防災の計画づくりやSDGsへの取組は、大切だと分かっていても日々の受注対応に追われて後回しになりがちです。
埼玉県熊谷市では、そうした将来への備えに一歩踏み出した市内の中小企業者に対して、現金を直接交付する制度を用意しています。
熊谷市中小企業SDGs経営・ジギョケイ策定支援奨励金は、埼玉県SDGsパートナーへの登録と、事業継続力強化計画(ジギョケイ)の経済産業大臣認定という2つの取組をセットで評価する仕組みです。
交付額は1事業者につき15万円の定額で1回限り、令和8年度の申請期間は令和9年1月29日までとされています。
経費の領収書を積み上げる必要がなく、要件を満たしていれば申請書と証明書類の写しだけで手続きが完結する点も特徴です。
この記事では、交付対象となる企業の条件、2つの登録・認定を取得する順序、申請に必要な書類と提出方法までを、熊谷市の公表資料と交付要綱に沿って解説します。
- 熊谷市SDGs経営・ジギョケイ策定支援奨励金の基本情報
- 熊谷市SDGs経営・ジギョケイ策定支援奨励金を対象者が活用すべき理由(メリット)
- 熊谷市SDGs経営・ジギョケイ策定支援奨励金を申請すべき人とそうでない人の特徴
- その他にも利用すべき補助金・助成金制度の代表例
- 熊谷市SDGs経営・ジギョケイ策定支援奨励金の申請に必要なもの
- 熊谷市SDGs経営・ジギョケイ策定支援奨励金の採択率を上げる事業計画書の作り方
- 熊谷市SDGs経営・ジギョケイ策定支援奨励金の申請手順
- 熊谷市SDGs経営・ジギョケイ策定支援奨励金を自社で申請する際の注意点
- 自社に申請ノウハウが無い場合は専門家に依頼するのもおすすめ
- 熊谷市SDGs経営・ジギョケイ策定支援奨励金を不正受給するとどうなるのか
- 熊谷市SDGs経営・ジギョケイ策定支援奨励金のまとめ
熊谷市SDGs経営・ジギョケイ策定支援奨励金の基本情報
| 正式名称 | 熊谷市中小企業SDGs経営・ジギョケイ策定支援奨励金 |
| 対象地域 | 埼玉県熊谷市 |
| 実施機関 | 熊谷市 産業振興部 企業活動支援課 |
| 対象者 | 市内に事業所を有し、埼玉県SDGsパートナーの登録とジギョケイ(事業継続力強化計画等)の経済産業大臣認定をいずれも受けている中小企業者 |
| 対象業種 | 農業・林業、漁業、鉱業・採石業・砂利採取業、建設業、製造業、電気・ガス・熱供給・水道業、情報通信業、運輸業・郵便業、卸売業・小売業、金融業・保険業、不動産業・物品賃貸業、学術研究・専門技術サービス業、宿泊業・飲食サービス業、生活関連サービス業・娯楽業、教育・学習支援業、医療・福祉、複合サービス事業、サービス業(他に分類されないもの) |
| 従業員数の上限 | 制約なし |
| 対象経費 | SDGs経営(埼玉県SDGsパートナー登録)とジギョケイ策定の取組に対する定額の奨励金(使途は特定されない) |
| その他要件 | 市税を滞納していないこと、暴力団または暴力団員が関与する事業者に該当しないこと、その他法令および公序良俗に反していないこと |
| 対象外 | 市内に事業所がない事業者、いずれか一方の登録・認定しか受けていない事業者、すでに本奨励金の交付を受けた事業者、中小企業等経営強化法上の中小企業者に該当しない事業者 |
| 申請期間 | 令和9年1月29日まで(郵送は当日消印有効。予算に達し次第、受付を締め切る場合あり) |
| 上限金額 | 15万円(1事業者につき1回限り) |
| 補助率 | 定額 |
| 申請方法 | 必要書類を窓口に持参、または熊谷市企業活動支援課へ郵送(Jグランツでの電子申請は不可) |
| 問い合わせ先 | 熊谷市 産業振興部 企業活動支援課(〒360-8601 埼玉県熊谷市宮町2-47-1/電話048-524-1470/ファクス048-525-9335) |
補助金・助成金の正式名称
正式な名称は「熊谷市中小企業SDGs経営・ジギョケイ策定支援奨励金」です。
名称にある「ジギョケイ」は事業継続力強化計画の略称で、中小企業庁が普及に向けて用いている愛称にあたります。
制度の位置づけは補助金ではなく奨励金であり、対象経費に補助率を掛けて算定するのではなく、取組を実施した事業者へ一律の額を交付する形式がとられています。
熊谷市の公式サイトでは「熊谷市中小企業SDGs経営・ジギョケイ策定支援奨励金のご案内」というページで案内されており、令和8年度分の情報が掲載されています。
対象都道府県・市区町村
対象地域は埼玉県熊谷市に限られます。
交付要綱では「市内に事業所を有する中小企業者であること」が要件として定められており、本社の所在地そのものではなく事業所の有無が判断の軸になっています。
一方で登録先である埼玉県SDGsパートナーは県全域を対象とした制度ですので、県の登録を受けたうえで熊谷市の奨励金を申請するという二段構えになります。
熊谷市以外の県内市町村にも類似の支援制度が存在する場合がありますので、複数拠点を持つ企業はどの自治体で申請するかを整理しておきましょう。
実施機関
制度を運営しているのは熊谷市で、担当部署は産業振興部の企業活動支援課です。
所在地は〒360-8601 埼玉県熊谷市宮町2-47-1で、申請書類の提出先も同課となっています。
連絡先は電話048-524-1470(直通)、ファクス048-525-9335で、市の担当課宛メールフォームからの問い合わせにも対応しています。
熊谷市役所の開庁日は土曜日、日曜日、祝日、休日および年末年始を除く月曜日から金曜日で、受付時間は8時30分から17時15分までです。
対象者(世帯・個人事業主・法人・団体・研究機関)
交付対象は、中小企業等経営強化法第2条第1項に規定する中小企業者のうち、熊谷市内に事業所を有する事業者です。
そのうえで、埼玉県SDGsパートナーとして登録されていること、およびジギョケイを策定または変更して経済産業大臣の認定を受けていることが揃って求められます。
この2つはどちらか一方では足りず、両方の要件を同時に満たしている必要があります。
加えて市税を滞納していないこと、暴力団または暴力団員が関与する事業者に該当しないこと、法令および公序良俗に反していないことが条件として定められています。
中小企業者の定義は法律に基づくため、個人事業主も要件を満たせば対象となり、振込先口座は個人事業主なら申請者名義、法人なら法人名義が求められます。
対象業種
Jグランツの公募情報に挙げられている対象業種は、農業・林業から医療・福祉まで幅広く、業種による絞り込みは実質的にありません。
具体的には漁業、建設業、製造業、電気・ガス・熱供給・水道業、情報通信業、運輸業・郵便業、卸売業・小売業、金融業・保険業、不動産業・物品賃貸業、学術研究・専門技術サービス業、宿泊業・飲食サービス業、生活関連サービス業・娯楽業、教育・学習支援業、医療・福祉、複合サービス事業、鉱業・採石業・砂利採取業、サービス業(他に分類されないもの)が対象として示されています。
従業員数の上限も設けられていないため、入口の判断材料になるのは業種や規模ではなく、中小企業者に該当するかどうかと2つの登録・認定の有無です。
なお、ジギョケイの認定制度自体も業種を限定していませんので、製造業以外の事業者でも十分に狙える制度といえます。
対象経費
この奨励金は定額交付であるため、補助対象経費という枠組みを持ちません。
SDGs経営への取組と、防災・減災の事前対策に関する計画の策定という2つの行動そのものが評価の対象です。
見積書や領収書、経費の按分計算といった書類を用意する必要がなく、交付された15万円の使途も特定されていません。
計画策定に外部専門家の支援を受けた場合の費用や、備蓄品の購入費などを直接補填する制度ではない点だけ、認識をずらさないようにしてください。
その他要件
交付要綱では、市税を滞納していないことが明確な要件として定められています。
また、埼玉県SDGsパートナーの登録証とジギョケイの認定書は、いずれも受付時点で有効であることが求められます。
熊谷市は、本奨励金の申請時に埼玉県SDGsパートナーに登録されている必要がある点をとくに強調していますので、登録手続き中の段階で申請することはできません。
交付を受けた後は、関係書類を交付を受けた日の属する年度の翌年度の初日から起算して5年間保管する義務があります。
市長からアンケートや調査への協力を求められることがあり、報告の聴取や帳簿・書類の調査に応じる義務も要綱に規定されています。
補助対象外となるもの
熊谷市内に事業所を持たない事業者は対象になりません。
埼玉県SDGsパートナーの登録のみ、あるいはジギョケイの認定のみという状態でも要件を満たさず、両方が揃って初めて申請できます。
交付は1事業者につき1回限りと定められているため、過去にこの奨励金を受け取った事業者は再度の申請ができません。
市税に未納がある事業者、暴力団または暴力団員が関与する事業者、法令や公序良俗に反する事業者も除外されます。
申請期間
令和8年度の申請期間は、令和9年1月29日までです。
西暦に置き換えると2027年1月29日で、Jグランツ上の受付終了日時も同日として登録されています。
郵送で提出する場合は当日消印有効とされており、必着ではない点が実務上のわずかな余裕になります。
ただし予算の範囲内での交付であるため、期間内であっても予算に達した時点で受付が締め切られる場合があると市が案内しています。
ジギョケイの認定には申請後2か月程度かかることがあるとも示されていますので、認定をこれから取る方は締切から逆算した準備が欠かせません。
上限金額・助成額
交付額は15万円です。
交付要綱第4条で「一事業者に対し15万円とし、1回限りとする」と定められており、取組の規模によって金額が上下することはありません。
Jグランツの概要欄では補助上限額の数値が空欄になっていますが、本文には補助金上限額として150,000円、1事業者に対する15万円の定額支給(1回限り)と明記されています。
申請書は交付申請書兼請求書という様式になっており、交付決定と額の確定が同時に通知される簡素な流れが採られています。
補助率
補助率は定額です。
経費の2分の1や3分の2といった割合の考え方は用いられず、要件を満たした事業者へ一律15万円が交付されます。
自己負担額を先に用意して後から一部が戻ってくる補助金とは性格が異なり、資金繰りへの影響を読みやすいのが定額方式の利点です。
その反面、金額そのものは大きくありませんので、防災設備の導入費用をまかなう原資としてではなく、計画策定にかけた手間への後押しと捉えるのが実態に近いといえます。
問い合わせ先
問い合わせ先は熊谷市 産業振興部 企業活動支援課です。
住所は〒360-8601 埼玉県熊谷市宮町2-47-1、電話番号は048-524-1470(直通)、ファクス番号は048-525-9335です。
埼玉県SDGsパートナーの登録要件については埼玉県、ジギョケイの認定手続きについては中小企業庁や中小企業強靱化支援ポータルサイトが窓口となりますので、質問の内容によって連絡先が変わります。
奨励金そのものの要件や書類の書き方に関する疑問は、企業活動支援課へ直接確認するのが確実です。
公式公募ページと確認すべきこと
公募の概要はJグランツの公募詳細ページに掲載されていますが、この制度はJグランツでの申請受付を行っていません。
申請書の様式、交付要綱、案内チラシは熊谷市の公式ページからダウンロードできますので、手続きは必ずこちらを起点にしてください。
最初に確かめたいのは、埼玉県SDGsパートナー登録証とジギョケイ認定書が受付時点で有効かどうか、そして市税に未納がないかどうかの3点です。
登録制度そのものの詳細は埼玉県SDGsパートナーの案内ページと中小企業庁の事業継続力強化計画のページで確認できます。
熊谷市SDGs経営・ジギョケイ策定支援奨励金を対象者が活用すべき理由(メリット)
この制度の面白いところは、奨励金の15万円よりも、その前提となる2つの登録・認定がもたらす効果のほうが大きい点にあります。
ジギョケイの認定を受けた中小企業は、税制優遇や日本政策金融公庫による低利融資、信用保証の別枠といった支援策を利用できるようになります。
さらに、ものづくり補助金をはじめとする国の各種補助金で加点の対象となる公募回も多く、他制度への波及効果が見込めます。
埼玉県SDGsパートナーへの登録は、取引先や金融機関に対して環境・社会への姿勢を示す材料になり、入札や取引審査の場面で評価されることもあります。
つまり本来なら取っておきたい2つの取組に、市が15万円という背中を押す仕組みを重ねているのがこの奨励金の設計です。
申請にあたって経費の証拠書類や実績報告を求められないため、手続きにかかる社内の負担が小さいことも見逃せません。
熊谷市SDGs経営・ジギョケイ策定支援奨励金を申請すべき人とそうでない人の特徴
- 申請すべき人
- 見送ったほうが良い人の特徴
申請すべき人
- 熊谷市内に事業所を構える中小企業者で、防災の備えを社内で形にしたいと考えている事業者
- すでに埼玉県SDGsパートナーに登録済みで、ジギョケイの認定取得を検討している事業者
- すでにジギョケイの認定を受けており、SDGsへの取組を対外的に示す枠組みを探している事業者
- ものづくり補助金など国の補助金で加点を狙っており、その準備を進めたい事業者
- 災害時の代替生産や仕入先の複線化を実務として整理しておきたい製造業・卸売業の事業者
- 金融機関や取引先に対して事業継続体制を説明する材料が必要な事業者
- 市税の納付状況に問題がなく、書類の写しをすぐに用意できる事業者
- 令和9年1月29日までにジギョケイの認定が間に合う見込みのある事業者
見送ったほうが良い人の特徴
- 熊谷市内に事業所がなく、今後も設置する予定がない事業者
- 中小企業等経営強化法上の中小企業者に該当しない規模の企業
- すでにこの奨励金の交付を受けたことがある事業者
- 埼玉県SDGsパートナーの登録とジギョケイの認定のうち、片方しか取得する意思がない事業者
- 市税に未納があり、申請までに納付の見通しが立たない事業者
- 防災設備や備蓄品の購入費そのものを補填してほしいと考えている事業者
- 電子申請だけで手続きを終えたいと考えている事業者
- 年度末ぎりぎりに動き出し、ジギョケイの認定が締切に間に合わない見込みの事業者
その他にも利用すべき補助金・助成金制度の代表例
- 新事業進出補助金(新事業進出・ものづくり補助金 新事業進出枠)
- ものづくり補助金(革新的新製品・サービス枠)
- 中小企業省力化投資補助金
- 小規模事業者持続化補助金
新事業進出補助金(新事業進出・ものづくり補助金 新事業進出枠)
これまでとは違う市場や製品分野へ本格的に踏み出す中小企業を、大きな設備投資の面から支える国の制度です。
災害リスクの分散を目的に生産拠点や事業領域を広げたい場合、この制度が受け皿になる可能性があります。
ジギョケイで整理したリスク分析を新事業の必要性の説明に転用すると、計画書の説得力が一段上がります。
公募回ごとに補助上限や要件が改められますので、検討する時点の公募要領で条件を確かめてください。
ものづくり補助金(革新的新製品・サービス枠)
技術面で新しさのある製品やサービスの開発と、それを実現する設備の導入を後押しする制度です。
熊谷市の奨励金の入口となるジギョケイの認定は、この補助金の審査で加点要素として扱われる公募回があります。
つまり認定を取る労力は、奨励金の15万円だけでなく、より規模の大きい補助金の採択可能性にもつながっていきます。
賃上げに関する要件が設定されている場合が多いため、社内の給与計画と合わせて判断することになります。
中小企業省力化投資補助金
人手不足の解消につながる機器やシステムを導入する費用を対象とした制度です。
災害時に少人数でも操業を続けられる体制づくりは、平時の省力化投資と方向性が重なります。
登録済みのカタログ製品から選ぶ類型であれば、事業計画の作成負担を抑えたまま申請を進められます。
対象製品は随時追加や見直しが行われますので、検討のたびに公式サイトで最新の一覧を確認しましょう。
小規模事業者持続化補助金
従業員数の少ない事業者が販路開拓に取り組む際に、比較的幅広い経費を対象として使える制度です。
SDGsへの取組や事業継続体制の整備は、自社の姿勢を伝える発信材料としても価値があります。
パンフレットやウェブサイトで登録・認定を打ち出す費用にこの補助金を充てるという組み立て方も考えられます。
申請には商工会議所または商工会の確認が必要ですので、熊谷商工会議所へ早めに相談しておくとスムーズです。
熊谷市SDGs経営・ジギョケイ策定支援奨励金の申請に必要なもの
- 申請に必要な書類一覧と取得方法
- 記載例はどこで確認できるか
申請に必要な書類一覧と取得方法
中心となる書類は、熊谷市中小企業SDGs経営・ジギョケイ策定支援奨励金交付申請書兼請求書(様式第1号)です。
様式は熊谷市の公式ページからPDF版とワード版のいずれでもダウンロードでき、記入後に押印や口座情報の記載を行います。
これに添えるのは、埼玉県SDGsパートナー登録証の写し、ジギョケイの認定書の写し、振込先口座の通帳の写しの3点です。
登録証と認定書はいずれも受付時点で有効であるものが求められ、通帳の写しは金融機関名・支店名・名義人・口座番号が分かる部分が必要です。
このほか、市長が必要と認める書類の提出を求められる場合がありますので、申請前に企業活動支援課へ一報を入れておくと手戻りが減ります。
記載例はどこで確認できるか
制度の全体像は熊谷市が公開している案内チラシにコンパクトにまとめられており、最初に目を通すには適した資料です。
交付要件や交付額の根拠、取消しや返還の規定までを確認したい場合は、同じページからダウンロードできる交付要綱が参考になります。
申請書は請求書を兼ねる様式ですので、口座情報の記入誤りがあると振込が滞る点にとくに注意してください。
記入方法で判断に迷うところがあれば、提出前に電話またはファクスで企業活動支援課に確認しておくのが確実です。
熊谷市SDGs経営・ジギョケイ策定支援奨励金の採択率を上げる事業計画書の作り方
- 市場性を具体的に書く
- 差別化ポイント(自社と他社の違い)を明確に記載
- この制度を利用する必要性・重要性を記載
- 実行体制を明記する
市場性を具体的に書く
奨励金そのものは競争的な審査を伴わず、要件を満たしているかどうかで交付の可否が決まります。
工夫を凝らすべきなのは、その前提となるジギョケイの記載内容のほうです。
ジギョケイでは、自社の事業活動がどの取引先や地域にどのような影響を及ぼしているかを整理することが出発点になります。
主要取引先ごとの売上比率や、供給が途絶えた場合に影響を受ける顧客の範囲を数値で書き添えると、計画の実効性が伝わりやすくなります。
差別化ポイント(自社と他社の違い)を明確に記載
ジギョケイは、他社の記載例をなぞって作っても社内で機能しません。
熊谷市は夏の高温で知られる地域であり、事業所の立地条件や自社設備の特性に応じて想定すべきリスクは変わります。
ハザードマップで自社の所在地を確認し、水害・地震・熱中症・停電のどれが自社にとって重いのかを具体的に書き分けてください。
同業他社と比べて自社が持つ強み、たとえば代替設備や複数拠点の存在を計画に織り込むと、対策の現実味が増します。
この制度を利用する必要性・重要性を記載
埼玉県SDGsパートナーの登録では、自社がどの目標に対してどのような取組を行っているかを説明する必要があります。
形式的にすべての目標へ丸を付けるのではなく、本業と結び付いた項目に絞って具体的な行動を書くほうが説得力を持ちます。
防災体制の整備は「住み続けられるまちづくりを」や「働きがいも経済成長も」といった目標と自然につながりますので、2つの制度を一本の物語として設計できます。
なぜ今その取組が必要なのかを、自社の従業員構成や設備の老朽度といった実情から語ると、社内での合意形成も進みます。
実行体制を明記する
ジギョケイの認定申請では、災害時の初動対応を誰が担うのかを明記することが求められます。
代表者が不在の場合の代行者、安否確認の連絡手段、避難や設備停止の判断基準まで落とし込んでおくと、計画が実務として動きます。
認定までに申請後2か月程度かかることがありますので、令和9年1月29日の締切から逆算した工程表を最初に引いておいてください。
県のパートナー登録は年に3回の募集となっているため、募集時期を確認したうえで両方の取得スケジュールを組み合わせることが大切です。
熊谷市SDGs経営・ジギョケイ策定支援奨励金の申請手順
- 自社が中小企業等経営強化法上の中小企業者に該当し、熊谷市内に事業所を有していることを確認する
- 市税の納付状況を確認し、未納がある場合は先に納付を済ませる
- 埼玉県のホームページで埼玉県SDGsパートナーの募集時期と登録要件を確認する
- 自社の取組内容をまとめ、埼玉県SDGsパートナーの登録申請を行う
- 中小企業庁のページや中小企業強靱化支援ポータルサイトでジギョケイの様式と記入方法を確認する
- 自社の災害リスクと初動対応を整理し、事業継続力強化計画を作成する
- ジギョケイの認定申請を行い、経済産業大臣の認定を受ける(認定まで2か月程度かかる場合あり)
- 熊谷市の公式ページから交付申請書兼請求書(様式第1号)と交付要綱をダウンロードする
- 申請書に必要事項を記入し、埼玉県SDGsパートナー登録証の写し・ジギョケイ認定書の写し・振込先口座の通帳の写しを添える
- 令和9年1月29日までに熊谷市企業活動支援課へ郵送(当日消印有効)するか、窓口へ持参する
- 市による審査を受け、不備の指摘があれば速やかに補正する
- 交付決定通知書兼確定通知書を受け取り、指定口座への振込を待つ
- 関係書類を交付年度の翌年度初日から5年間保管し、市からのアンケートや調査に協力する
熊谷市SDGs経営・ジギョケイ策定支援奨励金を自社で申請する際の注意点
つまずきやすいのは、Jグランツに掲載されているにもかかわらず、Jグランツからは申請できないという点です。
提出は窓口持参または郵送に限られていますので、電子申請の準備を進めても手続きは完結しません。
次に注意したいのが認定に要する期間で、ジギョケイの登録には申請後2か月程かかることがあると市自身が呼びかけています。
埼玉県SDGsパートナーの登録も年3回の募集となっているため、思い立ってすぐ両方を揃えられるわけではありません。
予算の範囲内での交付ですので、締切日まで待たずに要件が整った時点で申請してしまうほうが安全です。
なお交付要綱は令和9年3月31日限りで効力を失うと定められていますので、令和9年度以降の継続は現時点では確定していない点も踏まえて動いてください。
自社に申請ノウハウが無い場合は専門家に依頼するのもおすすめ
- 制度選定の精度が上がる
- 事業計画の質が上がる
- 採択後の実務まで見据えられる
制度選定の精度が上がる
熊谷市には、この奨励金のほかにも経営革新計画策定奨励金や創業者応援補助金など複数の支援制度が置かれています。
どの制度から着手すれば自社の狙いに最短で届くかは、事業の段階や今後の投資計画によって変わります。
市の制度と国の補助金を組み合わせる順序を早い段階で描けると、同じ準備作業から複数の成果を引き出せます。
支援機関に相談すれば、自社が見落としていた制度の存在に気付けることも少なくありません。
事業計画の質が上がる
ジギョケイは様式に沿って埋めれば形にはなりますが、実際の災害時に機能するかどうかは記載の粒度次第です。
自社だけで作ると、どうしても想定が甘くなったり、既存の社内規程との整合が取れないまま提出してしまったりしがちです。
外部の視点が入ることで、見落としていたリスクや優先順位の付け方が整理され、認定後も使える計画に仕上がります。
出来上がった計画書は、金融機関との対話や取引先への説明資料としてもそのまま活かせます。
採択後の実務まで見据えられる
ジギョケイは認定を受けて終わりではなく、税制優遇や金融支援を実際に使う段階でそれぞれ手続きが発生します。
熊谷市の奨励金についても、交付後に関係書類を5年間保管する義務や、アンケート等への協力が求められます。
認定取得から奨励金の申請、その後の優遇措置の活用までを一つの流れとして設計しておくと、取りこぼしが起きません。
なお行政に提出する書類の作成代行には資格上の制約がありますので、依頼先の業務範囲と費用は契約前に確かめてください。
熊谷市SDGs経営・ジギョケイ策定支援奨励金を不正受給するとどうなるのか
- 偽りの申請に対して市が取る措置
- 誤りに気付いたときにすべきこと
偽りの申請に対して市が取る措置
交付要綱第7条は、偽りその他不正の行為により奨励金の交付を受けたと市長が認めるときは、交付決定の全部または一部を取り消すことができると定めています。
取消しが行われた場合は交付決定取消等通知書が送られ、市長が別に定める日までに交付金を返還しなければなりません。
失効した登録証の写しを有効なものとして提出したり、市内に事業所がないのにあるように装ったりすれば、これに該当する余地があります。
悪質と判断されれば、刑法の詐欺罪など一般の法令に基づく責任を問われる可能性も残ります。
市の他の支援制度への影響も含め、15万円とは到底釣り合わない代償を負うことになりかねません。
誤りに気付いたときにすべきこと
交付要綱第8条により、市長は必要があると認めるときは関係者に報告を求め、帳簿や書類を調査することができます。
申請後に記載内容の誤りや事実関係の変化に気付いたときは、隠さずに企業活動支援課へ連絡すれば、正規の手続きとして処理されます。
事業所の移転や廃業、代表者の変更といった事情が生じた場合も、自己判断で進めず先に市へ相談してください。
交付を受けた後は関係書類を5年間保管する義務がありますので、申請書の控えと添付書類の写しは必ず手元に残しておきましょう。
熊谷市SDGs経営・ジギョケイ策定支援奨励金のまとめ
熊谷市中小企業SDGs経営・ジギョケイ策定支援奨励金は、埼玉県SDGsパートナーの登録とジギョケイの経済産業大臣認定をいずれも受けた市内の中小企業者に、15万円を交付する制度です。
令和8年度の申請期間は令和9年1月29日までで、提出方法は窓口持参または郵送(当日消印有効)に限られます。
交付額は定額の15万円、1事業者につき1回限りで、経費の証拠書類を集める必要はありません。
ただしジギョケイの認定には申請後2か月程かかることがあり、県のパートナー登録も年3回の募集ですので、逆算した準備が欠かせません。
予算の範囲内での交付となるため、期間内であっても予算に達した時点で受付が締め切られる場合があります。
公募の概要はJグランツの公募詳細ページ、申請様式と交付要綱の入手先は熊谷市の公式ページです。
奨励金そのものより、その先に広がる税制優遇や補助金の加点まで含めて価値を測ると、取り組む意義がはっきり見えてきます。
-1200-x-400-px-3.png)
