東京都のES向上による若手人材確保・定着事業助成金|2年目申請の要件と流れ

助成金

賃金以外の部分で若手に選ばれる会社になるには何が必要か、という問いに頭を悩ませている経営者の方は少なくありません。

家賃の負担軽減や毎日の食事、健康面のサポートは、若い世代にとって給与明細の数字と同じくらい実感を伴う待遇になります。

公益財団法人東京しごと財団は、こうした福利厚生の充実に踏み出す都内の中小企業等を、ES(社員満足度)向上による若手人材確保・定着事業助成金で後押ししています。

住宅の借上げ・食事等の提供・健康増進サービスの提供という3区分の経費を、助成率2分の1・上限300万円で最大3年間にわたり助成する仕組みです。

この記事で取り上げるのは、1年目の支給決定をすでに受けている事業者が2年目の支給申請を行うための公募枠になります。

対象になる企業の条件から経費区分ごとの上限、申請の進め方までを一つずつ整理していきます。

ES向上による若手人材確保・定着事業助成金の基本情報

正式名称 令和7年度【2年目申請用】ES(社員満足度)向上による若手人材確保・定着事業助成金
対象地域 東京都内
実施機関 公益財団法人東京しごと財団 企業支援部 雇用環境整備課 採用定着促進支援担当係
対象者 都内中小企業等(若手従業員割合30%以下等の要件を満たす、令和7年度の2年目支給申請者)
対象業種 全業種(漁業、建設業、製造業、電気・ガス・熱供給・水道業、情報通信業、複合サービス事業、サービス業(他に分類されないもの)、公務(他に分類されるものを除く)、分類不能の産業、農業、林業、鉱業、採石業、砂利採取業、運輸業、郵便業、卸売業、小売業、金融業、保険業、不動産業、物品賃貸業、学術研究、専門・技術サービス業、宿泊業、飲食サービス業、生活関連サービス業、娯楽業、教育、学習支援業、医療、福祉)
対象経費 住宅の借上げ費、食事等提供費、健康増進サービス提供費
その他要件 従業員数300名以下。住宅・食事等・健康増進のうち2つ以上の取組を実施していること。助成対象期間は最大3年間
補助対象外となるもの 「新たな提供」に当たらない従前からの取組、健康管理アプリ等の開発費、設備工事を伴う出張型食堂 など(詳細は募集要項)
申請期間 Jグランツ上の受付終了日時は2029年3月31日23時59分(2年目の支給申請用の受付枠)
上限金額・助成額 3,000,000円(住宅の借上げ200万円/食事等の提供50万円/健康増進サービスの提供50万円)
補助率 1/2(区分ごとに千円未満切捨て)
問い合わせ先 公益財団法人東京しごと財団 企業支援部 雇用環境整備課 採用定着促進支援担当係 TEL:03-5211-0397

補助金・助成金の正式名称

今回の公募に付けられている名称は「令和7年度【2年目申請用】ES(社員満足度)向上による若手人材確保・定着事業助成金」です。

制度の本体は「ES(社員満足度)向上による若手人材確保・定着事業助成金」で、冒頭の【2年目申請用】は何年目の支給申請かを示す区分表記にあたります。

同じ制度でも1年目の支援申込用・3年目申請用とは受付画面が別々に用意されているため、入口を取り違えないよう年次の確認から始めてください。

対象都道府県・市区町村

助成の対象となる地域は東京都内に限られます。

特定の区や市に絞られてはいないので、都内に事業所を置く中小企業等であれば所在地を問わず検討できます。

ただし食事等の提供と健康増進サービスは都内事業所での実施が前提になるため、都外の拠点で行った取組は助成の計算に含められません。

実施機関

運営にあたっているのは、公益財団法人東京しごと財団の企業支援部 雇用環境整備課 採用定着促進支援担当係です。

同財団は東京都の雇用就業施策を担う公益財団法人として、中小企業向けの職場環境整備事業を幅広く手掛けています。

支給申請の受付と審査も同財団が担当しますので、要件の当てはめに迷ったときは担当係へ問い合わせるのが最短の解決策です。

対象者(世帯・個人事業主・法人・団体・研究機関)

申請できるのは、いくつかの条件を満たした都内中小企業等です。

まず、全従業員に占める35歳未満の若手従業員の割合が30%以下であることが求められます。

次に、過去3年間を通じた若手従業員の合計採用数が、全従業員数の10%以下であることが条件になります。

さらに、直近1年間に若手人材を含む求人活動を実施していることも必要です。

本公募は2年目申請用ですから、前提として1年目の支給決定を受けた助成事業者であることが出発点になります。

従業員の数え方については、常時使用する従業員であればパートやアルバイトも算入され、役員・個人事業主・派遣労働者は除かれます。

対象業種

Jグランツの公募情報に並んでいる業種は、漁業、建設業、製造業、電気・ガス・熱供給・水道業、情報通信業、複合サービス事業から始まります。

続いて農業・林業、鉱業・採石業・砂利採取業、運輸業・郵便業、卸売業・小売業、金融業・保険業、不動産業・物品賃貸業、学術研究・専門技術サービス業が挙げられています。

宿泊業・飲食サービス業、生活関連サービス業・娯楽業、教育・学習支援業、医療・福祉、公務、分類不能の産業、サービス業(他に分類されないもの)まで含まれます。

列挙されている区分が全産業に及ぶため、業種で門前払いになる心配はほとんどなく、実質的な関門は従業員数300名以下という規模要件と若手比率の条件です。

対象経費

助成の対象になる経費は、住宅の借上げ費、食事等提供費、健康増進サービス提供費という3つの区分に整理されています。

住宅の借上げは、35歳未満の若手従業員向けに共同住宅の一室などを社宅として新たに提供する際の借上げ費用が該当します。

食事等の提供では、設置型社食サービス、専用機械による飲料提供、弁当類の定期配達、弁当類の定期的な社内販売、出張型食堂という5つの分類が示されています。

健康増進サービスの提供では、事業所での実技講座や座学講座、法令で義務付けられていない健康診断・産業医面談、健康管理アプリの利用、健康器具の購入やレンタルが想定されています。

3区分のうち2つ以上を組み合わせて実施していることが助成の条件になっているため、単独の取組だけでは支給に届きません。

その他要件

Jグランツの公募情報では、従業員数の上限が300名以下と示されています。

助成を受けられる期間は最大3年間で、本公募はその2年目にあたる支給申請を受け付ける枠組みです。

制度全体の流れとしては、専門家の派遣を1社あたり最大3回まで無料で受け、その助言をもとに取組計画を作成することが組み込まれています。

支給要綱は令和8年5月12日に改正されており、2年目の申請でも最新版の要綱と募集要項を読み直しておく必要があります。

補助対象外となるもの

支援申込日の1年前から支給申請日まで継続して行われている取組は、「新たな提供」に当たらないため原則として対象外です。

もっとも助成対象期間が1年を超える場合で、前年度以前に支給決定を受けた事業を当年度も続けるときは、この例外にあたる扱いになります。

健康管理アプリを取り入れる場合、利用料は対象でもアプリ等の開発費そのものは助成されません。

出張型食堂についても、設備工事を伴う形での実施は対象から除くと明記されている点に気を付けてください。

申請期間

Jグランツ上の受付終了日時は2029年3月31日23時59分に設定されています。

この日付は2年目の支給申請を長期にわたって受け付けるための枠であり、個々の企業が提出すべき時期を示すものではありません。

自社の締切は助成対象期間の区切りに応じて決まりますので、支給要綱と支給要領で該当する規定を必ず確かめてください。

なお1年目の支援申込には別枠の受付期間があり、令和8年度は前期が5月12日から8月7日まで、後期が8月17日から11月13日までの2回に分けて各30社の定員で募集されています。

上限金額・助成額

助成限度額は3区分の合計で3,000,000円です。

区分ごとの上限は、住宅の借上げが200万円、食事等の提供が50万円、健康増進サービスの提供が50万円と定められています。

金額の3分の2を住宅区分が占める構成のため、社宅を用意できるかどうかが受給できる総額を大きく分けます。

補助率

助成率は経費の2分の1です。

計算は住宅・食事等・健康増進の分類ごとに行い、それぞれ千円未満を切り捨てて助成額が確定します。

合算してから半額にするわけではありませんので、経費の帳簿も最初から区分別に分けて記録しておくと申請書の作成が楽になります。

問い合わせ先

窓口は公益財団法人東京しごと財団 企業支援部 雇用環境整備課 採用定着促進支援担当係です。

電話は03-5211-0397で、平日9時から17時まで受け付けており、12時から13時と土日祝日・年末年始は対応時間外になります。

2年目の申請では前年度からの継続の扱いが論点になりやすいので、判断に迷った時点で早めに相談しておくと手戻りを防げます。

公式公募ページと確認すべきこと

公募の概要や添付ファイルの案内はJグランツの公募詳細ページにまとめられています。

募集要項・支給要綱・支給要領・申請様式は東京しごと財団の事業概要ページから入手できます。

2年目申請で重点的に読むべきなのは、支給申請の時期を定めた支給要綱の規定と、前年度から続けている取組が「新たな提供」の例外に当たるかどうかの2点です。

ES向上による若手人材確保・定着事業助成金を対象者が活用すべき理由(メリット)

この制度の値打ちは、基本給を引き上げずに若手の実質的な待遇を厚くできるところにあります。

家賃の一部を会社が負担する社宅制度は、求職者から見れば手取りが増えるのと同じ意味を持ち、採用面接での訴求力が段違いになります。

助成が最大3年間続く設計なので、単年度で終わる補助と違い、腰を据えて福利厚生を育てていける点も見逃せません。

無料の専門家派遣が最大3回付いてくるため、人事制度づくりの経験が乏しい会社でも計画を形にしやすくなっています。

食事や健康増進の取組は若手に限らず全従業員が使えるので、社内の一体感を損なわずに施策を進められます。

2年目まで継続できた事実そのものが、求人票や会社説明会で語れる具体的な実績になります。

ES向上による若手人材確保・定着事業助成金を申請すべき人とそうでない人の特徴

  • 申請すべき人
  • 見送ったほうが良い人の特徴

申請すべき人

  • 本助成金で1年目の支給決定をすでに受けている都内中小企業等
  • 住宅の借上げ・食事等の提供・健康増進サービスのうち2区分以上を今年度も継続している
  • 全従業員に占める35歳未満の若手従業員の割合が30%以下にとどまっている
  • 直近1年間に若手人材を含む求人活動を行った記録が残っている
  • 区分ごとの契約書・請求書・支払記録を整理して保管できている

見送ったほうが良い人の特徴

  • 事業所が東京都外にあり、対象地域の条件を満たさない
  • まだ支援申込も専門家派遣も受けておらず、1年目の手続きから始める段階にある
  • 実施している取組が1区分だけで、2つ以上という前提を満たせない
  • 常時使用する従業員が300名を超えている
  • 経費を裏付ける証憑が揃わず、支出の実態を示せない

ES向上による若手人材確保・定着事業助成金の申請に必要なもの

  • 申請に必要な書類一覧と取得方法
  • 記載例はどこで確認できるか

申請に必要な書類一覧と取得方法

2年目の支給申請では、支給申請書と、実施した取組の中身および支出を裏付ける資料が柱になります。

住宅の借上げでは賃貸借契約書の写し、家賃の支払を確認できる書類、入居している従業員が35歳未満であることを示す資料が必要です。

食事等の提供と健康増進サービスでは、提供事業者との契約書、請求書、支払を裏付ける通帳の写しなどが求められます。

若手従業員の割合や従業員数を確認するために、労働者名簿や賃金台帳の提出を案内されることもあります。

必要書類の確定版は支給要綱・支給要領と申請様式のダウンロード案内に示されていますので、着手前に最新版と突き合わせてください。

記載例はどこで確認できるか

申請様式と記入の手引きは、東京しごと財団の事業概要ページからたどれます。

同ページには、2年目・3年目の支給申請や実績報告を行う事業者向けの案内が別立てで置かれています。

電子申請を選ぶ場合は、Jグランツ側に添付されている公募要領・支給要綱・申請様式のダウンロード案内にも目を通しておくと安心です。

書き方に迷う欄が出てきたら、提出前に採用定着促進支援担当係へ電話で確認しておけば差し戻しの手間を避けられます。

ES向上による若手人材確保・定着事業助成金の申請手順

  1. 支給要綱・支給要領・募集要項の最新版を入手し、2年目申請の要件と提出時期を確認する
  2. 1年目に支給決定を受けた取組が今年度も継続しているかを点検する
  3. 住宅・食事等・健康増進の区分ごとに契約書と支払記録を突き合わせて整理する
  4. 申請様式をダウンロードし、支給申請書と添付書類を作成する
  5. Jグランツによる電子申請、または指定の方法での郵送により提出する
  6. 東京しごと財団の審査を受け、支給決定通知を受領する
  7. 決定内容に沿って助成金の支払を受け、証憑を定められた期間保管する

ES向上による若手人材確保・定着事業助成金を自社で申請する際の注意点

最初に引っ掛かりやすいのは、2年目申請用と1年目の支援申込用では受付画面も提出様式も別物だという点です。

2区分以上の実施が助成の前提ですから、年度の途中でひとつの取組をやめてしまうと2年目の支給そのものが危うくなります。

助成額の計算は区分ごとに千円未満を切り捨てる方式なので、合計額から半分を出した数字とは一致しません。

住宅の借上げは入居者の年齢が要件に絡むため、期の途中で35歳になる従業員がいるときの扱いを先に確認しておくと安心です。

ES向上による若手人材確保・定着事業助成金を不正受給するとどうなるのか

  • 虚偽の申請が判明した場合に企業が負う責任
  • 不正の端緒はどこから持ち込まれるのか

虚偽の申請が判明した場合に企業が負う責任

借り上げていない住宅の家賃を計上する、提供していない食事サービスの請求書を用意するといった行為が確認されれば、支給決定は取り消されます。

受け取った助成金は加算金を含めて返還を求められるのが、公的な助成制度に共通する取扱いです。

悪質と判断された場合には、所管する行政機関や実施機関が事業者名を公表することもあります。

一定期間は同種の助成事業へ申請できなくなる可能性もあり、採用活動における会社の評判にも影を落とします。

不正の端緒はどこから持ち込まれるのか

助成金をめぐる問題は、退職した従業員や取引先からの申し出が入口になって明るみに出ることが珍しくありません。

実施機関には不正に関する相談や情報提供を受け付ける窓口が設けられており、寄せられた内容は調査のきっかけになります。

意図がなかったとしても、対象外の従業員が混ざっていたり経費を別区分に振り替えていたりすれば疑いを招きます。

契約から請求、支払までの記録を区分ごとに一本の流れで残しておくことが、いちばん確実な自衛策になります。

ES向上による若手人材確保・定着事業助成金のまとめ

ES(社員満足度)向上による若手人材確保・定着事業助成金は、都内中小企業等の福利厚生投資を支える東京しごと財団の制度です。

住宅の借上げ・食事等の提供・健康増進サービスの提供のうち2区分以上を実施した企業に対し、助成率2分の1で経費が助成されます。

助成限度額は合計300万円で、住宅200万円・食事等50万円・健康増進50万円という区分別の上限が設けられています。

今回整理した公募は、1年目の支給決定を受けた事業者が2年目の支給申請を行うための受付枠です。

Jグランツ上の受付終了日時は2029年3月31日23時59分ですが、自社が提出すべき時期は支給要綱で必ず確認してください。

公募の詳細はJグランツの公募詳細ページで確認できます。

募集要項や支給要綱、申請様式は東京しごと財団の事業概要ページに掲載されていますので、申請前に必ず目を通しておきましょう。