地域に根ざした新しい工場や交流拠点を立ち上げようとすると、最初にのしかかるのが初期投資と、そこに付いてくる借入金の利息負担です。
自治体の計画に沿った事業であっても、金利分の重みが投資判断のブレーキになってしまう場面は珍しくありません。
内閣府地方創生推進事務局は、こうした民間投資を金融面から後押しする仕組みとして、地方創生支援利子補給金を運用しています。
利子補給率は最大0.7%、支給期間は5年間で、令和8年度は4月・7月・10月・12月の年4回に分けて事業の募集が行われます。
応募は事業者が直接行うのではなく、指定金融機関または特区計画主体からメールで提出するという、他の補助金とは少し違う流れになっています。
この記事では、対象になる計画の種類、利子補給の計算の考え方、応募の段取りと事前相談の重要性までを一次情報に沿って整理していきます。
地方創生支援利子補給金の基本情報
| 正式名称 | 地方創生支援利子補給金(Jグランツ掲載名は「【内閣府】地方創生に資する利子補給制度(金融支援)」) |
| 対象地域 | 全国 |
| 実施機関 | 内閣府地方創生推進事務局 利子補給担当 |
| 対象者 | 認定等計画(地域再生計画、総合特別区域計画、国家戦略特別区域 区域計画)に資する事業を実施し、当該事業に必要な資金を指定金融機関から借り入れる民間事業者 |
| 対象業種 | 建設業、製造業、情報通信業、複合サービス事業、サービス業(他に分類されないもの)、農業・林業、鉱業・採石業・砂利採取業、運輸業・郵便業、卸売業・小売業、学術研究・専門・技術サービス業、宿泊業・飲食サービス業、生活関連サービス業・娯楽業、教育・学習支援業、医療・福祉 |
| 対象経費 | 地方創生に資する事業の実施に必要な借入資金の支払利子(利子補給) |
| その他要件 | 自治体が策定・認定を受けた地域再生計画、総合特別区域計画または国家戦略特別区域 区域計画に寄与する事業であること、指定金融機関からの借入れであること、応募事業の事前着手は原則認められないこと等 |
| 対象外 | 事前着手した事業、事業の効果(地域への波及を含む)の見込みが僅少と判断される事業、認定等計画の数値目標の達成状況により認められない事業 |
| 申請期間 | 令和8年度は4月6日~15日、7月6日~15日、10月1日~13日、12月1日~10日の4回(令和9年2月の募集有無は令和9年1月頃に別途案内)※Jグランツ上の受付終了日時は2027年3月31日17時 |
| 上限金額 | Jグランツ上の補助上限額は記載なし。ただし令和8年度応募事業は、同一事業・同一年度の利子補給対象融資額の上限が20億円(2か年に渡る融資が必須の場合は8年度20億円・9年度15億円) |
| 補助率 | 利子補給率 最大0.7%(支給期間5年間) |
| 問い合わせ先 | 内閣府地方創生推進事務局 利子補給担当(電話03-5510-2473/メールrishi.hokyu@cao.go.jp) |
補助金・助成金の正式名称
制度名は「地方創生支援利子補給金」です。
Jグランツには「【内閣府】地方創生に資する利子補給制度(金融支援)」という公募名で掲載されていますが、交付要綱上の名称は地方創生支援利子補給金で統一されています。
かつては地域再生・総合特区・国家戦略特区でそれぞれ別の要綱とウェブサイトが用意されていましたが、現在は要綱とウェブページが一本化されています。
古い資料を参照すると旧要綱の内容と食い違うことがありますので、必ず現行のウェブページから資料を入手してください。
対象都道府県・市区町村
対象地域は全国で、特定の都道府県に限定された制度ではありません。
ただし、どこでも自由に使えるわけではなく、事業の所在する自治体が策定し認定を受けた計画に寄与する事業であることが前提になります。
具体的には、地域再生計画、総合特別区域計画、国家戦略特別区域 区域計画のいずれかに位置づけられる区域で実施される事業が対象です。
自社の計画地がこれらの計画の対象になっているかどうかは、地域再生・総合特区・国家戦略特区それぞれの制度ページや、所在自治体の担当課で確認できます。
実施機関
運用しているのは内閣府地方創生推進事務局で、窓口は同事務局の利子補給担当です。
電話番号は03-5510-2473、応募先のメールアドレスはrishi.hokyu@cao.go.jpと案内されています。
事前相談はオンライン会議でも受け付けており、募集期間によらず随時可能とされていますので、構想段階でも遠慮なく連絡してよい制度設計になっています。
金融機関の指定申請の手続きについても、同じ窓口が随時対応しています。
対象者(世帯・個人事業主・法人・団体・研究機関)
対象になるのは、認定等計画に資する事業を実施する民間事業者です。
その事業を進めるうえで必要な資金を指定金融機関から借り入れる場合に、国が当該金融機関を指定したうえで利子補給金を支給する構造になっています。
Jグランツ上の従業員数の上限は「従業員数の制約なし」と表示されており、企業規模による足切りは設けられていません。
なお、応募の主体は事業者本人ではなく、地域再生と総合特区では指定金融機関、国家戦略特区では特区計画主体とされている点に注意してください。
対象業種
Jグランツで指定されている業種は、建設業、製造業、情報通信業、複合サービス事業、サービス業(他に分類されないもの)、農業・林業、鉱業・採石業・砂利採取業、運輸業・郵便業、卸売業・小売業、学術研究・専門・技術サービス業、宿泊業・飲食サービス業、生活関連サービス業・娯楽業、教育・学習支援業、医療・福祉です。
漁業、電気・ガス・熱供給・水道業、金融業・保険業、不動産業・物品賃貸業、公務は指定業種に含まれていません。
内閣府が示す活用の例では、社屋及び工場移転を伴う産業観光施設の整備や、新産業創出につながる地域交流拠点の整備などが挙げられています。
産業・観光から農林水産・地域交流まで、初期投資を伴う幅広い分野で使われている制度だと考えてよいでしょう。
対象経費
この制度で支援されるのは、設備そのものの購入費ではなく、事業に必要な借入資金の支払利子です。
指定金融機関からの融資に対して、国が利子相当分を金融機関へ支給することで、事業者の実質的な金利負担を軽くする仕組みになっています。
つまり、補助金のように経費の領収書を積み上げて精算するのではなく、融資額と金利、支給期間から利子補給額が決まる点が最大の特徴です。
どのような事業が支援対象になるかは、地域経済の活性化に資する事業、地域の特定政策課題の解決に資する事業、産業の国際競争力の強化に資する事業などの区分で整理されています。
その他要件
利子補給金は3つの区分に分かれており、地域再生支援利子補給金、総合特区支援利子補給金、国家戦略特区支援利子補給金がそれぞれ用意されています。
地域再生支援利子補給金は、投資の誘発や雇用機会の創出など地域経済の活性化に資する事業と、地域の特定政策課題の解決に資する事業が対象です。
総合特区支援利子補給金は産業の国際競争力の強化に資する事業と地域の活性化に資する事業、国家戦略特区支援利子補給金は国際競争力の強化や国際的な経済活動の拠点形成に資する事業が対象とされています。
いずれの区分でも予算の範囲内での契約・支給となるため、申請どおりの契約・支給とならない場合があると明記されています。
対象事業の詳細は交付要綱の別表1から別表6に定められていますので、応募前に該当する別表を確認しておきましょう。
補助対象外となるもの
応募事業の事前着手は原則として認められていません。
先に工事や設備発注を進めてしまうと支援の対象から外れる可能性がありますので、判断に迷う段階で事務局へ相談することが欠かせません。
また、事業の効果(地域への波及を含む)の見込みが僅少と判断される事業は、利子補給金支給事業として認められない場合があるとされています。
地域再生や総合特区では、認定等計画における他の数値目標の達成状況によっても、支給事業として認められないことがあります。
なお、Jグランツでは本利子補給金の申請受付を行っていませんので、Jグランツ上で電子申請を試みても手続きは進みません。
申請期間
令和8年度の募集は年4回に分けて実施されます。
第1回は令和8年4月6日から15日まで、第2回は7月6日から15日まで、第3回は10月1日から13日まで、第4回は12月1日から10日までです。
令和9年2月の募集については、令和9年度予算の状況等を踏まえて令和9年1月頃に別途案内されると告知されています。
Jグランツ上の受付終了日時は2027年3月31日17時と表示されており、これは年度全体の掲載期限を示すものと考えられます。
なお、事業応募に係る事前相談や金融機関の指定申請等の手続きは募集期間によらず随時可能とされています。
上限金額・助成額
Jグランツの補助上限額欄は「-」と表示されており、補助金のような一律の上限額は設定されていません。
代わりに、利子補給の計算のもとになる融資額そのものに上限が設けられています。
令和8年度応募事業について、同一事業での同一年度における利子補給対象融資額の上限は20億円とされています。
同一年度に2回以上の融資が必須の場合は全ての融資を合算した額、複数の指定金融機関による融資の場合は全ての指定金融機関分を合算した額で判定されます。
2か年に渡る融資が必須の場合は、令和8年度が20億円、令和9年度が15億円をそれぞれの上限とすると案内されています。
補助率
利子補給率は最大0.7%、支給期間は5年間です。
融資の金利が0.7%を下回る場合は実際の金利までが上限になりますので、常に0.7%分が支給されるわけではありません。
予算の範囲内での契約・支給となるため、応募が集中した年度は割当額の調整が行われ、満額割当とならないことがあります。
調整は原則として10億円超を予定する多額事業から行われ、それでも予算の範囲に収まらない場合は10億円以下の少額事業についても調整されます。
達成済の数値目標を掲げる事業や、本制度を過去に活用した実績のある事業者については、調整の基となる金額に0.8を乗じた減額が行われる場合があり、両方に該当すると0.64を乗じた減額となります。
問い合わせ先
問い合わせ先は内閣府地方創生推進事務局の利子補給担当です。
電話番号は03-5510-2473、応募先およびメールでの連絡先はrishi.hokyu@cao.go.jpと公表されています。
事前相談はオンラインでも可能とされており、指定金融機関や特区計画主体からの気軽な連絡を歓迎する旨が案内文に明記されています。
応募が見込まれる場合は、可能な限り事前に、かつ前広に連絡・相談するよう繰り返し求められています。
公式公募ページと確認すべきこと
公募情報はJグランツの公募詳細ページに掲載されています。
募集の案内、応募様式、交付要綱、よくある質問などの資料一式は内閣府地方創生推進事務局の利子補給制度の公式ページからダウンロードできます。
最初に確かめたいのは、自社の事業が認定等計画に位置づけられるか、取引先の金融機関が指定を受けているか、事前着手に当たらないタイミングで応募できるかの3点です。
公式ページには指定を受けている金融機関の一覧も掲載されていますので、取引行が含まれているかを早い段階で確認しておくと段取りが立てやすくなります。
地方創生支援利子補給金を対象者が活用すべき理由(メリット)
地域に拠点を新設したり工場を移転したりする投資は、回収までの期間が長く、その間ずっと金利を負担し続けることになります。
この制度を使えば、最大0.7%分の利子を5年間にわたって国が肩代わりしますので、資金繰りの見通しが大きく変わります。
仮に10億円の融資に対して0.7%の利子補給が5年間続けば、単純計算で数千万円規模の負担軽減となり、投資判断そのものを後押しします。
補助金のように使途ごとの領収書を積み上げる必要がなく、経費区分の細かな判定に悩まされにくい点も実務上の利点です。
さらに、自治体の認定計画に紐づく事業として位置づけられることで、地域金融機関や自治体との連携関係を築きやすくなる効果もあります。
事前相談が随時受け付けられているため、構想段階から国の担当者と方向性をすり合わせられる点も心強いところです。
地方創生支援利子補給金を申請すべき人とそうでない人の特徴
- 申請すべき人
- 見送ったほうが良い人の特徴
申請すべき人
- 地域再生計画、総合特別区域計画、国家戦略特別区域 区域計画のいずれかに寄与する事業を予定している民間事業者
- 工場や社屋の移転、地域交流拠点の整備など、まとまった初期投資を借入れで賄う計画がある事業者
- 取引先に指定金融機関があり、融資の相談を進められる事業者
- 投資の誘発や雇用機会の創出など、地域経済への波及効果を具体的に説明できる事業者
- 着工や設備発注の前に、余裕をもって事務局へ事前相談ができる事業者
- 産業の国際競争力の強化や国際的な経済活動の拠点形成を目指す特区内の事業者
- 複数年にわたる大型投資について、計画的な資金調達を組み立てたい事業者
見送ったほうが良い人の特徴
- 既に工事や設備発注に着手してしまっており、事前着手に該当する場合
- 事業の所在地が認定等計画の対象になっていない場合
- 借入れを予定しておらず、自己資金のみで投資を行う場合
- 取引金融機関が指定金融機関ではなく、指定申請を進める見込みもない場合
- 地域への波及効果が説明しづらく、事業効果の見込みが僅少と判断されそうな場合
- 認定等計画の数値目標が既に達成済みで、上方修正等の手続きも進んでいない場合
- 設備費や人件費そのものへの直接的な補助を求めている場合
その他にも利用すべき補助金・助成金制度の代表例
- 新事業進出補助金(新事業進出・ものづくり補助金 新事業進出枠)
- ものづくり補助金(革新的新製品・サービス枠)
- 中小企業省力化投資補助金
- 小規模事業者持続化補助金
新事業進出補助金(新事業進出・ものづくり補助金 新事業進出枠)
これまで手掛けてこなかった分野へ舵を切る中小企業を対象に、機械装置費や建物費といった投資を国が支える制度です。
利子補給が借入れの負担を軽くするのに対し、こちらは投資額そのものの一部を交付する仕組みですので、性質が異なります。
拠点整備を利子補給で、新分野向けの設備導入を本補助金でと、資金の出どころを分けて設計する使い方も考えられます。
公募回ごとに要件と締切が更新されますので、検討にあたっては最新の公募要領で条件を確認してください。
ものづくり補助金(革新的新製品・サービス枠)
革新的な製品やサービスを生み出すための設備投資を支援する、中小企業向けの代表的な国の補助金です。
新工場での生産ラインづくりなど、地方創生の文脈で進める投資とも重なる場面があります。
審査では技術面の新規性が問われますので、既存設備の単純な入れ替えにとどまらない構想へ仕上げることが鍵になります。
同一の経費について複数の公的支援を重ねて受けることは認められませんので、対象経費の切り分けは慎重に行いましょう。
中小企業省力化投資補助金
人手不足に直面する事業者が、省力化につながる機器やシステムを導入する際に活用できる制度です。
地方では採用そのものが難しい地域も多く、新設した拠点を少人数で回すための投資と相性がよい制度といえます。
カタログに登録された製品から選ぶ方式と、個別の計画を提出する方式があり、導入したい設備によって進め方が変わります。
登録製品の一覧は随時更新されていますので、検討時点の最新情報を公式サイトで確かめてください。
小規模事業者持続化補助金
従業員数の少ない事業者が販路を広げる取組を、幅広い経費で支える制度です。
新しい拠点を地域に知ってもらうためのウェブサイト制作やチラシ、展示会出展などに使えます。
投資の資金面は利子補給、開業後の集客は持続化補助金と、時間軸で役割を分けて組み合わせる発想が実務的です。
商工会議所や商工会の助言を受けながら経営計画を作る流れになっているため、書類作成に不慣れでも着手しやすい制度です。
地方創生支援利子補給金の申請に必要なもの
- 申請に必要な書類一覧と取得方法
- 記載例はどこで確認できるか
申請に必要な書類一覧と取得方法
地域再生と総合特区では、指定金融機関が交付要綱に基づく「確認申請書」を作成し、応募先へメールで提出します。
これに加えて、地域再生または総合特区に係る認定等計画の主体から交付を受けた「確認書」を添付する必要があります。
国家戦略特区では、特区計画主体が規則に基づく「事業実施計画の提出」と添付書類一式を、指定金融機関とともに作成してメール提出します。
応募様式、様式の補足と必要な添付書類、応募様式の記載において留意いただきたいことの各資料は、いずれも公式ページからダウンロードできます。
必要に応じて、事業内容を視覚的に補足する図や計画書を添付することも認められています。
協調融資を予定している事業では、申請書と窓口を一本化するよう求められていますので、関係金融機関との調整を先に済ませておきましょう。
記載例はどこで確認できるか
応募様式の書き方については、地域再生・総合特区向けと国家戦略特区向けにそれぞれ留意事項をまとめた資料が公開されています。
契約申込みの際には自動計算式が入った計算表が用意されており、入力時の注意点をまとめた資料も併せて提供されています。
事業応募に関するよくある質問と、契約・支給・金融機関指定・各種報告に関するよくある質問の2種類が内閣府地方創生推進事務局の利子補給制度の公式ページに掲載されています。
制度の全体像をつかみたい段階であれば、同ページの利子補給制度パンフレットや活用事例の資料から目を通すと理解が早まります。
それでも判断に迷う論点は、事前相談の場でまとめて確認しておきましょう。
地方創生支援利子補給金の採択率を上げる事業計画書の作り方
- 市場性を具体的に書く
- 差別化ポイント(自社と他社の違い)を明確に記載
- この制度を利用する必要性・重要性を記載
- 実行体制を明記する
市場性を具体的に書く
この制度では、事業の効果、とりわけ地域への波及がどれだけ見込めるかが判断の軸に据えられています。
想定する顧客層や取引先、稼働後の売上見通し、雇用の増加人数などを、数字を伴った形で示してください。
効果の見込みが僅少と判断された事業は支給対象として認められない場合があると明記されていますので、規模感の説明を曖昧にしないことが大切です。
来訪者数や取引量の推計は、既存店舗の実績や同種施設のデータを引きながら組み立てると説得力が増します。
差別化ポイント(自社と他社の違い)を明確に記載
認定等計画に寄与する事業かどうかが問われますので、自社の取組がその計画のどの目標に効くのかを結び付けて書く必要があります。
同じ地域に類似の事業者がいる場合は、扱う商材や提供方法、連携先の違いを整理して示しましょう。
既に本制度を活用した実績がある事業者は、過去の事業との関係や効果の見込みを踏まえて減額調整が行われる場合がありますので、前回との違いを明確に描き分けてください。
図や写真を添えて事業のイメージを補足することも認められていますので、文章だけで伝えきれない部分は視覚資料で補いましょう。
この制度を利用する必要性・重要性を記載
なぜ自己資金や通常の借入れだけでは事業が成り立たないのかを、資金計画とともに説明することが求められます。
投資回収までの期間が長いこと、初期の金利負担が重いことなど、事業特有の事情を率直に書きましょう。
地方創生に資する民間投資を誘発し、地域金融機関等の主体的な連携・参画を後押しするという制度の狙いに、自社の計画をどう重ねられるかが説明の芯になります。
認定等計画の主体である自治体との調整も早めに進めておくと、確認書の交付がスムーズになります。
実行体制を明記する
応募後は各募集月の月内を目途に審査を了し、支給事業として決定したいとされていますので、スケジュールの精度が問われます。
融資の実行時期と金額、事業の着工から稼働までの工程を、変更が生じないよう詰めたうえで記載してください。
支給事業として決定した後の貸付けの実行期限が要綱で定められており、必須な場合を除いて貸付けの分割がないよう調整することも求められています。
社内の担当者、指定金融機関の窓口、自治体の担当課という三者の役割分担を整理しておくと、手続きの停滞を防げます。
地方創生支援利子補給金の申請手順
- 自社の事業所在地が、地域再生計画・総合特別区域計画・国家戦略特別区域 区域計画のいずれかの対象になっているかを自治体に確認する
- 内閣府地方創生推進事務局の公式ページで、利子補給制度パンフレットと交付要綱、別表の内容を確認する
- 指定を受けている金融機関の一覧で、取引先の金融機関が指定金融機関に該当するかを確認する
- 利子補給担当(03-5510-2473)へ連絡し、事前相談を行う(オンライン会議も可)
- 取引金融機関が未指定の場合は、金融機関側で指定申請の手続きを進めてもらう
- 認定等計画の主体である自治体等と調整し、確認書の交付に向けた準備を進める
- 公式ページから応募様式と記載上の留意事項、必要な添付書類の一覧をダウンロードする
- 地域再生・総合特区は指定金融機関が確認申請書を、国家戦略特区は特区計画主体が事業実施計画等を作成する
- 募集期間内(令和8年度は4月6日~15日、7月6日~15日、10月1日~13日、12月1日~10日)に、指定の件名を付けてrishi.hokyu@cao.go.jpへメール提出する
- 補正等が進んだ段階で、認定等計画の主体から交付を受けた確認書を添付する
- 審査を経て、利子補給金支給事業としての決定を受ける
- 指定金融機関へ割当額が暫定的に連絡され、調整や取下げ有無等の確認を経て割当額が確定する
- 要綱に定める貸付けの実行期限までに融資を実行し、事業に着手する
- 利子補給契約を締結し、以後は各種報告を行いながら5年間の利子補給金の支給を受ける
地方創生支援利子補給金を自社で申請する際の注意点
まず押さえておきたいのは、事業者が自ら応募書類を提出する制度ではないという点です。
地域再生と総合特区では指定金融機関が、国家戦略特区では特区計画主体が応募の窓口となりますので、社内だけで手続きを完結させることはできません。
Jグランツに掲載されてはいるものの、同サイトでは本利子補給金の申請受付を行っていないという注意書きも見落としやすいところです。
募集期間は各回10日前後と短いため、事前相談や自治体との調整を含めると、実際には数か月単位の準備期間を見込む必要があります。
応募事業の事前着手は原則認められませんので、着工や発注のタイミングは必ず事務局へ確認してから決めてください。
予算の範囲内での契約・支給という前提があるため、満額の割当を織り込んだ資金計画を組むことは避けたほうが安全です。
自社に申請ノウハウが無い場合は専門家に依頼するのもおすすめ
- 制度選定の精度が上がる
- 事業計画の質が上がる
- 採択後の実務まで見据えられる
制度選定の精度が上がる
地方創生に関わる公的支援は、利子補給のほかに交付金、補助金、税制優遇、政策金融など複数の入口が用意されています。
どれを軸に据えるかで資金計画の組み方が変わりますので、制度横断で見比べられる相手に相談する価値があります。
特に本制度は認定等計画への位置づけが前提となるため、そもそも自社が土俵に乗るかどうかの見極めが最初の分かれ道になります。
見込みの薄い制度に時間を割く前に、勝ち筋を絞り込めることが外部の目を借りる最大の効用です。
事業計画の質が上がる
地域への波及効果や数値目標との整合は、日常の事業計画書ではあまり書き慣れない観点です。
自治体の計画文書を読み解き、そこに自社の取組を接続する作業は、慣れた人と組むほど精度が上がります。
審査で減額調整の対象となる論点をあらかじめ潰しておけるかどうかで、最終的に受け取れる金額が変わってくることもあります。
まとまった計画書は、金融機関との融資交渉や取締役会での説明にもそのまま使えます。
採択後の実務まで見据えられる
支給事業として決定した後も、割当額の調整連絡、利子補給契約の締結、計算表の作成、各種報告と手続きは続きます。
支給期間は5年間に及びますので、担当者の異動をまたいでも回る運用体制を最初に整えておくことが重要です。
別紙様式の計算表の作成を依頼される場合もあると案内されていますので、金融機関と歩調を合わせて対応できる伴走者がいると安心です。
なお、官公署に提出する書類の作成代行は資格に関わる領域ですので、依頼先の業務範囲と費用は契約前に確認しておきましょう。
地方創生支援利子補給金を不正受給するとどうなるのか
- 虚偽の申請が発覚した場合に待っている結末
- 行き違いに気づいたら早い段階で窓口へ
虚偽の申請が発覚した場合に待っている結末
この利子補給金は国の予算から支出される公的資金であり、原資は税金です。
融資額や事業内容を偽って支給を受けた場合、補助金等に係る予算の執行の適正化に関する法律に基づき、交付決定の取消しと支給済み額の返還が求められます。
返還にあたっては加算金や延滞金が課されることがあり、悪質な事案では詐欺罪などの刑事責任を問われる可能性もあります。
事業者名や不正の内容が公表されれば、地域での信用や金融機関との関係にも長く影響が残ります。
利子補給は指定金融機関を通じた仕組みですので、融資の実行状況や返済の記録と申請内容の食い違いは表面化しやすい構造になっています。
行き違いに気づいたら早い段階で窓口へ
事業計画の変更や融資額の見直しは、長期の投資であれば起こりうることです。
内閣府は事業の内容やスケジュール、融資予定について極力変更が生じないよう調整を求めていますが、やむを得ない事情が生じた場合は速やかに相談することが前提とされています。
申請内容とのずれに気づいた時点で指定金融機関を通じて事務局へ連絡すれば、必要な手続きの案内を受けられ、不正として扱われる事態を避けやすくなります。
報告書類や帳簿は所定の期間保存する義務がありますので、契約から支給完了までの記録は整理して残しておきましょう。
地方創生支援利子補給金のまとめ
地方創生支援利子補給金は、自治体の認定等計画に資する事業を行う民間事業者が指定金融機関から借り入れる際に、その利子負担を国が軽減する制度です。
利子補給率は最大0.7%、支給期間は5年間で、令和8年度は4月6日~15日、7月6日~15日、10月1日~13日、12月1日~10日の4回に分けて募集が行われます。
応募は事業者本人ではなく、地域再生・総合特区は指定金融機関から、国家戦略特区は特区計画主体からメールで提出する点が特徴です。
同一事業・同一年度の利子補給対象融資額の上限は20億円で、予算の範囲内での契約・支給となるため割当額の調整が行われる場合があります。
事前着手は原則認められませんので、着工前の早い段階で内閣府地方創生推進事務局の利子補給制度の公式ページを確認し、事務局へ相談してください。
公募の概要はJグランツの公募詳細ページでも確認できます。
金利負担という見えにくいコストを抑えることが、地域での長期的な事業展開を支える土台になります。
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