東京都の外国著作権登録費用助成事業とは?対象経費や申請手順をわかりやすく解説

その他

自社で生み出したキャラクターやソフトウェア、映像作品を海外へ広げようとするとき、現地での著作権登録は模倣対策の土台になります。

とはいえ、現地代理人への依頼料や翻訳料、各国の登録手数料が積み重なると、中小企業にとっては小さくない負担です。

東京都知的財産総合センターでは、こうした費用の一部を負担する外国著作権登録費用助成事業を実施しています。

助成率は助成対象経費の2分の1以内、助成限度額は10万円で、令和8年度の最終受付期限は令和8年10月1日17時までとされています。

申請日以前に同センターの知財相談を受けていることが要件になっている点も、この制度ならではの特徴です。

本記事では、対象者や助成対象経費、申請の流れと注意点までを一次情報に沿って整理してお伝えします。

  1. 外国著作権登録費用助成事業の基本情報
    1. 補助金・助成金の正式名称
    2. 対象都道府県・市区町村
    3. 実施機関
    4. 対象者(世帯・個人事業主・法人・団体・研究機関)
    5. 対象業種
    6. 対象経費
    7. その他要件
    8. 補助対象外となるもの
    9. 申請期間
    10. 上限金額・助成額
    11. 補助率
    12. 問い合わせ先
    13. 公式公募ページと確認すべきこと
  2. 外国著作権登録費用助成事業を対象者が活用すべき理由(メリット)
  3. 外国著作権登録費用助成事業を申請すべき人とそうでない人の特徴
    1. 申請すべき人
    2. 見送ったほうが良い人の特徴
  4. その他にも利用すべき補助金・助成金制度の代表例
    1. 新事業進出補助金(新事業進出・ものづくり補助金 新事業進出枠)
    2. ものづくり補助金(革新的新製品・サービス枠)
    3. 中小企業省力化投資補助金
    4. 小規模事業者持続化補助金
  5. 外国著作権登録費用助成事業の申請に必要なもの
    1. 申請に必要な書類一覧と取得方法
    2. 記載例はどこで確認できるか
  6. 外国著作権登録費用助成事業の採択率を上げる事業計画書の作り方
    1. 市場性を具体的に書く
    2. 差別化ポイント(自社と他社の違い)を明確に記載
    3. この制度を利用する必要性・重要性を記載
    4. 実行体制を明記する
  7. 外国著作権登録費用助成事業の申請手順
  8. 外国著作権登録費用助成事業を自社で申請する際の注意点
  9. 自社に申請ノウハウが無い場合は専門家に依頼するのもおすすめ
    1. 制度選定の精度が上がる
    2. 事業計画の質が上がる
    3. 採択後の実務まで見据えられる
  10. 外国著作権登録費用助成事業を不正受給するとどうなるのか
    1. 事実と異なる申請は交付決定の取消しと公表を招く
    2. 気づいた誤りは自分から知財センターへ伝える
  11. 外国著作権登録費用助成事業のまとめ

外国著作権登録費用助成事業の基本情報

正式名称 外国著作権登録費用助成事業(令和8年度)※Jグランツ掲載名は「令和8年度外国著作権登録費用助成事業」、募集要項上の名称は「令和8年度 外国著作権登録費用助成金」
対象地域 東京都内
実施機関 公益財団法人東京都中小企業振興公社 東京都知的財産総合センター
対象者 東京都内の中小企業者(会社及び個人事業者)、中小企業団体、一般社団法人・一般財団法人(1年度1社1登録に限る)
対象業種 農業・林業、漁業、鉱業・採石業・砂利採取業、建設業、製造業、電気・ガス・熱供給・水道業、情報通信業、運輸業・郵便業、卸売業・小売業、金融業・保険業、不動産業・物品賃貸業、学術研究・専門・技術サービス業、宿泊業・飲食サービス業、生活関連サービス業・娯楽業、教育・学習支援業、医療・福祉、複合サービス事業、サービス業(他に分類されないもの)、分類不能の産業
対象経費 外国著作権登録に係る手数料、代理人費用(国内・現地)、翻訳料、その他の経費(通信費・運送料・海外送金の振込手数料等)
その他要件 申請日以前に東京都知的財産総合センターの知財相談を受けていること、常時使用する従業員300名以下、令和8年4月1日以前に設立・開業し都内で1年以上実質的に事業を行っていること、同一内容で他の公的助成を受けていないこと等
対象外 日本国内への著作権登録申請、令和8年3月31日以前に発注・契約・実施・支払のいずれかが完了しているもの、国内消費税、国内向けの振込手数料、関連会社との取引に係る経費、現金・手形・小切手・電子記録債権による支払、大企業・医療法人・学校法人・宗教法人等
申請期間 随時(最終受付期限:令和8年10月1日(木)17時まで)※Jグランツ上の受付終了日時も2026年10月1日17時
上限金額 10万円(下限額の定めなし)
補助率 助成対象と認められる経費の2分の1以内(千円未満切捨て)
問い合わせ先 公益財団法人東京都中小企業振興公社 東京都知的財産総合センター(〒110-0016 東京都台東区台東1-3-5 反町商事ビル1階/電話03-3832-3656/メールchizai-josei@tokyo-kosha.or.jp)

補助金・助成金の正式名称

制度の正式名称は「外国著作権登録費用助成事業」です。

Jグランツ上では「令和8年度外国著作権登録費用助成事業」という公募名で掲載されており、募集要項の表紙では「令和8年度 外国著作権登録費用助成金」と表記されています。

いずれも同じ制度を指しますので、年度表記が令和8年度になっているかどうかを確かめれば取り違える心配はありません。

年度ごとに募集要項が更新される制度のため、旧年度の様式で準備しないよう注意してください。

対象都道府県・市区町村

対象地域は東京都内で、区市町村による絞り込みはありません。

法人の場合は令和8年4月1日時点で東京都内に登記簿上の本店または支店があること、中小企業団体や一般社団・財団法人は都内に登記簿上の主たる事務所があることが求められます。

個人事業者の場合は、税務署へ提出済みの開業届の写しによって納税地や主たる事業所が都内にあると確認できることが条件です。

単に都内に建物があるだけでは足りず、ホームページや名刺、看板、従業員の雇用状況などから客観的に都内で事業活動を行っていると判断できることが必要とされています。

助成事業の成果を活用して、引き続き都内で事業を営む予定であることも前提です。

実施機関

実施機関は公益財団法人東京都中小企業振興公社で、窓口は東京都知的財産総合センターが担当します。

所在地は〒110-0016 東京都台東区台東1-3-5 反町商事ビル1階です。

同センターは助成金の申請有無にかかわらず知的財産全般の無料相談を受け付けており、本助成金では申請前にこの知財相談を受けることが要件になっています。

相談は事前予約制ですので、申請時期から逆算して早めに枠を押さえておきましょう。

対象者(世帯・個人事業主・法人・団体・研究機関)

申請できるのは、東京都内の中小企業者(会社及び個人事業者)、中小企業団体、一般社団法人及び一般財団法人です。

中小企業者の判定は業種別の資本金・従業員数の基準によるもので、製造業・建設業・運輸業などは資本金3億円以下または従業員300人以下、卸売業は1億円以下または100人以下、小売業は5千万円以下または50人以下、サービス業は5千万円以下または100人以下とされています。

大企業が実質的に経営に参画している場合は対象外となり、医療法人・学校法人・宗教法人等も申請できません。

令和8年4月1日を基準日として、1年以上都内の事業所で実質的に事業を行っていること、または都内で創業して事業を行っていることが必要です。

交付決定は1年度につき1事業者1件までで、登録申請先の国は複数であっても構いません。

対象業種

Jグランツで指定されている業種は、農業・林業、漁業、鉱業・採石業・砂利採取業、建設業、製造業、電気・ガス・熱供給・水道業、情報通信業、運輸業・郵便業、卸売業・小売業、金融業・保険業、不動産業・物品賃貸業、学術研究・専門・技術サービス業、宿泊業・飲食サービス業、生活関連サービス業・娯楽業、教育・学習支援業、医療・福祉、複合サービス事業、サービス業(他に分類されないもの)、分類不能の産業と、ほぼ全業種にわたります。

業種による絞り込みは実質的に行われておらず、著作物を保有して海外展開を図る都内中小企業であれば幅広く検討できる設計です。

Jグランツ上の従業員数の上限は300名以下と表示されています。

実務上は、ソフトウェアやゲーム、キャラクター、映像、デザインなどの著作物を扱う情報通信業や製造業からの活用が想定されます。

対象経費

助成対象経費は4区分に整理されています。

第一に外国著作権登録に係る手数料で、申請した外国の申請手数料、登録した外国の登録手数料、登録申請に必要な登記簿謄本の交付手数料が含まれます。

第二に代理人費用で、当該外国登録に係る国内代理人費用と現地代理人費用の双方が対象です。

第三に翻訳に要する経費、第四にその他の経費として通信費・運送料・振込手数料等が挙げられています。

振込手数料については海外送金に係るものだけが対象で、国内向けの振込手数料や振込先負担の手数料は助成対象になりません。

いずれも助成対象期間内に発注または契約、実施、支払のすべてが完了し、証憑で確認できる経費であることが条件です。

その他要件

助成対象期間は令和8年4月1日から最長で令和10年3月31日までの2年間です。

助成事業の完了は、この期間内に助成事業者が著作権者となる外国への著作権登録が完了したと確認できることが条件とされています。

外国への著作権登録の完了が確認できない場合、助成金は交付されませんので、登録までを見通した日程を組む必要があります。

このほか、事業税等を滞納していないこと、申請日までの過去5年間に公的な助成事業で不正等の事故を起こしていないこと、暴力団関係者でないこと、風俗関連業やギャンブル業等を営んでいないことなども要件です。

共有著作権を共同で登録申請する場合は、持分と費用負担割合が記載された共同著作契約書の提出が求められます。

補助対象外となるもの

日本国内への著作権登録申請は助成対象になりません。

令和8年3月31日以前に発注または契約、実施、支払のいずれかが完了しているものも対象から外れます。

支払方法についても制限があり、現金・手形・小切手・電子記録債権による支払はいずれも助成対象外で、原則として助成事業者名義の口座からの振込払いが必要です。

親会社や子会社、代表者の三親等以内の親族が経営する会社など関連会社との取引に係る経費、共同申請者どうしの取引に係る経費も認められません。

国内消費税、帳票類が不備の経費、交付申請書に記載のない登録申請国の追加に伴う経費なども対象外とされています。

申請期間

受付は随時行われており、令和8年度の最終受付期限は令和8年10月1日(木)17時までです。

Jグランツ上の受付終了日時も2026年10月1日17時と表示されており、公社の案内と一致しています。

申請日以前に知財相談を受ける必要があり、公社は申請の2~3週間前を相談の目安として案内していますので、締切直前の駆け込み申請はできません。

電子申請に使うGビズIDプライムアカウントの発行にも2~3週間程度かかるとされています。

交付決定の予定時期は令和9年1月下旬頃と示されていますので、資金繰りの計画もこの時期を踏まえて立てておくと安心です。

上限金額・助成額

助成限度額は10万円です。

Jグランツの補助上限額欄にも100,000円と表示されており、募集要項の記載と一致しています。

助成下限額の定めは公表資料に見当たりませんので、少額の登録案件でも申請を検討できます。

助成金の確定額は実際に要した助成対象経費に2分の1を乗じた額と助成予定額のいずれか低い額となり、千円未満の端数は切り捨てられます。

共有著作権の共同登録申請では費用負担割合に応じて助成予定額が決まりますが、一登録案件に対する上限は10万円のままです。

補助率

助成率は助成対象と認められる経費の2分の1以内です。

対象経費が20万円に達すると助成限度額の10万円に届く計算になります。

助成金は完了検査と額の確定を経た後の一括後払いですので、登録費用はいったん全額を自社で立て替える資金計画が欠かせません。

審査の結果、助成金交付申請額と助成予定額が異なる場合がある点も押さえておきましょう。

問い合わせ先

問い合わせ先は公益財団法人東京都中小企業振興公社 東京都知的財産総合センターの外国著作権登録費用助成事業担当です。

電話は03-3832-3656、メールはchizai-josei@tokyo-kosha.or.jpが案内されています。

センターの電話受付時間は平日9時から17時まで(12月29日から1月3日を除く)とされています。

申請前の知財相談も同センターが窓口ですので、制度の疑問と相談予約をまとめて確認するとスムーズです。

公式公募ページと確認すべきこと

公募情報はJグランツの公募詳細ページに掲載されています。

募集要項と助成金申請書の様式一式は東京都知的財産総合センターの公式案内ページからダウンロードできます。

まず確認すべきは、申請前の知財相談を受けられるか、登録申請の発注から支払までを令和8年4月1日以降かつ令和10年3月31日までに収められるか、そして自社が外国登録における著作権者に含まれるかの3点です。

公式案内ページには電子申請マニュアルも用意されていますので、書類作成の前に目を通しておきましょう。

外国著作権登録費用助成事業を対象者が活用すべき理由(メリット)

著作権は無方式主義のもとで創作と同時に発生しますが、国によっては登録制度が用意されており、権利の存在や創作時期を示す有力な証拠になります。

海外で模倣品や無断利用に直面したとき、現地での登録証があるかどうかで交渉や法的手続の進めやすさは大きく変わります。

この助成金を使えば、現地代理人費用や翻訳料といった実費の2分の1、最大10万円を公社に負担してもらえます。

複数国へ登録申請しても交付決定は1年度1件という扱いですので、主要な進出先をまとめて登録する計画にすると助成枠を効率よく使えます。

申請前に知財相談が組み込まれている点も、初めて外国登録に取り組む企業にとっては心強い仕組みです。

交付決定後も専門の相談員が進捗や対応方針をヒアリングし、無料の相談に応じる体制が用意されています。

外国著作権登録費用助成事業を申請すべき人とそうでない人の特徴

  • 申請すべき人
  • 見送ったほうが良い人の特徴

申請すべき人

  • 東京都内に本店・支店または主たる事務所を持ち、1年以上実質的に事業を行っている中小企業者・中小企業団体・一般社団法人・一般財団法人
  • ソフトウェア、キャラクター、映像、デザイン、楽曲などの著作物を保有し、海外での活用を計画している事業者
  • 令和8年4月1日以降に外国著作権登録の発注・契約を行い、令和10年3月31日までに支払まで完了できる事業者
  • 自社が外国登録における著作権者に含まれる形で登録申請できる事業者
  • 申請前に東京都知的財産総合センターの知財相談を受けられる事業者
  • GビズIDプライムアカウントを取得し、jGrantsで電子申請できる事業者

見送ったほうが良い人の特徴

  • 日本国内への著作権登録だけを予定している場合
  • 令和8年3月31日以前に発注・契約や支払を済ませてしまっている場合
  • 同一の著作物について他の公的機関から既に助成を受けている場合
  • 都内に登記上の拠点がない、または大企業が実質的に経営に参画している場合
  • 医療法人・学校法人・宗教法人等に該当する場合
  • 同一年度に既にこの助成金の交付決定を受けている場合
  • 過去に公社の助成金を受けながら活用状況報告書等を提出していない場合

その他にも利用すべき補助金・助成金制度の代表例

  • 新事業進出補助金(新事業進出・ものづくり補助金 新事業進出枠)
  • ものづくり補助金(革新的新製品・サービス枠)
  • 中小企業省力化投資補助金
  • 小規模事業者持続化補助金

新事業進出補助金(新事業進出・ものづくり補助金 新事業進出枠)

これまで手掛けてこなかった市場や事業領域へ踏み出す中小企業に対し、設備投資や建物費などを国が後押しする制度です。

著作物を核とした海外向けの新規サービスを立ち上げるといった、事業構造そのものを広げる局面で候補に挙がります。

今回の助成金が権利保護という守りの投資であるのに対し、こちらは事業拡大という攻めの投資を支える制度と整理すると使い分けやすくなります。

公募回ごとに要件や締切が改まりますので、検討の際は必ず最新の公募要領に当たってください。

ものづくり補助金(革新的新製品・サービス枠)

革新的な製品やサービスの開発に取り組む中小企業の設備投資を支援する、国を代表する補助金のひとつです。

著作物を生み出す制作環境の刷新や、独自コンテンツの開発体制づくりに関わる投資であれば検討の余地があります。

既存設備の単純な入替えでは評価されにくく、新しい価値を生む開発であることを示せるかどうかが分かれ目になります。

採択事例が公式サイトで公開されていますので、自社の計画と照らし合わせてみると方向性が見えてきます。

中小企業省力化投資補助金

人手不足を背景に、省力化につながる設備やシステムの導入費用を支援する国の制度です。

権利管理台帳の整備や契約書類の電子化など、間接業務の負担を軽くする投資と相性が良い内容になっています。

知財の実務は少人数の管理部門が兼務しているケースが多いため、体制強化とあわせて検討する価値があります。

対象となる製品カテゴリや登録済みカタログの内容は、公式サイトで随時更新されています。

小規模事業者持続化補助金

従業員数の少ない小規模事業者が販路を広げる取組を、幅広い経費で支える制度です。

多言語のウェブサイト制作や海外向けカタログの作成、展示会出展など、著作物を海外へ売り込む場面で活用できます。

権利の登録は今回の助成金、売り込みの費用は持続化補助金というように、目的別に制度を組み合わせる発想が有効です。

商工会議所や商工会の助言を受けながら経営計画を作る流れになっているため、書類作成の経験が少なくても着手しやすい制度です。

外国著作権登録費用助成事業の申請に必要なもの

  • 申請に必要な書類一覧と取得方法
  • 記載例はどこで確認できるか

申請に必要な書類一覧と取得方法

全組織形態に共通して必要なのは、外国著作権登録費用助成金交付申請書(Word形式)、直近2期分の確定申告書、登録する著作物の資料、反社会的勢力排除に関する誓約事項です。

会社と団体等は発行後3か月以内の履歴事項全部証明書、個人事業者は個人事業の開業届出書の写しを添えます。

納税証明書も必要で、会社は都税事務所発行の法人事業税及び法人都民税の納税証明書、個人事業者は個人事業税の納税証明書と代表者の住民税納税証明書を用意します。

既に外国申請している場合は外国登録依頼書、既に登録している場合は登録証等、共同著作の場合は共同著作契約書といった書類が状況に応じて追加で求められます。

交付申請書はWord形式、それ以外はPDF形式でのアップロードが推奨されており、1ファイル16MB以内という制限があります。

マイナンバーが記載された書類は受領されないため、該当箇所は黒塗りにして提出してください。

記載例はどこで確認できるか

募集要項の巻末には、履歴事項全部証明書や納税証明書、確定申告書などの申請書類サンプルが確認ポイント付きで掲載されています。

実績報告時に必要な注文書・注文請書・請求書についても、記載すべき項目を注記したサンプルが用意されています。

募集要項と申請様式は東京都知的財産総合センターの公式案内ページから入手できますので、記入前に巻末のサンプルまで通読しておくと差戻しを避けやすくなります。

jGrantsの操作面で迷ったときは、同ページの電子申請マニュアルと事業者クイックマニュアルが参考になります。

記載内容に不安が残る場合は、申請前の知財相談の場で確認しておくのが確実です。

外国著作権登録費用助成事業の採択率を上げる事業計画書の作り方

  • 市場性を具体的に書く
  • 差別化ポイント(自社と他社の違い)を明確に記載
  • この制度を利用する必要性・重要性を記載
  • 実行体制を明記する

市場性を具体的に書く

この助成金の技術審査では、市場性が明示的な評価の視点に挙げられています。

どの国のどんな利用者に向けて著作物を届けるのか、現地の販売チャネルや取引先候補、想定される収益規模を数字で描いてください。

なぜその国を登録先に選んだのかを、市場規模や模倣被害のリスク、取引実績といった具体的な根拠で説明できると説得力が増します。

現地の展示会出展歴や引き合いの記録があれば、市場の実在を裏づける材料として添えておきましょう。

差別化ポイント(自社と他社の違い)を明確に記載

審査では著作権の登録可能性も見られますので、登録対象となる著作物そのものの独自性を丁寧に示す必要があります。

創作の経緯、既存の作品との違い、自社が権利者であることを裏づける制作記録などを整理してください。

ソースコード表や公表物といった提出資料そのものが独自性を語る証拠になりますので、抜粋の選び方にも意図を持たせましょう。

競合が同種の表現を用いている場合は、どの点で自社の著作物が識別されるのかを言語化しておくと理解が早まります。

この制度を利用する必要性・重要性を記載

登録の動機・目的と著作権取得への意欲も審査の視点に含まれています。

海外での無断利用を防ぐ必要が生じている背景や、取引先から権利証明を求められている事情など、登録を急ぐ理由を具体的に書きましょう。

自社の資金だけでは複数国への登録を諦めざるを得ないという状況を率直に示すことは、助成の必要性を伝えるうえで有効です。

国際競争力の向上と経営基盤の強化という制度の目的に、自社の計画がどう重なるのかを結び付けて記載してください。

実行体制を明記する

審査では著作権登録後の登録国での事業展開や資金調達の見込みも問われます。

登録手続を依頼する国内代理人・現地代理人の選定状況、社内で知財を担当する人員、登録完了までの月単位の工程を示しましょう。

令和10年3月31日までに発注から支払、そして外国での登録完了までを終える必要がありますので、各国の審査期間を織り込んだ余裕のある日程が信頼につながります。

登録後に現地でどう販売や許諾を進めるのかまで触れておくと、計画の一貫性が伝わります。

外国著作権登録費用助成事業の申請手順

  1. 東京都知的財産総合センターの公式案内ページで募集要項を確認し、申請要件と助成対象経費を把握する
  2. 同センターの知財相談をウェブから予約し、申請日以前に申請内容に関する相談を受ける
  3. GビズIDプライムアカウントを未取得の場合は発行手続きを行う(発行まで2~3週間程度)
  4. 公式案内ページから助成金申請書(交付申請書)と様式一式をダウンロードする
  5. 交付申請書に日本語で必要事項を記入する
  6. 履歴事項全部証明書または開業届の写し、納税証明書、直近2期分の確定申告書などの添付書類を揃える
  7. 登録する著作物の資料や、該当する場合は共同著作契約書・登録証等を準備する
  8. 各書類を指定のファイル名でPDF等に変換し、1ファイル16MB以内に収める
  9. jGrantsの「外国著作権登録費用助成事業 交付申請フォーム」から書類をアップロードして申請する
  10. 不備・不足がある場合はjGrants上で差戻しとなるため、通知メールを確認して修正資料を提出する
  11. 書類審査(必要に応じて面接審査)を経て、令和9年1月下旬頃に交付決定通知を受け取る
  12. 令和10年3月31日までに代理人等への発注・契約、実施、支払を完了し、外国での著作権登録を終える
  13. 完了後15日以内に実績報告書と帳票類を提出し、完了検査を受ける
  14. 助成金額の確定通知を受けた後、助成金請求書と印鑑証明書を提出し、一括後払いで入金を受ける

外国著作権登録費用助成事業を自社で申請する際の注意点

最初につまずきやすいのが、申請日以前に知財相談を受けていなければ申請自体ができないという要件です。

相談は予約制で、公社は申請の2~3週間前を目安として案内していますので、最終受付期限の令和8年10月1日を意識するなら夏のうちに相談枠を確保しておきたいところです。

助成対象期間の考え方も要注意で、発注日から支払日までのすべてが令和8年4月1日から令和10年3月31日の間に収まっていなければ、その経費は助成対象になりません。

支払方法についても、助成事業者名義の口座からの振込が原則で、役員や従業員個人の口座からの振込は対象外とされていますから、経理処理の段階から他の取引と区別して記録してください。

交付申請書に記載した著作物の変更や登録申請国の追加はできない一方、登録申請国を減らすことは事業計画の変更に当たらないとされていますので、申請時点の国の選び方は慎重に決めましょう。

申請書類の提出はjGrantsによる電子申請のみで、持参・郵便・電子メールでは受け付けられない点も忘れないでください。

自社に申請ノウハウが無い場合は専門家に依頼するのもおすすめ

  • 制度選定の精度が上がる
  • 事業計画の質が上がる
  • 採択後の実務まで見据えられる

制度選定の精度が上がる

知的財産の海外展開を支える公的支援には、外国著作権登録費用助成のほかにも特許や意匠、商標を対象とした助成メニューが並んでいます。

支援経験のある専門家であれば、保有する権利の性質と海外展開の段階に照らして、どの制度をどの順で使うのが合理的かを一緒に見極めてくれます。

同一内容で複数の公的助成を重ねて受けられないという制約があるため、併願の可否を早い段階で整理できる意義は小さくありません。

制度探しに費やす時間を、作品づくりや海外の取引先開拓といった本業に振り向けられる利点もあります。

事業計画の質が上がる

交付申請書には、登録の動機や市場性、登録後の事業展開といった審査の視点に応える記述が求められます。

日々の業務で書き慣れない内容だけに、審査で何が見られるかを知る専門家の助言は仕上がりに直結します。

第三者に読んでもらうことで、社内では当たり前になっている強みが説明不足のまま埋もれている箇所にも気づけます。

整えた計画は、海外展開に向けた金融機関との相談や社内の合意形成にもそのまま使えます。

採択後の実務まで見据えられる

この助成金は交付決定で終わりではなく、外国での登録完了、実績報告、完了検査、額の確定という段取りを経て初めて入金に至ります。

契約書や注文請書、現地代理人からの請求書、振込控、通帳の写しなど、求められる帳票の要件は細かく定められています。

外貨建ての請求書と円換算額の整合や源泉所得税の納付時期まで確認されるため、実務に通じた伴走者がいると手戻りを避けやすくなります。

なお、官公署に提出する書類の作成代行は行政書士等の資格が関わる領域ですので、依頼先の業務範囲と費用は契約前に確かめておきましょう。

外国著作権登録費用助成事業を不正受給するとどうなるのか

  • 事実と異なる申請は交付決定の取消しと公表を招く
  • 気づいた誤りは自分から知財センターへ伝える

事実と異なる申請は交付決定の取消しと公表を招く

この助成金は、公益財団法人東京都中小企業振興公社が公的資金を原資として交付するものです。

募集要項では、偽りや隠匿その他不正の手段により助成金の交付を受けたとき、助成金を他の用途に使用したときなどに、交付決定の全部または一部を取り消すと定められています。

その際は不正の内容や申請者、協力した関係者等が公表されることがあり、既に交付された助成金は期限を定めて返還を求められます。

募集要項は不正行為に刑事罰が適用される場合があることにも触れており、これらの規定は助成金の額の確定後にも適用されます。

キャッシュバックや協賛金の名目で実質的な受領額を偽る行為も、不正の手段に含まれると明記されています。

気づいた誤りは自分から知財センターへ伝える

公社は完了検査で証拠書類の原本照合を行うほか、必要に応じて立入り調査や報告を求めることができるとされています。

外注先や代理人など助成事業の関係者に質問が及ぶこともあり、書類の食い違いは見落とされにくい仕組みです。

経費区分の取り違えや記載の誤りに気づいたときは、自ら東京都知的財産総合センターへ連絡すれば訂正の案内を受けられ、悪質な事案として扱われる事態を避けやすくなります。

助成事業に関する帳簿や書類は、事業が完了した日の属する会計年度の翌年度から起算して5年間の保存が義務づけられていますので、確実に保管しておきましょう。

外国著作権登録費用助成事業のまとめ

外国著作権登録費用助成事業は、著作物を海外で活用しようとする東京都内の中小企業者等に対し、外国著作権登録に要する経費の一部を東京都知的財産総合センターが助成する制度です。

助成率は助成対象経費の2分の1以内、助成限度額は10万円で、令和8年度の最終受付期限は令和8年10月1日(木)17時までとされています。

登録手数料や国内外の代理人費用、翻訳料などが対象となる一方、日本国内への登録申請や令和8年3月31日以前に着手した経費は対象外です。

申請前の知財相談とGビズIDプライムアカウントの取得という2つの準備に時間がかかりますので、逆算して早めに動き出してください。

最新の情報はJグランツの公募詳細ページ東京都知的財産総合センターの公式案内ページで必ずご確認ください。

海外で自社の著作物を守る一歩を、都の支援制度を活かして踏み出していきましょう。