事業承継やM&Aを進める際には、仲介会社やファイナンシャルアドバイザーといった専門家の支援が欠かせません。
しかし、こうした専門家へ支払う費用は高額になりやすく、承継や譲渡に踏み切れない要因となりがちです。
そこで頼りになるのが、中小企業庁が所管する事業承継・M&A補助金の専門家活用枠です。
専門家活用枠は買い手支援類型と売り手支援類型の2類型で構成され、FA・M&A仲介費用などを補助上限800万円・補助率2分の1以内または3分の2以内で支援します。
本記事では、15次公募の対象者や対象経費、補助率、申請手順までをわかりやすく解説します。
- 事業承継・M&A補助金 専門家活用枠の基本情報
- 事業承継・M&A補助金 専門家活用枠を対象者が活用すべき理由(メリット)
- 事業承継・M&A補助金 専門家活用枠を申請すべき人とそうでない人の特徴
- その他にも利用すべき補助金・助成金制度の代表例
- 事業承継・M&A補助金 専門家活用枠の申請に必要なもの
- 事業承継・M&A補助金 専門家活用枠の採択率を上げる事業計画書の作り方
- 事業承継・M&A補助金 専門家活用枠の申請手順
- 事業承継・M&A補助金 専門家活用枠を自社で申請する際の注意点
- 自社に申請ノウハウが無い場合は専門家に依頼するのもおすすめ
- 事業承継・M&A補助金 専門家活用枠を不正受給するとどうなるのか
- 事業承継・M&A補助金 専門家活用枠のまとめ
事業承継・M&A補助金 専門家活用枠の基本情報
| 正式名称 | 中小企業生産性革命推進事業 事業承継・M&A補助金(15次公募)専門家活用枠(買い手支援類型/売り手支援類型) |
| 実施機関 | 事業承継・M&A補助金事務局(中小企業庁所管) |
| 対象地域 | 全国 |
| 対象者 | 事業承継・事業再編・事業統合を行う中小企業者等(個人事業主を含む) |
| 対象業種 | ほぼ全業種 |
| 対象経費 | FA・M&A仲介費用等の専門家活用経費 |
| 補助上限額 | 800万円 |
| 補助率 | 2/3以内 又は 1/2以内 |
| 申請期間 | 15次公募は2026年7月24日17:30まで |
| 申請方法 | Jグランツによる電子申請 |
| 利用目的 | 事業を引き継ぎたい |
| 問い合わせ先 | 事業承継・M&A補助金事務局 050-3145-3812 |
補助金・助成金の正式名称
本制度の正式名称は「中小企業生産性革命推進事業 事業承継・M&A補助金(15次公募)専門家活用枠」です。
買い手支援類型と売り手支援類型の2つをまとめた枠で、M&Aの当事者双方が専門家費用を補助対象にできる点が特徴です。
対象都道府県・市区町村
対象地域は全国で、地理的な制約は設けられていません。
日本国内に拠点または居住地を置き、国内で事業を営む中小企業者等であれば、どの都道府県からでも申請できます。
実施機関
実施機関は、中小企業庁が所管する事業承継・M&A補助金事務局(専門家活用/廃業・再チャレンジ)です。
公募要領や交付規程の最新情報は、事務局が運営する公式サイトで公表されています。
対象者(世帯・個人事業主・法人・団体・研究機関)
補助対象者は、事業承継・事業再編・事業統合を契機に新たな取り組みを行う中小企業者等で、個人事業主も含まれます。
売り手支援類型の株式譲渡では、対象会社およびその議決権の過半数を持つ支配株主等が申請主体となります。
いずれの類型でも、日本国内で事業を営み、地域経済に貢献していることが求められます。
対象業種
対象業種は建設業や製造業、情報通信業、卸売業・小売業、サービス業など、ほぼすべての業種が含まれます。
従業員数の上限は設けられておらず、中小企業基本法上の資本金・従業員数の基準を満たすかどうかで判断されます。
対象経費
補助対象経費は、M&Aに関わるファイナンシャルアドバイザー(FA)費用やM&A仲介費用といった専門家活用経費です。
買い手支援類型・売り手支援類型のいずれも、専門家へ支払う費用を中心に補助が行われます。
その他要件
反社会的勢力でないことや法令遵守上の問題を抱えていないことなど、17項目の応募資格をすべて満たす必要があります。
費用を補助対象とするには、M&A支援機関登録制度に登録されたFA・仲介業者を利用することが条件です。
補助対象外となるもの
登録制度に登録されていない業者への支払いや、対象要件を満たさないM&Aに関する費用は補助対象外です。
FA・仲介業者の代表者が申請者本人と同一である場合も、補助の対象にはなりません。
申請期間
15次公募の申請締切は2026年7月24日17時30分です。
不備の指摘や差し戻しに対応する時間を確保するため、締切の5営業日前までの提出が推奨されています。
上限金額・助成額
補助上限額は800万円です。
M&Aの規模や専門家費用に応じて、上限の範囲内で補助額が決まります。
補助率
補助率は2分の1以内、または3分の2以内です。
類型や要件によって適用される補助率が異なるため、公募要領で自社の該当区分を確認しましょう。
問い合わせ先
問い合わせ先は事業承継・M&A補助金事務局(専門家活用/廃業・再チャレンジ)で、電話番号は050-3145-3812です。
受付時間は平日の9時30分から12時、13時から17時までで、土日祝日は休みです。
公式公募ページと確認すべきこと
制度の詳細はJグランツの公募詳細ページで確認できます。
公募要領や交付規程は事業承継・M&A補助金の公式サイトで公開されています。
申請前には、対象経費の範囲や必要書類を一次情報で必ず確認しておくことが大切です。
事業承継・M&A補助金 専門家活用枠を対象者が活用すべき理由(メリット)
事業承継やM&Aでは、専門家の関与によって交渉や企業調査の精度が高まりますが、その分だけ費用も膨らみます。
専門家活用枠を利用すれば、FAや仲介会社への支払いの一部を補助してもらえるため、自己負担を抑えながら専門的な支援を受けられます。
とりわけ資金余力の限られる中小企業にとって、最大800万円の補助は承継や譲渡に踏み出す後押しとなります。
結果として、後継者不在による廃業を避け、事業や雇用を次の担い手へ引き継ぎやすくなります。
事業承継・M&A補助金 専門家活用枠を申請すべき人とそうでない人の特徴
- 申請すべき人
- 見送ったほうが良い人の特徴
申請すべき人
- M&Aや事業譲渡でFA・仲介会社の利用を予定している中小企業者等
- 後継者不在で第三者への引き継ぎを検討している経営者
- 登録制度に登録された専門家に費用を支払う予定がある事業者
- 締切までに必要書類を準備できる見込みがある事業者
見送ったほうが良い人の特徴
- 専門家を介さず自社のみでM&Aを完結させる予定の事業者
- 未登録の業者へ費用を支払う予定の事業者
- 中小企業者等の資本金・従業員数の基準を満たさない企業
- 締切までに応募資格や書類を整えられない事業者
その他にも利用すべき補助金・助成金制度の代表例
- 新事業進出補助金
- ものづくり補助金(革新的新製品・サービス枠)
- 中小企業省力化投資補助金
- 小規模事業者持続化補助金
新事業進出補助金
新事業進出補助金は、既存事業とは異なる新たな市場や分野へ挑戦する中小企業を支援する制度です。
承継した事業を土台に新分野へ広げたい場合、この制度が有力な選択肢になります。
ものづくり補助金(革新的新製品・サービス枠)
ものづくり補助金は、革新的な製品開発やサービス提供に必要な設備投資を後押しする制度です。
引き継いだ設備を刷新し、生産性を高めたい事業者に向いています。
中小企業省力化投資補助金
中小企業省力化投資補助金は、人手不足の解消につながる機器やシステムの導入を支援する制度です。
承継後の省人化や業務効率化を進めたい企業にとって使いやすい制度です。
小規模事業者持続化補助金
小規模事業者持続化補助金は、販路開拓や広報活動にかかる費用を幅広く支援する制度です。
小規模事業者が承継後に新たな顧客を開拓する際の心強い味方になります。
事業承継・M&A補助金 専門家活用枠の申請に必要なもの
- 申請に必要な書類一覧と取得方法
- 記載例はどこで確認できるか
申請に必要な書類一覧と取得方法
- GビズIDプライムアカウント(Jグランツのログインに必要)
- M&Aの最終契約書または基本合意書(予定を含む)
- 専門家との委任契約書やFA・仲介契約書
- 法人は履歴事項全部証明書と直近3期分の決算書
- 個人事業主は確定申告書Bと所得税青色申告決算書の写し
記載例はどこで確認できるか
申請様式や記載例は、Jグランツの公募詳細ページや事務局が用意する公募申請の手引きで確認できます。
最新の様式は事業承継・M&A補助金の公式サイトからダウンロードして入手しましょう。
事業承継・M&A補助金 専門家活用枠の採択率を上げる事業計画書の作り方
- 市場性を具体的に書く
- 差別化ポイント(自社と他社の違い)を明確に記載
- この制度を利用する必要性・重要性を記載
- 実行体制を明記する
市場性を具体的に書く
承継や統合によってどの市場を狙い、どれほどの需要が見込めるのかを数値とともに示すことが大切です。
市場規模や顧客層の根拠を具体的なデータで裏付けると、計画の説得力が一段と増します。
差別化ポイント(自社と他社の違い)を明確に記載
同業他社と比べて、自社が承継後にどのような強みを発揮できるのかを整理して伝えましょう。
技術力や取引網、地域での信頼といった独自の価値を軸に据えると差別化が伝わります。
この制度を利用する必要性・重要性を記載
なぜ専門家の支援が不可欠で、補助を受けることで何が実現できるのかを丁寧に説明します。
補助がなければ承継が困難になる理由を示すと、制度活用の妥当性が明確になります。
実行体制を明記する
誰がどの役割を担い、専門家とどのように連携して事業を進めるのかを具体的に描きます。
承継後の経営陣や支援者の役割分担を明示すると、計画の実現性が高く評価されます。
事業承継・M&A補助金 専門家活用枠の申請手順
- GビズIDプライムアカウントを取得する
- 公募要領と公募申請の手引きを読み込み、対象要件を確認する
- M&A支援機関登録制度に登録された専門家と契約する
- 事業計画書や契約書などの必要書類を準備する
- Jグランツから電子申請を行う
- 事務局からの不備指摘に対応し、審査結果の通知を待つ
事業承継・M&A補助金 専門家活用枠を自社で申請する際の注意点
申請が締切間際に集中すると、不備の修正や差し戻しに事務局が対応しきれず、不採択になる恐れがあります。
余裕をもって締切の5営業日前までに提出し、修正に対応できる時間を確保しておきましょう。
有償で申請書類の作成を第三者へ依頼する場合は、行政書士に限られ、証憑や委任契約書の提出が必須です。
補助対象とする費用は、必ずM&A支援機関登録制度に登録された業者へ支払うよう注意してください。
自社に申請ノウハウが無い場合は専門家に依頼するのもおすすめ
- 制度選定の精度が上がる
- 事業計画の質が上がる
- 採択後の実務まで見据えられる
制度選定の精度が上がる
数多くある補助金の中から、自社の状況に最も合う制度を専門家の視点で見極めてもらえます。
要件の解釈違いによる無駄な申請を避けられ、採択の可能性を高められます。
事業計画の質が上がる
審査で評価されやすい観点を踏まえ、説得力のある事業計画書へ仕上げる手助けを受けられます。
第三者の視点が加わることで、自社では気づきにくい弱点を補強できます。
採択後の実務まで見据えられる
採択後には実績報告や事業化状況報告など、期限を伴う手続きが数多く発生します。
専門家に伴走してもらえば、交付後の煩雑な実務も滞りなく進められます。
事業承継・M&A補助金 専門家活用枠を不正受給するとどうなるのか
- 不正が判明した際の返還と事業者名の公表
- 不正情報の通報窓口と調査への協力義務
不正が判明した際の返還と事業者名の公表
虚偽の申請や補助金の目的外使用が発覚した場合、交付済みの補助金は加算金とともに返還を求められます。
悪質な事案では、中小企業庁や事務局のホームページで事業者名などが公表されることもあります。
不正情報の通報窓口と調査への協力義務
事務局には不正に関する情報提供の窓口が設けられており、寄せられた情報をもとに調査が行われます。
申請者は、事務局からの追加資料の求めや調査に対して誠実に協力することが求められます。
事業承継・M&A補助金 専門家活用枠のまとめ
事業承継・M&A補助金の専門家活用枠は、買い手支援類型と売り手支援類型を通じてFA・仲介費用を補助する制度です。
補助上限は800万円、補助率は2分の1以内または3分の2以内で、全国の中小企業者等が対象となります。
15次公募の締切は2026年7月24日17時30分のため、早めの準備と提出が重要です。
詳細はJグランツの公募詳細ページと事業承継・M&A補助金の公式サイトで必ず確認しましょう。
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