原材料費や光熱費の上昇が続くなかで、経営革新計画や先端設備等導入計画を新しく作り、これから前向きな投資に踏み出そうとしている事業者は少なくありません。
計画づくりには時間も手間もかかりますが、承認や認定を受けたこと自体を評価して現金を交付してくれる自治体の制度があることは、あまり知られていません。
埼玉県川越市が実施している川越市中小企業者等物価高騰対策経営改善支援金は、まさにそうした計画の承認等を受けた市内の中小事業者に対して、使途を限定しない支援金を交付する仕組みです。
交付額は定額の10万円で、令和8年度の申請受付期間は令和8年5月11日から令和9年3月1日まで、郵送または窓口での提出が必要です。
予算の範囲内での交付となるため、上限に達した時点で受付が終わる点にも気を配っておきたいところです。
この記事では、対象となる事業者の条件、交付額の考え方、申請期間と提出方法、必要書類の揃え方までを、川越市の公表資料に沿って整理していきます。
川越市物価高騰対策経営改善支援金の基本情報
| 正式名称 | 川越市中小企業者等物価高騰対策経営改善支援金 |
| 対象地域 | 埼玉県川越市 |
| 実施機関 | 川越市役所 産業観光部 産業振興課(工業振興担当) |
| 対象者 | 市内に事業所を有し、経営革新計画(埼玉県の新規承認)または先端設備等導入計画(川越市の新規認定)を受けた中小事業者等 |
| 対象業種 | 農業・林業、漁業、鉱業・採石業・砂利採取業、建設業、製造業、電気・ガス・熱供給・水道業、情報通信業、運輸業・郵便業、卸売業・小売業、金融業・保険業、不動産業・物品賃貸業、学術研究・専門技術サービス業、宿泊業・飲食サービス業、生活関連サービス業・娯楽業、教育・学習支援業、医療・福祉、複合サービス事業、サービス業(他に分類されないもの) |
| 従業員数の上限 | 制約なし |
| 対象経費 | 使途を特定しない定額の支援金(物価高騰下での経営維持のために交付) |
| その他要件 | 令和8年3月1日以降に新規に計画を策定し承認等を受けていること、市税を滞納していないこと、引き続き市内で事業を継続する意思があること、先端設備等導入計画は賃上げ方針を位置付けて認定を受けた計画であること |
| 対象外 | 過去にこの支援金の交付を受けた事業者、暴力団員または暴力団に関与する事業者、法令および公序良俗に反している事業者 |
| 申請期間 | 令和8年5月11日(月曜)~令和9年3月1日(月曜)必着(予算の上限に達し次第受付終了) |
| 上限金額 | 10万円(計画ごとに一の事業者につき1回のみ) |
| 補助率 | 定額 |
| 申請方法 | 郵送(消印不可・必着)または市役所本庁舎5階産業振興課の窓口持参(平日9時~17時、年末年始を除く) |
| 問い合わせ先 | 川越市役所 産業振興課(〒350-8601 埼玉県川越市元町1丁目3番地1/電話049-224-5934/ファクス049-224-8712) |
補助金・助成金の正式名称
制度の正式な名称は「川越市中小企業者等物価高騰対策経営改善支援金」です。
川越市の公式サイトおよびよくある質問のページでは「令和8年度 川越市中小企業者等物価高騰対策経営改善支援金」として案内されています。
名称に「補助金」ではなく「支援金」と付いているとおり、対象経費に対して一定割合を補助する形ではなく、要件を満たした事業者に定額を交付する仕組みです。
そのため見積書や領収書を集めて経費を積み上げる必要がなく、申請の負担が比較的軽い制度といえます。
対象都道府県・市区町村
対象地域は埼玉県川越市で、市内に事業所を有していることが前提となります。
川越市のよくある質問では、市内に事務所や店舗等があれば本社が他市にある場合でも対象となりうる旨が示されています。
ただし「引き続き市内で事業を継続する意思があること」が要件のひとつですので、申請後に市外へ移転する予定がある場合は事前に市へ確認してください。
なお、経営革新計画の承認を行うのは埼玉県知事、先端設備等導入計画の認定を行うのは川越市長であり、承認と認定で窓口が異なる点も押さえておきましょう。
実施機関
実施しているのは川越市役所で、担当は産業観光部 産業振興課の工業振興担当です。
所在地は〒350-8601 埼玉県川越市元町1丁目3番地1で、窓口は市役所本庁舎の5階に置かれています。
電話番号は049-224-5934、ファクス番号は049-224-8712で、市の専用問い合わせフォームからも照会できます。
計画の策定方法そのものについては、川越市商工会議所をはじめとする支援機関に相談できることも市が案内しています。
対象者(世帯・個人事業主・法人・団体・研究機関)
対象となるのは、経営革新計画を作成して埼玉県から新規の承認を受けた事業者、または先端設備等導入計画を作成して川越市から新規の認定を受けた事業者です。
加えて、市内に事業所を有し引き続き市内で事業を継続する意思があること、市税を滞納していないこと、令和8年3月1日以降に新規に計画を策定して承認等を受けていることという条件が付きます。
先端設備等導入計画で申請する場合は、従業員に対する賃上げ方針を表明し、その方針を計画に位置付けて認定を受けていることが必要です。
暴力団員または暴力団に関与する事業者は対象外とされ、その他法令や公序良俗に反していないことも要件に含まれています。
個人事業主が対象になりうるかどうかは市のよくある質問で個別に説明されていますので、法人以外の形態で事業を営んでいる方は事前に確認しておくと安心です。
対象業種
Jグランツの公募情報では、農業・林業から医療・福祉まで幅広い業種が対象として列挙されており、実質的に業種による絞り込みはありません。
具体的には、漁業、建設業、製造業、電気・ガス・熱供給・水道業、情報通信業、運輸業・郵便業、卸売業・小売業、金融業・保険業、不動産業・物品賃貸業、学術研究・専門技術サービス業、宿泊業・飲食サービス業、生活関連サービス業・娯楽業、教育・学習支援業、医療・福祉、複合サービス事業、サービス業(他に分類されないもの)、鉱業・採石業・砂利採取業が挙げられています。
従業員数の上限も設けられていないため、業種や規模ではなく計画の承認等を受けているかどうかが実質的な入口になります。
自社の業種が対象かどうかで迷う前に、経営革新計画または先端設備等導入計画の要件を満たせるかを検討したほうが近道です。
対象経費
この制度は定額の支援金であるため、補助対象経費という考え方をとりません。
物価高騰の影響を受けている中小企業者が持続可能な経営を維持できるようにすることが目的とされており、交付された10万円の使途は特定されていません。
設備投資費や仕入費の領収書を提出する必要がないため、経費の按分や見積比較といった作業が発生しないのが大きな特徴です。
その代わり、交付の可否は計画の承認等を受けているかどうかという入口の要件で判断されます。
その他要件
重要な要件のひとつが、令和8年3月1日以降に新規に計画を策定し、承認等を受けていることという時期の縛りです。
すでに数年前に承認を受けている計画では要件を満たさないため、この支援金を狙うのであれば計画づくりのタイミングから逆算する必要があります。
また、申請受付期間内に埼玉県知事による承認を受けられなかった場合の扱いについても、市のよくある質問で説明されています。
経営革新計画と先端設備等導入計画の両方を新規に策定する場合、どの程度の期間が必要かという目安も公表されていますので、締切から逆算した工程を組んでください。
市税の滞納がないことは形式的な要件に見えますが、納付状況は市の側で確認されますので、未納がある場合は先に整理しておきましょう。
補助対象外となるもの
まず、過去にこの支援金の交付を受けた事業者は対象外とされています。
交付は経営革新計画および先端設備等導入計画ごとに一の事業者につき1回のみという整理ですので、同じ計画で繰り返し受け取ることはできません。
令和8年3月1日より前に承認等を受けた計画も要件を満たさず、市内に事業所を有していない事業者や市税の滞納がある事業者も申請できません。
暴力団員による不当な行為の防止等に関する法律に規定する暴力団員、または暴力団に関与する事業者も明確に除外されています。
申請期間
令和8年度の申請受付期間は、令和8年5月11日(月曜)から令和9年3月1日(月曜)までです。
西暦にすると2026年5月11日から2027年3月1日までで、Jグランツ上の受付終了日時も2027年3月1日として登録されています。
郵送の場合は令和9年3月1日必着で、消印有効ではない点にくれぐれも注意してください。
また、予算の範囲内での交付となるため、申請額が上限に達した時点で期間内であっても受付が終了します。
計画の承認や認定にも一定の期間を要しますので、年度末ぎりぎりではなく余裕を持った準備が現実的です。
上限金額・助成額
交付額は10万円です。
経営革新計画および先端設備等導入計画ごとに、一の事業者につき1回のみ交付されます。
申請期間中に経営革新計画と先端設備等導入計画の両方の承認等を受けた場合の扱いについては、市のよくある質問に個別の回答が用意されています。
支援金がどのように支払われるか、振込までにどれくらいかかるかについても市が公表していますので、資金繰りに組み込む前に確認しておきましょう。
なお、支援金が課税対象となるかどうかも質問集で扱われている論点ですので、税務処理を担当する方は目を通しておくことをおすすめします。
補助率
補助率は定額です。
経費の何分の一という考え方ではなく、要件を満たした事業者に一律10万円が交付されます。
自己負担割合を計算する必要がないため、事業計画の資金計画に組み込みやすいのがこの形式の利点です。
一方で交付額が固定されているため、大規模な設備投資の原資として期待するのではなく、計画策定にかかった手間への後押しと位置付けるのが実態に合っています。
問い合わせ先
問い合わせ先は川越市役所 産業振興課です。
住所は〒350-8601 埼玉県川越市元町1丁目3番地1、電話番号は049-224-5934、ファクス番号は049-224-8712です。
窓口での受付時間は平日の9時から17時まで(年末年始を除く)で、市役所本庁舎5階の産業振興課が対応します。
申請書類はメール等では受け付けられませんので、提出は必ず郵送または窓口持参で行ってください。
計画の内容そのものに関する相談は、川越商工会議所などの支援機関でも受け付けています。
公式公募ページと確認すべきこと
公募の概要はJグランツの公募詳細ページにまとめられており、申請要領や申請様式のファイルもここから確認できます。
申請要領と申請書のダウンロード、および最新の案内は川越市の公式ページに掲載されています。
最初に確かめたいのは、計画の承認等を受けた日が令和8年3月1日以降かどうか、市内に事業所があることを客観的に示せる書類が手元にあるかどうかの2点です。
判断に迷いやすい論点は川越市が公開しているよくある質問で網羅されていますので、申請前に一読しておくと手戻りを防げます。
なお、この制度はJグランツに掲載されていますが、実際の提出方法は郵送または窓口に限られている点を取り違えないようにしてください。
川越市物価高騰対策経営改善支援金を対象者が活用すべき理由(メリット)
経営革新計画や先端設備等導入計画は、作成するだけでもそれなりの時間と労力がかかる書類です。
それでも作る価値があるのは、税制優遇や金融支援、他の補助金での加点といった副次的な効果が積み重なるからですが、計画づくりそのものに対する直接の見返りは通常ありません。
この支援金は、まさにその計画の承認等を受けたこと自体を評価して10万円を交付する制度ですので、計画策定にかかった実務コストの一部を回収できます。
補助金にありがちな経費の証拠書類の収集や実績報告といった作業がなく、申請の手間が小さいことも見逃せません。
交付された資金の使途が特定されていないため、仕入価格の上昇分に充てるのか、従業員への還元に回すのかを自社の判断で決められます。
経営革新計画の承認や先端設備等導入計画の認定は、それ自体が金融機関や取引先に対する信用の裏付けにもなりますので、支援金と合わせて二重の効果を得られる制度設計です。
川越市物価高騰対策経営改善支援金を申請すべき人とそうでない人の特徴
- 申請すべき人
- 見送ったほうが良い人の特徴
申請すべき人
- 川越市内に事業所を構え、今後も市内で事業を続ける意思がある中小事業者
- 令和8年3月1日以降に経営革新計画を作成し、埼玉県から新規の承認を受けた事業者
- 令和8年3月1日以降に先端設備等導入計画を作成し、川越市から新規の認定を受けた事業者
- 先端設備等導入計画に賃上げ方針を位置付け、従業員へ表明したうえで認定を受けている事業者
- これから計画の策定を検討しており、令和9年3月1日までに承認等を受けられる見込みがある事業者
- 市税の納付状況に問題がなく、滞納がない事業者
- 郵送または市役所窓口での書類提出に対応できる事業者
- 市内で事業を営んでいることを客観的に示す書類を用意できる事業者
見送ったほうが良い人の特徴
- 川越市内に事業所がなく、今後も設置する予定がない事業者
- 令和8年3月1日より前に計画の承認等を受けている事業者
- 過去にこの支援金の交付を受けたことがある事業者
- 先端設備等導入計画の認定は受けたものの、賃上げ方針を計画に位置付けていない事業者
- 市税の滞納があり、申請までに納付の見通しが立たない事業者
- 電子申請のみで手続きを完結させたいと考えている事業者
- 設備投資費や仕入費の実費補填を目的として制度を探している事業者
- 暴力団員または暴力団に関与する事業者に該当する場合
その他にも利用すべき補助金・助成金制度の代表例
- 新事業進出補助金(新事業進出・ものづくり補助金 新事業進出枠)
- ものづくり補助金(革新的新製品・サービス枠)
- 中小企業省力化投資補助金
- 小規模事業者持続化補助金
新事業進出補助金(新事業進出・ものづくり補助金 新事業進出枠)
既存事業とは異なる市場や製品分野へ本格的に乗り出す中小企業を、設備投資の面から支える国の制度です。
経営革新計画で描いた新事業活動をさらに大きな投資として実現したいとき、次の一手として検討する価値があります。
経営革新計画の内容と申請する事業計画の筋を揃えておけば、審査で説明すべきストーリーが一本化されて説得力が増します。
公募回ごとに要件や締切が変わりますので、検討時点の公募要領で最新の条件を確かめてください。
ものづくり補助金(革新的新製品・サービス枠)
技術的な新しさを伴う製品開発やサービス開発と、それを支える設備導入を後押しする制度です。
先端設備等導入計画で入れる予定の機械が、単なる更新にとどまらず新しい加工や品質を生み出すものであれば、こちらの制度も視野に入ります。
先端設備等導入計画の認定を受けていることが加点要素として扱われる公募回もありますので、計画づくりは無駄になりません。
賃上げに関する要件が設けられている場合が多く、社内の給与水準とあわせた判断が求められます。
中小企業省力化投資補助金
人手不足の解消につながる機器やシステムを導入する費用を対象とした、比較的申請しやすい制度です。
物価高騰と同時に人件費の上昇にも直面している事業者にとっては、労働時間の削減が直接コスト改善につながります。
あらかじめ登録されたカタログ製品から選ぶ方式であれば、事業計画の作成負担を抑えたまま申請を進められます。
掲載製品は随時追加や入れ替えが行われますので、検討のたびに公式サイトで最新版を確認しましょう。
小規模事業者持続化補助金
従業員数の少ない事業者が販路開拓に取り組む際に、幅広い経費を対象として使える制度です。
経営革新計画で位置付けた新商品を市場に知らせるためのチラシ、ウェブサイト、展示会出展などが対象になります。
計画づくりで得た支援金を自己負担分に充て、販路開拓の経費は持続化補助金でまかなうという組み立て方も現実的です。
申請には商工会議所または商工会の確認が必要ですので、川越商工会議所へ早めに相談しておくと進めやすくなります。
川越市物価高騰対策経営改善支援金の申請に必要なもの
- 申請に必要な書類一覧と取得方法
- 記載例はどこで確認できるか
申請に必要な書類一覧と取得方法
中心となるのは、川越市中小企業者等物価高騰対策経営改善支援金交付申請書(様式第1号)です。
様式は川越市の公式ページからPDF版とWord版のどちらでもダウンロードでき、窓口でも受け取ることができます。
これに加えて、経営革新計画の承認書または先端設備等導入計画の認定書、市内で事業を営んでいることが確認できる書類、振込先口座が分かる書類などを申請要領に従って揃えます。
市内で事業を営んでいることが確認できる書類が用意できない場合は、社用車の保険証券(法人に限る)、取引先からの注文書や請求書、ホームページなどが代替として認められています。
代替書類はいずれも、法人名(個人の場合は屋号)と事業所の所在地が記載され、市内で事業を営んでいることが客観的に判断できることが条件です。
ネット銀行や通帳レス口座を使っている場合の振込可否についても市が回答を公表していますので、該当する方は事前に確認しておきましょう。
記載例はどこで確認できるか
申請書の記入方法と添付書類の詳細は、川越市の制度案内ページで公開されている申請要領に整理されています。
申請要領には対象者の要件、交付額、申請期間、提出書類が順を追って記載されており、これ一つで全体像を把握できます。
個別の疑問点は市のよくある質問に26項目にわたって整理されていますので、申請要領と併せて目を通すのが確実です。
それでも判断がつかない場合は、産業振興課へ電話または専用フォームで問い合わせてから提出してください。
川越市物価高騰対策経営改善支援金の採択率を上げる事業計画書の作り方
- 市場性を具体的に書く
- 差別化ポイント(自社と他社の違い)を明確に記載
- この制度を利用する必要性・重要性を記載
- 実行体制を明記する
市場性を具体的に書く
この支援金自体は競争型の審査ではなく、要件を満たしているかどうかで交付が決まります。
力を入れるべきなのは、その前提となる経営革新計画や先端設備等導入計画のほうです。
経営革新計画の審査では、新事業活動によって付加価値額や給与支給総額をどれだけ伸ばすかを数値目標で示すことが求められます。
想定する顧客層の規模、単価、購入頻度を具体的な数字で置き、そこから売上計画を積み上げる書き方をすると、目標の根拠が伝わりやすくなります。
差別化ポイント(自社と他社の違い)を明確に記載
経営革新計画で問われるのは、その取組が自社にとって「新事業活動」といえるかどうかです。
同業他社ではすでに一般化している手法であっても、自社にとって新しい取組であれば対象になりうる制度設計になっています。
大切なのは、現在の商品やサービス、生産方式と比べて何がどう変わるのかを、変更前後の対比で明示することです。
技術や設備の名称を並べるだけでなく、その結果として顧客が得る価値がどう変わるかまで書き切ると、計画としての完成度が上がります。
この制度を利用する必要性・重要性を記載
先端設備等導入計画では、労働生産性を年平均3パーセント以上向上させる見込みであることが基本的な要件になっています。
導入する設備がどの工程のどの無駄を減らし、その結果として労働生産性がどう変化するのかを、算式とともに示してください。
支援金の要件でもある賃上げ方針は、計画に位置付けたうえで従業員に表明する必要がありますので、社内での周知方法まで具体化しておきましょう。
物価高騰の影響がどの費目にどれだけ表れているかを実額で示すと、計画の切実さが伝わります。
実行体制を明記する
計画を作って終わりにせず、誰がいつ何を実行するのかを工程表の形にまとめておくことが有効です。
経営革新計画の承認は埼玉県、先端設備等導入計画の認定は川越市と窓口が分かれているため、それぞれの標準的な処理期間を踏まえた逆算が欠かせません。
支援金の申請期限は令和9年3月1日必着ですので、計画の承認等が間に合うスケジュールになっているかを最初に検証してください。
社内で計画策定を担当する人、承認後の申請書類を整える人、経理処理を行う人の役割を早めに割り振っておくと、手続きが滞りません。
川越市物価高騰対策経営改善支援金の申請手順
- 自社が川越市内に事業所を有し、引き続き市内で事業を継続する意思があることを確認する
- 市税の滞納がないことを確認し、未納がある場合は先に納付を済ませる
- 経営革新計画または先端設備等導入計画のどちらで申請するかを決める
- 川越商工会議所などの支援機関に相談しながら計画を策定する
- 先端設備等導入計画で申請する場合は、賃上げ方針を従業員に表明し、計画に位置付ける
- 経営革新計画は埼玉県知事の承認を、先端設備等導入計画は川越市長の認定を令和8年3月1日以降に新規で受ける
- 川越市の公式ページから申請要領と交付申請書(様式第1号)をダウンロードする
- 申請要領を読み、提出書類と市内で事業を営んでいることが確認できる書類を揃える
- 交付申請書に必要事項を記入し、添付書類とともに一式にまとめる
- 令和9年3月1日必着で川越市役所 産業振興課へ郵送するか、本庁舎5階の窓口へ平日9時から17時の間に持参する
- 市による書類審査を受け、不備があれば求めに応じて補正する
- 交付決定の通知を受け、指定した口座への振込を待つ
川越市物価高騰対策経営改善支援金を自社で申請する際の注意点
最も見落とされやすいのは、郵送の場合が消印有効ではなく必着であるという点です。
郵便事情による遅延も考慮し、令和9年3月1日の数日前には投函を終えておくことをおすすめします。
メールでの提出は受け付けられておらず、Jグランツに掲載されていても電子申請では完結しない仕組みですので、提出方法を取り違えないでください。
予算の範囲内での交付であるため、期間内であっても上限に達した時点で受付が終わる可能性があります。
計画の承認や認定には相応の期間がかかりますので、支援金の申請期限だけを見て逆算すると間に合わなくなる恐れがあります。
先端設備等導入計画で申請する場合、賃上げ方針を計画に位置付けたうえで従業員に表明していることが条件ですので、認定を受ける前の段階で必ず確認しておきましょう。
自社に申請ノウハウが無い場合は専門家に依頼するのもおすすめ
- 制度選定の精度が上がる
- 事業計画の質が上がる
- 採択後の実務まで見据えられる
制度選定の精度が上がる
経営革新計画と先端設備等導入計画は名前が似ていますが、目的も承認先も受けられる優遇措置も別物です。
自社の狙いが新事業の立ち上げなのか、設備更新による生産性向上なのかによって、選ぶべき計画は変わってきます。
支援金は計画ごとに1回のみの交付ですので、どちらの計画から着手するかという順序の設計も検討に値します。
経験のある支援者と話をすれば、自社に合う道筋を早い段階で絞り込めます。
事業計画の質が上がる
計画書に求められる数値目標は、根拠のない希望的観測では審査を通りません。
付加価値額や労働生産性といった指標の算定方法を正しく理解していないと、そもそも要件を満たす計画を組み立てられません。
計算の型を押さえた支援者が入ることで、実現可能な範囲で要件を満たす目標値を無理なく設定できます。
仕上がった計画書は、金融機関からの資金調達や社内の意思決定の資料としてもそのまま活用できます。
採択後の実務まで見据えられる
計画の承認や認定を受けた後には、税制優遇の適用手続きや、計画の進捗管理といった実務が続きます。
経営革新計画には計画期間中のフォローアップ調査があり、先端設備等導入計画には固定資産税の特例適用に伴う手続きが伴います。
支援金の申請はその流れのなかの一場面ですので、承認取得から支援金申請、税制優遇の適用までを一連の工程として設計しておくと取りこぼしがありません。
なお、行政へ提出する書類の作成代行には資格上の制約がありますので、依頼先の業務範囲と費用は契約前に確かめてください。
川越市物価高騰対策経営改善支援金を不正受給するとどうなるのか
- 事実と異なる申請が引き起こす取消しと返還
- 状況が変わったときに市へ伝えるべきこと
事実と異なる申請が引き起こす取消しと返還
この支援金の原資は川越市の予算であり、市民から預かった税金です。
計画の承認日を偽ったり、市内に事業所がないにもかかわらずあるように装ったりすれば、虚偽申請として交付決定が取り消されます。
すでに交付を受けている場合は、地方自治法および市の交付規則に基づいて返還を命じられ、加算金が課される場合もあります。
悪質と判断されれば、刑法の詐欺罪をはじめとする法令に基づく責任を問われる可能性も残ります。
市の他の支援制度から一定期間排除されることも含め、目先の10万円とは釣り合わない代償を負うことになります。
状況が変わったときに市へ伝えるべきこと
申請から交付までの間に、事業所の移転や廃業、代表者の変更といった事情が生じることは十分にあり得ます。
こうした変化を隠したまま手続きを進めるのではなく、判明した時点で産業振興課へ連絡すれば、正規の手続きとして扱われます。
とりわけ市外への移転予定がある場合の取扱いは市のよくある質問でも扱われている論点ですので、自己判断で進めず先に相談してください。
記載内容に誤りに気付いたときも、放置せず速やかに申し出るほうが結果的に負担が小さくて済みます。
申請書の控えや添付書類は手元に保管し、市からの照会に応じられる状態にしておきましょう。
川越市物価高騰対策経営改善支援金のまとめ
川越市中小企業者等物価高騰対策経営改善支援金は、経営革新計画または先端設備等導入計画の承認等を新規に受けた市内の中小事業者に、定額10万円を交付する制度です。
令和8年度の申請受付期間は令和8年5月11日から令和9年3月1日必着までで、提出方法は郵送または市役所窓口に限られます。
計画の承認等を受けた日が令和8年3月1日以降であることが要件ですので、これから計画を作る方は承認までの期間を見込んで動き出す必要があります。
交付は計画ごとに一の事業者につき1回のみで、過去にこの支援金を受けた事業者は対象外です。
予算の範囲内での交付となるため、上限に達した時点で受付が終了する点にも注意してください。
公募の概要はJグランツの公募詳細ページ、申請要領と様式の入手先は川越市の公式ページです。
計画づくりから逆算すれば決して余裕のある日程ではありませんので、早めに支援機関へ相談して準備を進めてください。
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