高年齢労働者の安全対策や職場環境の改善に取り組みたい中小企業の経営者の方に向けて、エイジフレンドリー補助金をご紹介します。
本制度は、60歳以上の高年齢労働者が安全で安心して働ける職場環境づくりを支援するため、厚生労働省が実施している補助金です。
設備・装置の導入や専門家によるリスクアセスメント、労働者の健康保持増進の取組などに対し、上限100万円・補助率最大4/5の補助が受けられます。
交付申請の受付は2026年10月31日まで(専門家総合対策コース第1段階は2026年8月31日まで)です。
この記事では、対象者・対象経費・申請手順から採択率を高めるポイントまで、分かりやすく解説します。
エイジフレンドリー補助金の基本情報
| 正式名称 | エイジフレンドリー補助金 |
| 対象地域 | 全国 |
| 実施機関 | エイジフレンドリー補助金事務センター(所管:厚生労働省) |
| 対象者 | 高年齢労働者の労働災害防止に取り組む中小企業事業者 |
| 対象業種 | 建設業・製造業・運輸業・卸売業・小売業・医療、福祉など幅広い業種 |
| 対象経費 | 設備・装置の導入費、専門家指導費、運動指導費、健康保持増進の取組経費等 |
| その他要件 | 60歳以上の高年齢労働者を雇用していること等(コースにより異なる) |
| 補助対象外 | 交付決定前に実施した取組等(実施要領・交付規程で要確認) |
| 申請期間 | 2026年5月20日〜2026年10月31日(第1段階は8月31日まで) |
| 上限金額 | 100万円(コラボヘルスコースは30万円) |
| 補助率 | 第1段階4/5、第2段階・熱中症対策コース1/2、コラボヘルスコース3/4 |
| 問い合わせ先 | エイジフレンドリー補助金事務センター(申請担当:03-6381-7507) |
補助金・助成金の正式名称
本制度の正式名称は「エイジフレンドリー補助金」です。
高年齢労働者が安全で安心して働くことのできる職場環境の整備を促進することを目的とした、厚生労働省所管の補助制度です。
年度ごとに内容が見直されるため、申請の際は最新の実施要領を確認しましょう。
対象都道府県・市区町村
対象地域は全国です。
都道府県や市区町村を問わず、全国の中小企業事業者が申請できます。
実施機関
申請先・問い合わせ先はエイジフレンドリー補助金事務センターです。
制度そのものは厚生労働省が所管し、申請受付や支払手続きは同センターが担当する体制になっています。
対象者(世帯・個人事業主・法人・団体・研究機関)
対象となるのは、高年齢労働者の労働災害防止対策に取り組む中小企業事業者です。
原則として60歳以上の高年齢労働者を雇用し、その安全確保のための取組を行うことが前提となります。
中小企業事業者の範囲(資本金・常時使用する労働者数)は厚生労働省の案内で示されているため、自社が該当するか事前に確認してください。
対象業種
建設業・製造業・運輸業、郵便業・卸売業、小売業・宿泊業、飲食サービス業・医療、福祉など、幅広い業種が対象です。
このほか漁業、農業、林業、情報通信業、金融業、保険業、教育、学習支援業なども含まれます。
従業員数の上限による制約はありません。
対象経費
高年齢労働者の身体機能の低下を補う設備・装置の導入費、労働安全衛生の専門家による指導費、転倒防止・腰痛予防のための運動指導費、健康保持増進の取組経費などが対象です。
コースは「専門家総合対策コース(第1段階・第2段階)」「熱中症対策コース」「コラボヘルスコース」の4区分に分かれています。
どの経費がどのコースに該当するかは、実施要領で必ず確認してください。
その他要件
専門家総合対策コース第2段階は、第1段階の専門家または自社で実施したリスクアセスメントの結果を踏まえた取組であることが要件です。
熱中症対策コースは、暑熱な環境による熱中症予防対策として身体機能の低下を補う装置・装備を導入する取組が対象です。
コラボヘルスコースは、高年齢労働者を含むすべての労働者の健康保持増進の取組が対象となります。
補助対象外となるもの
実施要領や交付規程では、補助の対象とならない経費や取組が定められています。
交付決定前に着手した取組や、制度の趣旨に合致しない経費は補助対象外となる可能性が高いため注意が必要です。
個別の判断に迷う場合は、公募要領を確認のうえ事務センターに問い合わせてください。
申請期間
交付申請の受付期間は、2026年(令和8年)5月20日から2026年10月31日までです。
ただし、専門家総合対策コース第1段階の申請は2026年8月31日までと締切が早い点に注意してください。
支払請求書類の受付期間は2027年(令和9年)1月末日までです。
上限金額・助成額
補助上限額は100万円です。
ただし、コラボヘルスコースのみ上限額は30万円となります。
補助率
補助率は、専門家総合対策コース第1段階が4/5、第2段階と熱中症対策コースが1/2、コラボヘルスコースが3/4です。
取り組む内容によって補助率が大きく異なるため、自社の計画がどのコースに当たるかを最初に整理しましょう。
問い合わせ先
問い合わせ先はエイジフレンドリー補助金事務センターです。
申請に関する問い合わせは03-6381-7507、支払に関する問い合わせは03-6809-4085が窓口です。
公式公募ページと確認すべきこと
最新の公募情報はJグランツの公募詳細ページで確認できます。
制度の詳細や申請関係資料は厚生労働省のエイジフレンドリー補助金案内ページからダウンロードできます。
申請前には必ず最新の実施要領・交付規程を確認し、対象経費・要件・コースごとの締切を確かめてください。
エイジフレンドリー補助金を対象者が活用すべき理由(メリット)
高年齢労働者の労働災害は増加傾向にあり、転倒や腰痛などの防止対策は多くの職場で急務となっています。
本制度を活用すれば、通常は全額自己負担となる安全対策設備の導入や専門家指導の費用の一部を国の補助でまかなえます。
特に専門家によるリスクアセスメント(第1段階)は補助率4/5と高く、少ない自己負担で職場の危険箇所を専門的に洗い出せる点が大きな魅力です。
安全な職場環境の整備は、労災リスクの低減だけでなく、経験豊富な高年齢人材の定着や採用力の強化にもつながります。
人手不足が続くなか、シニア人材に長く活躍してもらう体制づくりの資金面の後押しとして、有効に活用できる制度といえます。
エイジフレンドリー補助金を申請すべき人とそうでない人の特徴
- 申請すべき人
- 見送ったほうが良い人の特徴
申請すべき人
- 60歳以上の労働者を雇用している中小企業事業者
- 転倒・腰痛・墜落など高年齢労働者の労災リスクに課題を感じている事業者
- 暑熱環境での作業があり熱中症対策を強化したい事業者
- 健康診断結果を活用した健康づくり(コラボヘルス)に取り組みたい事業者
- 専門家の視点で職場の安全リスクを洗い出したい事業者
見送ったほうが良い人の特徴
- 中小企業事業者の範囲(資本金・労働者数)を超える大企業
- 60歳以上の高年齢労働者を雇用していない事業者
- 交付決定前に設備導入等を済ませてしまいたい事業者
- 補助対象経費に該当する具体的な取組の予定がない事業者
その他にも利用すべき補助金・助成金制度の代表例
- 新事業進出補助金(新事業進出・ものづくり補助金 新事業進出枠)
- ものづくり補助金(革新的新製品・サービス枠)
- 中小企業省力化投資補助金
- 小規模事業者持続化補助金
新事業進出補助金(新事業進出・ものづくり補助金 新事業進出枠)
既存の事業とは異なる分野へ踏み出す際の設備投資や建物費を後押ししてくれる制度です。
新市場への参入で会社の柱をもう一本育てたいと考える中小企業に向いています。
ものづくり補助金(革新的新製品・サービス枠)
革新性のある製品やサービスの開発に必要な機械装置・システム構築費などを支援する定番の制度です。
試作開発や生産プロセスの高度化を計画している製造業などで広く利用されています。
中小企業省力化投資補助金
人手不足の解消を目的に、省力化につながる機器やロボットの導入費用を補助する制度です。
限られた人員で生産性を高めたい現場と相性が良く、高年齢労働者の負担軽減という点でも本制度と併せて検討する価値があります。
小規模事業者持続化補助金
従業員数の少ない小規模事業者が、販路開拓や業務効率化に取り組む費用を補助する制度です。
チラシ作成やホームページ改修など身近な取組から使えるため、初めて補助金に挑戦する事業者の入り口としても適しています。
エイジフレンドリー補助金の申請に必要なもの
- 申請に必要な書類一覧と取得方法
- 記載例はどこで確認できるか
申請に必要な書類一覧と取得方法
交付申請書のほか、取組内容や経費が分かる見積書等の添付書類が必要で、申請関係資料は厚生労働省のホームページからダウンロードできます。
主に必要となる書類は以下のとおりです。
- 交付申請書(所定様式)
- 取組内容・導入予定の設備等が分かる資料(カタログ・見積書等)
- 中小企業事業者であることや高年齢労働者の雇用状況を確認できる資料
- コースごとに定められた添付書類(リスクアセスメント結果等)
Jグランツの仕様上、添付ファイルは1ファイル30MBまでという制限がある点にも留意してください。
記載例はどこで確認できるか
申請様式や記載方法の案内は、厚生労働省の制度案内ページに掲載されている実施要領や様式類で確認できます。
Q&Aやリーフレットも公開されているため、記入前に一読しておくと手戻りを防げます。
エイジフレンドリー補助金の採択率を上げる事業計画書の作り方
- 市場性を具体的に書く
- 差別化ポイント(自社と他社の違い)を明確に記載
- この制度を利用する必要性・重要性を記載
- 実行体制を明記する
市場性を具体的に書く
自社の事業環境や高年齢労働者の就労状況を数字で示し、安全対策への投資が事業継続に不可欠であることを客観的に伝えましょう。
従業員の年齢構成やヒヤリハットの発生状況など、現場の実態データを添えると説得力が増します。
差別化ポイント(自社と他社の違い)を明確に記載
単なる設備の購入ではなく、自社の作業工程や職場特性に合わせてどのような工夫を加えるのかを具体的に書き分けることが重要です。
リスクアセスメントの結果と導入する対策との対応関係を明確にすると、計画の独自性と妥当性が伝わりやすくなります。
この制度を利用する必要性・重要性を記載
補助が無ければ実施が難しい理由と、実施しない場合に想定される労災リスクを対比させて記載すると、制度活用の必然性が明確になります。
資金繰りの状況や投資優先度にも触れ、今このタイミングで取り組む理由を示しましょう。
実行体制を明記する
誰が責任者となり、どのようなスケジュールで導入・運用・効果検証まで進めるのかを、役割分担とあわせて具体的に記載してください。
安全衛生委員会や外部専門家との連携体制を示すと、実現可能性の高い計画として評価されやすくなります。
エイジフレンドリー補助金の申請手順
- 実施要領・交付規程を確認し、自社の取組がどのコースに該当するか整理する
- GビズIDプライムを取得する(未取得の場合は早めに手続きする)
- 見積書の取得など必要書類を準備し、交付申請書を作成する
- Jグランツから電子申請を行う(第1段階は2026年8月31日、その他は10月31日まで)
- 交付決定後に取組(設備導入・専門家指導等)を実施する
- 取組完了後、支払請求書類を2027年1月末日までに提出する
エイジフレンドリー補助金を自社で申請する際の注意点
最も気を付けたいのは、コースによって申請締切が異なる点で、専門家総合対策コース第1段階は2026年8月31日までと他より2か月早く締め切られます。
交付決定前に発注・購入した設備等は原則として補助の対象にならないため、必ず交付決定を待ってから取組に着手してください。
予算の消化状況によっては期限前に受付が終了する可能性もあるため、準備が整い次第早めに申請することをおすすめします。
また、支払請求の期限(2027年1月末日)から逆算し、年内に取組と支払いを完了できる無理のないスケジュールを組みましょう。
自社に申請ノウハウが無い場合は専門家に依頼するのもおすすめ
- 制度選定の精度が上がる
- 事業計画の質が上がる
- 採択後の実務まで見据えられる
制度選定の精度が上がる
補助金に精通した専門家であれば、自社の課題に対してエイジフレンドリー補助金と他制度のどちらが適しているかを比較したうえで最適な選択肢を提示してくれます。
複数制度の併用可否といった判断の難しい論点も、相談しながら整理できます。
事業計画の質が上がる
審査で見られるポイントを踏まえた構成や根拠データの示し方を助言してもらえるため、書類の完成度が自力で作る場合より格段に高まります。
要件の解釈ミスによる差戻しや不備も減り、申請までの時間短縮にもつながります。
採択後の実務まで見据えられる
交付決定後の実績報告や支払請求、証拠書類の保管といった事務手続きまで一貫して支援を受けられる点も、専門家に依頼する大きな利点です。
本業に集中しながら、期限管理の漏れを防げます。
エイジフレンドリー補助金を不正受給するとどうなるのか
- 補助金の返還に加え社会的信用も失います
- 関係者や外部からの情報提供で発覚するケースもあります
補助金の返還に加え社会的信用も失います
虚偽の申請や水増し請求などの不正が判明した場合、交付決定の取消しと補助金の返還が求められます。
悪質な事案では事業者名が公表されることもあり、取引先や金融機関からの信用を失うなど、返還額をはるかに超える損失につながりかねません。
刑事責任(詐欺罪等)を問われる可能性もあります。
関係者や外部からの情報提供で発覚するケースもあります
不正は書類審査や実地調査だけでなく、従業員や取引先など関係者からの情報提供をきっかけに明らかになることがあります。
厚生労働省などの行政機関は通報を受け付ける体制を整えており、「バレなければ良い」という考えは通用しません。
実態と異なる申請は絶対に行わず、疑問点は事前に事務センターへ確認しましょう。
エイジフレンドリー補助金のまとめ
エイジフレンドリー補助金は、高年齢労働者の労働災害防止に取り組む全国の中小企業事業者を対象に、上限100万円(コラボヘルスコースは30万円)・補助率最大4/5で経費の一部を補助する制度です。
交付申請の受付は2026年10月31日まで、専門家総合対策コース第1段階は2026年8月31日までです。
設備導入・専門家指導・熱中症対策・健康づくりと使い道の幅が広いため、シニア人材が活躍する職場ほど活用メリットの大きい補助金といえます。
詳細はJグランツの公募詳細ページと厚生労働省の制度案内ページで最新情報を確認のうえ、余裕を持って準備を進めてください。
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