資源循環分野の脱炭素化促進事業とは?補助率2/3・上限4400万円を解説

補助金

海外での廃棄物処理・リサイクル事業に関心のある企業にとって、現地調査にかかる初期コストは大きな壁になりがちです。

資源循環分野の脱炭素化促進事業は、環境省から受託した公益財団法人廃棄物・3R研究財団が実施する補助制度です。

海外で実施する廃棄物処理・リサイクル事業の実現可能性調査(FS調査)の費用について、上限4,400万円・補助率1/2(中小企業は2/3)の補助を受けられます。

公募は令和8年11月30日まで実施されており、jGrantsから電子申請が可能です。

この記事では、対象者・補助率・申請手順から採択率を上げるポイントまでを分かりやすく解説します。

  1. 資源循環分野の脱炭素化促進事業の基本情報
    1. 補助金・助成金の正式名称
    2. 対象都道府県・市区町村
    3. 実施機関
    4. 対象者(世帯・個人事業主・法人・団体・研究機関)
    5. 対象業種
    6. 対象経費
    7. その他要件
    8. 補助対象外となるもの
    9. 申請期間
    10. 上限金額・助成額
    11. 補助率
    12. 問い合わせ先
    13. 公式公募ページと確認すべきこと
  2. 資源循環分野の脱炭素化促進事業を対象者が活用すべき理由(メリット)
  3. 資源循環分野の脱炭素化促進事業を申請すべき人とそうでない人の特徴
    1. 申請すべき人
    2. 見送ったほうが良い人の特徴
  4. その他にも利用すべき補助金・助成金制度の代表例
    1. 新事業進出補助金(新事業進出・ものづくり補助金 新事業進出枠)
    2. ものづくり補助金(革新的新製品・サービス枠)
    3. 中小企業省力化投資補助金
    4. 小規模事業者持続化補助金
  5. 資源循環分野の脱炭素化促進事業の申請に必要なもの
    1. 申請に必要な書類一覧と取得方法
    2. 記載例はどこで確認できるか
  6. 資源循環分野の脱炭素化促進事業の採択率を上げる事業計画書の作り方
    1. 市場性を具体的に書く
    2. 差別化ポイント(自社と他社の違い)を明確に記載
    3. この制度を利用する必要性・重要性を記載
    4. 実行体制を明記する
  7. 資源循環分野の脱炭素化促進事業の申請手順
  8. 資源循環分野の脱炭素化促進事業を自社で申請する際の注意点
  9. 自社に申請ノウハウが無い場合は専門家に依頼するのもおすすめ
    1. 制度選定の精度が上がる
    2. 事業計画の質が上がる
    3. 採択後の実務まで見据えられる
  10. 資源循環分野の脱炭素化促進事業を不正受給するとどうなるのか
    1. 交付決定の取消し・返還に加えて事業者名公表の可能性も
    2. 関係者からの通報や検査で発覚する事例が後を絶たない
  11. 資源循環分野の脱炭素化促進事業のまとめ

資源循環分野の脱炭素化促進事業の基本情報

項目内容
正式名称令和8年度 資源循環分野の脱炭素化促進事業
対象地域全国(調査対象はJCM・AZECパートナー国等の海外)
実施機関公益財団法人廃棄物・3R研究財団(環境省から受託)
対象者海外展開を計画する民間法人等
対象業種全業種
対象経費実現可能性調査(FS調査)に必要な経費
補助上限額4,400万円
補助率1/2(中小企業は2/3)
申請期間令和8年4月14日〜令和8年11月30日
申請方法jGrantsによる電子申請
問い合わせ先廃棄物・3R研究財団 海外センター
公式サイト財団公式ページおよびJグランツ

補助金・助成金の正式名称

正式名称は「令和8年度 資源循環分野の脱炭素化促進事業」です。

環境省の「二酸化炭素排出抑制対策事業費等補助金」の一つとして位置づけられている制度です。

公募要領や交付要綱もこの名称で公開されています。

対象都道府県・市区町村

応募する事業者の所在地に地域の制限はなく、全国から申請できます

一方、調査対象となる事業の実施地は海外であり、JCMパートナー国とAZECパートナー国が優先されます。

環境協力の覚書締結国なども対象になりますが、優先順位は下がる点に注意が必要です。

実施機関

実施機関は公益財団法人廃棄物・3R研究財団の海外センターです。

環境省から受託して運営されている公的な補助事業であり、安心して活用できる制度です。

応募を検討する事業者向けの個別相談にも対応しています。

対象者(世帯・個人事業主・法人・団体・研究機関)

対象は、我が国に本社または主たる事務所を置く民間法人、もしくはその子会社です。

単独での申請のほか、地方自治体や他の事業者と組むコンソーシアムでの応募も認められています。

全省庁統一資格(A〜D級)、自治体の入札参加資格、廃棄物処理業の許可のいずれかを有していることが要件です。

対象業種

業種の限定は実質的になく、全業種が対象です。

Jグランツの公募情報でも、製造業や建設業をはじめ、漁業から医療・福祉まで幅広い業種が列挙されています。

対象経費

補助対象は、海外で実施する廃棄物処理・リサイクル事業の実現可能性調査(FS調査)に必要な経費です。

廃棄物発電、有機廃棄物のメタン発酵、廃棄物の燃料化など、エネルギー起源CO2の削減につながる事業の調査が想定されています。

その他要件

対象となるのは、数年以内に事業開始を計画している具体的な案件です。

海外での廃棄物の収集・運搬、中間処理、リサイクル、最終処分の各事業、またはこれらに必要な施設を建設する事業が対象です。

いずれの場合も、直接エネルギー起源CO2が削減される事業に限られる点を押さえておきましょう。

補助対象外となるもの

CO2削減効果が直接見込めない事業や、構想段階にとどまり事業開始の計画がない案件は対象になりません。

FS調査以外の経費(設備の購入費や運転資金など)は本事業の補助対象外です。

対象外経費の詳細な線引きは、公募要領を確認してください。

申請期間

公募期間は令和8年4月14日から令和8年11月30日までです。

一次公募の締切(令和8年5月15日17時)以降に応募のあった事業は、随時審査が行われています。

採択案件の補助金額が予算上限に達した時点で公募は終了するため、早めの応募が安心です。

上限金額・助成額

補助上限額は4,400万円です。

FS調査への補助という性質上、実際の交付額は調査計画の規模や内容に応じて決まります。

補助率

補助率は対象経費の1/2で、中小企業は2/3に引き上げられます

残りの経費は自己負担となるため、資金計画をあらかじめ立てておきましょう。

問い合わせ先

問い合わせ先は、公益財団法人廃棄物・3R研究財団の海外センターです。

電話(03-6659-6860)またはメール(kaigai-1@jwrf.or.jp)で相談を受け付けています

具体的な事業内容の相談を希望する場合は、応募相談シートの記入が案内されています。

公式公募ページと確認すべきこと

最新の公募要領や申請様式は、資源循環分野の脱炭素化促進事業の公式ページからダウンロードできます。

電子申請の手続きはJグランツの公募詳細ページから行えます。

応募前には、対象要件・補助対象経費・スケジュールの3点を公募要領で必ず確認してください

資源循環分野の脱炭素化促進事業を対象者が活用すべき理由(メリット)

海外展開の最大の関門である初期調査コストを大幅に抑えられる点が、この制度の魅力です。

中小企業であれば経費の2/3が補助されるため、単独では踏み切りにくい現地調査にも着手しやすくなります。

環境省受託事業での採択実績は、その後の資金調達や現地パートナーとの交渉においても信用材料になります。

脱炭素と資源循環という世界的な成長分野で、先行して海外市場を開拓できる好機と言えるでしょう。

資源循環分野の脱炭素化促進事業を申請すべき人とそうでない人の特徴

  • 申請すべき人
  • 見送ったほうが良い人の特徴

申請すべき人

  • 廃棄物処理・リサイクル事業の海外展開を数年以内に計画している法人
  • JCM・AZECパートナー国での事業化を検討している事業者
  • 全省庁統一資格や廃棄物処理業の許可などの資格要件を満たしている事業者
  • CO2削減効果を定量的に示せる事業構想を持つ企業

見送ったほうが良い人の特徴

  • 国内事業のみを予定しており海外展開の計画がない事業者
  • 事業開始時期が未定で構想段階にとどまっている場合
  • 補助率を除いた自己負担分の資金を確保できない場合
  • CO2削減に直接つながらない事業を検討している場合

その他にも利用すべき補助金・助成金制度の代表例

  • 新事業進出補助金(新事業進出・ものづくり補助金 新事業進出枠)
  • ものづくり補助金(革新的新製品・サービス枠)
  • 中小企業省力化投資補助金
  • 小規模事業者持続化補助金

新事業進出補助金(新事業進出・ものづくり補助金 新事業進出枠)

既存事業とは異なる市場や製品分野への挑戦を後押しする制度です。

海外展開と並行して国内で新分野への進出を計画している企業であれば、あわせて検討する価値があります。

ものづくり補助金(革新的新製品・サービス枠)

革新的な製品・サービスの開発に必要な設備投資を支援する定番の制度です。

リサイクル技術の高度化や試作機の導入といった投資と相性が良く、国内の技術基盤づくりに活用できます。

中小企業省力化投資補助金

人手不足への対応として、ロボットや自動化設備の導入費用を補助する制度です。

国内の処理施設や工場の省人化を進めたい事業者に向いています。

小規模事業者持続化補助金

従業員数の少ない事業者の販路開拓の取り組みを幅広く支援する制度です。

展示会への出展や広報物の制作など、小回りの利く使い方ができるのが特長です。

資源循環分野の脱炭素化促進事業の申請に必要なもの

  • 申請に必要な書類一覧と取得方法
  • 記載例はどこで確認できるか

申請に必要な書類一覧と取得方法

応募申請書類【様式1〜4】と暴力団排除に関する誓約書【別紙1】が基本の提出書類です。

各様式は公式ページからダウンロードできます。

  • 応募申請書類【様式1〜4】
  • 暴力団排除に関する誓約書【別紙1】
  • 全省庁統一資格の格付など資格要件を確認できる資料
  • jGrants利用に必要なGビズIDプライムアカウント

記載例はどこで確認できるか

記載方法の詳細は公募要領に説明があります。

資源循環分野の脱炭素化促進事業の公式ページでは公募説明会の資料も公開されており、申請書の書き方や審査の観点をつかむうえで説明会資料が役立ちます

不明点は財団海外センターへの事前相談で解消しておきましょう。

資源循環分野の脱炭素化促進事業の採択率を上げる事業計画書の作り方

  • 市場性を具体的に書く
  • 差別化ポイント(自社と他社の違い)を明確に記載
  • この制度を利用する必要性・重要性を記載
  • 実行体制を明記する

市場性を具体的に書く

対象国の廃棄物発生量や処理体制の現状を数字で押さえ、事業が成立する市場規模を示しましょう。

現地の制度動向や規制の変化まで踏み込んで分析すると、計画の説得力が一段と増します

差別化ポイント(自社と他社の違い)を明確に記載

自社の技術やノウハウが、現地の既存手法や競合他社と何が違うのかを言葉にして示します。

処理効率やCO2削減量など、比較可能な指標を使って優位性を示すのが効果的です。

この制度を利用する必要性・重要性を記載

補助がなければこの調査を進められない理由を、資金面・リスク面から具体的に言語化します。

制度目的であるエネルギー起源CO2の削減にどれだけ貢献できるかを定量的に示すことが重要です。

実行体制を明記する

調査を誰がどのような役割分担で進めるのかを、体制図などで分かりやすく示します。

現地パートナーや外部専門家との連携体制まで具体的に記載すると、実現可能性の評価につながります。

資源循環分野の脱炭素化促進事業の申請手順

  1. 公式ページから公募要領と申請様式一式を入手する
  2. jGrantsの利用に必要なGビズIDプライムを取得する(取得には時間がかかる場合があります)
  3. FS調査の事業計画をまとめ、様式1〜4と添付書類を作成する
  4. jGrantsで「資源循環分野の脱炭素化促進事業(公募申請)」を検索し、電子申請を行う
  5. 一次審査・二次審査を経て採択・交付決定を受ける
  6. 交付決定後に調査を実施し、完了後は期限までに完了実績報告書を提出する

資源循環分野の脱炭素化促進事業を自社で申請する際の注意点

公募は予算がなくなり次第終了するため、締切日を待たずに動き出すことが肝心です。

事業の実施期間は交付決定日から翌年2月末までと短く、年度内に調査を完了できる無理のない計画が求められます。

交付決定前に発生した経費は原則として補助対象にならない点も見落としやすいポイントです。

様式の記載漏れや添付書類の不足は審査の遅れに直結するため、提出前のダブルチェックを徹底しましょう。

自社に申請ノウハウが無い場合は専門家に依頼するのもおすすめ

  • 制度選定の精度が上がる
  • 事業計画の質が上がる
  • 採択後の実務まで見据えられる

制度選定の精度が上がる

補助金に詳しい専門家は、自社の状況に合う制度を横断的に比較して提案してくれます。

海外展開系の制度は要件が複雑なため、自社に適合しない制度へ時間を費やすリスクを避けられるのは大きな利点です。

事業計画の質が上がる

審査で評価されるポイントを踏まえて、計画書の構成を磨き上げてもらえます。

数値根拠の裏付けや論理の穴を第三者の視点で補強できるため、採択の可能性が高まります。

採択後の実務まで見据えられる

交付申請や実績報告など、採択後に発生する手続きは想像以上に煩雑です。

報告書類の作成や経費管理まで伴走してもらえると、本業への影響を最小限に抑えられます。

資源循環分野の脱炭素化促進事業を不正受給するとどうなるのか

  • 交付決定の取消し・返還に加えて事業者名公表の可能性も
  • 関係者からの通報や検査で発覚する事例が後を絶たない

交付決定の取消し・返還に加えて事業者名公表の可能性も

虚偽の申請や補助金の目的外使用が判明すると、交付決定の取消しと補助金の返還を求められます。

加算金や延滞金が上乗せされるほか、環境省や実施団体から事業者名が公表されるおそれもあります。

以後の公的支援制度への応募が事実上困難になる例も少なくありません。

関係者からの通報や検査で発覚する事例が後を絶たない

不正の多くは、取引先や元従業員などからの情報提供をきっかけに明らかになります。

会計検査や実施団体による確認調査の過程で、帳簿の不自然さから発覚することもあります。

「見つからないだろう」という想定は通用しないと考え、適正な経理処理を徹底してください。

資源循環分野の脱炭素化促進事業のまとめ

資源循環分野の脱炭素化促進事業は、海外で実施する廃棄物処理・リサイクル事業のFS調査を、上限4,400万円・補助率1/2(中小企業は2/3)で支援する制度です。

公募は令和8年11月30日までですが、予算上限に達した時点で早期に締め切られます。

詳細は資源循環分野の脱炭素化促進事業の公式ページJグランツの公募詳細ページで確認のうえ、早めに準備を始めましょう。

コンテンツ傑作 ~採択される補助金書類づくり~