北海道賃上げ環境整備補助金2026|対象者・補助額と9月30日までの申請準備【8月時点の申請状況】

Hokkaido wage increase subsidy program for 2026 with businesspeople and construction worker holding hands and financial growth icons 補助金
Supporting wage increases for small and medium enterprises in Hokkaido, 2026.
補助金

北海道賃上げ環境整備補助金2026は、2026年5月15日から9月30日までを受付期間とする補助金です。ただし公式サイトの「申請受付状況」では、2026年8月4日時点で補助金予算額に対する申請額の割合が77%(金額ベース)に達していることが公表されています。

そのため、締切である9月30日まで待てる制度ではなくなりつつあります。本記事では、北海道賃上げ環境整備補助金2026について、公式サイト・補助事業申請の手引(2026年7月23日更新版)・公式よくある質問・北海道のホームページで確認できる内容だけを使い、次の5点を判断できるように整理しています。

  • 今から申請して間に合うのか(予算の消化状況と「先着順ではない」の意味)
  • 自社が対象事業者に該当するか(法人格・本店所在地・従業員の有無)
  • 通常枠と促進枠のどちらを選ぶか、いくら受け取れるか
  • 予定している経費が対象になるか、いつ発注したものまで遡れるか
  • 締切までに何を準備し、交付決定後に何をするか
  1. 北海道賃上げ環境整備補助金2026の基本情報
  2. 2026年8月時点の申請受付状況|9月30日を待たずに終了する可能性
    1. 予算に対する申請額は8月4日時点で77%
    2. 「先着順ではない」と「早いほうがよい」は両立する
    3. 次回公募について公式に示されていること
  3. 自社が対象事業者に該当するかを確認する
    1. 対象となる事業者と、業種別の規模要件
    2. 対象外になる3つのパターン
    3. 基準月(2025年12月)に従業員がいなかった場合の特例
    4. 一法人一申請のルール
  4. 通常枠と促進枠のどちらで申請するか
    1. 平均賃金の算定方法と、賃上げに算入できない賃金
    2. 促進枠の4.0%を達成できない見込みになったとき
  5. 補助額と自己負担額の計算方法
    1. 消費税の扱いと端数処理
    2. 計算例(いずれも想定例です)
  6. 対象経費と対象外経費の境界
    1. 対象経費は11区分(雑役務費は2026年5月21日に除外済み)
    2. 対象外になりやすい経費
    3. 補助対象になる車両・ならない車両
    4. 交付決定前でも対象になる「2026年2月20日以降」の発注
  7. 申請に必要な書類(法人・個人事業主別)
  8. 9月30日から逆算した申請準備の進め方
  9. 公式が公表している「よくある申請の不備」
  10. 交付決定後の実務|実績報告・入金時期・財産処分
    1. 補助金は後払い。入金までの流れ
    2. 「補助事業の完了した日」の定義
    3. 財産処分の制限と帳簿保管
    4. 不正受給に関して誓約する内容
  11. 交付決定を受けた事業者(採択結果)の公表状況
  12. まとめ|申請前に確認すべき公式情報

北海道賃上げ環境整備補助金2026の基本情報

項目内容
正式名称中小・小規模企業賃上げ環境整備等支援事業費補助金(略称:賃上げ環境整備補助金2026)
対象都道府県・市区町村北海道内全域(道内に本店/個人事業者は住所を有すること)
実施機関北海道(経済部地域経済局中小企業課)/事務局:賃上げ環境整備補助金2026事務局(実施コンソーシアム)
対象者道内中小・小規模企業者等、各種組合、従業員300人以下のNPO法人
対象業種製造業・建設業・運輸業・卸売業・小売業・サービス業等(法人格による除外あり)
対象経費機械装置・システム等費、クラウド使用料、広報費、展示会等出展費、開発費、借料、専門家費用、委託費、外注費、運搬費、研修費の11区分
その他要件パートナーシップ構築宣言の登録・公表/2025年12月比での賃上げ実施
補助対象外となるもの雑役務費(アルバイト代等)、消費税、汎用品、家賃・光熱水費・通信費 ほか
申請期間2026年5月15日〜2026年9月30日(当日消印有効)※予算上限に達し次第終了
上限金額・助成額通常枠200万円/促進枠300万円
補助率通常枠1/2以内/促進枠3/4以内
申請方法電子申請(専用ホームページ)または郵送申請(Jグランツでの申請は不可)
問い合わせ先賃上げ環境整備補助金2026事務局 コールセンター TEL 011-351-0047(平日9:00〜18:00)

出典:補助事業申請の手引(2026年7月23日更新)北海道「中小・小規模企業賃上げ環境整備等支援事業費補助金の募集について」

2026年8月時点の申請受付状況|9月30日を待たずに終了する可能性

この補助金でいま最初に確認すべきなのは、対象要件でも補助率でもなく「予算がどれだけ残っているか」です。

予算に対する申請額は8月4日時点で77%

公式サイトの「申請受付状況」では、補助金予算額に対する申請額の割合が金額ベースで公表されています。2026年8月4日時点の公表値は77%です。この数値は採択された補助金額ではなく、審査中のものを含む「申請額」の割合であると公式サイトに明記されています。

あわせて、事務局は「予算上限到達後の申請は、審査対象外となる場合がある」と告知しています。電子申請・郵送申請のいずれのページにも「申請額が予算額を上回った場合、申請が受け付けされても審査対象外となります」と記載されています。つまり、受付自体は9月30日まで続いても、提出した申請が審査に進まない可能性があるということです。

「先着順ではない」と「早いほうがよい」は両立する

公式のよくある質問では「採否は先着順で決まるのですか?」という問いに対し、「先着順ではありません。公募期限までに受け付けた申請について、必要書類、事業の趣旨との適合性、内容等を審査のうえ決定します」と回答されています。早く出したから採択されるという制度ではありません。

一方で、予算上限に達した後の申請は審査対象外になり得ます。したがって「早く出せば有利になる」のではなく「遅れると審査の土俵に乗れないことがある」という構造です。9月30日という日付を目標に逆算するのではなく、書類が揃った時点で提出する判断が現実的です。

次回公募について公式に示されていること

公式のよくある質問では、二次募集・三次募集について「現時点では予定しておりません。決定した場合は別途専用ホームページなどでご案内いたします」と回答されています。また、同種の補助金が今後も交付されるかについては「今後の予定については未定のため、お答えすることはできません」とされています。今回の公募を逃した場合に次があるという前提では計画を立てられません。

自社が対象事業者に該当するかを確認する

この補助金は「業種」よりも「法人格」「本店の所在地」「従業員の有無」で対象外になるケースが多い点に特徴があります。

対象となる事業者と、業種別の規模要件

対象となるのは、道内に本店(個人事業者は住所)を有する中小企業基本法第2条の中小企業者または個人事業者で、次の資本金または従業員数のいずれかを満たす事業者です。

業種資本金従業員数
製造業・建設業・運輸業・その他業種3億円以下300人以下
卸売業1億円以下100人以下
サービス業5,000万円以下100人以下
小売業5,000万円以下50人以下

このほか、道内に主たる事務所または事業所を有する事業協同組合・事業協同小組合・信用協同組合・協同組合連合会・企業組合、協業組合・商工組合・商工組合連合会、および従業員数300人以下の特定非営利活動法人(NPO法人)も対象です。

対象外になる3つのパターン

1. 法人格による除外
社会福祉法人、医療法人、農事組合法人、社団・財団法人、学校法人、有限責任事業組合(LLP)、宗教法人、商工会、商工会議所、商店街振興組合、農業協同組合、水産加工業協同組合、漁業協同組合等は対象外です。さらに、みなし大企業と暴力団関係者、風俗営業等の規制及び業務の適正化等に関する法律に定める事業も除外されます。

ここは誤解が生じやすい部分です。たとえば歯科医院や整骨院であっても、医療法人ではなく個人事業者や株式会社として運営していれば、規模要件等を満たす限り対象になり得ます。除外されているのは業種ではなく法人格である点を、自社の登記内容で確認してください。

2. 本店が道外にある場合
公式のよくある質問では「本店が道外で、道内に支店だけある場合は対象になりますか?」という問いに対し、「中小企業者については、道内に本店(個人事業者は住所)を有することが要件です。本店が道外の法人は対象外です」と明確に回答されています。道内に営業所や工場があっても、本店が道外であれば申請できません。

3. 雇用している従業員がいない場合
従業員を雇用していない事業者は原則として対象外です。この補助金は賃上げの実施を交付要件としているため、賃上げの対象となる従業員が存在しないと要件を満たせません。なお、代表取締役・取締役・個人事業主本人・専従者・日雇いの者・試用期間中の者は、ここでいう従業員に含まれません。

基準月(2025年12月)に従業員がいなかった場合の特例

基準月である2025年12月時点で従業員への賃金支払実績がない事業者でも、2025年12月から補助事業完了までの間に新たに従業員を雇用する場合は、「新規雇用誓約書」を提出することで申請対象となります。

  • 申請時:所定の申請書類に加えて「新規雇用誓約書」を提出(電子申請の場合は賃金台帳の欄にアップロード)
  • 実績報告時:新たに雇用したことが確認できる「労働条件通知書」を提出
  • この場合の申請区分は通常枠のみ(補助率1/2・上限200万円)
  • 事業完了までに雇用の事実が確認できないときは補助対象外

促進枠を選べない点が見落とされやすいため、新規雇用を前提に投資額を組む場合は上限200万円で計算してください。

一法人一申請のルール

申請は一法人(または一個人事業者)につき一申請に限られます。手引には「営業所単位での申請等があった場合、すべて不受理となります」と記載されています。複数店舗・複数事業所を運営していても、まとめて1件で申請します。なお、一つの申請の中で複数の取組を計画すること自体は差し支えないと公式のよくある質問で示されていますが、補助率と上限額は選択した区分の範囲内です。

通常枠と促進枠のどちらで申請するか

申請区分通常枠促進枠
賃上げ要件賃上げ率0%超賃上げ率4.0%以上
補助率1/2以内3/4以内
補助上限額200万円300万円

いずれの枠も、2026年1月から補助事業完了日までの間に、常時使用する従業員の平均賃金を2025年12月時点と比較して引き上げることが要件です。通常枠と促進枠を同時に申請することはできず、どちらか一方を選びます。

平均賃金の算定方法と、賃上げに算入できない賃金

公式のよくある質問によると、平均賃金は「時給換算した従業員ごとの金額の合計を、対象従業員数で除して」算出します。算定対象は、2025年12月と賃上げ後の任意の月のどちらにも在職している従業員です。期中に入退社があった従業員は算定から外れます。

また、次の賃金は原則として賃上げ判定の対象に含まれません。ここを含めて計算すると、達成したつもりの4.0%が未達になります。

  • 臨時に支払われる賃金(慶弔見舞金、結婚手当など)
  • 1ヵ月を超える期間ごとに支払われる賃金(夏季賞与、冬季賞与など)
  • 時間外割増賃金、固定残業代、みなし残業代
  • 休日割増賃金、深夜割増賃金の割増部分
  • 精皆勤手当、通勤手当、家族手当
  • 寒冷地手当・暖房手当など、1年の中で支給されない月があるもの
  • 住宅手当など、支給要件によって金額が変動し得るもの
  • 役職手当、営業手当など

北海道内の事業所では寒冷地手当・暖房手当を支給している例が少なくありませんが、手引の「対象外となる賃金」では、1年の中で季節により支給されない月があるものとして明示的に除外されています。基本給や恒常的な手当で賃上げ幅を確保する必要があります。

なお、住宅手当・役職手当・営業手当等については、恒常的に支払われており、かつ事業所全体で共通して手当額の改定が行われている場合に限り、例外的に賃上げとして取り扱うと手引に記載されています。

促進枠の4.0%を達成できない見込みになったとき

公式のよくある質問では「賃上げ要件を達成できない見込みになった場合」について、「事情が生じた時点で、速やかに事務局へご相談ください。内容により、変更手続、区分変更の可否判断、又は交付決定の取消し等の対象となる場合があります」と回答されています。放置して実績報告時に発覚させるのではなく、見込みが立たなくなった時点で事務局へ連絡する運用です。

補助額と自己負担額の計算方法

補助率を掛けるだけでは実際の補助額になりません。この補助金では「税抜換算 → 補助率 → 上限額 → 千円未満切り捨て」という順序で計算します。

消費税の扱いと端数処理

消費税および地方消費税は補助対象外で、補助対象経費は税抜金額です。見積書が内税表示の場合、手引では税抜価格に割り戻し、小数点以下は切り捨てるよう指示されています(手引の例:税込50,000円 ÷ 1.1 = 45,454.5円 → 税抜45,454円)。さらに、補助金申請額は交付申請書の記載例のとおり千円未満切り捨てです。

計算例(いずれも想定例です)

計算例1:税込110万円の機械装置を促進枠で申請する場合

  • 税抜換算:1,100,000円 ÷ 1.1 = 1,000,000円
  • 補助額:1,000,000円 × 3/4 = 750,000円(上限300万円以内、千円未満の端数なし)
  • 自己負担:1,100,000円 - 750,000円 = 350,000円(消費税10万円は全額自己負担)

計算例2:税込50万円のシステムを促進枠で申請する場合(端数が出るケース)

  • 税抜換算:500,000円 ÷ 1.1 = 454,545.45円 → 小数点以下切り捨てで454,545円
  • 補助額:454,545円 × 3/4 = 340,908.75円 → 千円未満切り捨てで340,000円
  • 自己負担:500,000円 - 340,000円 = 160,000円

計算例3:税抜500万円の設備を促進枠で申請する場合(上限に当たるケース)

  • 補助額の計算値:5,000,000円 × 3/4 = 3,750,000円
  • 促進枠の上限300万円を適用 → 補助額3,000,000円
  • 促進枠で上限額を使い切るのは、税抜400万円の投資が分岐点(4,000,000円 × 3/4 = 300万円)

なお、審査あるいは予算状況により、補助対象経費または補助金申請額が減額されて交付決定されることがあると手引に明記されています。見積額どおりの満額交付が保証される制度ではありません。

対象経費と対象外経費の境界

対象経費は11区分(雑役務費は2026年5月21日に除外済み)

現在の対象経費区分は、機械装置・システム等費、クラウド使用料、広報費、展示会等出展費、開発費、借料、専門家費用、委託費、外注費、運搬費、研修費の11区分です。

公募開始当初は「雑役務費(アルバイト代等)」が含まれていましたが、2026年5月21日の手引更新で対象経費から除外されました。公式サイトのお知らせにも「※対象経費から『雑役務費(アルバイト代等)』を除外」と明記されています。古い解説記事や初版の手引を見て雑役務費を計上すると不備になります。

専門家費用については、謝金単価の上限が定められています。大学教授・弁護士・弁理士・公認会計士・医師は5万円/日、准教授・技術士・中小企業診断士・ITコーディネータは4万円/日、それ以外は2万円/日で、いずれも上限5万円/日です。なお、本補助金への応募書類の作成代行費用は補助対象外です。

対象外になりやすい経費

  • 事務所等の家賃、保証金、敷金、仲介手数料、光熱水費
  • 電話代、インターネット利用料金等の通信費
  • 消耗品、販売する商品の原材料費、商品券等の金券
  • 事務用のパソコン・プリンタ・文書作成ソフトウェア・タブレット・スマートフォン・デジタル複合機・家具などの汎用品
  • 消費税および地方消費税、振込手数料・代引手数料、収入印紙、各種保険料、借入金の支払利息
  • 申請書・報告書など事務局に提出する書類の作成費用
  • 自社の人件費、アルバイト代・派遣料
  • 生産性向上や高付加価値化に直接寄与しない福利厚生費
  • 国・道・市町村等が交付する他の補助金・交付金の対象となった同一経費

判断に迷いやすいのが、対象/対象外の境目にある次の3つです。

  • 既存設備の入れ替え:公式のよくある質問で「既存の機械装置等の単なる置き換えに係る経費は対象外です。例)既存の設備が古くなったため、入れ替える」と明示されています。
  • ホームページ・広報物:「単なる会社PRや営業活動に活用される広報費は対象外」で、補助事業計画に基づく商品・サービスの広報が対象です。またチラシ等の配布物は、実際に配布・使用した数量分のみが対象になります。
  • 汎用品の例外:導入システムの一部として本事業専用に使う場合に限り対象にできます。その際は申請書の「例外汎用品」欄にチェックを入れ、専用に使用することを裏付ける資料の提出が必要です。

補助対象になる車両・ならない車両

手引には、自動車等車両について対象可否のリストが掲載されています。建設業・運輸業・農業・移動販売など、車両投資を検討する道内事業者にとっては最初に確認すべき箇所です。

区分車両
◎ 対象バス、タクシー、高所作業車、ミキサー車、ブルドーザー、パワーショベル、タイヤショベル(ショベルローダー)、ロードローラー、ポンプ車、塵芥車、タンクローリー、冷凍車・冷蔵車、ダンプカー、フォークリフト、レッカー車、ユニック車、車両運搬車、移動販売車、キッチンカー、トラクター等農業用車両
△ 個別対応トラック(パネルバン・トレーラーを含む)、乗用車(緑・黒ナンバー)、ライトバン(緑・黒ナンバー)
× 対象外乗用車(白・黄ナンバー)、ライトバン(白・黄ナンバー)

手引では、×に該当する車両で申請した場合は不採択となり、実績報告時に確認できた場合は不交付となる旨が記載されています。△の車両は補助事業の内容を確認のうえ個別対応となり、乗用車・ライトバンについては申請書の「取組と効果」欄に緑・黒ナンバーであることを申告します。また、いずれの車両も専ら補助事業に利用し、生産性向上等につながる取組であることが前提で、実績報告時にはナンバーが確認できる全体写真の送付が必要です。

交付決定前でも対象になる「2026年2月20日以降」の発注

通常、補助対象経費は補助事業期間(交付決定日から事業完了日まで)に発注・契約したものに限られます。この補助金には例外があり、令和8年(2026年)2月20日以降に発生(発注または契約)した経費についても補助対象経費とすることができますと手引に明記されています。交付決定された場合の補助事業実施期間も「2026年2月20日〜2027年1月8日までに実績報告提出を完了できる日」とされています。

ただし「2月20日以降なら何でも対象」ではありません。公式のよくある質問では「補助事業期間内に発注又は契約、納品又は履行、支払の全てが完了している必要があります」とされており、期間内に契約しても期間外に支払った経費は対象になりません。すでに発注済みの設備を計上する場合は、発注書・契約書・納品書・請求書・振込を確認できる書類が残っているかを先に確かめてください。

支払方法にも制約があります。原則として銀行振込またはクレジットカード払いのみで、現金払い・手形・相殺は対象外です。クレジットカードは、個人事業者は申請者本人名義、法人は原則会社名義に限られます。また、クーポンやポイントで充当した部分は対象外で、付与されたポイント等は値引きとみなして相当額を差し引いた金額が補助対象になります。

申請に必要な書類(法人・個人事業主別)

提出書類法人個人事業主
補助金交付申請書(様式第1号)※WEB申請の場合は提出不要
誓約書(様式第1号 別紙1)
直近年度の法人事業概況説明書(表裏)の写し
履歴事項全部証明書(3か月以内に発行された原本の写し)
令和7年度の所得税青色申告決算書または収支内訳書
開業届の控えの写し(決算期を一度も迎えていない場合のみ)
本人確認書類の写し
営業許可証の写し(許可が必要な業種のみ)
パートナーシップ構築宣言の宣言文
賃上げ誓約書(様式第1号 別紙2)
2025年12月支給分の賃金台帳
見積書・相見積・カタログ・仕様書等

このうち、取得に日数がかかる、あるいは自社では即時に用意できない書類は次の3点です。

  • パートナーシップ構築宣言ポータルサイトへの登録が申請要件で、手引では「申請日時点で宣言文が掲載されていることを確認の上、申請してください。掲載が確認できない場合は、審査に時間を要することがあります」とされています。公式サイト・北海道のページとも、公表までに時間を要するため早めの登録を案内しています。
  • 履歴事項全部証明書:法務局で取得し、申請時から3か月以内に発行されたものが必要です。公式のよくある質問では「登記情報提供サービスの印刷書面は不可」「取得した全ページを提出」と明示されています。
  • 10万円以上(税抜)の相見積:2者以上の見積書が必要で、取得できない場合は任意様式の理由書を添付します。中古設備の場合は、3者以上の中古流通業者から型式・年式が記載された相見積を取得している場合に対象となり、個人やオークションからの購入は対象外です。

2025年12月の賃金台帳については、標題が「賃金台帳」であること、支給日の記載があることが必須要件です。給与明細や支給控除一覧表は提出できません。手引では、標題や支給日の記載がない場合は空欄に手書き等で追記するよう案内されています。

9月30日から逆算した申請準備の進め方

公式に日数が示されているものと、示されていないものを分けて整理します。パートナーシップ構築宣言や登記事項証明書の取得日数は公式には示されていないため、具体的な日数を前提にした計画は立てられません。「早めに」と案内されている手続きから着手する順序で考えます。

  1. パートナーシップ構築宣言の登録:ポータルサイトで宣言文が公表されて初めて要件を満たします。公表までに時間を要すると公式に案内されているため、最初に着手します。
  2. 2025年12月の賃金台帳の確認:標題・支給日・法定記載事項が揃っているかを点検し、不足があれば追記します。あわせて賃上げ対象従業員を特定し、賃上げ率を試算して通常枠か促進枠かを決めます。
  3. 履歴事項全部証明書の取得(法人):法務局発行の原本で、申請時から3か月以内のもの。
  4. 見積書・相見積の取得:10万円以上(税抜)は2者以上。申請書に書く品名・品番・金額と、見積書・カタログの記載を一致させます。
  5. 事業計画(直面している課題/取組みと効果)の作成:申請書の該当欄は別紙添付不可で、定量的かつ具体的な記載が求められます。
  6. 申請:専用ホームページからの電子申請、または郵送申請(2026年9月30日当日消印有効)。持参は受け付けていません。郵送は簡易書留・一般書留・レターパックプラスを使用し、締切日に投函する場合は郵便局窓口での手続きが案内されています。
  7. 審査・交付決定:不備があった場合は電話・メール等で連絡があります。連絡がつかない場合は不採択、または採択後でも決定を取り消す場合があると手引に記載されています。
  8. 事業実施・実績報告:実績報告受付期間開始日から2027年1月8日までに提出します。

申請書の「直面している課題」「取組みと効果」については、手引の記載例で定量的な書き方が示されています。たとえば課題欄では発注処理の件数・1件あたりの所要時間・月間工数・修正対応件数といった数値で現状を示し、効果欄では処理時間を何分から何分へ短縮し、月間工数を何時間削減するかを記載する形式です。公式サイトの募集要項にも「補助対象は、導入する製品・サービスの種類で判断するものではありません。申請された取組内容、必要性、実現性、売上拡大・生産性向上等への効果を踏まえて審査を行います」と記載されています。

公式が公表している「よくある申請の不備」

手引には、事務局が把握している申請不備が一覧で掲載されています。推測ではなく事務局が公表している項目のため、提出前のチェックリストとして使えます。

不備の内容正しい申請
見積が10万円以上なのに相見積の提出がない2社以上の相見積もりを提出する
申請情報と見積書・カタログの品名/品番が不一致品名/品番を一致させる
申請情報と見積書の金額が不一致金額を一致させる
消費税を入れた金額で申請している消費税を抜いた金額で申請する
賃金台帳の提出がない賃金台帳を提出する
賃金台帳の表題が「賃金台帳」ではない「賃金台帳」という表題の書類を提出する
賃金台帳が2025年12月支給分ではない2025年12月に支給した賃金台帳を提出する
賃上げ実績書と賃金台帳の従業員名・人数が不一致従業員名・人数を一致させる
賃上げ実績書と賃金台帳の金額が不一致金額を一致させる
法人事業概況説明書や青色申告決算書の年度が直近1年以内でない直近1年以内のものを提出する

10項目のうち5項目が賃金台帳と賃上げ実績書に関するものです。設備の見積より先に、2025年12月の賃金台帳の形式を確認しておくと手戻りを減らせます。

交付決定後の実務|実績報告・入金時期・財産処分

補助金は後払い。入金までの流れ

手引には「補助金の交付は事業完了後になります」と明記されています。設備代金は事業者がいったん全額を支払う必要があります。

公式のよくある質問によれば、実績報告書を受理した後、必要に応じて現地調査を行い、審査完了後に確定通知書を発送して支払いが実施されます。振込時期については「受領した書類等に不備がなければ、おおむね20日以内に振込予定」「不備があった場合、不備が解消されてからおおむね20日以内」と示されています。不備の有無で入金が動くため、実績報告書類の精度がそのまま資金繰りに影響します。

振込先口座は申請者名義に限られます。法人は法人名義、個人事業者は申請者本人名義で、代表者個人名義や家族・第三者名義の口座は指定できません。

「補助事業の完了した日」の定義

公式のよくある質問では、補助事業の完了日を「設備導入(試運転、検収を含む)が完了し、請求書の受理及び支払が完了することはもとより、当該設備の活用により生産性向上等の経営改善について一定の効果を見込めるようになった段階」と定義しています。単に納品・支払が終わった日ではありません。

また、交付決定通知書に記載された当初の事業完了日より早く完了した場合、補助事業期間の短縮によりクラウド使用料などが減額されることがあると案内されています。クラウド使用料や借料を計上している場合は、事業完了日の設定に注意が必要です。

財産処分の制限と帳簿保管

  • 1件あたり50万円を超える機械装置等は処分制限財産に該当し、減価償却資産の耐用年数等に関する省令で定める耐用年数を経過する前に処分する場合は「財産処分承認申請書(様式第9号)」を提出し承認を得る必要があります。店舗改装で50万円(税抜)以上の外注工事を行う場合も同様です。
  • 取得価格または効用の増加価格が50万円を超える機械装置・器具等は、取得財産等管理台帳(様式第8号別紙2)の対象です。
  • 補助対象経費で購入した機械装置等は、レンタル・販売・転売ができません。
  • 帳簿および証拠書類は、補助事業完了後5年間保管し、事務局から要求があったときは閲覧できるようにしておく必要があります。
  • 事業途中で事業内容の変更等が発生する場合は、必ず事前に事務局へ連絡します。実績報告時に発覚した場合は補助金が支払われないことがあります。
  • 期限内に事業を完了できない場合は廃止承認申請書を提出します。交付通知受領後10日以内の辞退は取り下げ申請書、それ以降は廃止承認申請書の提出が案内されています。

不正受給に関して誓約する内容

申請時に提出する誓約書(様式第1号 別紙1)には、「虚偽又は不正が判明した場合は、補助金の返還等に応じるとともに、加算金の支払いに応じます」「対象要件に該当しない事実や不正等が発覚した場合は、北海道等を通じ事業者名等の情報を公表されることに同意します」という条項が含まれています。手引の表紙にも「中小・小規模企業賃上げ環境整備等支援事業費補助金の不正受給は犯罪です」と記載されています。

交付決定を受けた事業者(採択結果)の公表状況

公式サイトでは「採択者リスト」がPDFで公開されており、毎週金曜日に更新される予定と案内されています。リストには、すでに交付決定を通知した事業者のみが掲載されます。

2026年7月24日更新版の採択結果では、280者の事業者名と事業名称が公表されており、予算執行率は11.7%(申請採択額ベース)と記載されています。公表されているのは事業者名と事業名称のみで、補助金額や審査内容は掲載されていません。リストの注記には「補助金額は、事業完了後の実績報告等の確認を経て確定します」とあります。

公表されている事業名称には、たとえば「3本ロール加工機導入による生産性向上事業」「発注管理システムの導入による業務効率化事業」「口腔内スキャナ導入による診療業務効率化及び生産性向上事業」「ドローン散布による作業省力化と収量向上を実現するスマート農業推進事業」といった形式のものが並んでいます。いずれも「何を導入し、どの業務がどう改善するか」が事業名の段階で示されている点は、自社の事業計画を書く際の参考になります。

なお、公表されているのは事業者名と事業名称のみであり、採択された理由や審査での評価内容は公開されていません。不採択となった理由についても「個別の不採択理由については回答しておりません」「審査結果に関する個別の照会や異議申立てには対応しておりません」と公式のよくある質問で示されています。

また、公式サイトに表示されている「申請額が予算の77%」(8月4日時点)と、採択結果PDFの「予算執行率11.7%」(7月24日時点)は別の指標です。前者は審査中を含む申請額ベース、後者は交付決定済みの採択額ベースであり、混同しないよう注意してください。

まとめ|申請前に確認すべき公式情報

北海道賃上げ環境整備補助金2026は、道内に本店を置く中小・小規模企業者等が、賃上げの実施を条件に生産性向上の投資を行う場合に、通常枠で最大200万円(補助率1/2)、促進枠で最大300万円(補助率3/4)を受けられる制度です。2026年2月20日以降に発注した経費まで遡って計上できる点が、一般的な補助金と大きく異なります。

一方で、受付期間は2026年9月30日までとされているものの、8月4日時点で予算額に対する申請額が77%に達しており、予算上限到達後の申請は審査対象外となる場合があると告知されています。二次募集の予定は現時点でないとされています。申請を検討している場合は、パートナーシップ構築宣言の登録と2025年12月の賃金台帳の確認から着手し、書類が揃った段階で提出する進め方が現実的です。

制度内容の照会は、賃上げ環境整備補助金2026事務局コールセンター(TEL 011-351-0047/平日9:00〜18:00)で受け付けています。本記事は2026年8月6日時点で公表されている公式情報に基づいています。申請受付状況や手引は更新されるため、申請前に必ず最新の公式情報をご確認ください。