東京都就職氷河期世代等安定就業サポート助成金|申請は年6回・第4回は8月31日まで|対象ルートと助成額の計算

助成金

東京都就職氷河期世代等安定就業サポート助成金は、令和8年度は第1回から第6回まで交付申請受付期間が設定されています。

2026年8月4日時点で受け付けているのは第4回で、交付申請受付期間は令和8年8月1日(土)8時30分から8月31日(月)17時15分までです。

第4回で交付決定を受けた場合、支援期間は令和8年10月1日(木)から12月31日(木)、実績報告受付期間は令和9年1月1日(金)から1月25日(月)となります。

この助成金は対象経費に補助率を掛けて計算する制度ではなく、支援を行った対象労働者の人数に応じた定額と、4種類の加算の合計で交付額が決まります。正規雇用等コースは対象労働者1人あたり30万円、安定有期雇用コースは1人あたり20万円が基本額です。

また、交付申請できるのは「特定求職者雇用開発助成金の支給決定通知書を受理した後」または「都の対象事業を利用して雇用してから1か月を経過した後」であり、どの回に申請できるかは採用日によって変わります。

本記事では、令和8年度の6回分の受付スケジュール、対象になる事業主と労働者の判定、助成額の計算方法、交付申請でつまずきやすい書類の確認事項までを、TOKYOはたらくネットの公式情報にもとづいて整理します。

  1. 東京都就職氷河期世代等安定就業サポート助成金の基本情報
  2. 令和8年度は年6回の受付|いま申請できるのは第4回(8月1日〜8月31日)
    1. 令和8年度の申請回スケジュール一覧
    2. 採用日から申請する回を逆算する
    3. 予算に達した場合は年度途中でも受付が終了する
  3. 対象になる事業主と対象になる労働者
    1. 事業主の要件は「東京労働局管内の雇用保険適用事業所」+2つのルートのいずれか
    2. 都が実施する8つの就職支援事業
    3. 正規雇用等コースと安定有期雇用コースの分かれ方
    4. 支援期間の3か月に必ず行う3つの取組
  4. 助成額の計算|「補助率100%」でも対象経費の全額が出るわけではない
    1. コース別の基本額
    2. 4つの加算(正規雇用等コースのみ)
    3. 計算例:上限240万円になる組み合わせ
  5. 令和7年度からの主な変更点
  6. 交付申請の必要書類と、書類不備を防ぐ確認事項
    1. 公式セルフチェックリストで確認できる提出書類
    2. 取得に日数がかかる書類は先に手配する
    3. 記入・押印でつまずきやすいポイント
  7. 電子申請と郵送・窓口申請の選び方
    1. 電子申請にはgBizIDプライムが必要
    2. 交付申請で選んだ方法は実績報告まで変更できない
  8. 交付決定後の流れと実績報告
  9. 加算の支給決定を受けると使える東京都中小企業制度融資「働き方改革支援」
  10. 東京都就職氷河期世代等安定就業サポート助成金のまとめ

東京都就職氷河期世代等安定就業サポート助成金の基本情報

項目内容
正式名称東京都就職氷河期世代等安定就業サポート助成金(令和7年度までの名称は「就職氷河期世代等待遇向上支援助成金」)
実施機関東京都産業労働局雇用就業部 正規雇用対策推進担当
受付窓口東京都正規雇用化推進窓口(就職氷河期世代等安定就業サポート助成金担当)/〒160-0021 東京都新宿区歌舞伎町2-42-10 ハローワーク5階/電話 03-6205-6730/受付時間 平日8時30分〜17時15分(12月29日〜1月3日を除く)
対象地域東京労働局管内に雇用保険適用事業所がある中小企業等
コース正規雇用等コース/安定有期雇用コース
助成額(基本)正規雇用等コース:対象労働者1人30万円/安定有期雇用コース:対象労働者1人20万円
加算退職金制度整備加算10万円/結婚・育児支援制度整備加算10万円/介護支援制度整備加算10万円/賃上げ加算 対象労働者1人12万円(いずれも正規雇用等コースのみ)
上限額1年度につき1雇用保険適用事業所ごとに、両コース合わせて対象労働者5人まで・加算を含めて240万円
令和8年度の受付第1回〜第6回(第4回の交付申請受付期間は令和8年8月1日8時30分〜8月31日17時15分)
支援期間3か月間(第4回は令和8年10月1日〜12月31日)
申請方法電子申請(Jグランツ・gBizIDプライムが必要)または郵送・窓口
代理申請可(様式第10号 委任状が必要)

出典:TOKYOはたらくネット「東京都就職氷河期世代等安定就業サポート助成金」令和8年度リーフレット(PDF)Jグランツ公募詳細(令和8年度第4回申請受付)

令和8年度は年6回の受付|いま申請できるのは第4回(8月1日〜8月31日)

この助成金は通年で申請できるわけではなく、令和8年度は第1回から第6回まで、それぞれ約1か月の交付申請受付期間が設定されています。回によって支援期間と実績報告受付期間が異なるため、どの回で申請するかを先に決める必要があります。

令和8年度の申請回スケジュール一覧

申請回交付申請受付期間支援期間実績報告受付期間
第1回令和8年5月1日(金)〜5月31日(日)令和8年7月1日〜9月30日令和8年10月1日(木)〜10月25日(日)
第2回令和8年6月1日(月)〜6月30日(火)令和8年8月1日〜10月31日令和8年11月1日(日)〜11月25日(水)
第3回令和8年7月1日(水)〜7月31日(金)令和8年9月1日〜11月30日令和8年12月1日(火)〜12月25日(金)
第4回(受付中)令和8年8月1日(土)〜8月31日(月)令和8年10月1日〜12月31日令和9年1月1日(金)〜1月25日(月)
第5回令和8年9月1日(火)〜9月30日(水)令和8年11月1日〜翌年1月31日令和9年2月1日(月)〜2月25日(木)
第6回令和8年10月1日(木)〜10月31日(土)令和8年12月1日〜翌年2月28日令和9年3月1日(月)〜3月16日(火)

各回とも受付時間は8時30分から17時15分までです。出典:令和8年度リーフレット「申請受付期間等」(PDF)

採用日から申請する回を逆算する

公式リーフレットの「事業の流れ」では、交付申請の前提として次のいずれかを満たすことが示されています。

  • 特定求職者雇用開発助成金の支給決定通知書を受理した後であること
  • 都の対象事業を利用して雇用した後、1か月を経過していること

つまり、都の就職支援事業を利用して7月中に採用した場合、雇用後1か月を経過するのは8月中となり、第4回(8月1日〜8月31日)または第5回以降が申請候補になります。採用日が8月に入る場合は、1か月経過時点が9月となるため、第5回(9月1日〜9月30日)以降での申請を前提に準備を進めることになります。

国の特定求職者雇用開発助成金のルートで申請する場合は、採用日ではなく支給決定通知書がいつ届くかが起点です。通知書の到着時期が読めない段階では申請回を確定できないため、通知書を受理した時点で、その月の受付回に間に合うかを確認する流れになります。

あわせて確認したいのが支援期間です。交付決定後の支援期間は3か月間で、この間に指導育成計画の策定、メンターの選任と指導、研修の実施をすべて行う必要があります。第4回であれば令和8年10月1日から12月31日が支援期間となるため、年末年始の業務量を踏まえて研修日程を組めるかどうかが、第4回と第5回のどちらで申請するかの判断材料になります。

予算に達した場合は年度途中でも受付が終了する

TOKYOはたらくネットには、予算の範囲を超えた場合は年度途中であっても申請受付を終了することがあり、受付終了時には同サイトで案内すると明記されています。第5回・第6回での申請を予定している場合でも、申請前に公式ページで受付状況を確認してください。

また、撤回届の提出期限後は対象労働者の変更や追加ができません。同期限後に事業計画を中止した場合は、年度内の申請回数にカウントされ、交付したものとみなされます。1年度につき1雇用保険適用事業所あたり対象労働者5人が限度であるため、中止の扱いは翌回以降の申請枠に影響します。

対象になる事業主と対象になる労働者

事業主の要件は「東京労働局管内の雇用保険適用事業所」+2つのルートのいずれか

対象となるのは、次のすべてに該当する中小企業等です。

  • 東京労働局管内に雇用保険適用事業所があること
  • 国の特定求職者雇用開発助成金(中高年層安定雇用支援コース、または就職氷河期世代安定雇用実現コース)の交付決定を受けていること。または、都が実施する就職支援事業を利用し、対象となる労働者を雇用した中小企業等であること

この2つのルートのどちらにも当てはまらない採用は対象になりません。求人媒体や自社採用サイトからの応募で就職氷河期世代を採用した場合は、国の特定求職者雇用開発助成金の交付決定を受けているかどうかが分かれ目になります。

Jグランツの公募情報では、対象業種として漁業、建設業、製造業、電気・ガス・熱供給・水道業、情報通信業、複合サービス事業、サービス業(他に分類されないもの)、農業・林業、鉱業・採石業・砂利採取業、運輸業・郵便業、卸売業・小売業、金融業・保険業、不動産業・物品賃貸業、学術研究・専門技術サービス業、宿泊業・飲食サービス業、生活関連サービス業・娯楽業、教育・学習支援業、医療・福祉が挙げられており、従業員数の制約はありません。

都が実施する8つの就職支援事業

「都が実施する就職支援事業」として公式ページに列挙されているのは、次の8事業です。

  1. 就活エクスプレス
  2. ミドルチャレンジ(Jobトライ)
  3. 東京しごと塾
  4. 就職チャレンジ多摩(ミドルコース)
  5. 雇用創出・安定化支援事業
  6. ものづくり産業人材確保支援事業
  7. 成長産業人材雇用支援事業
  8. キャリアチェンジ再就職支援事業

このルートで申請する場合、対象労働者は令和5年度以降(採用時に55歳以上のシニア世代は令和6年度以降)に実施する都の就職支援事業に参加し、公益財団法人東京しごと財団から同事業を受託する事業者の職業紹介を受けて採用された方に限られます。交付申請時には同意書(様式第11号の2)の原本の提出が必要です。

正規雇用等コースと安定有期雇用コースの分かれ方

コース対象労働者の雇用形態基本額(1人あたり)加算
正規雇用等コース正規雇用労働者として採用(有期雇用として採用し6か月未満で正規雇用に転換した場合を含む)/または有期雇用で労働契約期間が3年以上(シニア世代は2年以上)30万円あり(4種類)
安定有期雇用コース都の就職支援事業を経由し、有期雇用で労働契約期間が1年以上3年未満(シニア世代は1年以上2年未満)20万円なし

いずれのコースも、採用された日から支援期間終了の日まで同一の事業主との雇用契約が継続し、都内の事業所に継続して勤務・在籍していることが要件です。有期雇用労働者として継続雇用するケースでは、申請事業主において有期雇用労働者が社会保険に加入していることも求められます。

なお、シニア世代とは採用時に55歳以上の方を指します。就職氷河期世代だけでなくシニア世代も対象に含まれる点は、制度名からは読み取りにくいため注意してください。

すでに自社で雇用している有期雇用労働者を正規雇用に転換した場合は、この助成金ではなく東京都正規雇用転換安定化支援助成金の対象になる可能性があります。どちらに該当するかは「新規採用か、既存社員の転換か」で判断します。

支援期間の3か月に必ず行う3つの取組

交付決定後の支援期間(3か月間)に、対象労働者に対して次の3つをすべて実施することが交付要件です。

  1. 3年間の指導育成計画の策定(安定有期雇用コースは1年間)
  2. 指導育成者(メンター)の選任および、メンターによる指導
  3. 指導育成計画に基づく研修の実施

3つのうち1つでも支援期間内に実施できなかった場合、または実績報告受付期間に実績報告の提出がなかった場合は、助成金の交付を受けられません。実績報告では、指導育成計画書(様式第6号別紙1)、メンター選任・指導報告書(同別紙2)、研修実施報告書(同別紙3)をそれぞれ提出するため、誰がメンターを務め、いつどの研修を実施したかを記録に残しておく必要があります。

助成額の計算|「補助率100%」でも対象経費の全額が出るわけではない

Jグランツの公募情報では補助率100%と表示されますが、この助成金は対象経費に補助率を掛けて交付額を算出する仕組みではありません。TOKYOはたらくネットの「2 交付金額」に記載されているとおり、支援事業を行った対象労働者の人数に応じた定額と、要件を満たした加算の合計で交付額が決まります。研修費や人件費の領収書を積み上げて申請する制度ではない点が、設備投資系の補助金と大きく異なります。

コース別の基本額

対象労働者数正規雇用等コース安定有期雇用コース
1人30万円20万円
2人60万円40万円
3人90万円60万円
4人120万円80万円
5人150万円100万円

対象労働者は両コース合わせて5人が限度です。正規雇用等コースで3人、安定有期雇用コースで2人という組み合わせも可能で、その場合の基本額は90万円+40万円=130万円となります。

4つの加算(正規雇用等コースのみ)

加算要件金額
退職金制度整備加算支援期間中に新たに退職金制度を整備し、就業規則等(退職金規程を含む)を労働基準監督署へ届け出た場合、または新たに中退共制度に事業主として加入した場合10万円(1事業主あたり1回のみ)
結婚・育児支援制度整備加算支援期間中に新たに結婚、妊娠・出産、育児に関する休暇や一時金制度を整備し、就業規則等を労働基準監督署へ届け出た場合10万円(1事業主あたり1回のみ)
介護支援制度整備加算(令和8年度に新設)支援期間中に新たに介護に関する休暇制度を整備し、就業規則等を労働基準監督署へ届け出た場合10万円(1事業主あたり1回のみ)
賃上げ加算支援期間中に対象労働者の時間単価を60円以上賃上げした場合。賃上げ後の時間当たりの賃金額が東京都の最低賃金を60円以上上回っていることが必要対象労働者1人につき12万円(最大5人・60万円)

制度整備の3つの加算は労働者数に関係なく1事業主あたり1回のみで、賃上げ加算だけが人数に比例します。また、安定有期雇用コースのみで申請する場合、加算はありません。

計算例:上限240万円になる組み合わせ

以下は公式の交付金額の定めにもとづく計算例です(実際の採択事例ではありません)。

  • 正規雇用等コースで対象労働者5人:30万円 × 5人 = 150万円
  • 退職金制度整備加算:10万円
  • 結婚・育児支援制度整備加算:10万円
  • 介護支援制度整備加算:10万円
  • 賃上げ加算:12万円 × 5人 = 60万円
  • 合計:150万円+10万円+10万円+10万円+60万円 = 240万円

この240万円が、1年度・1雇用保険適用事業所あたりの上限額と一致します。逆にいえば、対象労働者1人だけで制度整備の加算を1つも取らない場合の交付額は30万円です。加算を取りにいくかどうかで金額が8倍変わるため、就業規則の改定を予定している企業は、支援期間中に届け出るスケジュールを組めるかを先に検討する価値があります。

なお、実際の交付額は実績報告後の審査・額の確定を経て決まります。加算の要件を満たせなかった場合は、その分が差し引かれます。

令和7年度からの主な変更点

令和8年4月15日付でTOKYOはたらくネットに掲載された案内によると、令和8年度は次の3点が変更されています。

項目令和7年度まで令和8年度から
助成金名就職氷河期世代等待遇向上支援助成金就職氷河期世代等安定就業サポート助成金
1年度・1雇用保険適用事業所あたりの対象労働者数3名5名
介護支援制度整備加算なし新設(10万円)

助成金名が変わっているため、令和7年度に旧名称で検索・ブックマークしていた場合は、旧ページの様式をそのまま使わないよう注意してください。様式は毎年度更新されており、公式ページには「申請にあたっては必ず最新版の手引きをご確認の上申請してください」と明記されています。

交付申請の必要書類と、書類不備を防ぐ確認事項

公式セルフチェックリストで確認できる提出書類

東京都は、交付申請時・実績報告時・撤回変更中止時のそれぞれについて「提出書類 セルフチェックリスト」を公開しています。提出自体は任意ですが、必要書類と注意事項が1枚にまとまっているため、申請前の確認に使えます。

セルフチェックリスト(郵送 交付申請時)(PDF)に記載されている交付申請時の提出書類は、おもに次のとおりです。

  • 事業実施計画書兼交付申請書(様式第1号)
  • 誓約書(様式第2号)
  • 印鑑証明書(原本)
  • 納税証明書(原本)
  • 会社概要が分かる書類(法人は商業・法人登記簿謄本=履歴事項全部証明書の原本、個人は雇用保険適用事業所設置届事業主控)
  • 雇用保険被保険者資格取得等確認通知書(事業主通知用)の写し
  • 雇用保険適用事業所設置届事業主控(写し)
  • 支払金口座振替依頼書
  • 【特定求職者雇用開発助成金を利用して申請する場合】特開金支給申請書の写し(第1期または第2期)、対象労働者雇用状況等申立書の写し、特開金支給決定通知書の写し(いずれもハローワークの受理印があるもの)
  • 【都の就職支援事業を利用して申請する場合】同意書(様式第11号の2)の原本
  • 【提出代行者が申請する場合】委任状(様式第10号)

取得に日数がかかる書類は先に手配する

上記のうち、社内では用意できず外部機関で取得する必要があるのが次の3点です。交付申請受付期間は約1か月しかないため、受付開始を待たずに手配を始めるかどうかで間に合うかが変わります。

  • 印鑑証明書(原本):法人は法務局、個人は代表者の居住地の区市町村で発行。発行日から3か月以内のものが必要で、同一年度に再度申請する場合も毎回原本を提出します。
  • 納税証明書(原本):法人は法人都民税・法人事業税(都税事務所発行)、個人は個人都民税(区市町村発行)などが必要。申請月時点で、納期が確定した直近のものを提出します。非課税の場合は、課税されていないことが分かる書類(非課税証明書、または課税額が0円の課税証明書)の提出が求められます。
  • 履歴事項全部証明書(原本):発行日から3か月以内のもの。こちらも同一年度に再度申請する場合は毎回原本を提出します。

「毎回原本」という条件があるため、1年度に複数回に分けて申請する予定がある企業は、回ごとに証明書を取り直す前提でスケジュールと費用を見込んでおくことになります。

記入・押印でつまずきやすいポイント

セルフチェックリストで赤字により注意喚起されているのは、次の3点です。いずれも記入・押印に関する形式面の確認事項で、書類をそろえた後の最終チェックに使えます。

  • 事業主の所在地は、印鑑証明書と全く同じ表記(丁目、番、号、建物名)で記入すること
  • 印鑑証明書と同じ印を押印していること
  • 助成金交付申請額が正しい金額であることを確認すること

誓約書(様式第2号)についても、所在地を印鑑証明書と同じ表記で記入すること、および「必要な項目にチェックがなければ不可」と明記されています。また、様式全般について、消せるタイプのボールペンは使用できません。

このほか、採用された日から対象労働者の姓が変更になった場合は変更が分かる証明書の提出、雇用保険適用事業所番号が移転等により特定求職者雇用開発助成金の支給決定通知書から変更されている場合は、変更後の番号を記入したうえで雇用保険事業主事業所各種変更届の写しを提出する、といった個別の取扱いが定められています。

電子申請と郵送・窓口申請の選び方

電子申請にはgBizIDプライムが必要

電子申請はJグランツから行い、利用には法人共通認証基盤(GビズID)のgBizIDプライムアカウントが必要です。公式ページには、gBizIDプライムのアカウント取得にはデジタル庁のGビズID運用センターによる審査があり、ID発行まで時間がかかるため余裕をもって準備するよう記載されています。

アカウントをまだ持っていない状態で第4回(8月31日締切)に間に合わせたい場合は、gBizIDプライムの発行を待つのではなく、郵送・窓口申請を選ぶという判断もあります。

交付申請で選んだ方法は実績報告まで変更できない

交付申請書を電子申請で提出した場合、その後の実績報告書、撤回届、中止申請書、再提出書類は、すべて電子申請で提出する必要があります。逆に、交付申請書を郵送または窓口で提出した場合、それ以降の書類を電子申請で提出することはできません。

実績報告は交付申請の3〜5か月後になるため、担当者の異動や退職を見込んだうえで、どちらの方法なら最後まで対応できるかを決めることになります。

郵送で提出する場合の取扱いは次のとおりです。

  • 送達記録の残るレターパック等で送付する
  • 申請書類は信書に該当するため、信書の送付が禁止されているメール便・宅配便は使用できない
  • 各回の受付期間開始日から終了日までの消印有効。ただし料金後納郵便など消印がない場合は書類の到着日で判断される
  • 返信用封筒を含め、郵便料金に不足があると受付できない
  • 持参する場合は受付時間(平日8時30分〜17時15分)内に提出する。受付時間外の受付は不可
  • FAX・メールでの申請受付、問合せ、書類の受理は一切行っていない

交付決定後の流れと実績報告

公式リーフレットの「事業の流れ」では、交付申請の後は、審査・交付決定 → 支援期間(3か月間)の取組実施 → 実績報告書の提出 → 審査・額の確定 → 助成金支払、という順序が示されています。

支援期間中は、対象労働者が引き続き都内の事業所に在籍・勤務していることが求められます。加算を申請する場合は、就業規則等の整備と労働基準監督署への届出、または賃上げの実施も支援期間中に完了させる必要があります。

実績報告時の主な様式は、実績報告書(様式第6号)、指導育成計画書(別紙1)、メンター選任・指導報告書(別紙2)、研修実施報告書(別紙3)です。加算を申請する場合は、結婚・育児支援制度整備確認票(様式第13号)、介護支援制度整備確認票(様式第14号)、賃金支払実績確認表(様式第12号・月給制/日給制/時給制/出来高払制の別)を追加で提出します。

第4回で申請した場合の実績報告受付期間は令和9年1月1日(金)8時30分から1月25日(月)17時15分までです。支援期間の終了(12月31日)から実績報告の締切まで25日しかないため、研修実施報告書などは支援期間中に順次作成しておくと、年明けの作業が集中しません。

加算の支給決定を受けると使える東京都中小企業制度融資「働き方改革支援」

この助成金には、資金調達面の副次的なメリットがあります。TOKYOはたらくネットの「【参考】東京都中小企業制度融資について」には、次のように記載されています。

  • 本事業の結婚・育児支援制度整備加算、介護支援制度整備加算または賃上げ加算に関する支給決定および額の確定を受けている企業は、東京都中小企業制度融資「働き方改革支援」の対象となり、信用保証料の3分の2の補助を受けられる
  • さらに、上記の取組に加えて厚生労働省の「女性の活躍推進企業データベース」に登録・公表している中小企業は、東京都中小企業制度融資「女性活躍推進融資(TOKYOウィメン・ビズ・サポート)」の対象となり、信用保証料3分の2の補助や利率優遇を受けられる

つまり、加算を取りにいくかどうかの判断は、助成金10万円〜60万円の増減だけでなく、その後の借入コストにも影響します。設備投資や運転資金の借入を予定している企業は、加算の要件を満たす順序で就業規則の整備を進めると、助成金と制度融資の両方を使える可能性があります。

制度融資の詳細な要件は、東京都産業労働局「東京都中小企業制度融資」で確認してください。なお、退職金制度整備加算のみを受けた場合が対象になるかどうかは公式ページに明記がないため、制度融資の取扱金融機関または東京都に個別に確認する必要があります。

東京都就職氷河期世代等安定就業サポート助成金のまとめ

本記事で確認した内容を、申請判断の順に整理します。

  • いま申請できるか:令和8年度は第1回〜第6回。2026年8月4日時点で受付中なのは第4回(8月1日8時30分〜8月31日17時15分)。予算超過時は年度途中でも受付終了の可能性あり
  • 自社が対象か:東京労働局管内に雇用保険適用事業所があり、かつ「国の特定求職者雇用開発助成金の交付決定を受けている」または「都の8つの就職支援事業を利用して雇用した」のいずれかに該当する中小企業等
  • いくら受給できる可能性があるか:正規雇用等コース1人30万円、安定有期雇用コース1人20万円。両コース合わせて5人まで。正規雇用等コースは4種類の加算を加えて最大240万円
  • 何をいつまでに準備するか:印鑑証明書・納税証明書・履歴事項全部証明書は原本かつ発行から3か月以内。電子申請ならgBizIDプライムの取得。申請方法は交付申請時に選んだものを実績報告まで変更できない
  • 交付決定後に何をするか:支援期間3か月で指導育成計画の策定、メンターの選任と指導、研修の実施をすべて完了。第4回は令和9年1月1日〜1月25日に実績報告

要件や様式は年度ごとに更新されるため、申請前には必ずTOKYOはたらくネットの公式ページ交付要綱(PDF)、および郵送申請の手引き(PDF)または電子申請の手引き(PDF)で最新版を確認してください。要件の判断に迷う場合は、東京都正規雇用化推進窓口(03-6205-6730、平日8時30分〜17時15分)へ問い合わせできます。

東京都には、同じく年6回の受付回が設定されている東京都若者世代職場定着促進助成金や、既存の有期雇用労働者の正規転換を対象とする東京都正規雇用転換安定化支援助成金もあります。採用した人材の属性や雇用形態によって使える制度が変わるため、対象労働者ごとにどの制度に該当するかを整理してから申請先を決めてください。