令和8年度低炭素型ディーゼルトラック普及加速化事業|基準額と申請方法を解説

その他

燃費のよいトラックへ入れ替えたいと考えていても、車両価格の重さから買い替えの判断が先送りになりやすいのが中小の運送現場です。

環境省はこの負担を軽くするため、一般財団法人環境優良車普及機構を執行団体として、燃費性能の高いディーゼルトラックの導入費用を車型区分ごとの定額で支えています。

令和8年度の公募はすでに始まっており、Jグランツからの電子申請にも対応しています。

受付期間は令和8年6月8日(月曜日)から令和9年1月29日(金曜日)までで、基準額は大型車で廃車を伴う場合の75万円が最も高い水準です。

申請できるのは1事業者あたり4台までで、予算総額は約28億円が用意されています。

この記事では、Jグランツの公募情報と環境優良車普及機構が公開している事業概要をもとに、対象車両や基準額、申請の進め方を順に整理します。

  1. 低炭素型ディーゼルトラック普及加速化事業の基本情報
    1. 補助金・助成金の正式名称
    2. 対象都道府県・市区町村
    3. 実施機関
    4. 対象者(世帯・個人事業主・法人・団体・研究機関)
    5. 対象業種
    6. 対象経費
    7. その他要件
    8. 補助対象外となるもの
    9. 申請期間
    10. 上限金額・助成額
    11. 補助率
    12. 問い合わせ先
    13. 公式公募ページと確認すべきこと
  2. 低炭素型ディーゼルトラック普及加速化事業を対象者が活用すべき理由(メリット)
  3. 低炭素型ディーゼルトラック普及加速化事業を申請すべき人とそうでない人の特徴
    1. 申請すべき人
    2. 見送ったほうが良い人の特徴
  4. その他にも利用すべき補助金・助成金制度の代表例
    1. 新事業進出補助金(新事業進出・ものづくり補助金 新事業進出枠)
    2. ものづくり補助金(革新的新製品・サービス枠)
    3. 中小企業省力化投資補助金
    4. 小規模事業者持続化補助金
  5. 低炭素型ディーゼルトラック普及加速化事業の申請に必要なもの
    1. 申請に必要な書類一覧と取得方法
    2. 記載例はどこで確認できるか
  6. 低炭素型ディーゼルトラック普及加速化事業の採択率を上げる事業計画書の作り方
    1. 市場性を具体的に書く
    2. 差別化ポイント(自社と他社の違い)を明確に記載
    3. この制度を利用する必要性・重要性を記載
    4. 実行体制を明記する
  7. 低炭素型ディーゼルトラック普及加速化事業の申請手順
  8. 低炭素型ディーゼルトラック普及加速化事業を自社で申請する際の注意点
  9. 自社に申請ノウハウが無い場合は専門家に依頼するのもおすすめ
    1. 制度選定の精度が上がる
    2. 事業計画の質が上がる
    3. 採択後の実務まで見据えられる
  10. 低炭素型ディーゼルトラック普及加速化事業を不正受給するとどうなるのか
    1. 虚偽の申請が招く交付決定の取消しと加算金の負担
    2. 車両と廃車の記録が後から突き合わされる仕組み
  11. 低炭素型ディーゼルトラック普及加速化事業のまとめ

低炭素型ディーゼルトラック普及加速化事業の基本情報

公募名 令和8年度_低炭素型ディーゼルトラック普及加速化事業
制度名 二酸化炭素排出抑制対策事業費等補助金 環境配慮型先進トラック・バス導入加速事業(低炭素型ディーゼルトラック普及加速化事業)
対象地域 全国
実施機関 一般財団法人環境優良車普及機構(LEVO)補助事業執行部(環境省の補助事業執行団体)
対象者 資本金3億円以下または従業員数300人以下の中小企業者である一般貨物自動車運送事業者・特定貨物自動車運送事業者・第二種貨物利用運送事業者、およびこれらに車両を貸し渡す自動車リース事業者
対象業種 運輸業、郵便業/金融業、保険業(従業員数の制約なし)
対象経費 低炭素型ディーゼルトラック(車両総重量3.5トン超の事業用車両)の導入に必要な経費
補助対象車両 令和8年4月1日から令和9年1月29日までに新車新規登録された緑ナンバー車で、自動車検査証記録事項の備考欄に「令和7年度燃費基準達成車」または「令和7年度燃費基準105%達成車」の記載があるもの
基準額(大型・12トン超) 廃車あり75万円/廃車なし50万円(排出ガス規制識別記号は問わず)
基準額(中型・7.5トン超12トン以下) 廃車あり42万円/廃車なし28万円
基準額(小型・3.5トン超7.5トン以下) 廃車あり15万円/廃車なし10万円
加算 令和7年度(2025年度)燃費基準達成レベル105%達成車は一律プラス5万円
補助率 Jグランツ上は「公募要領を参照」と表記。定率ではなく車型区分ごとの基準額で補助額が決まる仕組み
申請台数・予算額 1事業者あたり4台/予算総額 約28億円
受付期間 令和8年6月8日(月曜日)~令和9年1月29日(金曜日)同日消印有効 ※Jグランツ上の受付終了日時は2027年1月29日23時59分
申請方法 郵便(当日消印有効)、信書便、持参、Jグランツ(GビズIDプライムが必要・代理申請不可)、識別番号付き電子メール
問い合わせ先 一般財団法人環境優良車普及機構 補助事業執行部 低炭素型ディーゼル車普及事業(TEL:03-5341-4577/FAX:03-5341-4578/受付は平日9時から17時、12時から13時を除く)

補助金・助成金の正式名称

Jグランツに掲載されている公募名は「令和8年度_低炭素型ディーゼルトラック普及加速化事業」です。

制度名としては「二酸化炭素排出抑制対策事業費等補助金 環境配慮型先進トラック・バス導入加速事業」が登録されています。

つまり低炭素型ディーゼルトラック普及加速化事業は、環境配慮型先進トラック・バス導入加速事業という大きな枠のなかの一メニューという位置づけです。

手続の根拠となる交付規程は、令和8年5月12日付の環補デ第8-006号として整備されています。

検索の際は「LEVO 補助金」で機構のサイトにたどり着けるため、正式名称を丸ごと覚える必要はありません。

対象都道府県・市区町村

対象地域は全国で、都道府県や市区町村による絞り込みは設けられていません。

執行団体である環境優良車普及機構の所在地は東京都新宿区ですが、申請できる事業者を関東圏に限る規定はありません。

判定の軸になるのは所在地ではなく、導入する車両が緑ナンバーの事業用トラックであることと、申請者が中小の運送事業者等に当たることの二点です。

郵送や持参での提出先は東京都新宿区四谷の機構事務所ですが、Jグランツや電子メールを使えば所在地による負担の差はほとんど生じません。

実施機関

実施機関は一般財団法人環境優良車普及機構の補助事業執行部です。

機構は環境省から令和8年度二酸化炭素排出抑制対策事業費等補助金の交付決定を受け、その資金を原資として事業者へ補助金を交付しています。

財源は国庫補助金であるため、審査から交付決定、事業報告の徴収までが補助金等に係る予算の執行の適正化に関する法律の枠組みのもとで行われます。

採択の可否は、外部有識者等で構成する審査基準作成委員会が定めた審査基準に沿って判断されます。

機構は環境配慮型のトラック・バスに関する複数の補助事業を並行して扱っているため、問い合わせの際は事業名を明示すると話が早く進みます。

対象者(世帯・個人事業主・法人・団体・研究機関)

補助を受けられるのは、中小企業基本法第2条第1項第1号に掲げる中小企業者、すなわち資本金3億円以下または従業員数300人以下に当たる事業者です。

そのうえで、一般貨物自動車運送事業者、特定貨物自動車運送事業者、第二種貨物利用運送事業者のいずれかに該当している必要があります。

これらの運送事業者に車両を貸し渡す自動車リース事業者も、補助対象事業者として申請することができます。

申請できるのは自動車検査証上の所有者であり、リースの場合はリース事業者が申請者、買取の場合は所有者と使用者が同一であることが要件になります。

中小企業者であることの確認には、運輸支局等の受付印がある事業報告書や事業概況報告書、貨物自動車運送事業実績報告書の写しが使われます。

大企業に当たる運送事業者や、自家用の白ナンバーで輸送を行う荷主企業は、この制度の対象からは外れます。

対象業種

Jグランツの公募情報に登録されている業種は、運輸業・郵便業と金融業・保険業の2区分だけです。

制度の中心にあるのは運輸業・郵便業で、実際にトラックを使って輸送を行う事業者がここに当たります。

金融業・保険業が並んでいるのは、運送事業者へ車両を貸し渡す自動車リース事業者が申請者になれる設計だからです。

製造業や卸売業といった他の業種は登録されておらず、自社で商品を運ぶだけの事業者は対象になりません。

従業員数の上限は設けられていませんが、中小企業者に当たるかどうかの判定で実質的に規模の線引きがなされます。

対象経費

補助対象経費は、低炭素型ディーゼルトラックの導入に必要な経費のうち機構が承認したものです。

対象になる車両は、車両総重量3.5トン超の事業用ディーゼルトラック、いわゆる緑ナンバーの車両に限られます。

令和8年度は、自動車検査証記録事項の備考欄に「令和7年度燃費基準達成車」または「令和7年度燃費基準105%達成車」と記載されていることが条件です。

同じ備考欄でも「令和7年度燃費基準95%達成車」の記載しかない車両は対象外となるため、発注前に販売店へ達成レベルを確認しておくことが欠かせません。

車両の新車新規登録は令和8年4月1日から令和9年1月29日までの間に済ませる必要があります。

経費の裏づけとしては、補助対象経費に係る請求書と、支払いを証する領収書等の写しが求められます。

その他要件

この補助金では、車両を入れ替えるだけでなく、エコドライブを含む燃費改善の取組を継続する体制づくりが求められます。

そのため申請時にはエコドライブ等燃費改善取組体制構築・運用状況報告書を提出し、社内の取組状況を報告することになります。

経年車を廃車して申請する場合は、平成27年度以前に初度登録された事業用トラックであることが前提になります。

廃車側には、一定期間継続して自社で事業用トラックとして使用していたことや、有効な車検があったことなどの要件も重ねて課されています。

交付を受けた後は、燃費改善効果と二酸化炭素削減効果を把握するための事業報告書を提出する義務が続きます。

補助金で購入した車両には処分制限期間があり、最大積載量2トン超は4年、2トン以下は3年の保有義務が生じます。

補助対象外となるもの

自家用の白ナンバー車両は、燃費性能が要件を満たしていても補助対象になりません。

車両総重量3.5トン以下の小型車も、区分の下限を下回るため対象から外れます。

車検証の備考欄が「令和7年度燃費基準95%達成車」にとどまる車両も申請できません。

国の他の補助金と重複して同じ車両に補助を受けることはできないため、車両本体を対象とする別制度との併用は事前に整理しておく必要があります。

支払いが完了していない割賦購入や、決済されていない手形による購入も対象にはなりません。

単に下取りに出しただけでは廃車とは扱われず、永久抹消として処理されたことを自動車リサイクルシステムで確認できる必要があります。

申請期間

令和8年度の申請受付は、令和8年6月8日(月曜日)に開始しています。

締切は令和9年1月29日(金曜日)で、郵送の場合は同日消印有効とされています。

Jグランツ上に登録されている受付終了日時も2027年1月29日23時59分で、機構の案内と一致しています。

審査は申し込み順に行われますが、予算額の残額が2割程度に達した日の翌日以降は締切後にまとめて審査する方式へ切り替わります。

その場合に予算残額を超える申請が集まったときは、初めて申請する事業者を優先して抽選するなどの配慮が行われます。

受付状況は機構のホームページで公表されるため、残額の推移をときどき確かめておくと安心です。

上限金額・助成額

Jグランツ上の補助上限額は「-」と表示されており、事業全体としての上限額は示されていません。

実際の補助額は、車両総重量による車型区分と、経年車の廃車を伴うかどうかで決まります。

大型車は廃車ありで75万円、廃車なしで50万円、中型車は42万円と28万円、小型車は15万円と10万円が基準額です。

これに令和7年度燃費基準の達成レベル105%達成車であれば一律5万円が加算されるため、1台あたりの上限は大型車の80万円ということになります。

申請できるのは1事業者あたり4台までなので、条件が最も良い組み合わせでも受けられる額は320万円が目安です。

加算を受ける場合は、販売店が発行する燃費基準の達成を示す証明書を添付する必要があります。

補助率

Jグランツの補助率欄には「公募要領を参照」とだけ記載されており、何分の1という定率は公表されていません。

機構が公開している令和8年度の事業概要でも、示されているのは車型区分ごとの基準額の表です。

つまりこの制度は、対象経費に一定の率を掛けて補助額を出す方式ではなく、車型区分ごとに定められた基準額を軸に補助額が決まる設計になっています。

補助対象経費の実額が基準額を下回る場合には、その低いほうの額が補助されると考えておくのが実務上は無難です。

実際に受けられる金額を正確につかみたいときは、令和8年度の公募要領で算定方法の記載を確かめてください。

問い合わせ先

問い合わせ先は、一般財団法人環境優良車普及機構の補助事業執行部にある低炭素型ディーゼル車普及事業の窓口です。

電話番号は03-5341-4577、ファクシミリは03-5341-4578で、受付時間は平日9時から17時(12時から13時を除く)となっています。

公募に関する照会は、hojokin@levo.or.jp宛ての電子メールを使う方法が案内されています。

メールの件名には「【株式会社○○○】低炭素型ディーゼル車補助金について問い合わせ」のように法人名と事業名を入れるよう求められています。

電子メールで申請書類を送る場合の提出先はdenshi@levo.or.jpで、照会用のアドレスとは別に設けられています。

よくある質問はQ&AとしてPDFで公開されているため、電話をかける前に目を通しておくと解決が早まります。

公式公募ページと確認すべきこと

補助上限額や対象業種、申請の受付終了日時といった制度の枠組みはJグランツの公募詳細ページで確認できます。

車型区分ごとの基準額、廃車要件、申請書類の様式は環境優良車普及機構の公式サイトにまとまっています。

最初に確かめたいのは導入予定車両の車型区分と燃費基準の達成レベルで、この二つが決まれば受けられる基準額がほぼ確定します。

申請書類は年度ごとに書式が変わるため、必ず令和8年度分をダウンロードして使ってください。

サイト内では公募説明の概要版や提出資料の説明版、リーフレットもPDFで配られており、申請前の全体像をつかむのに役立ちます。

低炭素型ディーゼルトラック普及加速化事業を対象者が活用すべき理由(メリット)

燃費性能の高いトラックは、同じ車格の標準的な車両より購入価格が高くなりがちです。

その差額をそのまま負担すると、燃料費の節約分で取り返すまでに時間がかかり、買い替えの決断が鈍ります。

この制度は、価格差の一部を定額で埋めることで、その回収期間を短くする役目を果たします。

大型車で経年車の廃車を伴えば1台あたり最大80万円、4台まとめれば320万円が見込めるため、車両更新の計画を前倒しする材料になります。

補助額が経費の実額に左右されにくい定額方式である点も、資金計画を立てやすくする利点です。

古い車両を手放して新型に切り替えれば、燃料費だけでなく整備費や車検費用の負担も軽くなります。

エコドライブの取組を書類として整理する過程そのものが、荷主から求められる環境対応の説明材料にもなります。

低炭素型ディーゼルトラック普及加速化事業を申請すべき人とそうでない人の特徴

  • 申請すべき人
  • 見送ったほうが良い人の特徴

申請すべき人

  • 資本金3億円以下または従業員数300人以下に当たる一般貨物自動車運送事業者・特定貨物自動車運送事業者・第二種貨物利用運送事業者
  • 令和8年度中に車両総重量3.5トン超の緑ナンバートラックを新車で導入する計画がある事業者
  • 平成27年度以前に初度登録した古い事業用トラックを保有していて、入れ替えを検討している事業者
  • 導入予定車両の車検証備考欄に「令和7年度燃費基準達成車」または「105%達成車」と記載される見込みがある事業者
  • 中小の運送事業者へ車両を貸し渡す自動車リース事業者で、補助分をリース料に反映できる事業者
  • エコドライブや燃費管理の取組をすでに社内で行っていて、報告書としてまとめられる事業者
  • 令和9年1月29日までに新車新規登録と支払いを終えられる工程が組める事業者

見送ったほうが良い人の特徴

  • 自家用の白ナンバーで輸送を行っていて、緑ナンバーの事業用車両を導入する予定がない事業者
  • 資本金と従業員数のいずれの基準からも外れ、中小企業者に当たらない大手の運送事業者
  • 導入予定の車両が車両総重量3.5トン以下で、車型区分の下限を満たさない事業者
  • 車検証の備考欄が「令和7年度燃費基準95%達成車」にとどまる車両を選ぼうとしている事業者
  • 割賦や未決済の手形で車両を購入する予定で、申請時までに支払いを終えられない事業者
  • 同じ車両について国の他の補助金をすでに受けている、または受ける予定の事業者
  • 処分制限期間中の保有義務を守れない見込みがあり、早期の売却や名義変更を予定している事業者

その他にも利用すべき補助金・助成金制度の代表例

  • 新事業進出補助金(新事業進出・ものづくり補助金 新事業進出枠)
  • ものづくり補助金(革新的新製品・サービス枠)
  • 中小企業省力化投資補助金
  • 小規模事業者持続化補助金

新事業進出補助金(新事業進出・ものづくり補助金 新事業進出枠)

既存の商売とは違う領域へ踏み出す企業を後押しする、規模の大きい支援制度です。

運送業でいえば、輸送だけを担ってきた会社が保管や流通加工まで一貫して引き受ける体制へ移る場面が想定されます。

付加価値額や給与支給総額の伸びを事業計画の目標として掲げる仕組みになっており、未達の場合は補助金の返還を求められることがあります。

公募回ごとに要件が調整されるので、検討に入った段階で最新の公募要領を取り寄せておくと判断を誤りません。

ものづくり補助金(革新的新製品・サービス枠)

新しい製品やサービスを世に出すために必要な機械装置やシステム構築費を支える、歴史の長い制度です。

今回の補助金が車両そのものの導入を支えるのに対し、こちらは事業の中身を作り替える投資に向いています。

交付決定より前に発注した経費は対象から外れるため、見積りを集める段階と正式に発注する段階を分けて記録しておくことが不可欠です。

補助率や上限額は企業規模と賃上げの取組状況で変わる設計になっており、条件によって手取り額に差が出ます。

中小企業省力化投資補助金

人手不足の現場へ、作業を機械やソフトウェアに置き換えるための投資を支える制度です。

運送業では、配車管理や点呼記録の自動化、倉庫内の荷役機器の導入などが検討の対象になります。

あらかじめ登録された製品から選ぶカタログ型は計画書づくりが軽い反面、導入後は労働生産性の伸びを継続して報告する義務が付いてきます。

導入前の作業時間や人員配置を記録に残しておけば、その後の報告作業をそのまま組み立てられます。

小規模事業者持続化補助金

従業員数の少ない事業者が販路開拓や業務効率化に取り組むとき、最初の候補に挙がることの多い制度です。

車両数台で営む運送事業者であれば、荷主開拓のための資料制作や受発注の仕組みづくりに使えます。

申請には商工会または商工会議所が発行する事業支援計画書が要るため、発行までにかかる日数を締切から逆算して動くことが要になります。

補助額は控えめですが、手続の重さと支援規模のつり合いが取れている点は小規模な事業者にとって使いやすい特徴です。

低炭素型ディーゼルトラック普及加速化事業の申請に必要なもの

  • 申請に必要な書類一覧と取得方法
  • 記載例はどこで確認できるか

申請に必要な書類一覧と取得方法

  • 提出資料総括表/機構の公式サイトの申請書類ダウンロードページから令和8年度分を取得
  • 補助金交付申請書兼完了実績報告書および関連様式/同ページのデータ入力シート(Excel)に入力すると各様式が自動作成される
  • エコドライブ等燃費改善取組体制構築・運用状況報告書/様式に添付する別紙。第三者認証を取得している場合は認証の写しを添付
  • 補助対象経費に係る請求書の写し/販売店から取得
  • 支払いを証する書類(領収書等)の写し/金融機関の出納印がない振込控えは代わりにならない点に注意
  • 補助対象車両の自動車検査証記録事項の写し/新車新規登録後に取得
  • 燃費改善および二酸化炭素排出削減量の算定書/カタログ燃費は国土交通省が公表する重量車モードの届出値を使用
  • 直近の事業報告書の表紙と事業概況報告書、または貨物自動車運送事業実績報告書の写し/運輸支局等の受付印が読み取れるもの
  • 廃車を伴う場合の登録事項等証明書(現在記録と保存記録のセット)と自動車リサイクルシステムの検索画面の写し
  • リースの場合の自動車賃貸借契約書の写しとリース料金算定根拠明細書/補助金がリース料に反映されていることが確認できるもの
  • 燃費基準の達成を示す証明書/105%達成車として加算を受ける場合に販売店から取得
  • GビズIDプライム/Jグランツから電子申請する場合に必要。取得に2週間から3週間程度かかる

記載例はどこで確認できるか

記入方法は、機構の公式サイトにある申請書類のダウンロードページに記入例として貼り付けられています。

データ入力シートは着色されたセルに入力していく形式で、入力に誤りがあるとセルの色で警告が出るチェック機能が備わっています。

様式は年度ごとに書き換えられているため、過去に申請した際のファイルを使い回すと受け付けてもらえないおそれがあります。

提出資料の要否は廃車の有無と買取かリースかで変わるので、総括表を手元に置いて一つずつ照合すると抜けを防げます。

判断に迷う点は、公募説明の概要版や提出資料の説明版、Q&AのPDFに答えが載っていることが多く、先に確認すると照会の手間が減ります。

低炭素型ディーゼルトラック普及加速化事業の採択率を上げる事業計画書の作り方

  • 市場性を具体的に書く
  • 差別化ポイント(自社と他社の違い)を明確に記載
  • この制度を利用する必要性・重要性を記載
  • 実行体制を明記する

市場性を具体的に書く

この制度には他の補助金のような事業計画書の提出は求められませんが、申請書に添える数値の説得力は審査に効いてきます。

とくに燃費改善および二酸化炭素排出削減量の算定書では、年間走行距離の予定を自分で記入することになります。

実態からかけ離れた長い距離を書くと削減量も現実離れした数字になり、後から提出する月別の燃費データと食い違ってしまいます。

直近の運行実績を平均して距離を置き、どの路線でどれだけ走るのかを社内で説明できる状態にしておくのが堅実です。

差別化ポイント(自社と他社の違い)を明確に記載

審査で他社と差がつくのは、エコドライブ等燃費改善取組体制構築・運用状況報告書の中身です。

グリーン経営認証やエコアクション21、Gマークなどの第三者認証を持っていれば、認証の写しを添えるだけで取組の裏づけになります。

認証がない場合でも、デジタコによる運行データの活用や乗務員への燃費研修といった具体的な取組を書き込めば、体制が整っていることを示せます。

現時点で未実施の項目は該当状況を「△」として申請できますが、翌年度末までに「○」へ切り替えて報告する必要があります。

この制度を利用する必要性・重要性を記載

この補助金は、資金力の乏しい中小トラック運送事業者へ集中的に支援を届けることを狙いとしています。

そのため、燃費のよい車両へ入れ替えたい意思はあるが価格差が壁になっている、という状況こそが制度の想定する姿です。

社内向けの資料でよいので、補助を受けた場合と受けない場合の車両価格と燃料費を並べて比べておくと、経営判断の根拠がそのまま残ります。

古い車両を廃車して申請すれば基準額が上がるため、廃車要件を満たす車両が手元にあるかどうかも早めに確かめておきたい点です。

実行体制を明記する

補助金の交付後には、月別の走行距離や燃料消費量、燃費データを継続して提出する義務が生じます。

申請年度は新車新規登録の月から3月末まで四半期ごと、翌年度は半期ごとという頻度で報告が続きます。

誰がデータを集計し、誰が機構へ提出するのかを申請の段階で決めておかないと、報告漏れが交付決定の取消しにつながりかねません。

リースで導入する場合は、リース事業者と使用者のどちらが何を担うのかを契約段階で整理しておくと後の手続が滞りません。

低炭素型ディーゼルトラック普及加速化事業の申請手順

  1. 自社が資本金3億円以下または従業員数300人以下の中小企業者に当たり、対象となる運送事業の許可等を持っているかを確認します。
  2. 導入予定車両の車両総重量と、車検証備考欄に記載される燃費基準の達成レベルを販売店へ確認します。
  3. 車型区分と廃車の有無から、受けられる基準額の見込みを算出します。
  4. 経年車を廃車する場合は、初度登録年度や使用実績が廃車要件を満たすかを登録事項等証明書で確かめます。
  5. 機構の公式サイトから令和8年度の公募要領、交付規程、審査基準、申請書類一式をダウンロードします。
  6. 令和8年4月1日から令和9年1月29日までの間に新車新規登録を済ませ、車両代金の支払いを完了させます。
  7. 廃車を行う場合は、自動車リサイクルシステムで永久抹消として処理されたことを確認します。
  8. データ入力シートに必要事項を入力し、交付申請書兼完了実績報告書などの各様式を作成します。
  9. エコドライブ等燃費改善取組体制構築・運用状況報告書と、燃費改善および二酸化炭素排出削減量の算定書を作成します。
  10. 請求書、領収書等、車検証記録事項、事業報告書などの添付書類を集め、提出資料総括表で抜けを点検します。
  11. Jグランツから申請する場合はGビズIDプライムを取得し、申請書類をPDF化してデータシートはExcelのままアップロードします。
  12. 郵送、信書便、持参、電子メールのいずれかを選ぶ場合は、それぞれの締切の扱いを確かめたうえで令和9年1月29日までに提出します。
  13. 機構による書類確認と審査基準に基づく審査を経て、交付決定および額の確定通知を受け取ります。
  14. 通知の内容を確認したうえで、補助金の振込を確認します。
  15. 交付後は月別の燃費データと事業報告書を定められた時期に提出し、処分制限期間中の保有義務を守ります。

低炭素型ディーゼルトラック普及加速化事業を自社で申請する際の注意点

まず押さえておきたいのは、この制度が新車新規登録と支払いを済ませたうえで申請する後払いの仕組みだという点です。

交付が確約された状態で車両を発注するわけではないため、予算残額の状況を見ながら早めに動くことが結果的な近道になります。

次に注意したいのが車検証の備考欄で、95%達成車の記載しかない車両を選んでしまうと申請そのものができません。

発注前に販売店へ達成レベルを照会し、105%達成車であれば加算に必要な証明書の発行も同時に依頼しておくと手戻りが防げます。

三つ目は書類の作法で、鉛筆や消せるペンでの記入、修正液による修正、金額の訂正があるものは受け付けてもらえません。

四つ目は事業報告の継続で、交付を受けた翌年度まで燃費データの提出が続くため、記録を残す担当を決めておく必要があります。

なお申請できるのは申請者本人だけで、販売店など代理人のメールアドレスからの提出は受け付けられません。

自社に申請ノウハウが無い場合は専門家に依頼するのもおすすめ

  • 制度選定の精度が上がる
  • 事業計画の質が上がる
  • 採択後の実務まで見据えられる

制度選定の精度が上がる

トラックの導入を支える公的な支援は、環境省の系統だけでも複数の事業に枝分かれしています。

電動トラックを対象とするものと、燃費性能の高いディーゼル車を対象とするこの制度とでは、要件も基準額もまったく違います。

運送業の補助金に明るい行政書士や中小企業診断士に相談すれば、導入予定車両に対してどの制度が最も有利かを並べて比べたうえで決められます。

相談する前に、導入したい車両の見積書と現有車両の一覧をそろえておくと、初回の打ち合わせで結論まで近づけます。

事業計画の質が上がる

この制度で書類の出来が問われるのは、エコドライブの取組状況と二酸化炭素削減量の算定という二つの部分です。

日々の運行管理をしている社内の担当者だけで書くと、取組が言葉として整理されないまま提出になりがちです。

第三者の目が入ると、現場で当たり前に行っている工夫が評価されうる取組として言語化され、認証の取得へつながることもあります。

整理された資料は、荷主から環境への取組を尋ねられたときの回答としてもそのまま使えます。

採択後の実務まで見据えられる

交付決定を受けた後には、月別の燃費データの提出や年度ごとの事業報告書の作成が控えています。

処分制限期間中は車両の保有義務が続き、売却や名義変更をする際には事前の承認が必要になります。

グループ会社への名義変更であっても財産処分に当たるため、車両の運用を柔軟に組み替えたい会社ほど事前の確認が欠かせません。

受け取った補助金の会計処理や圧縮記帳の可否については、顧問税理士と早めに情報を共有しておくと決算時に慌てずに済みます。

低炭素型ディーゼルトラック普及加速化事業を不正受給するとどうなるのか

  • 虚偽の申請が招く交付決定の取消しと加算金の負担
  • 車両と廃車の記録が後から突き合わされる仕組み

虚偽の申請が招く交付決定の取消しと加算金の負担

この補助金の財源は環境省の国庫補助金であり、執行を担う環境優良車普及機構は不正行為に厳正に対処する方針を明示しています。

公募要領では、不正行為が認められたときは交付決定を取り消し、支払済みの補助金のうち取消し対象となった額に加算金を加えて返還を求めるとされています。

加算金の利率は年10.95%と定められており、返還額が当初の補助額を大きく上回ることもあります。

さらに補助金等に係る予算の執行の適正化に関する法律の第29条から第32条には刑事罰を科す旨が置かれており、金銭の返還だけで終わらない場合もあります。

車両と廃車の記録が後から突き合わされる仕組み

申請書に添える請求書と領収書は販売店が発行し、車検証記録事項は運輸支局の登録に基づく公的な記録です。

廃車の事実も自動車リサイクルシステムの処理状況で確認されるため、書面だけで取り繕うことはできません。

交付後も月別の走行距離や燃料消費量を報告し続ける仕組みになっているため、申請時に実態と異なる数値を書けば後の報告で必ず説明がつかなくなります。

記載の誤りに気づいたときは放置せず、機構の担当窓口へ連絡して訂正の手続を取ることが、結果として自社を守ることにつながります。

低炭素型ディーゼルトラック普及加速化事業のまとめ

この制度は、中小のトラック運送事業者が燃費性能の高いディーゼルトラックを導入する費用を、環境省の国庫補助金で支える仕組みです。

対象は全国で、車両総重量3.5トン超の緑ナンバー車を令和8年4月1日から令和9年1月29日までに新車新規登録することが条件になります。

基準額は大型車が廃車ありで75万円、中型車が42万円、小型車が15万円で、105%達成車には5万円が加算され、1事業者あたり4台まで申請できます。

受付期間は令和8年6月8日(月曜日)から令和9年1月29日(金曜日)までですが、予算残額の状況によって審査の方式が切り替わります。

補助率は定率では公表されておらず、車型区分ごとの基準額を軸に補助額が決まる点が他制度との大きな違いです。

制度の枠組みはJグランツの公募詳細ページで、基準額の表や申請書類は環境優良車普及機構の公式サイトで確認できます。

まずは導入予定車両の車型区分と燃費基準の達成レベルを販売店に確かめ、廃車に使える車両があるかを社内で洗い出すところから始めてみてください。