令和8年度水力発電導入促進支援事業費補助金|補助率と対象経費・申請期限を解説

補助金

全国の水力発電所には、運転開始から数十年を経てなお現役で稼働している設備が数多く残されています。

水車や発電機を新しいものに入れ替えるだけで、同じ水量からより多くの電力を取り出せるようになる余地は決して小さくありません。

その設備更新や改造の費用を後押しするのが、水力発電導入促進支援事業費補助金(既存設備有効活用強化支援事業)です。

経済産業省の補助事業として、一般財団法人新エネルギー財団が執行団体となって公募を行っています。

令和8年度の公募は令和8年4月27日から令和8年9月29日17時までで、公募予算額は1,474,350,000円という規模です。

本記事では、調査事業・工事等事業・災害復旧等事業という3つの区分ごとに異なる補助率と対象経費、そして申請の進め方を公募要領に沿って整理してご紹介します。

水力発電導入促進支援事業費補助金の基本情報

正式名称 令和8年度 水力発電導入促進支援事業費補助金(既存設備有効活用強化支援事業)公募
対象地域 全国
実施機関 一般財団法人新エネルギー財団 水力地熱本部 水力業務部(経済産業省の補助事業)
対象者 日本国内で水力発電所を有して継続して水力発電を行い、保有する発電所の増出力・増電力量の可能性の調査、設備更新・改造、災害等による長期故障停止中の電源の復旧を行う民間団体等(地方公共団体、発電事業者等)。PFI事業を含む
対象業種 電気・ガス・熱供給・水道業
対象経費 調査事業は調査費・試験費・設計費、工事等事業と災害復旧等事業は構築物・機械装置・備品・諸経費・共有設備又は総係費(ダム負担金)
その他要件 日本に拠点を有する法人等又は日本国民であること、当該発電所が電力系統等に接続され逆潮流があること、既設発電所を廃止して新設する事業でないこと、他省庁や財団の他事業から同目的の補助金を受けていないこと、電気事業法・河川法・森林法等の許認可を受けているか見込みがあること
対象外 送配電設備、系統連系費用、総係費(人件費・旅費・消耗品・事務所費用等)、借地等。ただしダム再開発事業に係るダム負担金は対象。交付決定日前に発注手続きを行ったものも対象外
申請期間 令和8年4月27日(月)〜令和8年9月29日(火)17時(財団必着)。一次締切は令和8年5月25日(月)17時、二次締切は令和8年7月22日(水)17時、最終締切は令和8年9月29日(火)17時
上限金額 令和8年度の公募予算額は1,474,350,000円(Jグランツの補助上限額欄も同額を表示)。1者あたりの上限額は定められていない
補助率 調査事業は補助対象経費の2/3以内、工事等事業は1/4以内(発電電力量が5%以上増加する場合は1/3以内)、災害復旧等事業は1/2以内(離島など地域の電力安定供給確保のうえで代替困難な場合は2/3以内)
問い合わせ先 一般財団法人新エネルギー財団 水力地熱本部 水力業務部(既設活用グループ)/〒161-0033 東京都新宿区下落合二丁目3番18号 SKビルK棟4階/TEL 03-6810-0373/メール kisetsukatsuyou@nef.or.jp

補助金・助成金の正式名称

正式名称は「令和8年度 水力発電導入促進支援事業費補助金(既存設備有効活用強化支援事業)公募」です。

制度名としては「水力発電導入促進支援事業費補助金」で、その中の一つの事業区分が既存設備有効活用強化支援事業という位置づけになります。

同じ水力発電導入促進支援事業費補助金の枠には事業性評価支援事業など別の区分もありますので、既存設備の有効活用を目的とする場合は必ず既存設備有効活用強化支援事業の公募要領を使ってください。

さらにこの事業は調査事業・工事等事業・災害復旧等事業の3区分に分かれており、区分ごとに別々の公募要領と申請書様式が用意されています。

対象都道府県・市区町村

対象地域は全国で、都道府県や市区町村による地域の制限はありません。

経済産業省の補助事業を新エネルギー財団が執行する形ですので、国内のどの水系にある発電所でも要件を満たせば申請できます。

ただし採点審査では、対象発電所が脱炭素先行地域に選定された地域内に設置され、その選定にあたって地方公共団体が提案した計画に位置づけられている場合が加点対象とされています。

地元調整が必要な事業では、その調整が確実に行われていることが交付要件に含まれている点にもご留意ください。

実施機関

実施機関は一般財団法人新エネルギー財団の水力地熱本部 水力業務部です。

財団が経済産業省から補助金を受けて執行団体となる仕組みのため、Jグランツの画面上は「交付要綱」と表示されていますが、実際にセットされているのは財団の交付規程です。

公募から申請受付、採択審査委員会での審査、交付決定、確定検査、補助金の支払いまでを一貫して財団が担当しますので、実務上の窓口はすべて財団になります。

財団は水力発電の開発に関する相談窓口も開設していますので、要件の解釈に迷う段階から相談できる体制が整っています。

対象者(世帯・個人事業主・法人・団体・研究機関)

申請できるのは、日本国内で水力発電所を有して継続して水力発電を行っている民間団体等で、地方公共団体や発電事業者が該当します。

PFI事業も対象に含まれており、保有する発電所の増出力・増電力量の可能性を調査する事業者、設備更新や改造を行う事業者、災害等で長期故障停止中の電源を復旧する事業者が想定されています。

合同会社、有限責任事業組合、特定目的会社その他の特別目的事業体が申請する場合は、主たる出資者等による「申請者に責任をもって事業を履行させる」との確約書と、構成員名簿や役割分担表などの資料を追加で提出する必要があります。

調査事業と工事等事業のいずれも、運転開始または補助対象設備の更新後、工事等事業完了時点で原則として20年以上経過している発電所が対象です。

工事等事業と災害復旧等事業では、補助対象となる発電機の単機出力が1,000kW以上であることが求められます。

対象業種

Jグランツで指定されている対象業種は、電気・ガス・熱供給・水道業の1区分のみです。

水力発電所を保有し継続して発電を行っていることが前提の制度ですので、業種の範囲が絞り込まれています。

ダムや発電所を保有する地方公共団体の企業局も、電気事業を営む主体としてこの制度の対象に含まれます。

従業員数の上限は設けられていませんので、事業規模の大小によって申請可否が左右されることはありません。

対象経費

調査事業の補助対象経費は、調査費・試験費・設計費の3区分です。

既存設備の余力調査に加えて、既存ダムの運用最適化調査も補助対象に含まれています。

工事等事業と災害復旧等事業では、えん堤や導水路などの構築物、水車・発電機・主要変圧器などの機械装置、耐用年数1年以上かつ取得価格10万円以上の備品、既存設備更新工事等に不可欠な調査・試験・実施設計等の諸経費、そしてダム再開発事業に係るダム負担金が対象になります。

補助対象となるのは増出力または増電力量に密接に関連があると考えられる項目に限られ、対象物は発電所構内のものに限定されます。

構築物や機械装置の撤去処分費用、仮設等が必要となる場合の費用は補助対象として認められます。

その他要件

3区分に共通する交付要件として、日本に拠点を有する法人等または日本国民であること、事業を的確に遂行する組織・人員を有していることなどが定められています。

補助金の交付対象となる経費を他の経理と明確に区別して処理できる体制を有していることも条件です。

工事等事業と災害復旧等事業では、事業期間中および財産処分制限期間中にFIT・FIPの適用(事業計画認定を含む)を受けないことが必須の要件となっています。

増出力の工事等を行う場合は、原則として一般送配電事業者または配電事業者へ接続契約を申し込み済みであることが求められます。

災害復旧等事業では、対象の発電所が人為災害を除く災害等で原則1年以上の長期故障停止中であり、復旧後の出力が既存設備の出力以上であることが要件です。

補助対象外となるもの

補助対象外として明示されているのは、送配電設備、系統連系費用、総係費、借地等です。

総係費には人件費、旅費、消耗品費、事務所費用などが含まれますが、ダム負担金だけは総係費であっても補助対象として扱われます。

交付決定日前に発注手続きを行ったものは補助対象になりませんので、見積書の開封や入札書の開札は交付決定日以降に行う必要があります。

競争入札の開始だけは交付申請書の提出日以降に実施できますが、開札を交付決定日前に行うと対象外になる点は取り違えやすいところです。

支払方法についても、クレジット契約、割賦契約、手形等による支払いは対象外とされており、原則として金融機関の振込に限られます。

申請期間

令和8年度の公募期間は、令和8年4月27日(月)から令和8年9月29日(火)までです。

申請の締切は3回に分かれており、一次締切が令和8年5月25日(月)17時、二次締切が令和8年7月22日(水)17時、最終締切が令和8年9月29日(火)17時で、いずれも財団必着とされています。

各締切時点で予算額以上の申請があった場合は、公募期間中であっても公募を中止することがあると明記されていますので、最終締切まで待つ判断にはリスクが伴います。

Jグランツ上の受付終了日時も2026年9月29日17時00分と表示されており、財団の公募案内と一致しています。

交付決定の目安は、一次締切分が6月下旬、二次締切分が8月下旬、最終締切分が10月下旬とされています。

上限金額・助成額

Jグランツの補助上限額欄には1,474,350,000円と表示されています。

これは公募要領上の令和8年度公募予算額(1,474,350千円)と同じ数字で、1者あたりの補助上限額として設定されたものではありません。

補助金の額は補助対象経費に区分ごとの補助率を乗じた額となり、消費税分は含まれませんので、実際の交付額は事業規模と補助率で決まります。

補助下限額の設定はありませんが、採点審査では費用対効果や増出力・増電力量の大きさが評価されるため、規模が小さすぎる事業は不利になる可能性があります。

予算上やむを得ない場合には、一度決定した補助金の額が減額されることがある点も押さえておいてください。

補助率

補助率は事業区分ごとに3通りに分かれています。

調査事業は補助対象経費(消費税を含まず)の3分の2以内で、3区分の中では最も手厚い設定です。

工事等事業は原則4分の1以内ですが、発電電力量が5%以上増加する場合には3分の1以内に引き上げられます。

災害復旧等事業は2分の1以内で、離島など地域の電力安定供給確保のうえで代替が困難な場合には3分の2以内となります。

なお令和7年度以前から続く複数年度事業の補助率は、令和7年度以前の補助率と同等以下になると定められています。

問い合わせ先

問い合わせ先は、一般財団法人新エネルギー財団 水力地熱本部 水力業務部の既設活用グループです。

所在地は東京都新宿区下落合二丁目3番18号 SKビルK棟4階、電話番号は03-6810-0373、メールアドレスはkisetsukatsuyou@nef.or.jpとなっています。

問い合わせは土日祝日を除く9時から12時、13時から17時の間に、できる限りメールで行うよう案内されています。

公募期間の序盤にはオンラインの公募説明会が開催されており、令和8年度は5月8日と5月12日に各2回ずつ実施されました。

公式公募ページと確認すべきこと

制度の概要と添付ファイル一式はJグランツの公募詳細ページから確認できます。

公募要領、交付規程、公募要領ダイジェスト、PRリーフレット、申請書様式のダウンロードは、新エネルギー財団の令和8年度公募のお知らせページに集約されています。

最初に確認すべきポイントは、自社の計画が調査事業・工事等事業・災害復旧等事業のどれに当たるか、その区分の補助率はいくつか、そして単機出力1,000kW以上と20年経過という要件を満たすかという3点です。

まず公募要領ダイジェストで全体像をつかんでから、該当区分の公募要領本体を読み込む順序が効率的です。

水力発電導入促進支援事業費補助金を対象者が活用すべき理由(メリット)

既存の水力発電所は、新規開発に比べて用地取得や環境影響評価の負担が小さく、投資回収の見通しを立てやすいという特性があります。

その設備更新に国費が投入されることで、単独では踏み切りにくかった大規模なリニューアル計画に着手しやすくなります。

とりわけ調査事業は補助率が3分の2以内と高く、本格的な工事に進む前の技術検討を低い自己負担で実施できる点が実務上の大きな利点です。

調査で増出力の可能性が確認できれば、翌年度以降に工事等事業へ進むという段階的な進め方も選べます。

災害で長期停止している電源については、復旧そのものが補助対象となるため、採算面で断念しかけていた設備を再稼働させる道が開けます。

水力発電は出力変動が小さく設備利用率も高いため、更新によって得られた増電力量はそのまま安定的な収益と自給率向上に結びついていきます。

水力発電導入促進支援事業費補助金を申請すべき人とそうでない人の特徴

  • 申請すべき人
  • 見送ったほうが良い人の特徴

申請すべき人

  • 運転開始または前回更新から20年以上が経過した水力発電所を保有し、水車や発電機の更新を検討している事業者
  • 既存発電所の増出力・増電力量の可能性を、流れ解析などの技術検討で把握したいと考えている事業者
  • ダムの運用最適化によって発電量を増やせないか調査したいダム管理者や発電事業者
  • 災害等により1年以上停止したままの水力発電設備を抱えており、復旧の目処を立てたい事業者
  • 単機出力1,000kW以上の発電機を保有し、系統への送電電力または逆潮流量の増加を図れる事業者
  • ダム再開発事業に参画しており、ダム負担金の負担軽減を検討している事業者
  • 脱炭素先行地域の計画に発電所が位置づけられている、あるいは賃上げや健康経営で加点を狙える事業者

見送ったほうが良い人の特徴

  • FIT・FIPの適用(事業計画認定を含む)を受けている、または今後受ける予定がある発電所の場合
  • 既設発電所を廃止して新規に発電所を新設する計画である場合
  • 補助対象となる発電機の単機出力が1,000kW未満の場合(工事等事業・災害復旧等事業)
  • 交付決定を待たずに設備の発注や契約を済ませてしまっている場合
  • 令和9年3月1日までに当該年度分の事業完了と支払いまで終える工程が組めない場合
  • 各省庁または財団の他の補助事業から同じ目的の補助金を受けている、または受ける予定がある場合
  • 電気事業法・河川法・森林法等の許認可や地元調整の見込みが立っていない場合

水力発電導入促進支援事業費補助金の申請に必要なもの

  • 申請に必要な書類一覧と取得方法
  • 記載例はどこで確認できるか

申請に必要な書類一覧と取得方法

中核となる書類は、様式第1の交付申請書と様式第2の実施計画書です。

実施計画書には、補助事業対象発電所の概要、実施計画表、行政手続等に係る一覧表、事業経費の配分内訳、積算明細書と積算根拠、資金調達の計画、増出力および増電力量の算出根拠、建設単価算出根拠という8種類の別紙を添付します。

その他必要書類として、FIT・FIPの適用を受けないことに関する誓約書、定款、登記簿、直近2カ年分の財務諸表、役員名簿、地形図、現地写真、機器外形図、流況曲線、実施体制図などが求められます。

流況曲線は原則として対象発電所の取水地点における至近10年間の流況資料に基づく必要があり、社内資料の掘り起こしに時間がかかりやすい書類です。

Jグランツの送信容量は16MBまでのため、様式第1と様式第2本文までをJグランツで申請し、様式第2の別紙1以降は電子メールまたはCD-R等の電子媒体で別途提出する運用になっています。

記載例はどこで確認できるか

記載方法と注意事項は、区分ごとの公募要領の末尾に付されている様式類にまとめられています。

様式には記載例や注記が豊富に添えられており、たとえば増出力の増分割合については有効数字の扱いまで含めた計算例が示されています。

これらの資料と申請書様式一式は、新エネルギー財団の公式サイトからまとめてダウンロードできます。

経理処理の考え方については、経済産業省大臣官房会計課が作成した補助事業事務処理マニュアルも同じページに掲載されていますので、あわせて目を通しておいてください。

水力発電導入促進支援事業費補助金の申請手順

  1. 新エネルギー財団の公募ページから、公募要領ダイジェストと該当区分の公募要領、交付規程をダウンロードして要件を確認する
  2. 自社の計画が調査事業・工事等事業・災害復旧等事業のどれに該当するかを整理する
  3. 単機出力1,000kW以上、運転開始または前回更新から20年以上経過、FIT・FIP不適用といった交付要件への適合を点検する
  4. 流れ解析等の技術検討を行い、更新前後の出力と年間可能発電電力量、増分割合を算出する
  5. 増出力を行う場合は、一般送配電事業者または配電事業者への接続契約申込(または接続検討申込)を済ませる
  6. GビズIDプライムアカウントを取得する(取得には2〜3週間程度かかるため早めに手続きする)
  7. 様式第1の交付申請書と別紙1、様式第2の実施計画書と別紙1から別紙7、実施体制図を作成する
  8. 定款、登記簿、直近2カ年分の財務諸表、役員名簿、地形図、現地写真、流況曲線などの添付書類を揃える
  9. 加点を狙う場合は、賃上げ計画の表明書やワーク・ライフ・バランス関連の認定証、健康経営優良法人の認定証などを準備する
  10. Jグランツから様式第1と様式第2本文までを申請し、様式第2の別紙1以降は電子メールまたは電子媒体で財団へ提出する
  11. 要件審査と外部有識者による採択審査委員会の採点審査を経て、交付決定通知を受け取る
  12. 交付決定日以降に見積依頼や発注・契約を行い、当該年度分の事業を令和9年3月1日までに完了させて支払いまで済ませる
  13. 事業完了日から30日以内または令和9年3月10日のいずれか早い日の午前12時までに実績報告書を提出する
  14. 確定検査を経て交付額の確定通知を受け、精算払請求書を提出して補助金の支払いを受ける

水力発電導入促進支援事業費補助金を自社で申請する際の注意点

見落としやすいのは、同一年度に同じ地点で調査事業と工事等事業を同時に申請することはできないという決まりです。

同じ年度に両方を実施したい場合は、調査事業の確定検査が終わってからでなければ工事等事業の申請ができませんので、年度をまたぐ計画として組み立てるほうが現実的です。

発注先の決定は原則として一般競争入札、3者以上の指名競争入札、または3者以上の相見積によることとされており、随意契約で進めると補助対象から外れる恐れがあります。

採択決定前の取り下げや採択決定後の事業中止をした場合、次回申請時の採択決定の優先順位が低くなることがあると明記されている点も重い制約です。

なお交付申請書や実績報告書の作成を、行政書士または行政書士法人以外の者が報酬を得て代理することは行政書士法第19条により認められていませんので、依頼先の資格は必ず確認してください。

水力発電導入促進支援事業費補助金を不正受給するとどうなるのか

  • 交付決定の取消しと加算金つきの返還が待っている
  • 疑義が生じた段階で財団による現地調査が行われる

交付決定の取消しと加算金つきの返還が待っている

この補助金の原資は国庫補助金等の公的資金であり、財団は不正行為に対して厳正に対処する姿勢を公募要領の冒頭で明示しています。

調査の結果として不正行為が認められた場合は、当該補助金に係る交付決定が取り消されます。

受領済みの補助金のうち取消対象となった額に、年10.95%の利率による加算金を加えた額の返還が求められます。

あわせて、財団から新たな補助金等の交付を一定期間受けられなくなる措置が取られ、事業者の名称と不正の内容が公開されます。

補助金等に係る予算の執行の適正化に関する法律の第29条から第33条には、刑事罰等を科す旨が規定されています。

疑義が生じた段階で財団による現地調査が行われる

交付申請書や実績報告書の内容に疑義がある場合、あるいは不正受給の疑いがある場合には、補助事業終了後であっても財団が必要に応じて現地調査を実施します。

交付決定に関する情報は法人番号とともにgBizINFOに原則掲載され、行政事業レビューでも補助事業者名や契約相手方の情報が経済産業省のウェブサイトで公開されます。

経費区分の誤りや出来高の食い違いに気づいた時点で財団へ自ら相談すれば、計画変更承認や訂正の手続きの範囲で収まる場合が多くあります。

補助事業終了後に増出力または増電力量が申請時の値を満たさなかった場合も、交付決定を取り消したうえで返還を求められることがあります。

補助対象経費とそれ以外の経費を明確に区別できる経理体制は交付要件そのものですので、着工前に社内で共有しておいてください。

水力発電導入促進支援事業費補助金のまとめ

水力発電導入促進支援事業費補助金(既存設備有効活用強化支援事業)は、既存水力発電所の増出力・増電力量を図る調査、設備更新・改造、災害復旧を支援する経済産業省の補助金です。

補助率は調査事業が3分の2以内、工事等事業が4分の1以内(発電電力量5%以上増加なら3分の1以内)、災害復旧等事業が2分の1以内(離島等は3分の2以内)という設定です。

令和8年度の公募予算額は1,474,350,000円で、公募期間は令和8年4月27日から令和8年9月29日17時までとなっています。

一次締切と二次締切はすでに経過していますので、これから申請する場合は最終締切である令和8年9月29日17時が期限です。

各締切の時点で予算額以上の申請があれば公募が中止される可能性もありますので、準備は早めに進めることをおすすめします。

最新の要件や様式はJグランツの公募詳細ページと、新エネルギー財団の令和8年度公募のお知らせページで必ずご確認ください。

眠っている出力の余力を掘り起こす一手として、この制度を活用していただければと思います。