電動建機は騒音や排気ガスを抑えられる一方、従来機より本体価格が高く、導入をためらう事業者が少なくありません。
令和7年度(補正)商用車等の電動化促進事業(建設機械)は、国土交通省のGX建設機械認定を受けた電動建機と可搬式充電設備の導入費用を支援する環境省の補助事業です。
補助率は従来機との差額の3分の2または本体価格の2分の1で、公募は2027年1月29日まで受け付けられています。
民間企業や個人事業主のほか、地方公共団体なども対象に含まれる間口の広い制度です。
この記事では、対象機械の要件から申請の流れ、注意点までを順に解説します。
- 商用車等の電動化促進事業(建設機械)の基本情報
- 商用車等の電動化促進事業(建設機械)を対象者が活用すべき理由(メリット)
- 商用車等の電動化促進事業(建設機械)を申請すべき人とそうでない人の特徴
- その他にも利用すべき補助金・助成金制度の代表例
- 商用車等の電動化促進事業(建設機械)の申請に必要なもの
- 商用車等の電動化促進事業(建設機械)の採択率を上げる事業計画書の作り方
- 商用車等の電動化促進事業(建設機械)の申請手順
- 商用車等の電動化促進事業(建設機械)を自社で申請する際の注意点
- 自社に申請ノウハウが無い場合は専門家に依頼するのもおすすめ
- 商用車等の電動化促進事業(建設機械)を不正受給するとどうなるのか
- 商用車等の電動化促進事業(建設機械)のまとめ
商用車等の電動化促進事業(建設機械)の基本情報
| 正式名称 | 令和7年度(補正)商用車等の電動化促進事業(建設機械) |
| 制度名 | 脱炭素成長型経済構造移行推進対策費補助金 |
| 対象地域 | 全国 |
| 実施機関 | 環境省(事務局:一般社団法人日本建設機械施工協会) |
| 対象者 | 民間企業、個人事業主、独立行政法人、一般社団・財団法人、地方公共団体等 |
| 対象業種 | 全業種 |
| 対象経費 | GX建設機械(電動建機)および可搬式充電設備の導入費用 |
| 補助上限額 | 1,431,000,000円(事業全体の上限。個別の上限は公募要領参照) |
| 補助率 | 差額の2/3、本体価格の1/2(公募要領参照) |
| 申請期間 | 2026年3月19日〜2027年1月29日17時 |
| 申請方法 | jGrantsによる電子申請 |
| 問い合わせ先 | 日本建設機械施工協会「商用車等の電動化促進事業(建設機械)」事務局 |
補助金・助成金の正式名称
正式名称は「令和7年度(補正)商用車等の電動化促進事業(建設機械)」です。
制度上は「脱炭素成長型経済構造移行推進対策費補助金」の一部として運用されており、2050年カーボンニュートラルの達成に向けた建設機械の電動化支援を目的としています。
対象都道府県・市区町村
対象地域は全国で、事業者の所在地による制限はありません。
都市部・地方を問わず、要件を満たすGX建設機械を導入する事業者であれば申請できます。
実施機関
本事業は環境省所管の補助金であり、公募・審査などの実務は一般社団法人日本建設機械施工協会に置かれた事務局が担っています。
申請書類の配布や問い合わせ対応も同協会の事務局が窓口です。
対象者(世帯・個人事業主・法人・団体・研究機関)
補助対象事業者は、民間企業と個人事業主のほか、独立行政法人、一般社団法人・一般財団法人、公益社団法人・公益財団法人、地方公共団体です。
このほか、環境大臣の承認を経て協会が認める者も対象になり得るため、該当が不明な場合は事務局に確認するとよいでしょう。
対象業種
Jグランツ上では建設業や製造業をはじめ、農業・林業から医療・福祉まで幅広い業種が列挙されており、業種による制限は実質的にありません。
建設業以外でも、自社の現場でGX建設機械を使用する事業者であれば活用を検討できます。
対象経費
補助対象は、国土交通省のGX建設機械認定制度の認定を受けた未使用の電動建機の導入費用です。
あわせて、メーカーが認めた可搬式充電設備を建機1台につき1台まで一体的に導入する費用も対象になります。
その他要件
対象となるのは、交付決定後に購入契約を結ぶ未使用のGX建設機械に限られます。
車検登録が必要な機械は、令和8年2月2日から令和9年1月29日までの期間に申請者を所有者として新車登録されることが要件です。
補助対象外となるもの
GX建設機械認定を受けていない電動建機や、中古機・交付決定前に契約した機械は対象外です。
細かな対象外要件は公募要領に定められているため、購入契約の前に必ず確認してください。
申請期間
公募期間は2026年3月19日から2027年1月29日までです。
Jグランツ上の申請締切は2027年1月29日17時で、予算の状況によっては早期に受付が終わる可能性もあります。
上限金額・助成額
Jグランツに記載されている補助上限額は1,431,000,000円で、これは事業全体の規模を示す金額です。
1台あたりの補助額は、導入する機械の区分や価格に応じて公募要領の基準で算定されます。
補助率
補助率は、従来機との差額の3分の2または本体価格の2分の1と設定されています。
適用される計算方法の詳細は公募要領で確認が必要です。
問い合わせ先
問い合わせ先は、一般社団法人日本建設機械施工協会「商用車等の電動化促進事業(建設機械)」事務局です。
メール(jcma_hojyo@jcmanet.or.jp)で相談を受け付けており、jGrantsからログインして問い合わせることも可能です。
公式公募ページと確認すべきこと
公募要領・交付規定・申請様式は、Jグランツの公募詳細ページで公開されています。
申請書類の最新版は日本建設機械施工協会の補助事業ページからダウンロードできます。
応募前には、対象機械の認定状況・登録期間の要件・補助額の算定方法の3点を必ず公募要領で確認してください。
商用車等の電動化促進事業(建設機械)を対象者が活用すべき理由(メリット)
電動建機は従来機より本体価格が相当高く、充電設備の整備も必要なため、導入初期の負担が普及の壁になっています。
本事業を使えば差額の3分の2または本体価格の2分の1が補助されるため、初期コストの壁を大きく下げられます。
電動化により騒音が抑えられることで夜間や住宅地での作業時間を広げやすくなり、排気ガスが出ないため閉所空間での施工も可能になります。
脱炭素への対応を発注者から求められる場面が増えるなか、GX建設機械の保有は受注競争力の強化にもつながります。
商用車等の電動化促進事業(建設機械)を申請すべき人とそうでない人の特徴
- 申請すべき人
- 見送ったほうが良い人の特徴
申請すべき人
- GX建設機械認定を受けた電動建機の新規導入を予定している事業者
- 騒音・排ガス対策として現場の電動化を進めたい建設事業者
- 脱炭素経営やSBT対応を取引先から求められている企業
- 充電設備とあわせて計画的に電動建機を導入したい事業者
見送ったほうが良い人の特徴
- すでに購入契約を済ませた機械への補助を期待している事業者
- 中古の電動建機や認定外の機械の導入を検討している事業者
- 登録期間(令和8年2月2日〜令和9年1月29日)内の新車登録が間に合わない場合
- 補助を除いた自己負担分の資金確保が難しい場合
その他にも利用すべき補助金・助成金制度の代表例
- 新事業進出補助金(新事業進出・ものづくり補助金 新事業進出枠)
- ものづくり補助金(革新的新製品・サービス枠)
- 中小企業省力化投資補助金
- 小規模事業者持続化補助金
新事業進出補助金(新事業進出・ものづくり補助金 新事業進出枠)
本業とは別の市場・製品分野に挑む際の投資を支える制度です。
建設業から環境関連ビジネスなど新分野へ事業の幅を広げたい企業の選択肢になります。
ものづくり補助金(革新的新製品・サービス枠)
新しい製品・サービスの開発に向けた機械装置やシステムへの投資を補助する制度です。
施工技術の高度化や独自工法の開発に取り組む企業と相性が良い制度です。
中小企業省力化投資補助金
省力化に役立つロボットや自動化機器の導入費用を支援する制度です。
現場や事務作業の人手不足を設備の力で補いたい中小企業に適しています。
小規模事業者持続化補助金
販路開拓や生産性向上の幅広い取り組みを対象とする、小規模事業者向けの制度です。
ホームページ整備やチラシ制作といった身近な投資から始められる点が魅力です。
商用車等の電動化促進事業(建設機械)の申請に必要なもの
- 申請に必要な書類一覧と取得方法
- 記載例はどこで確認できるか
申請に必要な書類一覧と取得方法
通常申請では、交付申請書(様式第1)、実施計画書(別紙1)、経費内訳(別紙2)、ハード対策事業計算ファイルなどを提出します。
完了後の実績申請では、交付申請書兼完了実績報告書や経費所要額精算調書、取得財産管理台帳などが必要です。
各様式はJグランツの公募詳細ページと日本建設機械施工協会のホームページから入手できます。
記載例はどこで確認できるか
書類の作成方法や補助額の計算手順は、公募要領に詳しく記載されています。
日本建設機械施工協会の補助事業ページに最新の様式と案内がまとまっているため、作成前に目を通しておきましょう。
商用車等の電動化促進事業(建設機械)の採択率を上げる事業計画書の作り方
- 市場性を具体的に書く
- 差別化ポイント(自社と他社の違い)を明確に記載
- この制度を利用する必要性・重要性を記載
- 実行体制を明記する
市場性を具体的に書く
電動建機を投入する現場の種類や年間の稼働見込みを整理し、導入後の活用シーンを数字で描きましょう。
受注環境の変化や発注者の脱炭素要請といった外部動向を織り込むと、導入の合理性が伝わりやすくなります。
差別化ポイント(自社と他社の違い)を明確に記載
電動化によって自社の施工品質や現場環境がどう変わるのか、既存体制との違いを整理して示します。
騒音低減による作業時間の拡大や閉所作業への対応力など、電動建機ならではの強みを自社の実情に引き付けて書くことがポイントです。
この制度を利用する必要性・重要性を記載
従来機との価格差が導入の障害になっている実情を、見積もりなどの具体的な数字で示しましょう。
補助を受けることでCO2削減と事業継続の両立が可能になる筋道を描けると、制度趣旨との一致を示せます。
実行体制を明記する
機械の選定から購入契約、新車登録、実績報告までの担当者とスケジュールを明確にします。
登録期間の要件を守れる調達計画になっているかを、販売店とも共有しながら詰めておくことが重要です。
商用車等の電動化促進事業(建設機械)の申請手順
- 公募要領を確認し、導入予定の機械がGX建設機械認定を受けているかを確認する
- 協会ホームページから申請書類をダウンロードし、様式第1・別紙1・別紙2などを作成する
- GビズIDプライムを取得し、jGrantsにログインする
- jGrantsから電子申請を行い、交付決定を待つ
- 交付決定後に購入契約・導入・新車登録を行い、完了後に実績申請の書類を提出する
商用車等の電動化促進事業(建設機械)を自社で申請する際の注意点
最も注意すべきなのは契約のタイミングで、交付決定前に購入契約を結んだ機械は補助対象になりません。
車検登録の対象機は令和8年2月2日から令和9年1月29日までに新車登録を済ませる必要があるため、納期を販売店と早めにすり合わせてください。
充電設備は建機1台につき1台以下という制限があり、メーカーが認めた機種を一体的に導入する場合に限られます。
公募期間は2027年1月29日までですが、予算の消化状況によっては早く締め切られる可能性があるため、余裕を持った申請が安全です。
自社に申請ノウハウが無い場合は専門家に依頼するのもおすすめ
- 制度選定の精度が上がる
- 事業計画の質が上がる
- 採択後の実務まで見据えられる
制度選定の精度が上がる
設備導入系の補助金は国・自治体で複数が並行して公募されており、条件の見比べには手間がかかります。
経験豊富な専門家に相談すれば、自社の導入計画に最も有利な制度を短時間で絞り込めます。
事業計画の質が上がる
申請書類は要件との対応関係を正確に示す必要があり、書き慣れていないと不備が生じがちです。
要件確認や計算ファイルの作成を専門家に確認してもらうことで、差し戻しのリスクを減らせます。
採択後の実務まで見据えられる
本事業は交付決定後も、購入契約・新車登録・実績申請と期限のある手続きが連続します。
実績報告や財産管理台帳の整備まで支援を受けられると、期限遅れによる補助金不交付を防ぎやすくなります。
商用車等の電動化促進事業(建設機械)を不正受給するとどうなるのか
- 返還命令や加算金に加え社名公表という制裁を受けるおそれがあります
- 会計検査や周囲からの情報提供をきっかけに不正が明らかになります
返還命令や加算金に加え社名公表という制裁を受けるおそれがあります
実際には導入していない機械の申請や書類の偽造が発覚すると、交付決定の取消しと補助金の全額返還を命じられます。
加算金や延滞金の負担に加え、所管する行政機関から事業者名が公表されれば、金融機関や取引先からの信用も失いかねません。
会計検査や周囲からの情報提供をきっかけに不正が明らかになります
補助事業は完了後も取得財産の管理状況などが確認されるため、不自然な点は後からでも発覚します。
元従業員や取引先からの情報提供が調査の端緒になる例も多く、隠し通すことはできないと考えて適正な申請と経理を徹底してください。
商用車等の電動化促進事業(建設機械)のまとめ
令和7年度(補正)商用車等の電動化促進事業(建設機械)は、GX建設機械認定を受けた電動建機と可搬式充電設備の導入費用を、差額の3分の2または本体価格の2分の1で補助する環境省の制度です。
対象は民間企業から地方公共団体まで幅広く、公募は2027年1月29日17時まで受け付けられています。
交付決定前の契約は対象外になるなど手順の制約が多い制度のため、Jグランツの公募詳細ページと日本建設機械施工協会の補助事業ページで最新の公募要領を確認し、計画的に申請を進めてください。
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