令和8年度 建築GX・DX推進事業は、建築業界の脱炭素(GX)と生産性向上(DX)を一体的に後押しする国の補助制度です。
複数の事業者が連携して建築BIMデータの作成等を行う場合の設計費・建設工事費の一部や、建築物のLCCO2評価にかかる費用が補助されます。
BIM活用型では掛かり増し費用の1/2、LCCO2評価実施型では1件あたり最大650万円の定額補助を受けられます。
交付申請の受付は2026年9月30日までです。
本記事では、対象者・補助額・申請方法を分かりやすく解説します。
建築GX・DX推進事業の基本情報
| 正式名称 | 令和8年度 建築GX・DX推進事業(住宅・建築物カーボンニュートラル総合推進事業) |
| 対象地域 | 全国 |
| 実施機関 | 国(国土交通省)/事務局:建築GX・DX推進事業実施支援室 |
| 対象者 | 建築BIMデータの作成等を連携して行う民間事業者等、LCCO2評価を実施する設計事務所・建設会社・発注者 |
| 対象業種 | 建設業 |
| 対象経費 | BIMソフトウェア利用費、CDE環境構築・利用費、BIM関連人件費、LCCO2評価実施費用 等 |
| 申請期間 | 交付申請:2026年7月1日〜2026年9月30日 |
| 上限金額 | LCCO2評価実施型:650万円/件(BIMモデル作成なし)・500万円/件(BIMモデル作成あり)、BIM活用型:延べ面積に応じて設定 |
| 補助率 | BIM活用型:掛かり増し費用の1/2、LCCO2評価実施型:定額補助 |
| 申請方法 | Jグランツによる電子申請(代理申請不可) |
| 問い合わせ先 | 建築GX・DX推進事業実施支援室(TEL:03-6803-6766) |
| 公式サイト | 建築GX・DX推進事業実施支援室ホームページ |
補助金・助成金の正式名称
本制度の正式名称は「令和8年度 建築GX・DX推進事業」です。
国土交通省の「住宅・建築物カーボンニュートラル総合推進事業」の制度の一つとして実施されています。
建築BIMの活用を支援する「BIM活用型」と、建築物ライフサイクルカーボン評価を支援する「LCCO2評価実施型」の2類型で構成されています。
対象都道府県・市区町村
対象地域は全国です。
地域による制限はなく、全国どこで実施するプロジェクトでも申請できます。
大規模プロジェクトに限らず、小規模プロジェクトや改修プロジェクトも対象とされています。
実施機関
本事業は、国(国土交通省)が民間事業者等に対して補助を行う制度です。
事務局は「建築GX・DX推進事業実施支援室」が担っており、申請マニュアルや様式も同支援室のホームページで公開されています。
対象者(世帯・個人事業主・法人・団体・研究機関)
一定の要件を満たす建築物を整備するプロジェクトにおいて、複数の事業者が連携して建築BIMデータの作成等を行う民間事業者等が対象です。
LCCO2評価については、設計事務所や建設会社に加え、発注者が主体となって実施する場合も支援の対象になります。
中小事業者でも活用しやすい制度設計とされている点も特徴です。
対象業種
Jグランツに記載されている対象業種は建設業です。
実際のプロジェクトでは、元請事業者・下請事業者のほか、設計事務所や発注者など建築物整備に関わる幅広い主体が関係します。
対象経費
BIM活用型では、BIM活用によって生じる「掛かり増し費用」が補助対象となります。
- BIMソフトウェア利用費・関連費
- CDE環境構築費・利用費
- BIMコーディネーター・BIMマネジャー・BIMモデラーの人件費
- BIM講習の実施費用
LCCO2評価実施型では、評価の実施に要する費用が対象です。
- LCCO2評価等人件費
- CO2原単位等策定人件費・データベース利用費
- 第三者検証費用・CO2原単位等公開費用
- 算定ツール利用料
その他要件
BIM活用型では、耐火・準耐火建築物等であること、省エネ基準に適合することなどの建築物要件を満たす必要があります。
また、元請事業者等・下請事業者等は「BIM活用事業者登録制度」に登録し、補助事業完了後3年間、BIM活用状況を報告することが求められます。
LCCO2評価実施型では、資材製造・施工・使用・解体などの5区分で算定可能なツールを使用し、評価結果を国土交通省等に報告する必要があります。
補助対象外となるもの
補助対象外となる経費の詳細は、公募資料上で網羅的に列挙されているわけではありません。
一般に、BIM活用やLCCO2評価と直接関係のない通常業務の費用は対象外と考えられます。
対象経費の線引きは募集要領で必ず確認してください。
申請期間
令和8年度事業の交付申請は、2026年7月1日から2026年9月30日まで受け付けられています。
Jグランツ上の受付締切は2026年9月30日23時59分です。
なお、代表事業者及び事業者の登録は2026年4月7日から2026年12月31日まで受け付けられています。
上限金額・助成額
LCCO2評価実施型では、BIMモデルを作成せずに評価を行う場合は650万円/件、BIMモデルを作成した上で評価を行う場合は500万円/件を上限とする定額補助です。
LCCO2評価に必要なCO2原単位も策定する場合は、策定した一のCO2原単位等につき400万円が加算されます(一事業者当たりの加算は1プロジェクトにつき1,000万円まで)。
BIM活用型の補助限度額は、建築物の延べ面積に応じて設定されています。
補助率
BIM活用型では、設計調査費及び建設工事費に対し、BIM活用による掛かり増し費用の1/2が補助されます。
LCCO2評価実施型は、上限額の範囲内での定額補助方式です。
問い合わせ先
問い合わせ先は、建築GX・DX推進事業実施支援室です。
電話番号は03-6803-6766、受付は月〜金曜日(祝日・年末年始を除く)10:00〜17:00(12:00〜13:00を除く)です。
公式公募ページと確認すべきこと
公募の一次情報は、Jグランツの公募詳細ページで確認できます。
マニュアル・様式・補助対象ソフトウェアのリストは、建築GX・DX推進事業実施支援室の公式サイトで公開されています。
申請前には、最新の募集要領で補助要件・上限額・スケジュールを必ず確認してください。
建築GX・DX推進事業を対象者が活用すべき理由(メリット)
最大のメリットは、導入コストがネックになりがちな建築BIMの活用を、掛かり増し費用の1/2補助という形で始めやすくなることです。
ソフトウェア利用費だけでなく、BIMコーディネーター等の人件費や講習費用まで対象になるため、社内の体制づくりにも活用できます。
LCCO2評価実施型を使えば、今後需要が高まる建築物の脱炭素評価に、費用負担を抑えながら早期に取り組めます。
BIM活用やLCCO2評価の実績は、発注者への提案力や競争力の強化にもつながります。
小規模プロジェクトや改修プロジェクトも対象のため、中小事業者にとっても現実的に使いやすい制度です。
建築GX・DX推進事業を申請すべき人とそうでない人の特徴
- 申請すべき人
- 見送ったほうが良い人の特徴
申請すべき人
- 建築BIMの導入・活用を進めたい元請・下請の建設事業者
- 複数の事業者と連携して建築BIMデータ整備を行うプロジェクトを予定している方
- 建築物のLCCO2評価に取り組みたい設計事務所・建設会社・発注者
- BIM導入の掛かり増し費用の負担を軽減したい中小事業者
- 脱炭素対応の実績を蓄積して競争力を高めたい方
見送ったほうが良い人の特徴
- 耐火・省エネ基準適合など対象要件を満たす建築物プロジェクトの予定が無い方
- BIM活用事業者登録や補助事業完了後3年間の報告などの継続的な手続きに対応できない方
- 交付申請期限(2026年9月30日)までに計画をまとめられない方
- BIM連携もLCCO2評価も実施する予定が無い方
その他にも利用すべき補助金・助成金制度の代表例
- 新事業進出補助金(新事業進出・ものづくり補助金 新事業進出枠)
- ものづくり補助金(革新的新製品・サービス枠)
- 中小企業省力化投資補助金
- 小規模事業者持続化補助金
新事業進出補助金(新事業進出・ものづくり補助金 新事業進出枠)
既存の事業とは異なる分野へ踏み出す中小企業を後押しする制度です。
新市場への進出に必要な設備投資や建物費など、まとまった投資を支援してもらえる点が魅力です。
建設業から周辺分野へ事業の幅を広げたい場合にも検討する価値があります。
ものづくり補助金(革新的新製品・サービス枠)
革新的な製品・サービスの開発に取り組む中小企業向けの定番制度です。
開発に必要な機械装置やシステム構築費に対して手厚い補助が用意されています。
新しい工法や独自サービスの開発を構想している事業者に向いています。
中小企業省力化投資補助金
人手不足の解消を目的に、省力化に資する設備やロボットの導入を支援する制度です。
現場の作業を自動化・効率化する投資と相性が良いため、施工現場の生産性向上にも役立ちます。
BIMによる業務効率化と組み合わせて検討すると効果的です。
小規模事業者持続化補助金
従業員数の少ない小規模事業者が販路開拓等に取り組む際に使える制度です。
ホームページ制作や広告宣伝など身近な取り組みから活用できるのが特徴です。
小規模な工務店や設計事務所の集客強化にも適しています。
建築GX・DX推進事業の申請に必要なもの
- 申請に必要な書類一覧と取得方法
- 記載例はどこで確認できるか
申請に必要な書類一覧と取得方法
申請はJグランツで行うため、まずGビズIDプレミアムアカウントの取得が必要です。
そのうえで、交付申請書や事業計画に関する書類、経費の内訳が分かる資料などを準備します。
- GビズIDプレミアムアカウント
- 交付申請書(申請様式)
- プロジェクト・事業計画に関する資料
- 補助対象経費の内訳が分かる資料
- BIM活用推進計画(BIM活用型の場合)
- 代表事業者・事業者登録に関する書類
申請様式はJグランツの公募詳細ページおよび実施支援室のホームページから取得できます。
記載例はどこで確認できるか
申請書類の記載方法やマニュアル、作成支援様式は、建築GX・DX推進事業実施支援室の公式サイトで公開されています。
「補助対象となるソフトウェア」リストや作成支援様式は随時更新されているため、申請前に最新版を確認しましょう。
建築GX・DX推進事業の採択率を上げる事業計画書の作り方
- 市場性を具体的に書く
- 差別化ポイント(自社と他社の違い)を明確に記載
- この制度を利用する必要性・重要性を記載
- 実行体制を明記する
市場性を具体的に書く
建築BIMや脱炭素建築へのニーズがどれほど高まっているかを、数字や公的資料を根拠に示すことが出発点になります。
対象プロジェクトの規模・用途と、そこで生まれる効果を定量的に描写することで、計画の説得力が大きく変わります。
差別化ポイント(自社と他社の違い)を明確に記載
同業他社と比べたときに、自社のBIM運用体制や施工ノウハウのどこが強みなのかを言語化しましょう。
連携する事業者それぞれの役割と強みをセットで示すと、プロジェクト全体の優位性が伝わりやすくなります。
この制度を利用する必要性・重要性を記載
なぜ自己資金だけではなく本事業の補助が必要なのかを、費用構造から説明することが重要です。
補助が無い場合に生じる導入の遅れや機会損失を具体的に示すことで、制度趣旨との合致をアピールできます。
実行体制を明記する
誰がBIMコーディネーターやBIMマネジャーを担い、どのようなスケジュールで進めるのかを明確に書きましょう。
補助事業完了後の報告義務まで見据えた体制図を添えると、実現可能性の高い計画として評価されやすくなります。
建築GX・DX推進事業の申請手順
- 募集要領・マニュアルを確認する
- GビズIDプレミアムアカウントを取得する
- 代表事業者及び事業者の登録を行う(2026年4月7日〜2026年12月31日)
- 事業計画・必要書類を準備する
- Jグランツで交付申請を行う(2026年7月1日〜2026年9月30日)
- 審査を経て交付決定を受ける
- 事業を実施し、実績報告を行う
- 補助金を受領し、完了後3年間のBIM活用状況報告等に対応する
建築GX・DX推進事業を自社で申請する際の注意点
本事業はJグランツでの代理申請ができないため、自社でアカウントを整え、電子申請の操作まで対応する必要があります。
補助対象は「掛かり増し費用」という考え方が軸になるので、通常費用との切り分けを曖昧にしたまま申請しないよう気を付けましょう。
BIM活用事業者登録や完了後3年間の報告など、申請後も続く義務を社内で共有しておかないと、後々の負担になりかねません。
ソフトウェアが補助対象リストに含まれているかどうかで経費計上が変わるため、購入・契約前にリストの最新版を必ず照らし合わせてください。
自社に申請ノウハウが無い場合は専門家に依頼するのもおすすめ
- 制度選定の精度が上がる
- 事業計画の質が上がる
- 採択後の実務まで見据えられる
制度選定の精度が上がる
補助制度は数が多く、類型や要件の読み違いが起こりがちです。
自社のプロジェクトにBIM活用型とLCCO2評価実施型のどちらが適するか、専門家の視点で見極めてもらえるのは大きな利点です。
事業計画の質が上がる
審査で見られるポイントを踏まえた構成に整えてもらえるため、独力で書くよりも完成度が高まります。
根拠データの選び方や経費積算の妥当性まで第三者の目でチェックされることで、記載漏れや矛盾も防げます。
採択後の実務まで見据えられる
補助事業は交付決定後の実績報告や証憑管理でつまずくケースが少なくありません。
報告義務への対応スケジュールまで含めて伴走してもらえるため、社内リソースが限られていても安心して進められます。
建築GX・DX推進事業を不正受給するとどうなるのか
- 交付決定の取消し・返還請求に加え社名公表の恐れもある
- 関係者や取引先からの情報提供で明るみに出ることもある
交付決定の取消し・返還請求に加え社名公表の恐れもある
実態のない経費の計上や虚偽の申請が判明した場合、交付決定の取消しや補助金の返還を求められます。
加算金・延滞金の請求や事業者名の公表につながる可能性もあり、信用面のダメージは金銭以上に深刻です。
悪質なケースでは、補助金適正化法に基づく罰則や刑事責任を問われることもあります。
関係者や取引先からの情報提供で明るみに出ることもある
不正は書類審査や検査だけでなく、社内外からの通報を契機に発覚することがあります。
「見つからなければ問題ない」という考え自体が通用しないと捉え、所管する行政機関のルールに沿った適正な経理処理を徹底してください。
建築GX・DX推進事業のまとめ
令和8年度 建築GX・DX推進事業は、建築BIMの活用(DX)と建築物のLCCO2評価(GX)を国が一体的に支援する補助制度です。
BIM活用型では掛かり増し費用の1/2、LCCO2評価実施型では1件あたり650万円または500万円を上限とする定額補助を受けられます。
対象地域は全国で、小規模・改修プロジェクトや中小事業者でも活用しやすい設計になっています。
交付申請の受付は2026年9月30日までのため、最新情報はJグランツの公募詳細ページと建築GX・DX推進事業実施支援室の公式サイトで確認し、早めに準備を進めましょう。
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