東京都の介護休業取得応援奨励金|令和8年度の対象要件と申請受付期限日の調べ方【最大145万円】

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東京都内で従業員が介護休業を取得した中小企業に対し、公益財団法人東京しごと財団が支給しているのが「介護休業取得応援奨励金」です。令和8年度は令和8年4月1日に募集が始まり、令和8年7月1日からはJグランツによる電子申請の受付も始まっています。

この奨励金は、事業計画を審査して採否を決める補助金とは異なり、要件を満たせば定額が支給される仕組みです。一方で、申請できるのは1事業者につき一事業年度に1回(1名分)だけで、申請受付期限日も対象従業員ごとに1日単位で決まっています。制度の存在を知っていても、この2点を見落とすと申請できません。

本記事では、令和8年度の募集要項(電子申請版)・支給要綱・申請受付期限日一覧といった公式資料をもとに、自社と対象従業員が要件を満たすか、いくら受け取れるか、いつまでに何を提出するかを判断できるように整理しています。

  1. 東京都の介護休業取得応援奨励金の基本情報
  2. 令和8年度は受付中|自社の申請受付期限日を先に確認する
    1. 「職場復帰日」は介護休業終了日の翌日で数える
    2. 2026年8月時点で申請できるのは、介護休業終了日が令和8年3月10日〜5月7日の従業員
    3. 介護休業終了日が令和8年12月31日以降だと令和8年度は申請できない
    4. 予算に達した場合は期間内でも受付が終了する
  3. 申請できるのは1事業者につき年1回・1名分だけ
    1. 同一代表者の別法人・合併・分割で設立した企業も同じ1社として扱われる
    2. 対象者が複数いる場合、どの従業員で1回分を使うかを決める材料
  4. 自社が支給対象事業者に当たるかを確認する
    1. 対象になる企業等の形態と、対象にならない団体
    2. 「常時雇用する従業員300人以下」「都内勤務2名以上」の数え方
    3. 労働関係法令の7項目と、就業規則の労基署届出
    4. 都内で実質的に営業していることを示す書類を求められる場合がある
  5. 対象従業員に当たるかを確認する
    1. 介護休業開始前に6か月以上の雇用保険加入が必要(遡及加入・転籍の扱い)
    2. 「合計15日以上」の数え方
    3. 「原職復帰」と認められる条件
    4. 代表者の三親等内の親族は対象外
    5. テレワーク・派遣・請負・在籍出向で働く従業員の都内勤務の扱い
  6. 「法を上回る取組」の就業規則整備でつまずきやすいポイント
    1. ア〜エのいずれかを令和8年4月1日以降に整備する
    2. 「会社が認めた場合」など条件を付けると認められない
    3. 上乗せと引き換えに不利益変更をすると認められない
    4. 新規程と旧規程を同じ日に届け出ると認められない
  7. 支給額と加算額を計算する
    1. 基本額は介護休業の合計日数で決まる
    2. 加算①と加算②は両方実施しても合計50万円
    3. 計算例:27.5万円のケースと145万円のケース
    4. 加算②は同僚への応援手当が合計20万円以上必要
  8. 申請受付期限日から逆算した準備の進め方
    1. 原職復帰3か月の間に非就労日があると、申請できる期間が短くなる
    2. GビズIDプライムが間に合わない場合は郵送申請に切り替える
    3. Jグランツの申請が完了していても、郵送書類が期限日に届かなければ対象外
  9. 申請に必要な書類と、提出先の分かれ方
    1. Jグランツで提出する書類と郵送で提出する書類
    2. 加算を申請する場合に追加で必要になる書類
    3. 様式・記入例のダウンロード先
  10. 支給決定後の手続きと、返還を求められる場合
    1. 支給決定から振込までの流れ
    2. 関係書類は5年間保存し、立入調査に応じる必要がある
    3. 支給決定の取消しと、違約加算金・延滞金
  11. 他制度との併用と、あわせて確認したい支援
    1. 同一の事由で国・都・区市町村の助成金を受けると支給されない
    2. 本事業に取り組む企業は「女性活躍推進融資」の対象になる
    3. 都内区市町村の両立支援制度と、東京都の関連奨励金
  12. 東京都の介護休業取得応援奨励金のまとめ

東京都の介護休業取得応援奨励金の基本情報

制度名令和8年度 介護休業取得応援奨励金
実施機関公益財団法人東京しごと財団(東京都産業労働局と連携)
対象地域東京都
対象事業者都内で事業を営む中小企業等・個人事業主(常時雇用する従業員300人以下、都内勤務の常時雇用従業員2名以上を6か月以上継続雇用)
対象となる取組対象従業員が合計15日以上の介護休業を取得し、原職復帰後3か月継続勤務。あわせて令和8年4月1日以降に育児・介護休業法を上回る内容を就業規則へ整備
支給額介護休業の合計15日以上で27.5万円、合計31日以上で55万円
加算加算①30万円/加算②30万円(①②の両方でも合計50万円)/加算③20万円/加算④20万円。最大145万円
事業実施期間令和8年4月1日〜令和9年3月31日(予算超過で期間内でも受付終了)
申請受付期間対象従業員ごとに個別。原職復帰後3か月が経過する日の翌日から2か月以内
申請回数1事業者につき一事業年度に1回(1名分)
申請方法Jグランツ+一部郵送(GビズIDプライムが必要)、または全書類を郵送。来所持参は不可
問い合わせ先東京しごと財団 企業支援部 雇用環境整備課 育児介護支援係(03-5211-2399/平日9時〜17時、12時〜13時を除く)
出典令和8年度介護休業取得応援奨励金 募集要項・電子申請版(令和8年7月1日版)、介護休業取得応援奨励金支給要綱(令和8年6月19日改正・令和8年7月1日施行)

令和8年度は受付中|自社の申請受付期限日を先に確認する

令和8年度の事業実施期間は令和8年4月1日から令和9年3月31日までです。ただし本奨励金には全社共通の締切がなく、対象従業員1人ごとに受付開始日と受付期限日が決まります。まずここを確定させないと、要件を満たしていても間に合いません。

「職場復帰日」は介護休業終了日の翌日で数える

財団が公表している「申請受付期限日一覧」には、本奨励金における職場復帰日は介護休業終了日の翌日であり、実際の職場出勤日や勤務再開日とは関係しないと明記されています。介護休業が土曜日に終わって出社は月曜日からだった場合でも、起点は日曜日です。

その職場復帰日から3か月が経過する日の翌日が受付開始日、そこから2か月後が受付期限日です。ここでいう1か月は「4月1日〜4月30日」「4月15日〜5月14日」のように、起点となる開始月日から翌月同日の前日までを指すと定義されています。期限日が土日祝日・年末年始に当たる場合は、その前の最短営業日が期限日に前倒しされます。

2026年8月時点で申請できるのは、介護休業終了日が令和8年3月10日〜5月7日の従業員

公式の「申請受付期限日一覧」(令和8年4月1日版)を本記事の更新時点である2026年8月8日で読むと、原職復帰後3か月の間に非就労日がなかった場合、次の範囲が受付中に当たります。

介護休業終了日職場復帰日受付開始日受付期限日
令和8年3月9日令和8年3月10日令和8年6月10日令和8年8月7日(終了済み)
令和8年3月10日令和8年3月11日令和8年6月11日令和8年8月10日
令和8年5月7日令和8年5月8日令和8年8月8日令和8年10月7日
令和8年5月8日令和8年5月9日令和8年8月9日(受付前)令和8年10月8日

つまり介護休業終了日が令和8年3月9日以前の従業員は、令和8年度の申請期限を過ぎています。逆に令和8年5月8日以降に介護休業が終わった従業員は、まだ受付開始前です。自社の対象従業員がどこに当てはまるかは、必ず財団の「申請受付期限日一覧」で1日単位で確認してください。

なお募集要項には「申請受付期限日を経過した場合、いかなる理由があっても受付できません」と記載されています。

介護休業終了日が令和8年12月31日以降だと令和8年度は申請できない

申請受付期限日一覧の末尾には、介護休業終了日が令和8年12月31日以降は申請不可と明記されています。復帰後3か月の確認期間を置くと、受付開始日が事業実施期間の終わりである令和9年3月31日を越えてしまうためです。支給要綱第7条でも、申請期間は「原職復帰3か月経過後2か月以内」または「令和9年3月31日」のいずれか早い日までと定められています。

これから介護休業に入る従業員で令和8年度中の申請を目指すなら、介護休業を令和8年12月30日までに終える必要があります。

予算に達した場合は期間内でも受付が終了する

支給要綱第7条第2項は、東京都の出えん金により財団が創設した基金の予算執行状況によって、申請受付を終了した日または予算が全額執行された日のいずれか早い日までとする、と定めています。財団の制度ページにも「予算の範囲を超えた場合は、申請受付期間内でも受付を終了します」と記載があります。受付期限日まで余裕があっても、受付開始日を過ぎたら早めに提出するのが安全です。

申請できるのは1事業者につき年1回・1名分だけ

募集要項「3.申請回数」には、奨励金の申請は一奨励事業者に対し一事業年度(令和8年4月1日〜令和9年3月31日)に1回(1名分)までと明記されています。支給要綱第8条も同じ内容を定めています。介護休業を取得した従業員が2人いても、令和8年度に申請できるのは1人分です。

同一代表者の別法人・合併・分割で設立した企業も同じ1社として扱われる

募集要項では、次の場合を同一企業とみなして重ねての申請を認めていません。

  • 同一代表者からの申請(別法人格であっても同一企業等からの申請とみなされる)
  • 吸収合併等で令和8年度奨励金をすでに受給した企業の事業を引き継いだ企業からの申請
  • 令和8年度奨励金をすでに受給した企業から分割して設立した企業からの申請

支給要綱第8条第4項は、この状況が支給申請後に発覚した場合も同様に扱うと定めています。グループ会社で代表者が同じ場合は、どの法人で申請するかを先に決めておく必要があります。また募集要項の「12.重大な法令違反等がないこと」の欄には、同一代表者の別法人格に重大な法令違反があった場合も支給対象事業者にならないと注記されています。

対象者が複数いる場合、どの従業員で1回分を使うかを決める材料

誰を対象従業員にするかで受給額と提出書類が変わります。公式に定められている条件のうち、判断に直結するのは次の点です。

  • 介護休業(有給の介護休暇を含む)の合計日数が31日以上かどうかで、基本額が27.5万円と55万円に分かれます
  • 加算②の応援手当は、対象従業員の介護休業開始月から復帰月を算定期間として支給されたものが対象です。すでに手当を支給した従業員がいるなら、その人を対象にしないと加算②を使えません
  • 加算④は管理職本人が合計15日以上の介護休業を取得して体験談を社内周知した場合の加算で、対象従業員が管理職の場合も加算④の対象になります
  • 従業員ごとに申請受付期限日が異なるため、期限が先に来る従業員を選ぶと準備期間が短くなります

自社が支給対象事業者に当たるかを確認する

支給要綱第4条と募集要項「4.(1)事業者の要件」は、原則として申請日時点ですべて満たしていることを求めています。

対象になる企業等の形態と、対象にならない団体

本奨励金は業種で対象を絞っていません。絞られているのは法人格の種類です。募集要項が対象として列挙しているのは、会社法上の会社、特例有限会社、弁護士法人・監査法人・税理士法人・行政書士法人・司法書士法人・弁理士法人・社会保険労務士法人・土地家屋調査士法人といった士業法人、法人税法別表第2の公益法人等(医療法人・学校法人・社会福祉法人・NPO法人等を含む)、法人税法別表第3の協同組合等、労働者協同組合、医療法人です。

一方、次に当たるものは上記に該当していても除かれます。

  • 同窓会、同好会等、構成員相互の親睦・連絡・意見交換等を主目的とするもの
  • 特定団体の構成員または特定職域者のみを対象とする福利厚生、相互救済等を主目的とするもの
  • 後援会等、特定個人の精神的・経済的支援を目的とするもの
  • 法人格のない任意団体、政治団体、宗教団体、運営費の大半を公的機関から得ている法人
  • 東京都政策連携団体、事業協力団体、東京都が設立した法人
  • 風俗営業、性風俗関連特殊営業、接客業務受託営業およびこれらに類する事業を行っている事業者

個人事業主も対象ですが、都内税務署へ開業届を提出していることが条件です。

「常時雇用する従業員300人以下」「都内勤務2名以上」の数え方

募集要項は、常時雇用する従業員を次の3つと定義し、登録型派遣労働者を除いています。

  • 期間の定めなく雇用されている労働者
  • 有期雇用の場合、過去1年を超える期間について引き続き雇用されている労働者、または採用の時から1年を超えて引き続き雇用されると見込まれる労働者
  • 日々雇用契約が更新される従業員でも、上記と同じ雇用期間の条件を満たす労働者

「見込まれる」労働者とは、労働契約書等により1年を超える期間まで引き続き雇用契約が締結されている労働者を指すと注記されています。パートタイマーや有期雇用でも、この条件を満たせば人数に含まれます。

そのうえで、都内勤務の常時雇用する従業員(雇用保険被保険者)を2名以上、かつ6か月以上継続して雇用していることが必要です。申請時には、対象従業員を含む都内事業所勤務の2人分が記載された雇用保険事業所別被保険者台帳(発行日から3か月以内)を提出します。全従業員分の提出は求められていません。

労働関係法令の7項目と、就業規則の労基署届出

支給要綱第4条第1項第6号は、労働関係法令についてア〜キのすべてを満たすことを求めています。

  • ア 賃金が東京都の最低賃金額(特定(産業別)最低賃金額)を上回っていること
  • イ 固定残業代等の時間当たり金額が割増賃金に違反せず、固定残業時間の超過分に割増賃金が追加支給されていること
  • ウ 法定労働時間を超えて勤務させる場合、36協定を締結し遵守していること
  • エ 年次有給休暇の年5日取得義務(労働基準法第39条第7項)に違反していないこと
  • オ 時間外労働の上限規制を遵守していること
  • カ その他の労働関係法令を遵守していること
  • キ 厚生労働大臣の指針に基づき、セクシュアルハラスメント等を防止するための措置をとっていること

あわせて、直近年度の都税(法人の場合は法人事業税・法人都民税)を納付していること、申請日の前日から起算して過去5年間に重大な法令違反等がないことが要件です。募集要項は重大な法令違反等を、刑事罰・営業停止処分を受けた場合、労働基準監督署により検察官に送致された場合、消費者庁の措置命令があった場合、およびこれらと同等以上と判断される法令違反と定義しています。

また就業規則を作成して労働基準監督署に届け出ていることが必須で、常時雇用する従業員が10人未満で労働基準法上の届出義務がない事業所であっても、本奨励金の申請にあたっては届出が必要です。審査では労基署の受領印の有無を確認すると明記されています。

都内で実質的に営業していることを示す書類を求められる場合がある

募集要項は、都内に本店登記や支店の事業所があるだけでなく、都内の事業所で実質的に営業していることを求めています。実質的に営業しているとは、単に建物があるだけでなく、客観的にみて事業活動が行われていることを指し、申請書・ホームページ・看板や表札・電話連絡時の状況・営業実態・従業員の雇用状況等から総合的に判断されるとしています。

事業活動の実態確認のため、閉鎖事項証明書、代表者や関連会社以外との契約書、取引相手から発行された請求書・領収書・納品書、雇用保険適用事業所設置届(事業主控)と雇用保険事業所非該当承認通知書、労働保険一括認可等通知書などの提出を求められる場合があります。

対象従業員に当たるかを確認する

企業側の要件を満たしても、介護休業を取得した従業員が「対象従業員」の要件を外れると申請できません。ここが最も判断に迷いやすい部分です。

介護休業開始前に6か月以上の雇用保険加入が必要(遡及加入・転籍の扱い)

対象従業員は、雇用保険の被保険者として介護休業開始前に6か月以上継続して雇用されており、奨励金の支払い完了までその状況が継続すると見込まれることが条件です。募集要項は、1週間の所定労働時間が20時間以上で31日以上の雇用見込みがあることを前提とし、本奨励金に申請するにあたり遡及して雇用保険に加入している場合は、原則として申請要件を満たさないとしています。

転籍者の場合、雇用保険被保険者資格取得等確認通知書により転籍前の企業から加入期間が引き継がれている(ハローワークで同一事業主の手続きを行っている)ことが確認できるときに限り対象になります。転籍前の企業で加入資格を喪失し、新たに加入し直している場合、前後の期間を合算して6か月を満たすことはできません。

あわせて、介護休業開始1か月前の時点で都内の事業所に勤務し、奨励金の支払い完了までその状況が継続すると見込まれることも必要です。

「合計15日以上」の数え方

日数の数え方には、この制度固有のルールがいくつかあります。

  • 合算できるのは、申請する介護休業開始日から1年以内に取得した介護休業です
  • 分割取得していても、同一の対象家族に係る介護休業は合算できます。異なる家族の介護休業は合算できません
  • 有給の介護休暇も含められますが、就業規則に規定し労働基準監督署に届け出ていることが条件です。対象家族が1人なら年5日、2人以上なら年10日(就業規則でこれを超える日数を定めていればその日数)が上限です
  • 介護休暇を時間単位で複数回取得した場合は、取得時間を合算して対象従業員の1日の所定労働時間に達したときに1日と数えます
  • 介護休業中に労使合意に基づいて働いた「一時就労」の日数は介護休業日数に含めません。副業を行っている場合は、副業先と申請企業の就労日数を合算した日数が一時就労日数になります
  • 同一の家族について合算できる日数が93日を超える場合は、就業規則に規定された日数が上限になります

対象家族の範囲は、配偶者(事実婚を含む)、父母、子、祖父母、兄弟姉妹、孫、配偶者の父母です。要介護状態とは、負傷・疾病または身体上もしくは精神上の障害により、2週間以上の期間にわたり常時介護を必要とする状態を指します。障害児・者や医療的ケア児・者も対象になりますが、乳幼児の通常の成育過程において日常生活上必要な便宜を供与する場合は含まれません。申請時には、医師の診断書、介護休業給付金支給決定通知書、介護保険の認定証、ケアプランなどの公的書類で介護状態を確認されます。

「原職復帰」と認められる条件

単に職場に戻っただけでは原職復帰と認められません。募集要項はア〜キのいずれにも該当する状態を求めています。

  • 介護休業前に就いていた部署と同一の部署(○○部△△課■■係であれば■■係のような最小単位の所属先)に復帰していること
  • 介護休業前と同一の事業所に復帰していること
  • 復帰後の職制上の地位が休業前より下回っていないこと
  • 復帰後の労働時間が変更されていないこと
  • 復帰後の給与が休業前の給与より下回っていないこと
  • 無期雇用だった労働者が復帰後に有期雇用等として新たに雇用契約を締結している場合や給与形態が変更されている場合は、本人の希望であっても原職復帰と認められないこと
  • 復帰後に在宅勤務とする場合は、個別の取り決めではなく事業所の在宅勤務規程を整備し、業務日報等で勤務日・始業終業時刻が確認できること

労働時間と給与については、就業規則等に規定のある介護のための短時間勤務制度の利用や、男女雇用機会均等法第13条第1項に基づく勤務時間の短縮措置による変更は例外として認められています。部署についても、厚生労働省編職業分類の中分類が異ならない職務への復帰や、事業所・所属部署の閉鎖により同一の中分類の職務がなくなった場合で、職務の変更に客観的合理性が認められるときは例外があります。

さらに、原職復帰後3か月の期間の全日が本奨励金でいう就労日に該当し、その期間内に現に勤務(テレワーク勤務を含む)していることが必要です。

代表者の三親等内の親族は対象外

支給要綱第4条第1項第15号により、対象従業員は申請企業等の代表者の三親等内の親族であってはなりません。ここでいう三親等内の親族は、民法第725条に規定する三親等以内の血族、配偶者、姻族を指します。家族経営の企業では、介護休業を取得した従業員が代表者の親族に当たらないかを先に確認しておく必要があります。個人事業主本人の休業も対象になりません。

テレワーク・派遣・請負・在籍出向で働く従業員の都内勤務の扱い

「都内事業所に勤務」の判定には、働き方ごとに具体的な条件が示されています。

  • 都内事業所に通勤し、その事業所で実際に業務に従事している場合
  • 都内事業所の指揮命令の下でフルテレワーク勤務を行っている場合。ただし対象従業員が都内事業所の通勤圏外に居住しているときは、その通勤圏内に都外事業所が存在しないこと
  • 登記事業目的に労働者派遣事業が明記されている事業者で、派遣先(顧客先)に就労している場合。通勤圏についての条件は上記と同じ
  • 業務委託または請負契約に基づき顧客先で就労している場合。通勤圏についての条件は上記と同じ
  • 在籍出向により出向先で就労している場合。ただし出向契約書・覚書と、対象従業員に労働条件を明示した出向同意書等の両方を提出できること

これらに当てはまらない働き方は、雇用契約書・労働条件通知書・通勤定期券の写し等と、従事する職種や職務内容を踏まえて審査の過程で判断されます。

「法を上回る取組」の就業規則整備でつまずきやすいポイント

本奨励金では、介護休業の取得実績に加えて、育児・介護休業法に定める制度を上回る取組を令和8年4月1日以降に就業規則へ整備したことが必須要件です。財団は「法を上回る取組NG例」というPDFを別途公開しており、そこに書かれた不備が申請可否を分けます。

ア〜エのいずれかを令和8年4月1日以降に整備する

取組法定水準上回る規定の例
ア 介護休業期間の延長対象家族1人につき通算93日通算100日、通算200日など具体的な日数を設定する
イ 介護休業の取得回数の上乗せ通算93日を3回まで分割4回、5回など3回を超える回数を設定する
ウ 介護休暇の取得日数の上乗せ対象家族1人なら年5日、2人以上なら年10日1人の場合6日以上かつ2人以上の場合11日以上を設定する
エ 中抜けありの時間単位の介護休暇導入始業時刻または終業時刻に連続した時間単位取得就業時間中に連続しない中抜け取得も可能と明記する

ウについては、NG例で「1人の場合と2人以上の場合、いずれについても取得日数を上回る必要があります」と示されています。どちらか一方だけを上乗せしても要件を満たしません。

また、すでに法を上回る規定がある場合は、そこからさらに上回る取組が必要です。旧規程で法令を条件付きで上回っていた場合に、その条件を削除しただけでは上回りポイントが変更されていないため認められません。

「会社が認めた場合」など条件を付けると認められない

NG例でくり返し挙げられているのが、条件付きの規定です。「ただし、会社が認めた場合には通算100日まで介護休業を取得することができる」といった書き方は、該当するすべての従業員が利用できる状態になっていないため認められません。「家族の状態により」「家庭の事情により」「勤務状況により」といった条件も同様です。

あわせて、法を上回る規定を置いても、他の条件によって制度を利用できる従業員が法令より制限されている場合は認められません。NG例では、介護休業期間を100日に延長しながら、有期雇用労働者の申出要件を「100日経過日から6か月」としてしまい、法定(93日経過日から6か月)より厳しくなっている規定が不可の例として挙げられています。

エの中抜けについては、「介護休暇は時間単位で取得することができる」とだけ書いても、中抜けを認めることが読み取れないため認められません。新旧の就業規則を見比べればわかる、という状態も不可とされています。

上乗せと引き換えに不利益変更をすると認められない

支給要綱第4条第1項第16号は、法を上回る取組を規定しても、ア〜エについて規定前の条件を下回る改訂を含む場合は認めないと定めています。NG例では、介護休暇の日数を5日から6日、10日から11日へ上乗せする一方で、それまで有給だった介護休暇を無給に変更した規定が不可の例として示されています。賞与の算定で、規定前は出勤したものとみなしていた取扱いを規定後に控除対象とする場合も同じ扱いです。

新規程と旧規程を同じ日に届け出ると認められない

申請では、法を上回る取組を整備した最新の就業規則(新規程)と、整備する前の就業規則(旧規程)の両方を提出します。募集要項は、新旧両方について労基署受領印の日付と施行日を確認するとしたうえで、新旧同日の届出日は不可と明記しています。

NG例の前提欄では、就業規則の施行日と労働基準監督署の届出印がともに令和8年4月1日以降であることが必要とされています。改訂箇所のページだけを労基署に届け出て本体を変更していないものも認められません。本則とは別に育児・介護規程を定めている場合は、本則とあわせて別規程も提出します。

支給額と加算額を計算する

基本額は介護休業の合計日数で決まる

支給要綱第5条により、基本額は次の2段階です。補助率の設定はなく、経費の実支出額を証明する必要もありません。

介護休業(有給の介護休暇を含む)の合計日数支給額
合計15日以上27.5万円
合計31日以上55万円

加算①と加算②は両方実施しても合計50万円

加算は4種類あります。支給要綱第6条第2項により、加算①と加算②の両方に取り組んだ場合の加算額は30万円×2の60万円ではなく、合計50万円です。

加算取組内容加算額
加算①同僚への応援評価制度・表彰制度の整備と介護休業応援プランシートの作成30万円
加算②同僚への応援手当支給と介護休業応援プランシートの作成30万円
加算①+②①②の両方を実施した場合合計50万円
加算③介護離職防止のための雇用環境整備(研修の実施/相談体制の整備/利用事例の収集・提供/取得・利用促進に関する方針の周知)を令和8年4月1日以降・申請日までに2つ以上実施20万円
加算④管理職が合計15日以上の介護休業を取得し、復帰後に体験談を社内周知20万円

加算③の4項目は、令和7年4月1日施行の育児・介護休業法改正で「いずれか1つ以上」の実施が義務化されたものです。本奨励金では2つ以上の実施が加算の条件になります。加算④の体験談は、介護休業中の過ごし方、両立にあたって感じた課題や工夫、今後取得する可能性のある従業員へのメッセージなど、経験に基づく内容が想定されており、介護休業を取得した事実だけを共有したものは体験談に含まれません。

なお支給要綱第6条第3項・第4項により、令和7年度の本奨励金や、財団の他の奨励金の加算項目で同一の目的・同一の取組により加算を受給している場合、その取組について重ねて加算を受けることはできません。

計算例:27.5万円のケースと145万円のケース

以下はいずれも支給要綱第5条・第6条に基づく計算例であり、実際に支給を受けた企業の事例ではありません。

  • 介護休業を合計20日取得し、加算の取組は行っていない場合 → 27.5万円
  • 介護休業を合計35日取得し、加算③(研修と相談窓口設置)のみ実施した場合 → 55万円+20万円=75万円
  • 介護休業を合計35日取得し、加算①と加算②の両方を実施した場合 → 55万円+50万円=105万円
  • 介護休業を合計35日取得し、加算①②③④のすべてを実施した場合 → 55万円+50万円+20万円+20万円=145万円

加算②は同僚への応援手当が合計20万円以上必要

加算②は、対象従業員を支えた同僚に対し合計20万円以上の応援手当を支給し、介護休業応援プランシートを作成した場合が対象です。募集要項が定める条件は次のとおりです。

  • 算定期間は、対象従業員の介護休業開始月から復帰月まで
  • 応援手当は労働時間に応じて支給されるものではなく、代替する職務内容を評価するものであること
  • 対象となる同僚は、対象従業員と同じ所属で業務を代替し、全員が雇用保険に加入していること
  • 部署単位で支給する場合も、最終的に同僚1人1人に応援手当が支給されていること
  • 介護休業応援プランシートに記載された同僚と、応援手当の支給対象になった同僚が一致していること
  • 応援手当の名称・対象者・金額・算出方法・支払方法・支払時期などを就業規則に規定し、令和8年4月1日以降に労基署へ届け出ていること

支給実態は賃金台帳(給与明細は不可)で確認され、応援手当の支払開始前1か月分から支払後1か月分までを提出します。加算①の表彰制度についても、令和8年4月1日から申請日までに就業規則へ規定し労基署へ届け出ていることが必要です。財団は「表彰制度規定例・応援手当規定例」というPDFを公開しているので、条文を作る際はそちらを参照してください。

申請受付期限日から逆算した準備の進め方

原職復帰3か月の間に非就労日があると、申請できる期間が短くなる

受付開始日は「原職復帰3か月の間に非就労日がない場合」の日付です。復帰後3か月の期間に欠勤・慶弔休暇・会社独自の休日といった非就労日を含む場合は、その日数分を就労日で充足した翌日が受付開始日になります。一方で受付期限日は変わらないため、その日数分だけ申請できる期間が短くなります

募集要項に載っている例では、介護休業期間が令和8年5月1日〜5月22日、原職復帰確認期間が5月23日〜8月22日の場合、本来の申請受付期間は8月23日〜10月22日の2か月間です。ここで復帰後3か月の間に5日間の欠勤があると、実際の申請受付期間は8月28日〜10月22日となり、5日分短くなります。

なお、非就労日が10日以上連続する場合は、その間に休日や休暇・休業に当たる日が含まれていても就労日には該当しないと注記されています。

GビズIDプライムが間に合わない場合は郵送申請に切り替える

Jグランツでの電子申請にはGビズIDプライムが必要です。デジタル庁のGビズID運用センターによる審査があり発行まで時間がかかりますが、募集要項は「GビズIDの発行が間に合わないことに伴う申請期日の猶予は想定しておりません」と明記しています。

アカウントを取得できない場合は、財団が別に公開している「募集要項・郵送申請版」に従い、すべての書類を郵送で申請します。受付期限日が迫っていてIDが間に合わないと判断した時点で、郵送申請に切り替える判断が必要です。

Jグランツの申請が完了していても、郵送書類が期限日に届かなければ対象外

電子申請を選んでも、個人情報保護等の観点から一部の書類は郵送で提出します。募集要項は、申請受付期限日までにJグランツでの申請が完了していても、郵送書類が期限日までに到着しなかった場合は奨励対象外になると明記しています。

郵送は必着で、追跡可能な記録が残る簡易書留・レターパック等を使い、封筒に「介護休業取得応援奨励金 電子申請書類在中」と記載します。「電子申請における郵送書類チェックリスト」を同封する必要があり、Jグランツで申請した後に付与される10桁の申請番号を取得してから速やかに郵送する流れです。申請書類の到着有無の問い合わせには一切応じられないとされているため、Jグランツのマイページと郵便の追跡番号で自ら確認します。来所による持参提出は受け付けられません。

提出先は〒102-0072 東京都千代田区飯田橋3-8-5 住友不動産飯田橋駅前ビル11階 公益財団法人東京しごと財団 企業支援部 雇用環境整備課 育児介護支援係です。

申請に必要な書類と、提出先の分かれ方

Jグランツで提出する書類と郵送で提出する書類

電子申請の場合、申請時の提出書類は次のように分かれます。

提出方法主な書類
Jグランツ支給申請書(様式第1号)/誓約書(様式第2号)/事業所一覧(参考様式)/会社案内または会社概要/商業・法人登記簿謄本または開業届/代表者の住民票(個人事業主のみ)/直近の水道光熱費の領収書や賃貸借契約書(該当する場合)/事業税納税証明書/住民税納税証明書
郵送電子申請における郵送書類チェックリスト/雇用保険事業所別被保険者台帳/都内勤務者であることが確認できる書類(該当する場合)/対象従業員の住民票/対象従業員と対象家族の関係がわかる書類/介護休業の申出書(社内様式)/対象家族の介護状態の事実を確認できる書類/対象従業員のタイムシート等/対象従業員の賃金台帳/最新の就業規則一式(新規程)/規定改定前の就業規則(旧規程)/出向に関する書類(該当する場合)/旧姓等氏名確認書類(該当する場合)

タイムシートと賃金台帳は、介護休業開始前1か月から介護休業期間を経て復帰後3か月までの全期間分が必要です。タイムカードやICカード、PCの使用時間の記録など客観的に出退勤がわかるものに限られ、申請のために作成したものは認められません。登記簿謄本・住民票・雇用保険事業所別被保険者台帳は発行日から3か月以内のものを提出します。

電子ファイルはA4縦・PDF形式で、ファイル名に書類名と企業名を入れる指定があります。郵送書類はA4縦・片面印刷(就業規則とタイムシートのみ両面可)で、ステープル留めやファイリングはしません。取り消し線・訂正印・修正テープで訂正した資料は受付不可、消えるボールペンでの記入も不可です。署名が必要な書類に電子署名は無効とされています。

加算を申請する場合に追加で必要になる書類

  • 加算①:様式第1号別紙加算①(Jグランツ)、介護休業応援プランシート(郵送)、表彰制度を記載した就業規則(郵送)
  • 加算②:様式第1号別紙加算②(Jグランツ)、介護休業応援プランシート(郵送・加算①で提出済みなら不要)、応援手当を記載した就業規則(郵送)、応援手当支給対象となる同僚の賃金台帳(郵送)
  • 加算③:様式第1号別紙加算③と、2つ以上実施した雇用環境整備の実施日・実施内容がわかる資料(いずれもJグランツ)
  • 加算④:様式第1号別紙加算④(Jグランツ)、組織図(郵送)、管理職の介護休業経験を社内周知した資料(郵送)

様式・記入例のダウンロード先

電子申請の様式は、Jグランツの令和8年度介護休業取得応援奨励金の詳細画面にある「申請様式」からダウンロードします。財団のサイトからダウンロードした様式ではなく、Jグランツ側の様式を使うよう指定されている点に注意してください。募集要項本体・支給要綱・申請受付期限日一覧・法を上回る取組NG例・表彰制度規定例/応援手当規定例は、東京しごと財団の「介護休業取得応援奨励金(電子申請)」ページからダウンロードできます。郵送申請の場合は郵送申請版のページを参照します。

なお、公式Q&Aは本記事の更新時点では「準備中」と表示されています。

支給決定後の手続きと、返還を求められる場合

支給決定から振込までの流れ

書類がすべて揃い内容に不備がないことが確認された時点で正式受領となり、審査に入ります。審査結果はJグランツの決定通知書で通知され、募集要項は審査の経過・結果に関する問い合わせには一切応じられないとしています。決定通知書はいかなる理由があっても再発行できません。

電子申請では、支給決定後にJグランツの所定フォームで振込先金融機関の情報を入力します。奨励金請求書兼口座振替依頼書(様式第6号)と印鑑証明書の郵送提出は不要です。募集要項によると、奨励金の支払いは請求申請を受領してから約1か月程度かかります。振込完了の連絡は行われないため、記帳等で確認します。振込口座の名義が申請時の代表者名と異なる場合は受け付けられません。

申請後に企業等の名称・所在地・申請書に記載の代表者氏名が変わった場合は、登記の変更を完了したうえでまずGビズIDの登録情報を変更し、変更届出書(様式第4号)を提出します。書類不備等で正式受領できなかった場合は、支給申請撤回届出書(様式第5号)を提出して撤回手続きを行えば、再度申請できます。支給決定日以後に撤回する場合は、支給決定通知の受領後14日以内に提出します。不支給決定となった場合は撤回できません。追加書類が提出期限を過ぎた場合や、問い合わせに回答がない場合は辞退したものとみなされます。

関係書類は5年間保存し、立入調査に応じる必要がある

支給要綱第19条により、奨励事業に係る経理について収支の事実を明らかにした証拠書類を整理し、支給決定のあった日の属する会計年度の終了後5年間保存しなければなりません。募集要項も、奨励事業に係るすべての関係書類および帳簿類を完了した会計年度終了後5年間保存すると定めています。

また支給要綱第21条により、財団は奨励事業の実施状況等について書面または立入による調査を行うことができ、通知を受けた場合は応じる必要があります。審査の段階でも、財団への来所、立入調査、対象従業員への状況確認、募集要項に記載のない書類の提出を求められる場合があります。過去に本奨励金や「働くパパママ育業応援奨励金」「働く人の育業応援奨励金」へ申請したことがある場合、その際の提出書類を確認されることもあります。

支給決定の取消しと、違約加算金・延滞金

支給要綱第14条は、偽りその他不正の手段により奨励金の支給を受けたとき、暴力団員等に該当するに至ったとき、申請の要件に該当しない事実が判明したとき、支給決定の内容や条件・法令等に違反したときに支給決定を取り消すと定めています。この規定は奨励金の支払い後にも適用され、不正の内容や申請者、協力した関係者等について公表が行われることがあります。

取消し後は第15条により返還が命じられ、返還期限は命令の日から起算して20日以内です。さらに第16条により、奨励金を受領した日から返還の日までの日数に応じ、年10.95パーセントの割合で計算した違約加算金を納付しなければなりません。納期日までに納付しなかった場合は、同じく年10.95パーセントの延滞金が加わります。募集要項には刑事罰が適用される場合もあると記載されています。

なお募集要項「13.(3)支給決定事業者の公表」では、財団理事長が必要と認めるときに支給決定事業者の名称や取組・成果等をホームページ等で公表することがあるとされています。本記事の更新時点(2026年8月8日)では、財団による令和8年度の支給決定事業者一覧や活用事例の公表は確認できませんでした。

他制度との併用と、あわせて確認したい支援

同一の事由で国・都・区市町村の助成金を受けると支給されない

支給要綱第20条は、奨励金の支給事由と同一の事由により支給要件を満たすこととなる各種補助金等のうち、国・都・区市町村が実施するもの(これらが他の団体等に委託して実施するものを含む)を申請または受給した場合、併給を認めないとしています。申請時の誓約書でこの点を確認されます。

逆にいえば、本奨励金とは別の事由・別の取組に基づく制度であれば併用の余地があります。判断に迷う場合は、申請前に財団(03-5211-2399)へ確認するのが確実です。

本事業に取り組む企業は「女性活躍推進融資」の対象になる

財団の制度ページとTOKYOはたらくネットには、本事業に取り組んでいる中小企業は東京都中小企業制度融資「女性活躍推進融資(TOKYOウィメン・ビズ・サポート)」の対象となり、信用保証料3分の2の補助や利率優遇を受けられると記載されています。奨励金の申請とあわせて確認しておくと、資金調達面の選択肢が増えます。

都内区市町村の両立支援制度と、東京都の関連奨励金

財団の制度ページでは、自治体の関連事業として港区・中央区・新宿区・千代田区・練馬区・八王子市・大田区の両立支援の取組が紹介されています。たとえば新宿区は「パパサポート企業奨励金・介護サポート企業奨励金」を、大田区は「仕事と介護の両立支援コーディネート事業」を実施しています。ただし前述のとおり、同一の事由で区市町村の助成金を受けると本奨励金は支給されないため、どちらを使うかは事前に整理が必要です。

東京都には、育児・介護と仕事の両立を目的とした別の奨励金もあります。テレワークの活用で両立を支える制度については、東京都育児・介護両立テレワーク活用促進奨励金の記事もあわせてご確認ください。

東京都の介護休業取得応援奨励金のまとめ

令和8年度の介護休業取得応援奨励金は、令和8年4月1日から令和9年3月31日までを事業実施期間として受付中です。申請にあたって最初に確認すべきなのは、次の3点です。

  • 対象従業員の介護休業終了日から、自社の受付開始日と受付期限日を確定させる(介護休業終了日が令和8年12月31日以降は令和8年度の申請対象外)
  • 申請できるのは一事業年度に1回・1名分であり、同一代表者の別法人も1社として扱われる
  • 令和8年4月1日以降に、法を上回る取組ア〜エのいずれかを条件なしで就業規則へ規定し、旧規程とは別の日に労基署へ届け出る

支給額は介護休業の合計15日以上で27.5万円、31日以上で55万円、加算①〜④を組み合わせると最大145万円です。加算①と加算②は両方実施しても合計50万円である点は計算時に注意してください。

制度の詳細と最新の要件は、東京しごと財団「介護休業取得応援奨励金」のページ令和8年度募集要項・電子申請版(PDF)で必ず確認してください。自社の申請受付期限日は申請受付期限日一覧(PDF)、就業規則の不備は法を上回る取組NG例(PDF)で確認できます。東京都の事業全体の説明はTOKYOはたらくネットの介護休業取得応援事業のページに掲載されています。