拠としては扱わないようにしてください。なお、区分名は回次によって異なるため、第13回で申請する場合はⅠ〜Ⅲの区分に読み替える必要があります。

躍進的な事業推進のための設備投資支援事業を不正受給するとどうなるのか

  • 公社が注意喚起している「自己負担なし」「キャッシュバック」の勧誘
  • 助成金交付決定の取消しと返還が生じる主なケース

公社が注意喚起している「自己負担なし」「キャッシュバック」の勧誘

公社は事業ページと第13回の募集ページの両方で、「自己負担なしでソフトウェア導入の助成金を受給できる」「購入金額の一部をキャッシュバックするので実質自己負担はありません」といった電話勧誘・セールスに注意するよう呼びかけています。本助成金の助成率は助成対象経費の2分の1から5分の4以内であり、助成対象経費の5分の1から2分の1以上は必ず自己負担になる仕組みです。

また、公社は個別の製品・サービス等について助成対象になるかどうかの認定を行っていません。「この製品は本助成金の対象になる」と説明する業者があっても、それは公社の認定ではないため、設備支援課(電話:03-3251-7884)へ直接確認してください。現在の申請内容が上記に該当する恐れがある場合は、個別に相談できるとされています。

助成金交付決定の取消しと返還が生じる主なケース

募集要項では、次のような場合に助成金交付決定の全部又は一部が取り消されると定められています。

  • 交付決定又は変更承認等の内容と異なる事実が認められたとき
  • 偽り、隠匿その他不正の手段により助成金の交付を受けたとき、又は受けようとしたとき(リベート・キャッシュバック・協賛金・ポイント還元・商品券・サービス券・物品等による代金還元で実質的に受領する助成金を偽る場合、申請書類提出・現地調査・二次審査で経営コンサルタントや社外顧問等の同席が判明した場合、同じ機械設備について重複して他の助成金を受けていた場合が例示されています)
  • 助成金を他の用途に使用したとき、又は使用しようとしたとき
  • 都内に、事業活動拠点として基準日現在で2年以上事業を継続している常用の事業所がないと認められるとき
  • 助成対象設備を無断で処分(目的外使用、譲渡、交換、貸付、担保に供すること及び廃棄等)や移設したとき
  • 申請要件に該当しない事実が判明したとき
  • 申請日までの過去5年間又は助成金を支払う日までの間に、法令に違反したとき、あるいは公社・国・都道府県・区市町村等が実施する助成事業等に関して不正等の事故を起こしたとき

これらに該当した場合、申請者及びこれに協力した関係者、不正の内容等が公表されることがあります。すでに助成金が交付されている場合は、期限を定めて返還が求められます。偽りその他の不正な手段により助成金を不正に受給した場合は、受領済みの助成金のうち取消し対象となった額に違約加算金を加えた額の返還が必要で、刑事罰が適用される場合もあると明記されています。

躍進的な事業推進のための設備投資支援事業のまとめ

躍進的な事業推進のための設備投資支援事業は、基準日現在で都内に本店又は支店があり、都内で2年以上事業を継続している中小企業者等が、量産フェーズの機械装置・器具備品・ソフトウェアを導入する際の経費を助成する制度です。第13回(令和8年度第2回)では、事業区分Ⅰ 競争力強化とⅡ 後継者チャレンジが100万円〜1億円、Ⅲ アップグレード促進が1億円〜2億円で、助成率は通常コース2分の1〜3分の2以内、ゼロエミコース4分の3以内、賃上げコース4分の3〜5分の4以内でした。

第13回の申請書類提出は令和8年7月23日17時で終了しています。すでに申請している場合は、9月下旬の一次審査結果通知と10月中旬から10月下旬の面接審査に備え、面接に自社以外の方を同席させないこと、助成対象期間(令和8年12月1日〜)の前に発注・契約・支払いを行わないことを確認してください。

これから申請を検討する場合、令和8年8月6日時点で次回の募集は発表されていません。まずはGビズIDプライムの取得と、2社見積・仕様書・許認可・設置場所の写真など時間のかかる書類の準備から着手し、公社のプレスリリース一覧で募集決定の発表を確認するのが現実的な進め方です。

最新の募集状況・募集要項・申請様式は、東京都中小企業振興公社の事業ページ第13回(令和8年度第2回)募集ページで確認できます。