最大110万円|松戸市事業用省エネルギー設備等導入促進事業費補助金【令和8年度】工事完了後に先着順で申請

補助金

松戸市事業用省エネルギー設備等導入促進事業費補助金は、松戸市内の事業所に省エネルギー設備やEV・充電設備を導入した事業者が、費用の一部の補助を受けられる制度です。

この制度には、他の補助金と大きく異なる点が3つあります。1つ目は、交付決定を待ってから工事を始めるのではなく、設備の導入と支払いを終えてから「交付申請書兼請求書」を提出するという手続きの順序です。2つ目は、審査による採択ではなく先着順で、予算枠に達した時点で受付が終了することです。3つ目は、申請前にまつどSDGsキャラバンメンバーシップ制度でSDGsのゴールを宣言していることが要件になっている点です。

本記事では、令和8年度(2026年度)の交付要綱・交付要領と松戸市が公表している予算残額をもとに、自社が対象になるか、いくら受け取れるか、いつまでに何を用意すればよいかを判断できるように整理します。

  1. 松戸市事業用省エネルギー設備等導入促進事業費補助金の基本情報
  2. いま申請できるか|受付状況と区分別の予算残額
    1. 申請期間と受付が終了する条件
    2. 区分別の予算額・予算残額(令和8年7月1日現在)
    3. 受付順の基準日時は申請方法ごとに異なる
  3. 補助を受けられる事業所・事業者かを確認する
    1. 補助対象となる「事業所」の範囲と対象外になるケース
    2. すべての補助事業に共通する7つの要件
    3. 申請前に済ませておくべき「まつどSDGsキャラバン」の宣言
    4. 補助事業ごとに追加される要件
  4. 8つの補助対象事業と補助額・補助対象経費
    1. 区分別の補助金の額(交付要綱別表5)
    2. 補助対象経費と、対象から除かれる費用
    3. 補助額の計算例(1,000円未満は切り捨て)
  5. 申請のタイミング|設備の導入と支払いを終えてから申請する
    1. 様式が「交付申請書兼請求書」であることの意味
    2. 2つの期限を同時に満たす必要がある
    3. 工事の着工前に写真を撮っておく
    4. 交付決定と補助金の受け取りまでの流れ
  6. 申請方法と必要書類
    1. 4つの申請方法と提出先
    2. すべての区分で共通して必要な添付書類(別表6)
    3. 補助事業の種類ごとに必要になる書類(別表7)
  7. リースで導入する場合の取り扱い
  8. 他の補助制度との併用について
  9. 補助金を受けた後に必要な手続きと注意点
    1. 財産の管理と処分の制限
    2. 補助金の返還を命じられるケース
    3. 市への協力事項
  10. 松戸市の関連する省エネ・脱炭素の補助制度
  11. まとめ

松戸市事業用省エネルギー設備等導入促進事業費補助金の基本情報

制度名松戸市事業用省エネルギー設備等導入促進事業費補助金(令和8年度)
実施機関松戸市 環境部 環境政策課 ゼロカーボンシティ推進担当室
対象地域千葉県松戸市
対象者市内に事業所等を有し事業を営む個人又は法人で、交付要綱別表2(共通要件)・別表3(補助事業ごとの要件)を満たす事業者
対象事業省エネルギー診断の受診/省エネルギー診断に基づく設備改修等/ZEBの新築・改修等/電動バイク等/電気自動車/燃料電池自動車/急速充電設備/普通充電設備(8区分)
補助率・上限額区分により「補助対象経費の額(上限あり)」又は「補助対象経費の2分の1(上限あり)」。上限は2.1万円〜110万円
申請期間令和8年4月1日(水曜)〜令和9年2月26日(金曜)※先着順・予算枠に達した時点で受付終了
申請のタイミング設備の導入・支払いを終えたあとに交付申請書兼請求書(第1号様式)を提出
申請方法松戸市オンライン申請システム/メール/持ち込み/郵送(支所等での受付は不可)
問い合わせ先松戸市 環境政策課 ゼロカーボンシティ推進担当室(047-710-0243)

出典:松戸市「事業用省エネルギー設備等導入促進事業費補助金」松戸市事業用省エネルギー設備等導入促進事業費補助金交付要綱(PDF)

いま申請できるか|受付状況と区分別の予算残額

この補助金は事業計画を審査して採否を決める方式ではなく、受付順に処理され、予算枠に達した時点で受付が終了します。そのため「制度が使えるか」よりも先に「自分が使いたい区分の予算が残っているか」を確認するほうが実務的です。

申請期間と受付が終了する条件

令和8年度の申請期間は令和8年4月1日(水曜)から令和9年2月26日(金曜)までです。松戸市は「申請は受付順とし、予算枠に達した時点で受付を終了します」と明記しているため、期間内であっても締め切られることがあります。

また、交付要領第4条では、次のいずれかに当てはまる場合は交付申請を受け付けることができないと定められています。

  • 交付申請書兼請求書の記載漏れ、別表6及び別表7に掲げる書類に不備がある場合
  • 補助金が予算額に達し、交付できないと見込まれる場合

書類に不備があった場合は、不備を修正した書類を提出した日時が受付日時になります。先着順の制度で不備があると、その分だけ順番が後ろにずれるということです。

区分別の予算額・予算残額(令和8年7月1日現在)

松戸市は補助対象設備ごとの予算額と残額を公表しています。以下は令和8年7月1日現在の数字です(ページの更新日は2026年8月4日)。

補助対象事業予算額予算残額状態
省エネルギー診断の受診252,000円252,000円受付中
省エネルギー診断に基づく設備改修等5,280,000円4,710,000円受付中
ZEBの購入・改修1,100,000円1,100,000円受付中
電動バイク等800,000円760,000円受付中
電気自動車(単体導入・区分A)1,200,000円780,000円受付中
燃料電池自動車50,000円50,000円受付中
急速充電設備の導入400,000円400,000円受付中
普通充電設備の導入200,000円200,000円受付中

この表から読み取れるのは、区分によって「入れる件数」が大きく違うということです。ZEBは予算額1,100,000円に対して上限額も1,100,000円なので、実質的に1件で枠を使い切ります。急速充電設備(上限400,000円)と燃料電池自動車(上限50,000円)も同様に1件分、普通充電設備(上限100,000円)は2件分の枠しかありません。一方、省エネルギー診断に基づく設備改修等は残額4,710,000円に対して上限440,000円なので、まだ複数件の余地があります。

なお、電気自動車(区分A)と燃料電池自動車については、松戸市が「予算額は住宅用・事業用共通です」と注記しています。住宅用の申請が入れば事業用の残額も減ります。最新の残額は必ず松戸市「省エネルギー設備等補助金の予算額・予算残額一覧」で確認してください。

受付順の基準日時は申請方法ごとに異なる

先着順の制度なので、いつの時点で「受け付けられた」ことになるかが結果を左右します。松戸市は申請方法ごとに次の基準を公表しています。

申請方法受付順を決める基準
松戸市オンライン申請システム申込フォームの送信が完了した日
メールゼロカーボンシティ推進担当室がメールを受信した日時
持ち込み書類が提出された(職員が受け取った)日時
郵送担当課職員が郵送物を受け取った日の午前11時(申請者が郵送した日ではない)

郵送だけは「受け取った日の午前11時」という一律の扱いになるため、同日に持ち込みやオンライン申請があった場合の順番に影響します。急ぐ場合はオンライン申請システムか持ち込みが確実です。

メールで送る場合は、件名を「≪お名前≫_≪申請設備名称≫_補助金申請書類」とし、1回に送るファイルの容量を5MB未満にする必要があります。それ以上のファイルは受信できないため、事前に電話で相談するよう案内されています。

補助を受けられる事業所・事業者かを確認する

「松戸市内の事業者であること」だけでは要件を満たしません。交付要綱・交付要領では、対象になる事業所の範囲と事業者の要件がかなり細かく定められています。

補助対象となる「事業所」の範囲と対象外になるケース

交付要領第2条第2項は、補助対象とする事業所を「申請者が市内において使用し、又は所有する事業所(工場、製作所、事務所、営業所、病院等)」と定義したうえで、次のものは事業所に含まないと明記しています。

  • 社員寮や保養所等の、専ら従業員の宿泊等の内部的・便宜的目的のみに供されるもの
  • 政治団体及び宗教団体
  • 集合住宅(アパート・マンション)等の居住を目的に供されるもの(共用部分のLED化や変圧器の更新等)

あわせて、同一の敷地内で自身が事業に使用する区画又は所有する建物が複数ある場合は、原則としてまとめて一つの事業所として扱うと定められています。同じ敷地内の複数棟でそれぞれ申請する、という進め方はできないということです。

また、一つの建物や一つのフロアを複数の事業者が所有・賃借している場合は、申請者の使用区画が判別できるよう、区画を明示した図面を作成して提出する必要があります(交付要領第6条第2項)。テナント入居の事業所は、この図面の準備を早めに進めておくと安全です。

すべての補助事業に共通する7つの要件

交付要綱別表2は、8区分すべてに共通する補助対象者の要件を次のように定めています。

  1. 市内に事業所等を有し、事業を営む個人又は法人であること(リース契約におけるリース事業者を除く)
  2. 市に納付すべき税を滞納していないこと
  3. 代表者、役員その他の事業者の経営に実質的に関与している者が、松戸市暴力団排除条例第2条第3号に規定する暴力団員等でないこと
  4. まつどSDGsキャラバンメンバーシップ制度において、目指したいSDGsのゴールとして「7 エネルギーをみんなに そしてクリーンに」又は「13 気候変動に具体的な対策を」を宣言していること(リース事業者を除く)
  5. 設備の設置費等を負担し、設備等を所有すること(所有権留保付きローンやリースで導入し、所有者が販売店・ファイナンス会社・リース事業者である場合を含む)
  6. リースで行う場合は、設置者とリース事業者が共同で補助事業を行い、リース事業者が月額リース料を減額する形で補助金相当分を還元すること
  7. 補助対象者の要件を満たす者が複数いる場合は、全ての者から補助金申請に係る権限を委任されていること

市税の納付状況については、市長が確認することに同意すれば納税証明書の写しの提出を省略できます(交付要領第6条第1号)。

申請前に済ませておくべき「まつどSDGsキャラバン」の宣言

共通要件の4番目は、設備投資そのものとは別に、事前の手続きが必要な要件です。まつどSDGsキャラバンメンバーシップ制度に参加し、取組を通じて目指したいSDGsのゴールとして「7 エネルギーをみんなに そしてクリーンに」又は「13 気候変動に具体的な対策を」を宣言していることが求められます。

設備を導入したあとに、この宣言をしていなかったことに気づいても要件を満たせません。設備の検討を始めた段階でまつどSDGsキャラバンメンバーシップ制度の登録内容を確認し、該当するゴールを宣言しているかどうかをチェックしてください。なお、リース事業者はこの要件の対象から除かれています。

補助事業ごとに追加される要件

交付要綱別表3では、区分ごとに次の要件が加わります。

補助事業の種類追加される要件
省エネルギー診断の受診補助金の交付を申請する年度内に受診していること
省エネルギー診断に基づく設備改修等設備改修等の工事が完了した日の翌日から起算して1年以内であること/事業所等を第三者が所有する場合、全ての者から事業実施の同意を得ていること
ZEBの新築・改修等新築・購入の場合は事業所等の引渡しを受けた日、改修の場合は工事が完了した日の翌日から起算して1年以内であること
電動バイクの導入補助金の交付を申請する年度内に導入していること
電気自動車・燃料電池自動車の導入年度内に導入していること/車両を導入する事業所等において、松戸市クリーンエネルギー自動車導入補助金交付規則、松戸市住宅用省エネルギー設備等設置費補助金交付要綱又は松戸市クリーンエネルギー自動車導入促進事業費補助金交付要綱に基づき同じ種類の補助事業の補助を受けていないこと
急速充電設備・普通充電設備の導入年度内に導入していること/自動車の製造又は販売に係る事業を主たる事業として営んでいないこと/事業所等を第三者が所有する場合、全ての者から事業実施の同意を得ていること

充電設備の区分で「自動車の製造又は販売に係る事業を主たる事業として営んでいないこと」が条件になっている点は見落としやすいところです。自動車ディーラーが来客用の充電器を設置するケースは、この要件で対象外になります。

また、設備改修等・充電設備の区分で「事業所等を第三者が所有する場合は全ての者から事業実施の同意を得ていること」とされているため、賃借している事業所では所有者の同意取得が先に必要です。

8つの補助対象事業と補助額・補助対象経費

区分別の補助金の額(交付要綱別表5)

松戸市の案内ページでは「上限:2.1万円」のように上限額だけが示されていますが、交付要綱別表5では算定方法まで定められています。定額補助ではなく、補助対象経費の額(又はその2分の1)を算出したうえで上限を適用する仕組みです。

補助事業の種類補助金の額
省エネルギー診断の受診補助対象経費の額。21,000円を超えるときは21,000円
省エネルギー診断に基づく設備改修等補助対象経費の額に2分の1を乗じた額。440,000円を超えるときは440,000円
ZEBの新築・改修等補助対象経費の額。1,100,000円を超えるときは1,100,000円
電動バイク等の導入補助対象経費の額。20,000円を超えるときは20,000円。2台以上導入した場合は1台ごとに算出し、5台分を上限とする
電気自動車の導入補助対象経費の額。30,000円を超えるときは30,000円。2台以上導入した場合は1台ごとに算出し、5台分を上限とする
燃料電池自動車の導入補助対象経費の額。50,000円を超えるときは50,000円
急速充電設備の導入補助対象経費の額に2分の1を乗じた額。400,000円を超えるときは400,000円
普通充電設備の導入補助対象経費の額に2分の1を乗じた額。100,000円を超えるときは100,000円

車両の区分に「5台分を上限とする」という制限があることは、松戸市の案内ページの表には書かれていません。社用車をまとめて入れ替える場合は、6台目以降は補助の対象外になります。

補助対象経費と、対象から除かれる費用

補助事業の種類補助対象経費除かれる費用
省エネルギー診断の受診省エネルギー診断の受診に要する費用
省エネルギー診断に基づく設備改修等設備本体(空調、換気、照明、給湯等の機器、BEMS等のエネルギー管理システム、再生可能エネルギーシステム、蓄電システム等)及び付属品の購入費、据付・配線工事等の不可欠な工事費資材等の運搬費、既存設備の処分に係る費用、設備の使用の方法及び運用の方法等に関する経費
ZEBの新築・改修等建築・改修費(高性能建材、空調、換気、照明、給湯等の機器、BEMS装置、蓄電システム等の設置費用)及び据付に不可欠な工事費資材等の運搬費、既存建築物の撤去・処分に係る費用
電動バイク等・電気自動車・燃料電池自動車車両本体の購入費メーカーオプションや付属品に係る費用
急速充電設備・普通充電設備設備本体の購入費、設備の設置工事費(基礎工事、据付・配線工事等)高圧受変電設備設置工事費、屋根や小屋、案内板、課金装置などの付帯設備設置費、停電回避費、充電スペース造成費、既存設備の撤去・処分費、運搬費

判断に迷いやすいのが、設備改修等で除かれる「設備の使用の方法及び運用の方法等に関する経費」です。交付要領第3条は、これを「照明の使用時間を短くすること、空調機器の設定温度を変更すること及び昇降機を一台停止すること等の直接設備の改修等を伴わないもの」と説明しています。運用改善のコンサルティング費用のような、設備そのものを更新しない支出は対象外という整理です。

車両については「メーカーオプションや付属品に係る費用を除く」とされているため、見積書は車両本体価格とオプションを分けて記載してもらうと申請時に整理しやすくなります。充電設備でも課金装置や案内板は対象外なので、同じく内訳を分けた見積書が必要です。

補助額の計算例(1,000円未満は切り捨て)

交付要綱第5条は、算出した補助金の額に1,000円未満の端数が生じたときは切り捨てると定めています。以下は制度の計算ルールを確認するための想定例であり、実際の採択事例ではありません。

  • 設備改修等・補助対象経費1,000,000円の場合:1,000,000円 × 1/2 = 500,000円。上限440,000円を超えるため、補助金の額は440,000円
  • 設備改修等・補助対象経費851,000円の場合:851,000円 × 1/2 = 425,500円。1,000円未満を切り捨てて425,000円
  • 省エネルギー診断・受診費用18,000円の場合:上限21,000円を下回るため、補助金の額は18,000円
  • 電気自動車を3台導入した場合:1台ごとに算出し、1台あたり上限30,000円。30,000円 × 3台 = 90,000円(6台目以降は対象外)
  • 普通充電設備・補助対象経費300,000円の場合:300,000円 × 1/2 = 150,000円。上限100,000円を超えるため、補助金の額は100,000円

なお、消費税の取り扱いについては松戸市の公開資料で確認できませんでした。税込・税抜のどちらで補助対象経費を算定するかは、見積書を用意したうえでゼロカーボンシティ推進担当室に確認してください。

国等の補助金を併せて受ける場合については、交付要綱別表6で「国等からの補助金を補助対象経費から控除した結果、市への交付申請の額が別表5における補助金の上限額を下回る場合に限り、国等からの交付を受けたことがわかる書類が必要」と定められています。国の補助を受ける予定がある場合は、この控除を織り込んで市への申請額を算定する必要があります。

申請のタイミング|設備の導入と支払いを終えてから申請する

補助金というと「交付決定を受けるまで発注してはいけない」というルールを思い浮かべる方が多いと思います。しかし松戸市のこの制度は、その順序ではありません。

様式が「交付申請書兼請求書」であることの意味

交付要綱第6条は、補助金の交付を申請しようとする者は当該年度の2月最終開庁日までに「松戸市事業用省エネルギー設備等導入促進事業費補助金交付申請書兼請求書(第1号様式)」に別表6又は別表7の書類を添えて提出しなければならないと定めています。申請と請求が一体の様式になっており、添付書類には次のものが含まれます。

  • 補助事業に係る経費の内訳が記載された契約書等の写し
  • 補助事業に係る支払いを証する書類の写し(リースの場合を除く)
  • 補助事業の工事実施状況等を確認できる写真(着工前及び完了後)

つまり、設備の導入と支払いを完了させたうえで申請する制度です。交付要綱別表3でも、設備改修等は「工事が完了した日の翌日から起算して1年以内」、ZEBは「引渡しを受けた日又は工事が完了した日の翌日から起算して1年以内」であることが要件とされており、事業完了が申請の前提になっていることが確認できます。

2つの期限を同時に満たす必要がある

申請期限は次の2つを両方満たす必要があります。

  • 工事完了日(ZEBは引渡日又は工事完了日)の翌日から起算して1年以内であること
  • 令和9年2月26日(当該年度の2月最終開庁日)までに提出すること

たとえば令和8年5月に工事が完了した設備改修は、1年以内という条件だけを見れば令和9年5月まで余裕があるように見えますが、年度の締切である令和9年2月26日が先に来ます。逆に令和8年3月に完了した工事は、1年以内であっても年度内導入の要件や区分ごとの条件を満たすか個別の確認が必要です。

あわせて、予算枠に達した時点で受付が終了するため、実務上の締切は「令和9年2月26日」ではなく「予算がなくなる日」になります。工事完了後は速やかに申請するのが安全です。

工事の着工前に写真を撮っておく

交付要領第6条第2項は、補助事業の工事実施状況等を確認できる写真を「当該設備設置等に関する工事の着工前及び完了後の写真」と定めています。着工前の写真は、工事が始まってしまうと二度と撮れません。この制度で最も取り返しがつかない準備漏れがここです。

電動バイク等・電気自動車・燃料電池自動車の場合は、保管場所において補助対象車両の全体とナンバープレートを含めて撮影した写真とされています。納車後、車両を使い始める前に撮影しておきましょう。

松戸市は任意様式として「工事着工完了証明書」も用意しています。施工業者に着工前写真の撮影と証明書の作成を最初の打ち合わせで依頼しておくと、申請時に慌てずに済みます。

交付決定と補助金の受け取りまでの流れ

公表されている要綱・要領・案内ページから確認できる手順は次のとおりです。

  1. まつどSDGsキャラバンメンバーシップ制度で「7」又は「13」のゴールを宣言する(リース事業者を除く)
  2. 設備改修等の場合は、省エネルギー診断機関の診断を受診する
  3. 事業所等を第三者が所有する場合は、全ての者から事業実施の同意を得る
  4. 導入する設備を選び、内訳が分かる見積書・契約書を取得する
  5. 工事の着工前に写真を撮影する
  6. 設備の導入・工事を実施し、完了後の写真を撮影する
  7. 代金を支払い、領収書等(契約名称等が但し書きに記載されたもの)を受け取る
  8. 交付申請書兼請求書(第1号様式)と添付書類を、オンライン申請システム・メール・持ち込み・郵送のいずれかで提出する
  9. 松戸市が内容を審査し、交付決定通知書(第2号様式)又は交付却下通知書(第3号様式)で通知する

省エネルギー診断の受診にかかる日数、審査に要する期間、補助金が実際に入金される時期については、松戸市の公開資料で確認できませんでした。資金繰りに影響する場合は、ゼロカーボンシティ推進担当室(047-710-0243)に直接確認してください。

申請方法と必要書類

4つの申請方法と提出先

交付要領第5条は、申請方法を環境政策課ゼロカーボンシティ推進担当室への持込・郵送・電子申請とし、支所等での受付は行わないと定めています。松戸市の案内ページでは、これに加えてメールでの提出が案内されています。

  • 松戸市オンライン申請システム
  • メール(mczeroc@city.matsudo.chiba.jp/件名は「≪お名前≫_≪申請設備名称≫_補助金申請書類」/1回あたり5MB未満)
  • 持ち込み(〒271-8588 松戸市根本387番地の5 市役所新館6階 環境部 環境政策課 ゼロカーボンシティ推進担当室)
  • 郵送(期日必着。追跡が可能な書留等での送付が推奨されています)

すべての区分で共通して必要な添付書類(別表6)

  • 補助事業の概要(第1号様式別紙1)
  • 国等からの交付を受けたことがわかる書類(国等からの補助金を補助対象経費から控除した結果、市への交付申請の額が上限額を下回る場合に限る)
  • 申請者の本人確認書類の写し
  • 市内に事業所等を有することを証する書類の写し
  • 市に納付すべき納税証明書の写し(市長が確認することに同意すれば省略可)
  • 補助事業であることを証する書類の写し
  • 補助事業に係る経費の内訳が記載された契約書等の写し
  • 全ての者から補助金申請に係る権限を委任されていることがわかる書類(要件を満たす者が複数いる場合)
  • 補助事業に係る支払いを証する書類の写し(リースの場合を除く)
  • 貸与料金の算定根拠明細書(第1号様式別紙2。リースの場合のみ)
  • リース事業者に係る登記事項証明書の写し(リースの場合のみ)
  • その他市長が必要と認める書類

支払いを証する書類は、契約書に記載された補助事業に係る契約名称等が但し書きに記載されている領収書等とされています。但し書きにその記載がない場合は、契約請負事業者が作成した「請負代金を領収したことを証明する書類」で代えることができます(交付要領第6条)。松戸市は任意様式として「領収証明書」も公開しています。

補助事業の種類ごとに必要になる書類(別表7)

交付要領第6条第2項では、別表7の書類の具体的な内容が次のように定められています。

  • 設備の技術仕様が確認できる書類の写し:導入設備の形状及び規格が確認できるカタログ等の写し
  • 設備等の場所がわかる図面:事業所等の形と入口、方角、階層の図面と階数、部屋の名称(会議室、応接室、給湯室等)を明示し、設備の設置位置がわかるよう作成したもの。複数の事業者が使用する建物・フロアでは申請者の使用区画を明示する
  • 工事実施状況等を確認できる写真:工事の着工前及び完了後の写真(車両の場合は保管場所での全体とナンバープレートを含む写真)
  • 未使用品であることを確認できる書類の写し:メーカーが発行した保証書、出荷証明書、又は出荷日等が記載された納品書等の写し
  • 再生可能エネルギーを導入していることを証する書類:発電した電気の売電明細の写し、受給契約の案内の写し又は保証書等の写し(全量自家消費等により売電を行わない場合は提出不要)

「未使用品であることを確認できる書類」が求められている点から、中古設備の導入はこの補助金の想定外だと分かります。また、省エネルギー診断の受診・診断に基づく設備改修等では当該事業所等に係る省エネルギー診断書、ZEBの新築・改修等では第三者認証であるBELS評価書、電気自動車・燃料電池自動車・充電設備では一般社団法人次世代自動車振興センターにより補助対象とされていることがわかる書類が必要です。

各様式は松戸市の制度ページからダウンロードでき、記入例もあわせて公開されています。必要書類の全体像は松戸市が公開しているパンフレット(PDF)にまとめられています。

リースで導入する場合の取り扱い

設備をリースで導入する場合も対象になりますが、進め方が異なります。交付要綱別表2では、設置者とリース事業者が共同で補助事業を行うこととされ、リース事業者は補助金相当分を月額リース料の減額という形で設置者に還元することが求められます。

リース契約は、次のいずれかを満たす必要があります。

  • リース期間が交付要綱第9条第2項に規定する財産処分制限期間以上の契約となっていること
  • これを満たさない場合は、リース期間終了後に設置者が設備を購入する契約となっていること

手続き面では、申請書兼請求書に記載する口座名義はリース事業者のものとし(交付要領第7条)、貸与料金の算定根拠明細書(第1号様式別紙2)とリース事業者の登記事項証明書の写しが追加で必要になります。申請書兼請求書もリース用の様式が別に用意されています。また、まつどSDGsキャラバンメンバーシップでの宣言要件は、リース事業者には適用されません。

他の補助制度との併用について

公開されている要綱から確認できる併用のルールは次の2点です。

  • 松戸市の他制度との重複:電気自動車・燃料電池自動車の導入では、車両を導入する事業所等において、松戸市クリーンエネルギー自動車導入補助金交付規則、松戸市住宅用省エネルギー設備等設置費補助金交付要綱、松戸市クリーンエネルギー自動車導入促進事業費補助金交付要綱に基づき同じ種類の補助事業の補助を受けていないことが要件です(交付要綱別表3)
  • 国等の補助金:国等からの補助金を補助対象経費から控除したうえで市への申請額を算定する取り扱いが、交付要綱別表6の添付書類の規定から確認できます

千葉県の補助制度など、上記以外の制度との併用可否は公開資料から確認できませんでした。国や県の補助金と組み合わせる計画がある場合は、申請前にゼロカーボンシティ推進担当室へ確認してください。

なお松戸市の制度ページでは、千葉県が実施する共同購入事業「みんなのおうちに太陽光」(太陽光パネル・蓄電池)と「ちば・ひかりスイッチ」(LED切替)も紹介されています。一括発注による価格低減を目的とした事業で、補助金とは仕組みが異なります。

補助金を受けた後に必要な手続きと注意点

財産の管理と処分の制限

交付要綱第8条は、補助事業により取得し又は効用の増加した財産について、補助事業の完了後も善良な管理者の注意をもって適正に管理し、交付の目的に従って効率的に運用しなければならないと定めています。

さらに第9条では、市長が指定する「財産処分制限期間」の間、補助金の交付の目的に反して処分することが制限されます。処分の承認を受けた場合は、財産処分制限期間の満了日までの月数(1か月未満の期間は算入しない)の割合に相当する補助金額を返還しなければなりません(1,000円未満の端数は切り捨て)。ただし、天災、本人の責めに帰さない事故その他のやむを得ない事由による場合は、市長が返還すべき額の全部又は一部を免除できるとされています。

設備の入れ替えや事業所の移転、車両の売却を数年以内に予定している場合は、財産処分制限期間の具体的な年数を交付要綱で確認したうえで申請を判断してください。

補助金の返還を命じられるケース

交付要綱第10条は、補助金の交付を受けた者が偽りその他不正な手段により交付の決定を受けたと認められるとき、又はこの要綱に違反したと認められるときは、期限を定めて補助金の返還を命ずると定めています。実態と異なる見積書や領収書での申請は、この規定の対象になります。

市への協力事項

交付要綱第11条では、補助金の交付を受けて補助事業を実施した者は、市長から求められたときに次の協力に努めることとされています。

  • 事業効果等に関する資料の提供
  • 災害時における地域への電源供給等

蓄電システムやV2H、電気自動車を導入した事業者にとっては、2つ目の「災害時における地域への電源供給等」が実際の協力要請につながる可能性があります。ゼロカーボンシティ施策と地域防災を結びつけた、松戸市らしい規定です。

松戸市の関連する省エネ・脱炭素の補助制度

同じく松戸市環境政策課が所管する制度として、次のものがあります。事業用の設備が対象外だった場合や、住宅・集合住宅が対象になる場合はこちらを確認してください。

  • 住宅用省エネルギー設備等設置費補助金:エネファーム、蓄電池、窓の断熱改修、V2H充放電設備、太陽光発電システム、宅配ボックスなど(住宅向け)
  • 省エネルギー住宅普及促進事業費補助金:LCCM住宅など(住宅向け)
  • 集合住宅共用部分のLED照明改修促進補助金:集合住宅の共用部分のLED化
  • 電気自動車用 充電設備設置費補助金:集合住宅用の充電設備など
  • 松戸市燃料電池自動車用水素供給設備設置補助金:水素ステーション向け

各制度の詳細と最新の予算残額は、松戸市「助成制度のご案内」予算額・予算残額一覧で確認できます。

まとめ

松戸市事業用省エネルギー設備等導入促進事業費補助金で押さえておきたい点を整理します。

  • 設備の導入と支払いを終えてから「交付申請書兼請求書」で申請する。工事完了日の翌日から1年以内、かつ令和9年2月26日までが期限
  • 審査による採択ではなく先着順。予算枠に達した時点で受付終了となるため、区分別の予算残額の確認が実質的な判断材料になる
  • 申請前に、まつどSDGsキャラバンメンバーシップ制度で「7 エネルギーをみんなに そしてクリーンに」又は「13 気候変動に具体的な対策を」を宣言している必要がある
  • 工事の着工前の写真は後から撮れない。施工業者への依頼を最初の打ち合わせで済ませておく
  • 補助金の額は1,000円未満切り捨て。車両区分は1台ごとに算出して5台分が上限
  • 社員寮・保養所、政治団体・宗教団体、居住目的の集合住宅は補助対象の事業所に含まれない

金額・要件・期限は年度ごとに見直されます。申請前には必ず松戸市の制度ページ交付要綱(PDF)交付要領(PDF)の原文を確認してください。判断に迷う点は、松戸市 環境部 環境政策課 ゼロカーボンシティ推進担当室(047-710-0243)が相談を受け付けています。