建築GX・DX推進事業とは?補助率や上限額・対象者・申請方法をわかりやすく解説

補助金

建築GX・DX推進事業は、建築物のライフサイクルカーボン(LCCO2)評価の実施と建築BIMの普及拡大を、国が一体的に支援する補助制度です。

複数の事業者が連携して建築BIMデータの作成等を行う場合の設計費・建設工事費の一部や、建築物のLCCO2評価にかかる費用が補助対象となります。

令和8年度の代表事業者及び事業者の登録は2026年12月31日まで受け付けられており、登録日以降に発生した費用が補助対象になります

本記事では、建築GX・DX推進事業の対象者・補助額・補助率・申請手順・注意点を、公募情報に基づいてわかりやすく解説します。

  1. 建築GX・DX推進事業の基本情報
    1. 補助金・助成金の正式名称
    2. 対象都道府県・市区町村
    3. 実施機関
    4. 対象者(世帯・個人事業主・法人・団体・研究機関)
    5. 対象業種
    6. 対象経費
    7. その他要件
    8. 補助対象外となるもの
    9. 申請期間
    10. 上限金額・助成額
    11. 補助率
    12. 問い合わせ先
    13. 公式公募ページと確認すべきこと
  2. 建築GX・DX推進事業を対象者が活用すべき理由(メリット)
  3. 建築GX・DX推進事業を申請すべき人とそうでない人の特徴
    1. 申請すべき人
    2. 見送ったほうが良い人の特徴
  4. その他にも利用すべき補助金・助成金制度の代表例
    1. 新事業進出補助金(新事業進出・ものづくり補助金 新事業進出枠)
    2. ものづくり補助金(革新的新製品・サービス枠)
    3. 中小企業省力化投資補助金
    4. 小規模事業者持続化補助金
  5. 建築GX・DX推進事業の申請に必要なもの
    1. 申請に必要な書類一覧と取得方法
    2. 記載例はどこで確認できるか
  6. 建築GX・DX推進事業の採択率を上げる事業計画書の作り方
    1. 市場性を具体的に書く
    2. 差別化ポイント(自社と他社の違い)を明確に記載
    3. この制度を利用する必要性・重要性を記載
    4. 実行体制を明記する
  7. 建築GX・DX推進事業の申請手順
  8. 建築GX・DX推進事業を自社で申請する際の注意点
  9. 自社に申請ノウハウが無い場合は専門家に依頼するのもおすすめ
    1. 制度選定の精度が上がる
    2. 事業計画の質が上がる
    3. 採択後の実務まで見据えられる
  10. 建築GX・DX推進事業を不正受給するとどうなるのか
    1. 交付決定の取消し・返還に加えて事業者名公表のおそれ
    2. 関係者からの情報提供や事後調査で発覚する例が多い
  11. 建築GX・DX推進事業のまとめ

建築GX・DX推進事業の基本情報

正式名称建築GX・DX推進事業(令和8年度)【代表事業者及び事業者の登録】
対象地域全国
実施機関建築GX・DX推進事業実施支援室(国の住宅・建築物カーボンニュートラル総合推進事業)
対象者一定要件を満たす建築物を整備するプロジェクトを行う民間事業者等(代表事業者・事業者)
対象業種建設業
対象経費建築BIMデータ作成等に係る設計費・建設工事費の一部、LCCO2評価実施費用
その他要件BIM活用事業者登録制度への登録、BIM活用推進計画の策定など
補助対象外登録日前に発生した費用、要件を満たさないプロジェクトなど
申請期間事業者登録:2026年4月7日〜12月31日/交付申請:2026年7月1日〜9月30日
上限金額LCCO2評価実施型:650万円/件(BIMモデル作成ありは500万円/件)など ※Jグランツ上は記載なし
補助率BIM活用型:掛かり増し費用の1/2 ※Jグランツ上は記載なし
問い合わせ先建築GX・DX推進事業実施支援室(TEL:03-6803-6766)

補助金・助成金の正式名称

正式名称は「建築GX・DX推進事業(令和8年度)【代表事業者及び事業者の登録】」です。

国土交通省の住宅・建築物カーボンニュートラル総合推進事業の一環として実施される、国の補助事業です。

補助金の交付申請を行う前提として、まず代表事業者及び事業者の登録を完了させる必要があります

対象都道府県・市区町村

対象地域は全国で、都道府県や市区町村による限定はありません。

全国どこで実施するプロジェクトでも、要件を満たせば申請を検討できます

実施機関

実施機関は建築GX・DX推進事業実施支援室です。

登録・交付申請の受付や問い合わせ対応は、建築GX・DX推進事業実施支援室が窓口となっています

対象者(世帯・個人事業主・法人・団体・研究機関)

対象者は、一定要件を満たす建築物を整備するプロジェクトを行う民間事業者等(代表事業者・事業者)です。

LCCO2評価については、設計事務所や建設会社に加えて、発注者が主体となって実施する場合も支援の対象です。

大規模プロジェクトに限らず、小規模プロジェクトや改修プロジェクトも対象となるため、中小事業者でも活用しやすい制度です

対象業種

Jグランツの公募情報では、対象業種は建設業とされています。

従業員数の制約はなく、企業規模を問わず申請を検討できます

対象経費

BIM活用型では、BIMソフトウェア利用費・関連費、CDE環境構築費・利用費、BIMコーディネーターやBIMマネジャー、BIMモデラーの人件費、BIM講習の実施費用などが対象です。

LCCO2評価実施型では、LCCO2評価等人件費、CO2原単位等策定人件費、データベース利用費、第三者検証費用などが対象となります。

建築BIMデータ作成等に係る設計費・建設工事費の掛かり増し費用と、LCCO2評価の実施費用が補助の柱です

その他要件

BIM活用型では、耐火・準耐火建築物等であること、省エネ基準に適合することなど、建築物側の要件を満たす必要があります。

また、元請事業者等・下請事業者等は「BIM活用事業者登録制度」に登録し、補助事業完了後3年間はBIM活用状況を報告することが求められます。

国土交通省が定める内容を盛り込んだ「BIM活用推進計画」の策定も要件の一つです

補助対象外となるもの

代表事業者等の登録日より前に発生した費用は、補助対象になりません。

要件への適合や補助対象経費の支出等が確認できない場合には、補助金は交付されないとされています。

また、交付申請の総額が予算額に達した場合には受付が打ち切られるため、注意が必要です。

申請期間

代表事業者及び事業者の登録は、2026年4月7日から2026年12月31日まで受け付けられています。

プロジェクトごとの交付申請の受付期間は2026年7月1日から2026年9月30日までです。

登録と交付申請で期限が異なるため、スケジュールを混同しないようにしましょう。

上限金額・助成額

Jグランツの公募情報では補助上限額の記載はなく、詳細は公式サイト・公募要領で示されています。

LCCO2評価実施型は、BIMモデルを作成せずに評価を行う場合650万円/件、BIMモデルを作成した上で評価を行う場合500万円/件が上限の定額補助です

CO2原単位も策定する場合は、一のCO2原単位等につき400万円が加算されます(一事業者当たりの加算はプロジェクトにつき1,000万円まで)。

BIM活用型は、延べ面積に応じて補助限度額が設定されます。

補助率

Jグランツの公募情報には補助率の記載はありませんが、公式サイトで補助率の考え方が示されています。

BIM活用型では、設計調査費及び建設工事費に対し、BIM活用による掛かり増し費用の1/2が補助されます

LCCO2評価実施型は、上限額以内の定額補助方式です。

問い合わせ先

問い合わせ先は、建築GX・DX推進事業実施支援室(TEL:03-6803-6766)です。

受付時間は月曜日から金曜日(祝日・年末年始を除く)の10:00〜17:00(12:00〜13:00を除く)です

公式公募ページと確認すべきこと

応募にあたっては、Jグランツの公募詳細ページで公募要領・交付要綱・申請様式を必ず確認してください。

補助対象となるソフトウェアのリストや最新のお知らせは、建築GX・DX推進事業実施支援室の公式サイトで随時更新されています

交付申請の受付状況や予算の執行状況についても、申請前に確認しておくと安心です。

建築GX・DX推進事業を対象者が活用すべき理由(メリット)

建築BIMの導入には、ソフトウェア費用や人材の育成・確保など、通常の設計・施工にはない掛かり増し費用が発生します。

建築GX・DX推進事業を活用すれば、この掛かり増し費用の1/2が補助されるため、自己負担を大きく抑えてBIM活用の体制を整えられます。

LCCO2評価についても、最大650万円/件の定額補助を受けながら脱炭素対応の実績を積むことができます。

小規模プロジェクトや改修プロジェクトも対象で、発注者主体のLCCO2評価も支援されるなど、間口の広さも魅力です。

建築業界全体でBIM活用と脱炭素対応が急速に進む中、費用負担を抑えて先行投資できることは、今後の受注競争力の強化につながります。

建築GX・DX推進事業を申請すべき人とそうでない人の特徴

  • 申請すべき人
  • 見送ったほうが良い人の特徴

申請すべき人

  • 建築BIMデータの作成・活用を伴う建築プロジェクトを予定している建設会社・設計事務所
  • 建築物のLCCO2評価に取り組みたい事業者や、評価を主体的に実施したい発注者
  • BIM活用事業者登録制度への登録や3年間の活用状況報告に対応できる事業者
  • 掛かり増し費用の負担を抑えて、BIM・脱炭素対応を早期に進めたい中小事業者

見送ったほうが良い人の特徴

  • 耐火・省エネ基準適合など、補助要件を満たす建築物のプロジェクト予定がない事業者
  • BIM活用推進計画の策定や事後の報告義務に対応する体制を確保できない事業者
  • 交付申請期間(2026年9月30日まで)に間に合わないスケジュールで検討している事業者
  • 登録前にすでに費用の大半が発生してしまっているプロジェクトしかない事業者

その他にも利用すべき補助金・助成金制度の代表例

  • 新事業進出補助金(新事業進出・ものづくり補助金 新事業進出枠)
  • ものづくり補助金(革新的新製品・サービス枠)
  • 中小企業省力化投資補助金
  • 小規模事業者持続化補助金

新事業進出補助金(新事業進出・ものづくり補助金 新事業進出枠)

既存事業とは異なる市場や新たな事業領域への挑戦を考えている中小企業に適した制度です。

新市場・高付加価値事業への進出に必要な設備投資や建物費などを幅広く支援してもらえる点が特徴です。

建設関連事業者が新分野のサービスを立ち上げる際の選択肢にもなります。

ものづくり補助金(革新的新製品・サービス枠)

革新的な新製品・新サービスの開発に取り組む中小企業・小規模事業者を対象とした定番の支援策です。

開発に必要な機械装置・システム構築費などの設備投資を対象に、手厚い補助が受けられます

試作開発や生産プロセスの高度化を検討している場合は、あわせて確認しておきたい制度です。

中小企業省力化投資補助金

人手不足に直面する中小企業が、省力化に資する設備やシステムを導入する際に利用できる制度です。

IoTやロボットなどの省力化製品の導入により、現場の生産性を高めながら人手不足を補えるのが利点です。

施工現場や事務作業の省力化を進めたい建設業の方にも親和性があります。

小規模事業者持続化補助金

従業員数の少ない小規模事業者が、販路開拓や業務効率化に取り組む際の心強い味方となる制度です。

商工会・商工会議所の助言を受けながら経営計画を作成して申請できるため、補助金申請が初めてでも取り組みやすい制度です。

広告宣伝や設備導入など、身近な取り組みから活用を始められます。

建築GX・DX推進事業の申請に必要なもの

  • 申請に必要な書類一覧と取得方法
  • 記載例はどこで確認できるか

申請に必要な書類一覧と取得方法

申請はJグランツからの電子申請で行うため、GビズIDプライムのアカウントが必要です。

GビズIDプライムの取得には時間がかかる場合があるため、申請期限から逆算して早めに準備しておきましょう

  • GビズIDプライムのアカウント
  • 代表事業者及び事業者の登録に係る申請様式(Jグランツ・公式サイトで取得)
  • 実施予定プロジェクトの概要と補助金見込額の情報
  • 交付申請時は、募集要領・交付申請等マニュアルに定める申請書類と経費の根拠資料

記載例はどこで確認できるか

申請様式や作成支援様式、補助対象ソフトウェアのリストは、建築GX・DX推進事業実施支援室の公式サイトで公開されています。

公式サイトの事業概要・関連資料のページでは、要件や補助額の詳細もあわせて確認できます

不明点は、記載内容を確認したうえで実施支援室へ問い合わせるとスムーズです。

建築GX・DX推進事業の採択率を上げる事業計画書の作り方

  • 市場性を具体的に書く
  • 差別化ポイント(自社と他社の違い)を明確に記載
  • この制度を利用する必要性・重要性を記載
  • 実行体制を明記する

市場性を具体的に書く

建築BIMや脱炭素対応への需要がどれだけ高まっているのか、発注者の動向や業界データを引用しながら示すことが出発点になります。

対象プロジェクトの規模や種別、想定される波及効果を数字で語れると、計画の説得力が一段と増します

差別化ポイント(自社と他社の違い)を明確に記載

これまでの施工実績や保有技術、協力会社とのネットワークなど、自社ならではの強みを棚卸ししてみましょう。

他社と同じ表現をなぞるのではなく、自社のBIM活用の到達点と今後の伸びしろを具体的に書き分けることが重要です。

この制度を利用する必要性・重要性を記載

なぜ自己資金だけでは取り組みが難しいのか、掛かり増し費用の内訳とともに丁寧に説明する必要があります。

補助を受けることでBIM導入やLCCO2評価がどれだけ前倒しできるのか、費用対効果を明示しましょう

実行体制を明記する

BIMマネジャーやBIMコーディネーターを誰が担うのか、役割分担と人員配置を明確に記載します。

事業完了後3年間のBIM活用状況報告まで見据えた社内体制を示すことで、実現可能性への信頼が高まります

建築GX・DX推進事業の申請手順

  1. 公式サイトとJグランツで公募要領・交付要綱・申請様式を確認する
  2. GビズIDプライムのアカウントを取得する
  3. Jグランツから代表事業者及び事業者の登録を行う(2026年12月31日まで)
  4. 登録完了後、プロジェクトごとに交付申請を行う(2026年7月1日〜9月30日)
  5. 審査・交付決定後に補助事業を実施する
  6. 実績報告を行い、補助金の交付を受ける(完了後3年間はBIM活用状況を報告する)

建築GX・DX推進事業を自社で申請する際の注意点

交付申請の総額が予算額に達すると受付が打ち切られるため、登録から交付申請までのスケジュールをできるだけ前倒しで組むことが大切です。

代表事業者等の登録が完了しても、補助金の交付や見込額が保証されるわけではない点はあらかじめ理解しておきましょう。

補助対象となるのは登録日以降に発生した費用に限られるため、費用が発生する前に登録を済ませておく必要があります。

公募要領や交付申請等マニュアルの要件確認が不十分だと、最終的に経費が補助対象と認められないおそれがあるため、書類は細部まで丁寧に確認してください。

自社に申請ノウハウが無い場合は専門家に依頼するのもおすすめ

  • 制度選定の精度が上がる
  • 事業計画の質が上がる
  • 採択後の実務まで見据えられる

制度選定の精度が上がる

補助金・助成金は数が多く、自社の取り組みに最も合う制度を独力で見極めるのは骨の折れる作業です。

専門家に相談すれば、BIM導入や脱炭素投資に使える他の施策との比較まで含めて、最適な選択肢を提示してもらえます

事業計画の質が上がる

要件の整理や経費区分の妥当性チェックなど、申請書類の完成度は経験の差が出やすい部分です。

第三者の視点で計画の弱点を指摘してもらうことで、審査で評価されやすい構成に磨き上げられます

採択後の実務まで見据えられる

補助事業は交付決定がゴールではなく、実績報告や証憑管理といった事後の実務が続きます。

本事業では完了後3年間のBIM活用状況報告も必要になるため、伴走支援を受けておくと事務負担を大きく減らせます

建築GX・DX推進事業を不正受給するとどうなるのか

  • 交付決定の取消し・返還に加えて事業者名公表のおそれ
  • 関係者からの情報提供や事後調査で発覚する例が多い

交付決定の取消し・返還に加えて事業者名公表のおそれ

虚偽の登録内容や実態のない経費計上が判明した場合、交付決定の取消しや補助金の返還を求められます。

悪質なケースでは加算金の納付や事業者名の公表に発展し、公共工事の受注や他の補助制度の利用にも影響が及びかねません

建築GX・DX推進事業は国の予算による補助事業であり、所管する行政機関の対応は厳格です。

関係者からの情報提供や事後調査で発覚する例が多い

不正受給は、取引先や従業員など関係者からの情報提供、実績報告後の調査や会計検査を通じて明らかになることが少なくありません。

補助事業完了後もBIM活用状況の報告や国土交通省等による調査への協力義務が続くため、不正を隠し通すことは極めて困難です

経費の根拠資料や報告内容は、疑念を持たれないよう正確に整えておきましょう。

建築GX・DX推進事業のまとめ

建築GX・DX推進事業は、建築BIMの活用による生産性向上と、LCCO2評価による脱炭素化を国が一体的に支援する補助制度です。

代表事業者及び事業者の登録は2026年12月31日まで、交付申請は2026年9月30日までと期限が分かれているため、早めの登録が肝心です。

最新の公募情報はJグランツの公募詳細ページ建築GX・DX推進事業実施支援室の公式サイトで必ず確認してください。

BIM導入やLCCO2評価を予定している事業者の方は、この機会に活用を検討してみてはいかがでしょうか。

コンテンツ傑作 ~採択される補助金書類づくり~