東京都内の中堅・中小企業を対象に、ワーケーション勤務の導入を後押しする「令和8年度ワーケーション勤務導入奨励金」の申請受付が行われています。
本制度は公益財団法人東京しごと財団が実施するもので、ワーケーション勤務を可能とする規定を新たに整備し、従業員が実際にワーケーション勤務を行った企業に対して、1支給対象事業者あたり10万円の奨励金が定額で支給されます。
申請受付期間は令和8年4月28日から令和9年2月26日までです。
この記事では、支給要件や申請の流れ、注意点までを分かりやすく解説しますので、テレワークの定着や働き方改革を進めたい企業の方はぜひ参考にしてください。
ワーケーション勤務導入奨励金の基本情報
| 正式名称 | 令和8年度ワーケーション勤務導入奨励金 |
| 対象地域 | 東京都(都内に本社または事業所を置く企業等) |
| 実施機関 | 公益財団法人東京しごと財団 |
| 対象者 | 常時雇用する労働者が2人以上999人以下の都内中堅・中小企業等 |
| 対象業種 | ほぼ全業種(農業、建設業、製造業、情報通信業、サービス業など) |
| 対象経費 | ワーケーション勤務規定の整備・実施に係る取組(定額支給) |
| その他要件 | 就業規則の届出、「テレワーク東京ルール」実践企業宣言への登録など |
| 補助対象外 | 支給申請日時点で既にワーケーション勤務規定が整備されている場合など |
| 申請期間 | 令和8年4月28日~令和9年2月26日 |
| 上限金額 | 10万円(1支給対象事業者あたり) |
| 補助率 | 記載なし(定額支給) |
| 問い合わせ先 | 東京しごと財団 企業支援部 雇用環境整備課 テレワーク定着支援係 |
補助金・助成金の正式名称
正式名称は「令和8年度ワーケーション勤務導入奨励金」です。
補助金や助成金ではなく「奨励金」という名称のとおり、要件を満たした取組に対して定額が支給される制度です。
テレワークの促進を図るため、ワーケーション勤務の規定整備と実施を後押しすることを目的としています。
対象都道府県・市区町村
対象地域は東京都です。
都内に本社または事業所を置き、都内で勤務する常時雇用労働者を2人以上雇用していることが求められます。
市区町村単位の限定はなく、都内全域の企業等が対象になります。
実施機関
実施機関は公益財団法人東京しごと財団です。
担当窓口は企業支援部 雇用環境整備課 テレワーク定着支援係で、電話番号は03-5211-0395(平日9時~17時、12時~13時を除く)です。
東京都のテレワーク定着施策の一環として、同財団が申請受付から支給までを担っています。
対象者(世帯・個人事業主・法人・団体・研究機関)
対象は、常時雇用する労働者が2人以上999人以下で、都内に本社または事業所を置く中堅・中小企業等です。
都内勤務の常時雇用労働者のうち1人は、申請日時点で6か月以上継続して雇用されている必要があります。
また、常時雇用する労働者が10人以上の企業等は、就業規則を作成して労働基準監督署へ届出を行っていることが前提となります。
対象業種
対象業種は非常に幅広く設定されています。
農業・林業、漁業、建設業、製造業、情報通信業、卸売業・小売業、金融業・保険業、医療・福祉など、ほぼすべての業種が対象です。
業種による従業員数の追加制約も設けられていません。
対象経費
本制度は経費の実費を補填する補助金とは異なり、取組の実施に対して定額を支給する奨励金です。
ワーケーション勤務を可能とする規定を新たに整備し、従業員が実際にワーケーション勤務を実施することが支給の条件です。
経費の領収書を積み上げる方式ではないため、取組さえ確実に行えば受け取りやすい制度といえます。
その他要件
支給決定日から3か月以内に、規定の整備(制定・施行)と、対象者1人以上による1回以上のワーケーション勤務の両方を実施する必要があります。
ワーケーション勤務は、年次有給休暇等の休暇に連続して、普段の職場や自宅とは異なる場所で行うものであることが条件です。
実績報告の提出までに、東京都の「テレワーク東京ルール」実践企業宣言に登録し、「テレワーク推進リーダー」設置表示のある宣言書が発行されていることも必要です。
このほかにも要件があるため、詳細は募集要項を確認してください。
補助対象外となるもの
支給申請日時点で既に「ワーケーション勤務を可能とする規定」が整備されている場合は、奨励対象外となります。
あくまで規定を「新たに」整備する企業を支援する制度である点に注意が必要です。
そのほかの対象外条件については、公募要領を確認してください。
申請期間
申請受付期間は令和8年4月28日(火曜)から令和9年2月26日(金曜)までです。
郵送の場合は受付期間最終日の消印有効、電子申請の場合は最終日の23時59分までとなっています。
誓約書への署名が必須である点を除けば、手続きの利便性から電子申請が推奨されています。
上限金額・助成額
支給額は1支給対象事業者あたり10万円の定額です。
金額の多寡よりも、テレワーク定着や働き方改革の第一歩として制度整備を進めるきっかけになる点が本制度の価値といえます。
補助率
本制度は定額支給のため、補助率の設定はありません。
要件を満たす取組を実施すれば、経費の多少にかかわらず10万円が支給されます。
問い合わせ先
問い合わせ先は、公益財団法人東京しごと財団 企業支援部 雇用環境整備課 テレワーク定着支援係です。
電話番号は03-5211-0395で、受付時間は平日9時~17時(12時~13時、土日・祝日、年末年始を除く)です。
問い合わせの際は「令和8年度ワーケーション勤務導入奨励金について」と伝えるとスムーズです。
公式公募ページと確認すべきこと
制度の一次情報は、Jグランツの公募詳細ページと東京しごと財団の公式サイトで確認できます。
申請前には、募集要項で支給対象事業者の要件・取組期間・実績報告の期限を必ず確認してください。
特に取組期間(支給決定日から3か月以内)と実績報告(4か月以内)のスケジュールは、社内の実施計画に直結する重要事項です。
ワーケーション勤務導入奨励金を対象者が活用すべき理由(メリット)
本制度を活用する最大のメリットは、就業規則やテレワーク関連規定の整備という社内制度改革を、金銭的な後押しを受けながら進められる点です。
ワーケーション勤務の規定整備は、従業員の働き方の選択肢を広げ、人材の定着や採用力の向上にもつながります。
また、実費補填型の補助金と異なり定額10万円が支給されるため、取組内容が明確で申請のハードルが比較的低いことも魅力です。
「テレワーク東京ルール」実践企業宣言への登録を通じて、働きやすい企業であることを対外的に発信できる副次的な効果も期待できます。
ワーケーション勤務導入奨励金を申請すべき人とそうでない人の特徴
- 申請すべき人
- 見送ったほうが良い人の特徴
申請すべき人
- 都内に本社・事業所があり、常時雇用労働者が2人以上999人以下の中堅・中小企業等
- テレワークや柔軟な働き方の制度をこれから整備したい企業
- 従業員の定着率向上や採用力強化に取り組みたい企業
- 支給決定から3か月以内に規定整備とワーケーション勤務の実施ができる企業
見送ったほうが良い人の特徴
- 既にワーケーション勤務を可能とする規定を整備済みの企業
- 都内に本社・事業所がない、または都内勤務の常時雇用労働者が2人未満の事業者
- 取組期間内にワーケーション勤務を実施できる従業員がいない企業
- 「テレワーク東京ルール」実践企業宣言への登録に対応できない企業
その他にも利用すべき補助金・助成金制度の代表例
- 新事業進出補助金(新事業進出・ものづくり補助金 新事業進出枠)
- ものづくり補助金(革新的新製品・サービス枠)
- 中小企業省力化投資補助金
- 小規模事業者持続化補助金
新事業進出補助金(新事業進出・ものづくり補助金 新事業進出枠)
既存事業とは異なる分野へ踏み出す挑戦を支える制度が新事業進出補助金です。
新市場への進出に必要な設備投資や建物費など、まとまった投資を対象にできる点が特徴です。
働き方改革と並行して事業の柱を増やしたい企業は、検討する価値があります。
ものづくり補助金(革新的新製品・サービス枠)
革新的な製品やサービスの開発に取り組む中小企業を対象とするのが、ものづくり補助金の革新的新製品・サービス枠です。
試作品開発や生産プロセス改善のための機械装置・システム構築費などに幅広く活用できます。
開発型の投資を計画している企業に適した選択肢です。
中小企業省力化投資補助金
人手不足への対応を進めたい企業には、中小企業省力化投資補助金が役立ちます。
省力化に資する機器やロボットなどの導入を支援し、生産性向上と労働環境の改善を同時に実現できる制度です。
テレワーク環境の整備とあわせて業務効率化を図る際の有力な選択肢となります。
小規模事業者持続化補助金
従業員数の少ない小規模事業者が販路開拓に取り組む際に使いやすいのが、小規模事業者持続化補助金です。
チラシ作成やウェブサイト整備、店舗改装など、身近な販促活動の経費を支援対象にできます。
商工会・商工会議所の支援を受けながら申請できる点も心強いポイントです。
ワーケーション勤務導入奨励金の申請に必要なもの
- 申請に必要な書類一覧と取得方法
- 記載例はどこで確認できるか
申請に必要な書類一覧と取得方法
主な申請書類は、支給申請書(様式第1号)と誓約書(様式第2号)です。
各様式はJグランツの公募詳細ページおよび東京しごと財団の募集要項ページからダウンロードでき、誓約書は電子申請の場合でも署名が必須です。
このほかに必要な添付書類は募集要項に定められているため、申請前に必ず確認してください。
記載例はどこで確認できるか
申請書類の記載方法は、「募集要項(電子申請の手引き)」で確認できます。
最新の手引きや様式は東京しごと財団の募集要項ページで公開されています。
不明点があれば、テレワーク定着支援係へ電話で確認するのが確実です。
ワーケーション勤務導入奨励金の採択率を上げる事業計画書の作り方
- 市場性を具体的に書く
- 差別化ポイント(自社と他社の違い)を明確に記載
- この制度を利用する必要性・重要性を記載
- 実行体制を明記する
市場性を具体的に書く
本制度は要件審査型の奨励金ですが、申請書類では自社の事業環境を的確に伝えることが審査を円滑に進める鍵になります。
自社の業種における人材確保の状況や、柔軟な働き方へのニーズを具体的な事実として整理して記載しましょう。
差別化ポイント(自社と他社の違い)を明確に記載
ワーケーション勤務規定をどのような内容にするかは、企業ごとに個性が表れる部分です。
自社の勤務実態に合わせた対象者の範囲や勤務場所の考え方を、他社の雛形の写しではなく自社の言葉で設計することが大切です。
この制度を利用する必要性・重要性を記載
なぜ今ワーケーション勤務の規定整備が自社に必要なのかを明確にしておくと、社内の合意形成も進めやすくなります。
従業員の定着・採用・生産性への効果と結び付けて、制度導入の目的を言語化しておきましょう。
実行体制を明記する
支給決定日から3か月以内に規定整備と勤務実施の両方を完了させる必要があるため、実行体制の計画が重要です。
規定整備の担当者、ワーケーション勤務を実施する従業員、実績報告の作成担当をあらかじめ決めてスケジュールに落とし込みましょう。
ワーケーション勤務導入奨励金の申請手順
- 募集要項・支給要綱を確認し、自社が要件を満たすか確認する
- 支給申請書(様式第1号)・誓約書(様式第2号)等の書類を準備する
- Jグランツによる電子申請(推奨)または郵送で支給申請を行う
- 支給決定通知を受け取る
- 支給決定日から3か月以内にワーケーション勤務規定を整備し、対象者がワーケーション勤務を実施する
- 「テレワーク東京ルール」実践企業宣言に登録する
- 支給決定日から4か月以内(取組期間終了後1か月以内)に実績報告書を提出する
- 審査を経て奨励金10万円が支給される
ワーケーション勤務導入奨励金を自社で申請する際の注意点
まず、支給申請日時点でワーケーション勤務規定が既に整備されている場合は対象外となるため、申請のタイミングと社内規定の状況を必ず突き合わせてください。
次に、支給決定日から3か月以内の取組実施と4か月以内の実績報告という期限は厳格に管理する必要があり、遅れると奨励金を受け取れなくなるおそれがあります。
電子申請であっても誓約書には署名が必須である点や、差戻しとなった申請はマイページの正しい手順で編集しないと申請フォームが重複してしまう点にも注意が必要です。
最後に、実績報告までに労働基準監督署への規定の届出や実践企業宣言の登録といった付随手続きが必要になるため、全体のタスクを一覧化して抜け漏れを防ぎましょう。
自社に申請ノウハウが無い場合は専門家に依頼するのもおすすめ
- 制度選定の精度が上がる
- 事業計画の質が上がる
- 採択後の実務まで見据えられる
制度選定の精度が上がる
補助金・助成金は国や自治体ごとに数多く存在し、自社に最適な制度を見極めるのは容易ではありません。
社会保険労務士や中小企業診断士などの専門家に相談すれば、本奨励金と併用できる制度や、より自社に合う支援策を横断的に提案してもらえます。
事業計画の質が上がる
規定の整備には労働法務の観点からのチェックが欠かせません。
専門家の関与により、就業規則との整合性が取れた実効性のあるワーケーション勤務規定を短期間で作り上げることができます。
採択後の実務まで見据えられる
奨励金は支給決定後の取組実施と実績報告まで完了して初めて受け取れます。
労働基準監督署への届出や実績報告書の作成といった支給決定後の実務まで含めて伴走してもらえる点が、専門家に依頼する大きな利点です。
ワーケーション勤務導入奨励金を不正受給するとどうなるのか
- 支給決定の取消し・返還請求に加え企業名が公になるおそれ
- 従業員や取引先からの情報提供で発覚する可能性
支給決定の取消し・返還請求に加え企業名が公になるおそれ
虚偽の申請や実態のない取組で奨励金を受け取った場合、支給決定の取消しと支給済み奨励金の返還を求められることになります。
公的資金を扱う制度では、悪質な不正に対して事業者名等が公表される取り扱いが一般的であり、企業の信用に深刻なダメージを与えます。
東京しごと財団や東京都の他の支援制度の利用にも影響が及ぶ可能性があるため、絶対に避けるべき行為です。
従業員や取引先からの情報提供で発覚する可能性
不正受給は、書類審査や実績報告の確認だけでなく、社内外からの情報提供をきっかけに明らかになるケースもあります。
実際にはワーケーション勤務を実施していないのに実施したと報告するような行為は、従業員自身が事実を知っているため隠し通すことはできません。
規定の整備と勤務の実施を確実に行い、事実に基づいた実績報告を徹底しましょう。
ワーケーション勤務導入奨励金のまとめ
令和8年度ワーケーション勤務導入奨励金は、都内の中堅・中小企業等がワーケーション勤務規定を新たに整備し、従業員が実際に勤務を実施した場合に10万円が定額支給される制度です。
申請受付は令和9年2月26日までで、電子申請が推奨されています。
支給決定日から3か月以内の取組実施、4か月以内の実績報告、「テレワーク東京ルール」実践企業宣言への登録といった期限・要件の管理が受給の鍵となります。
最新の要件や様式はJグランツの公募詳細ページおよび東京しごと財団の公式サイトで必ず確認のうえ、余裕を持って申請を進めてください。
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