塗装や印刷、クリーニングといった工程では、揮発性有機化合物(VOC)の排出が避けられず、環境負荷や光化学スモッグの一因として課題視されています。
東京都は、こうしたVOCの排出削減と省エネルギーを同時に進める設備投資を後押しするため、令和8年度省エネ型VOC排出削減設備導入促進事業を実施しています。
VOC対策設備やVOC削減装置付きの省エネ型空調・換気設備の導入費用について、補助対象経費の3分の2、最大2,000万円が補助される点が大きな特徴です。
対象は都内で塗装・印刷・ドライクリーニングの工程を営む中小企業者等に限られ、申請はJグランツを通じた電子申請で受け付けられています。
この記事では、省エネ型VOC排出削減設備導入促進事業の対象者や補助額、申請の流れまでを詳しく解説します。
- 省エネ型VOC排出削減設備導入促進事業の基本情報
- 省エネ型VOC排出削減設備導入促進事業を対象者が活用すべき理由(メリット)
- 省エネ型VOC排出削減設備導入促進事業を申請すべき人とそうでない人の特徴
- その他にも利用すべき補助金・助成金制度の代表例
- 省エネ型VOC排出削減設備導入促進事業の申請に必要なもの
- 省エネ型VOC排出削減設備導入促進事業の採択率を上げる事業計画書の作り方
- 省エネ型VOC排出削減設備導入促進事業の申請手順
- 省エネ型VOC排出削減設備導入促進事業を自社で申請する際の注意点
- 自社に申請ノウハウが無い場合は専門家に依頼するのもおすすめ
- 省エネ型VOC排出削減設備導入促進事業を不正受給するとどうなるのか
- 省エネ型VOC排出削減設備導入促進事業のまとめ
省エネ型VOC排出削減設備導入促進事業の基本情報
| 正式名称 | 令和8年度省エネ型VOC排出削減設備導入促進事業 |
| 実施機関 | 公益財団法人東京都環境公社(東京都) |
| 対象地域 | 東京都 |
| 対象者 | 都内で塗装・印刷・ドライクリーニングの工程でVOCを取扱う中小企業者等 |
| 対象業種 | 塗装業・印刷業・ドライクリーニング業等 |
| 対象経費 | VOC対策設備/VOC削減装置付省エネ型空調・換気設備の導入費用 |
| 上限金額 | 2,000万円 |
| 補助率 | 補助対象経費の2/3(上限2,000万円/台) |
| 申請期間 | 令和8年4月1日〜令和9年3月31日17:00 |
| 申請方法 | Jグランツ電子申請(GビズID必要) |
| 従業員数要件 | 300名以下 |
| 問い合わせ先 | 省エネ型VOC排出削減設備導入促進事業ヘルプデスク 電話03-3633-2282 |
補助金・助成金の正式名称
本制度の正式名称は「令和8年度省エネ型VOC排出削減設備導入促進事業」です。
省エネ型VOC排出削減設備導入促進事業と呼ばれ、東京都の令和8年度事業として実施されています。
対象都道府県・市区町村
省エネ型VOC排出削減設備導入促進事業の対象地域は東京都です。
都内でVOCを取扱う事業所を持つ中小企業者等が対象で、都外の事業所のみの企業は対象になりません。
実施機関
実施機関は公益財団法人東京都環境公社で、東京都と連携して事業を運営しています。
申請に関する窓口は、同公社の技術支援部に置かれた省エネ型VOC排出削減設備導入促進事業ヘルプデスクです。
対象者(世帯・個人事業主・法人・団体・研究機関)
対象となるのは、都内で工場内塗装・印刷・ドライクリーニングのいずれかの工程においてVOCを取扱う中小企業者等です。
工場内塗装は工業塗装および自動車板金塗装に限られる点に注意が必要です。
対象業種
対象は、塗装業や印刷業、ドライクリーニング業など、事業の工程でVOCを取扱う業種です。
いずれの業種であっても、対象となるのはVOCを取扱う特定の作業工程を持つ事業者に限られます。
対象経費
補助の対象となるのは、VOC対策設備や、VOC削減装置付きの省エネ型空調・換気設備の導入に要する費用です。
石油系原材料の削減や大気環境の改善に寄与する設備が対象として想定されています。
その他要件
補助を受けるには、都内でVOCを取扱う中小企業者等であることに加え、従業員数が300名以下であることが求められます。
設備の発注や契約は交付決定を受けた後に行う必要があり、決定前の購入は対象外となります。
補助対象外となるもの
都外の事業所のみを持つ企業や、対象となる工程を営んでいない事業者は補助の対象外です。
また、交付決定前に発注・購入した設備や、対象工程以外で使用する設備は補助の対象になりません。
申請期間
申請の受付期間は、令和8年4月1日から令和9年3月31日午後5時までです。
年度末が締切ですが、予算に達した場合は早期に受付を終了する可能性もあるため、早めの申請が安心です。
上限金額・助成額
補助の上限額は2,000万円です。
設備1台あたりの上限が2,000万円と定められており、高額な設備投資にも対応できる水準となっています。
補助率
補助率は補助対象経費の3分の2です。
補助対象経費の3分の2、かつ1台あたり2,000万円を上限として補助金が交付されます。
問い合わせ先
問い合わせは省エネ型VOC排出削減設備導入促進事業ヘルプデスクが受け付けています。
電話番号は03-3633-2282で、受付時間は平日の午前9時から正午、午後1時から午後5時までです。
公式公募ページと確認すべきこと
申請の前には、公式の情報で最新の要件を必ず確認しましょう。
制度概要はJグランツの公募詳細ページで、申請様式や詳しい要件は東京都環境公社の公式ページで確認できます。
対象設備の要件や提出書類は変更されることがあるため、着手前の確認が欠かせません。
省エネ型VOC排出削減設備導入促進事業を対象者が活用すべき理由(メリット)
この制度を活用する最大のメリットは、環境対策と省エネという二つの効果を、費用負担を抑えながら同時に実現できる点です。
補助対象経費の3分の2、最大2,000万円という手厚い補助により、高額になりがちなVOC対策設備の導入ハードルが大きく下がります。
VOCの排出を抑えることは、周辺の大気環境の改善や光化学スモッグの抑制といった社会的な意義にもつながります。
あわせて省エネ型の空調・換気設備を導入することで、エネルギーコストの削減や脱炭素経営への転換も期待できます。
省エネ型VOC排出削減設備導入促進事業を申請すべき人とそうでない人の特徴
- 申請すべき人
- 見送ったほうが良い人の特徴
申請すべき人
- 都内で塗装・印刷・ドライクリーニングの工程を営んでいる
- VOC対策設備や省エネ型空調・換気設備の導入を検討している
- 従業員数が300名以下の中小企業者等である
- 環境負荷の低減と省エネを同時に進めたい
見送ったほうが良い人の特徴
- 都外の事業所のみで事業を行っている
- 対象となる塗装・印刷・ドライクリーニングの工程がない
- すでに交付決定前に設備を発注してしまった
- 設備投資の具体的な計画がまだない
その他にも利用すべき補助金・助成金制度の代表例
- 新事業進出補助金
- ものづくり補助金
- 中小企業省力化投資補助金
- 小規模事業者持続化補助金
新事業進出補助金
新事業進出補助金は、これまでの事業とは異なる新市場や新分野へ進出する中小企業を支える制度です。
思い切った事業転換や新製品づくりに伴う投資を後押しし、企業の次の一手を支援します。
ものづくり補助金
ものづくり補助金は、革新的なサービスや試作品の開発、生産工程の高度化に取り組む中小企業を対象としています。
設備投資や技術開発に必要な経費の一部が補助され、生産性の向上につながります。
中小企業省力化投資補助金
中小企業省力化投資補助金は、深刻な人手不足を背景に、省力化につながる機器の導入を支える制度です。
自動化設備やロボットの活用によって、少人数でも効率的に事業を回したい企業に向いています。
小規模事業者持続化補助金
小規模事業者持続化補助金は、小さな事業者が販路を広げたり業務を効率化したりする取り組みを支援します。
販促物の作成や店舗改装など、身近な投資から取り組める点が魅力です。
省エネ型VOC排出削減設備導入促進事業の申請に必要なもの
- 申請に必要な書類一覧と取得方法
- 記載例はどこで確認できるか
申請に必要な書類一覧と取得方法
申請には、交付申請書のほか、対象設備の見積書やカタログ、事業所の状況が分かる資料などが必要です。
設備の仕様や補助対象経費の内訳が分かる書類を、あらかじめ整えておくことが重要です。
電子申請にはGビズIDプライムのアカウントが必要となります。
記載例はどこで確認できるか
各書類の記載方法や様式は、東京都環境公社の公式ページで配布されている申請様式や手引きで確認できます。
不明な点があれば、東京都環境公社の公式ページを参照するか、ヘルプデスクへ問い合わせると確実です。
申請様式のExcelファイルには入力例が示されている場合があるため、記入前に目を通しておくと安心です。
省エネ型VOC排出削減設備導入促進事業の採択率を上げる事業計画書の作り方
- 市場性を具体的に書く
- 差別化ポイント(自社と他社の違い)を明確に記載
- この制度を利用する必要性・重要性を記載
- 実行体制を明記する
市場性を具体的に書く
提出資料では、自社の生産工程におけるVOC排出の状況や、対象設備の導入効果を数値で具体的に示すことが重要です。
導入前後でどれだけ排出削減や省エネが見込めるのかを定量的に示すと、事業の妥当性が伝わります。
差別化ポイント(自社と他社の違い)を明確に記載
導入する設備の性能や、自社の工程に合わせた選定理由を明確に記載し、他社との違いを示しましょう。
なぜその設備を選んだのかという根拠を丁寧に説明すると、計画の説得力が高まります。
この制度を利用する必要性・重要性を記載
VOC対策や省エネに取り組む背景を、法規制への対応や地域環境への配慮と結び付けて説明することが効果的です。
取り組みが社会的な要請にも沿っていることを示すと、事業の意義がより明確になります。
実行体制を明記する
設備の選定から発注、設置、報告までを誰が担当するのか、体制とスケジュールを具体的に記載しましょう。
導入後の運用や効果測定まで見据えた体制を示すと、着実な実行が期待できると評価されます。
省エネ型VOC排出削減設備導入促進事業の申請手順
申請から補助金の受給までは、次の流れで進みます。
- 公募要領を確認し、対象となる設備と工程を整理する
- GビズIDプライムを取得する
- 対象設備の見積書など必要書類を準備する
- Jグランツで交付申請を行う
- 審査を経て交付決定を受ける
- 設備を発注・導入・設置する
- 実績報告書を提出する
- 補助金が交付される
省エネ型VOC排出削減設備導入促進事業を自社で申請する際の注意点
まず、補助の対象となる設備や工程が細かく定められているため、自社の計画が要件に合致するかを事前に確認することが欠かせません。
交付決定の前に設備を発注・購入してしまうと補助の対象外となるため、必ず交付決定を受けてから契約に進む必要があります。
また、補助率や上限額は台数などの条件によって変わるため、見積もりの段階で補助額の見込みを把握しておきましょう。
さらに、電子申請にはGビズIDが必要で発行に時間がかかるため、早めにアカウントを準備しておくことが大切です。
自社に申請ノウハウが無い場合は専門家に依頼するのもおすすめ
- 制度選定の精度が上がる
- 事業計画の質が上がる
- 採択後の実務まで見据えられる
制度選定の精度が上がる
補助金に詳しい専門家に相談すれば、自社の設備計画に合う制度や、併用可能な支援策を的確に整理できます。
複数の制度を比較して最適な選択肢を見つけることで、資金計画に無理が生じにくくなります。
事業計画の質が上がる
専門家の助言を受けることで、申請書の内容が具体性を増し、審査担当者に伝わりやすい構成になります。
技術的な効果や必要経費の根拠についても、説得力のある記載に仕上げられます。
採択後の実務まで見据えられる
交付決定後の実績報告や経費精算など、煩雑な事務手続きも専門家のサポートで負担を抑えられます。
書類の整備や期限管理まで任せられるため、本業に集中しながら制度を活用できます。
省エネ型VOC排出削減設備導入促進事業を不正受給するとどうなるのか
- 補助金の返還と事業者名の公表
- 疑わしい事案の通報受付
補助金の返還と事業者名の公表
実際とは異なる内容で申請したり、対象外の設備を偽って申請したりした場合は、不正受給として扱われます。
不正が判明した場合には、補助金の返還を求められるだけでなく、東京都や東京都環境公社の判断により事業者名が公表されることがあります。
加えて、加算金の支払いや今後の補助制度の利用制限といったペナルティを受ける可能性もあります。
疑わしい事案の通報受付
制度を公正に運用するため、不正が疑われる事案については通報や情報提供を受け付ける体制が整えられています。
提供された情報は事実確認のうえで調査が行われ、必要に応じて交付決定の取り消しや返還請求などの措置がとられます。
省エネ型VOC排出削減設備導入促進事業のまとめ
省エネ型VOC排出削減設備導入促進事業は、塗装や印刷、クリーニングの工程でVOCを取扱う都内の中小企業を対象に、環境対策と省エネを両立する設備投資を支援する制度です。
補助率は補助対象経費の3分の2、上限は1台あたり2,000万円と手厚く、設備更新の大きな後押しとなります。
交付決定を受ける前に設備を発注しないなど、申請の順序や要件を守ることが採択への近道です。
最新の要件や申請様式はJグランツの公募詳細ページや東京都環境公社の公式ページで確認し、余裕を持って準備を進めましょう。
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