東京都マイナンバーカード利活用推進事業補助金|病院14.1万円の対象と申請

補助金

マイナンバーカードを医療費助成の受給者証として使えるようにする仕組みが、都内の医療現場でも広がり始めています。

その入り口になるのがPMHへの接続で、実務としてはレセプトコンピューターの改修という形で現れます。

改修費用については国(社会保険診療報酬支払基金)の助成がありますが、それでも自己負担は残ります。

東京都はその残りの部分に上乗せする形で、病院に最大14万1千円、診療所と薬局に最大1万8千円を交付する補助金を用意しました。

申請の受付は令和8年7月15日に始まり、都への提出期限は令和9年2月26日(金曜日)と案内されています。

この記事では、Jグランツの公募情報と東京都の特設サイトの内容をもとに、対象者、補助額、必要書類、申請の順序を整理してお伝えします。

  1. 東京都マイナンバーカード利活用推進事業補助金の基本情報
    1. 補助金・助成金の正式名称
    2. 対象都道府県・市区町村
    3. 実施機関
    4. 対象者(世帯・個人事業主・法人・団体・研究機関)
    5. 対象業種
    6. 対象経費
    7. その他要件
    8. 補助対象外となるもの
    9. 申請期間
    10. 上限金額・助成額
    11. 補助率
    12. 問い合わせ先
    13. 公式公募ページと確認すべきこと
  2. 東京都マイナンバーカード利活用推進事業補助金を対象者が活用すべき理由(メリット)
  3. 東京都マイナンバーカード利活用推進事業補助金を申請すべき人とそうでない人の特徴
    1. 申請すべき人
    2. 見送ったほうが良い人の特徴
  4. その他にも利用すべき補助金・助成金制度の代表例
    1. 新事業進出補助金(新事業進出・ものづくり補助金 新事業進出枠)
    2. ものづくり補助金(革新的新製品・サービス枠)
    3. 中小企業省力化投資補助金
    4. 小規模事業者持続化補助金
  5. 東京都マイナンバーカード利活用推進事業補助金の申請に必要なもの
    1. 申請に必要な書類一覧と取得方法
    2. 記載例はどこで確認できるか
  6. 東京都マイナンバーカード利活用推進事業補助金の採択率を上げる事業計画書の作り方
    1. 市場性を具体的に書く
    2. 差別化ポイント(自社と他社の違い)を明確に記載
    3. この制度を利用する必要性・重要性を記載
    4. 実行体制を明記する
  7. 東京都マイナンバーカード利活用推進事業補助金の申請手順
  8. 東京都マイナンバーカード利活用推進事業補助金を自社で申請する際の注意点
  9. 自社に申請ノウハウが無い場合は専門家に依頼するのもおすすめ
    1. 制度選定の精度が上がる
    2. 事業計画の質が上がる
    3. 採択後の実務まで見据えられる
  10. 東京都マイナンバーカード利活用推進事業補助金を不正受給するとどうなるのか
    1. 虚偽の申請が明らかになったときに生じる帰結
    2. 第三者が発行した書類を突き合わせる審査の仕組み
  11. 東京都マイナンバーカード利活用推進事業補助金のまとめ

東京都マイナンバーカード利活用推進事業補助金の基本情報

正式名称 【令和8年度】医療機関等におけるマイナンバーカード利活用推進事業補助金(制度名:医療機関等におけるマイナンバーカード利活用推進事業)
対象地域 東京都内
実施機関 東京都マイナンバーカード利活用推進事業事務局
対象者 PMH接続に必要なシステム改修等を行った都内の保険医療機関等(病院・診療所・薬局)
対象業種 医療、福祉
対象経費 マイナンバーカード利活用のためのPMH接続に必要なレセプトコンピューターの改修等の費用
補助上限額(病院) 141,000円(対象経費566,000円を上限に補助率を乗じた額)
補助上限額(診療所・薬局) 18,000円(対象経費73,000円を上限に補助率を乗じた額)
補助率 4分の1
都への申請期限 令和9年2月26日(金曜日)※Jグランツ上の受付終了日時は2027年3月31日23時59分
国(基金)への申請期限 令和8年9月30日(水曜日)
申請方法 電子申請システムjGrants(GビズIDプライムまたはGビズIDメンバーが必要)
問い合わせ先 東京都マイナンバーカード利活用推進事業事務局(0120-979-850)

補助金・助成金の正式名称

Jグランツに登録されている公募名は「【令和8年度】医療機関等におけるマイナンバーカード利活用推進事業補助金」です。

制度名としては「医療機関等におけるマイナンバーカード利活用推進事業」と表記されています。

根拠となる要綱の名称は「医療DX推進に向けた医療機関等におけるマイナンバーカード利活用推進事業補助金交付要綱」で、実施要綱とあわせて特設サイトに掲載されています。

国(社会保険診療報酬支払基金)が実施する同名の事業とは別の制度で、都の補助金は国の助成に上乗せする位置づけです。

名称が似ているため、書類を取り違えないよう「国への申請」と「都への申請」を分けて管理することをおすすめします。

対象都道府県・市区町村

対象は東京都内に限られます。

条件は「都内に開設している保険医療機関等であること」で、区市町村単位の絞り込みは設けられていません。

23区でも多摩地域でも島しょ部でも、都内に開設された病院・診療所・薬局であれば同じ条件で申請できます。

法人の本部が都外にある場合でも、対象となる施設そのものが都内に開設されていれば申請の対象になります。

都外の施設については、それぞれの道府県が同様の上乗せ補助を設けているかどうかを個別に確認してください。

実施機関

窓口は東京都マイナンバーカード利活用推進事業事務局です。

事業そのものは東京都が医療DXの推進策として実施しており、都のPMHに関する取組はデジタルサービス局が所管しています。

事務局は令和8年7月15日に特設ホームページを公開し、同日から補助金の申請受付を開始しました。

特設サイトには事業内容、申請方法、よくあるご質問、問い合わせフォームが用意されています。

電話での相談はフリーダイヤルで受け付けており、土日祝日と年末年始を除く9時から17時までが対応時間です。

対象者(世帯・個人事業主・法人・団体・研究機関)

対象は、健康保険法第63条第3項第1号に掲げる病院、診療所または薬局のうち、都内に開設しているものです。

そのうえで、医療保険においてオンライン資格確認を実施できる体制がすでに整っていることが前提になります。

さらに、公費負担医療や地方単独医療費助成のオンライン資格確認を行うためのレセプトコンピューターの改修を完了していることが必要です。

最後の条件として、国(基金)から「医療機関等におけるマイナンバーカード利活用推進事業」の交付決定を受け、交付決定通知書を受領していることが求められます。

医療法人や複数店舗を展開する薬局チェーンの代表者が、傘下の複数施設分をまとめて申請する一括申請も認められています。

今年度に国の交付決定を受けた施設だけでなく、過年度に交付決定を受けながら都の補助金を申請していない施設も今年度の申請が可能です。

対象業種

Jグランツの公募情報では、対象業種は「医療、福祉」の一区分のみが登録されています。

制度の性質上、保険医療機関等として指定を受けた病院・診療所・薬局が実質的な対象範囲です。

介護事業所や健診専門機関など、公費負担医療のオンライン資格確認を行わない事業所は、業種が医療・福祉であっても対象になりません。

従業員数の上限は設けられておらず、大規模病院から個人開業の診療所まで同じ枠組みで扱われます。

対象経費

補助の対象は、公費負担医療や地方単独医療費助成のオンライン資格確認を実施可能とするレセプトコンピューターの改修です。

具体的には、基金が定めた要領「医療機関等におけるマイナンバーカード利活用推進事業」の第3「補助対象事業」の1および2に規定する事業が該当します。

つまり都の補助金の対象範囲は国の助成対象項目と揃えられており、国の助成を受けた改修がそのまま都の補助対象になる設計です。

改修は国(基金)への申請前までに完了させておく必要があり、着手の順序が制度全体の前提になっています。

対象項目の詳細は、基金のホームページに掲載されている要領の「5.助成対象項目」で確認できます。

その他要件

この補助金は、国の助成を受けたことを出発点とする上乗せ制度です。

そのため、国(基金)への申請を先に済ませ、交付決定通知書を受け取ってから都へ申請するという順序が動かせません。

国(基金)への申請期限は令和8年9月30日(水曜日)と定められており、この日を逃すと都の補助金にもたどり着けなくなります。

申請はjGrantsを使った電子申請に限られるため、GビズIDプライムまたはGビズIDメンバーの取得も実質的な要件です。

GビズIDプライムの発行にはおおむね2週間から3週間を要するため、改修と並行して手続きを進めておくと安全です。

補助対象外となるもの

過年度に特定の補助金の交付を受けている場合は、今回の補助金の対象外となります。

対象外となるのは、難病、小児慢性特定疾病および自立支援医療(精神通院医療)の医療費助成に係るオンライン資格確認のための医療機関システム改修等事業の交付を受けた場合です。

この補助金は厚生労働省の補助として、都の保健医療局または福祉局から交付されてきました。

もう一つの対象外は、デジタルサービス局から交付された「こどもDX推進に向けた医療機関等におけるマイナンバーカード利活用推進事業」の補助を受けている場合です。

いずれも同じレセプトコンピューターの改修に対する公費の重複を避けるための整理と考えられます。

過去の交付履歴が手元で分からないときは、申請前に事務局へ確認しておくと差し戻しを防げます。

申請期間

補助金の申請受付は令和8年7月15日に開始されました。

東京都への申請期限は令和9年2月26日(金曜日)と案内されています。

なおJグランツ上の受付終了日時は2027年3月31日23時59分と登録されており、特設サイトの案内より1か月あまり後ろに設定されています。

予算の範囲内で実施する補助金のため、予算上限に達した場合は申請期限より前に受付が終了する可能性があると明記されています。

改修が完了して書類がそろった時点で、期限を待たずに申請することが事務局からも呼びかけられています。

過年度に交付を受けた施設が行う消費税および地方消費税の仕入控除税額の報告については、令和8年9月30日が期限です。

上限金額・助成額

補助上限額は施設種別によって二段階に分かれています。

病院は14万1千円までで、これは対象経費56万6千円を上限として補助率を乗じた額です。

診療所と薬局は1万8千円までで、対象経費7万3千円を上限として同じ考え方で算定されます。

Jグランツの補助上限額欄には141,000円と表示されていますが、これは病院の額であり、診療所・薬局は18,000円が上限になる点に注意が必要です。

金額そのものは大きくありませんが、国の助成と合わせることで改修費の自己負担をさらに圧縮できます。

補助率

補助率は補助対象経費の4分の1です。

病院・診療所・薬局のいずれも同じ率が適用され、施設種別による差は上限額の側で調整されています。

この4分の1という率は国(基金)の助成額とは別枠で計算されるものであり、国の助成に対して4分の1を掛けるという意味ではありません。

申請額の計算は「別記第1号様式別紙1(補助金申請額算出表)」で行う仕組みになっています。

問い合わせ先

問い合わせ先は東京都マイナンバーカード利活用推進事業事務局です。

電話番号はフリーダイヤルの0120-979-850で、土日祝日と年末年始を除く9時から17時まで対応しています。

特設サイトにはよくあるご質問のページが用意されているため、電話をかける前に一度目を通しておくと解決が早まります。

メールでの問い合わせは特設サイトの問い合わせフォームから送信できます。

国(基金)の助成金に関する質問は、オンライン資格確認等コールセンター(0800-080-4583)が窓口です。

公式公募ページと確認すべきこと

補助上限額や対象業種、申請様式の一覧はJグランツの公募詳細ページで確認できます。

事業内容、補助対象者確認フローチャート、申請の手引き、要綱類は東京都の特設ホームページにまとめられています。

最初に確認しておきたいのは補助対象者確認フローチャートで、国の交付決定の有無や過年度の交付履歴を順にたどれば、自院が対象かどうかを短時間で判断できます。

都のPMHに関する取組全体については、東京都デジタルサービス局のページに背景が説明されています。

国の助成制度の詳細は、社会保険診療報酬支払基金の総合ポータルサイトで確認してください。

東京都マイナンバーカード利活用推進事業補助金を対象者が活用すべき理由(メリット)

最大の利点は、すでに終わった投資に対して後から補助を受けられる点にあります。

PMH接続のためのレセプトコンピューター改修は、国の助成を受ける前提で先に完了させておく必要がある工程です。

その改修について国の助成を受けた施設であれば、都の補助金は追加の投資なしに申請できます。

審査は要件への該当性を確認する方式で、事業計画の優劣を競う採択審査ではないため、条件を満たしていれば交付される見込みが高い制度です。

申請書類も6点程度と限られており、そのうち3点は国への申請時に作成済みの書類の写しで足ります。

窓口業務の面でも、受給者証情報の手入力が減り、医療費助成の資格確認にかかる事務コストが下がることが期待されています。

患者側にとっては紙の受給者証を持ち歩く必要がなくなり、紛失や持参忘れによる再来院を防げるという効果もあります。

東京都マイナンバーカード利活用推進事業補助金を申請すべき人とそうでない人の特徴

  • 申請すべき人
  • 見送ったほうが良い人の特徴

申請すべき人

  • 都内に開設している病院・診療所・薬局で、医療保険のオンライン資格確認をすでに実施している施設
  • 公費負担医療や地方単独医療費助成のオンライン資格確認に対応するレセプトコンピューターの改修を完了した施設
  • 国(基金)の「医療機関等におけるマイナンバーカード利活用推進事業」で交付決定通知書を受領している施設
  • 過年度に国の交付決定を受けたものの、都の補助金をまだ申請していない施設
  • 医療法人やチェーン薬局として、複数の対象施設分を一括で申請したい組織
  • 領収書と領収書内訳書を手元にそろえられる、または改めて用意できる施設
  • GビズIDプライムまたはGビズIDメンバーをすでに保有している、または取得の準備ができる施設

見送ったほうが良い人の特徴

  • 都外にのみ施設を開設している医療機関・薬局(所在地の自治体の制度を確認してください)
  • 国(基金)への申請をまだ行っておらず、令和8年9月30日の期限にも間に合わない施設
  • 公費負担医療や地方単独医療費助成のオンライン資格確認に対応する改修を行っていない施設
  • 過年度に難病・小児慢性特定疾病・自立支援医療の医療費助成に係るシステム改修等事業の交付を受けた施設
  • 過年度にこどもDX推進に向けたマイナンバーカード利活用推進事業の交付を受けた施設
  • 医療保険のオンライン資格確認そのものを実施していない施設
  • 保険医療機関等に該当しない介護事業所や健診専門機関

その他にも利用すべき補助金・助成金制度の代表例

  • 新事業進出補助金(新事業進出・ものづくり補助金 新事業進出枠)
  • ものづくり補助金(革新的新製品・サービス枠)
  • 中小企業省力化投資補助金
  • 小規模事業者持続化補助金

新事業進出補助金(新事業進出・ものづくり補助金 新事業進出枠)

これまでとは違う分野へ事業の軸足を広げる企業を対象にした、金額規模の大きな支援枠です。

医療法人であれば、在宅医療や予防・健康づくりのサービスを新たな柱として立ち上げる場面などが想定されます。

付加価値額や給与支給総額の伸びについて数値目標を掲げる必要があり、達成できなかった場合には補助金の返還を求められる仕組みが組み込まれています。

公募回ごとに要件が見直されるため、応募を決めた段階で最新の公募要領を取り寄せてください。

ものづくり補助金(革新的新製品・サービス枠)

新しい製品やサービスを世に出すための設備投資を支える、実績の長い制度です。

今回の補助金がシステム改修の費用を後追いで補うのに対し、こちらは新しい提供体制そのものを立ち上げる段階に届きます。

交付決定より前に発注した経費は対象外になるため、見積りを取る段階と発注する段階を明確に分けて記録しておく必要があります。

補助率や上限額は事業者の規模や賃上げの取組状況によって変わる設計です。

中小企業省力化投資補助金

人手が足りない現場に、省力化につながる機器やソフトウェアを導入するための制度です。

受付や会計の自動化、記録業務の効率化など、医療機関の周辺業務にも当てはまる場面があります。

登録済み製品から選ぶカタログ型の申請では計画書の作成負担が軽い一方、導入後に労働生産性の向上を報告する義務が残ります。

導入前の作業時間や人員配置を記録に残しておくと、後の報告がそのまま作れます。

小規模事業者持続化補助金

従業員数の少ない事業者が販路開拓や業務効率化に取り組むときに、最初の選択肢になりやすい制度です。

個人開業の診療所や薬局であれば、ホームページの刷新や予約システムの導入といった使い方が考えられます。

申請には商工会または商工会議所が発行する事業支援計画書が必要で、この発行に要する日数を逆算して動くことが締切対策になります。

補助額の規模は控えめですが、手続きの負担と釣り合いが取れている制度といえます。

東京都マイナンバーカード利活用推進事業補助金の申請に必要なもの

  • 申請に必要な書類一覧と取得方法
  • 記載例はどこで確認できるか

申請に必要な書類一覧と取得方法

  • 別記第1号様式別紙1(補助金申請額算出表)/特設サイトの申請方法ページからExcel様式をダウンロードして作成
  • 委任状/申請代表者名義ではない口座への支払を希望する場合のみ、特設サイトのWord様式で作成
  • 領収書の写し/国(基金)へ提出したものと同じ書類を用意
  • 領収書内訳書の写し/国(基金)へ提出したものと同じ書類を用意
  • チェックシートの写し/国(基金)へ提出したものと同じ書類を用意
  • 国(基金)が交付する交付決定通知書の写し/基金から受領した通知書をそのまま添付
  • GビズIDプライムまたはGビズIDメンバーのアカウント/GビズIDのホームページから申請(発行までおおむね2〜3週間)

記載例はどこで確認できるか

記入方法の詳細は、特設サイトに掲載されている「申請の手引き」で確認できます。

手引きはJグランツの公募要領欄にもPDFとして添付されており、どちらからでも同じ内容を入手できます。

令和6年度に国(基金)の交付決定を受けた施設は、見積書・契約書・発注書ではなく領収書と領収書内訳書を別途用意する必要があり、この点は手引きでも繰り返し注意喚起されています。

領収書内訳書の様式は、基金のポータルサイトの「6.助成金申請に必要な書類」からダウンロードできます。

仕入控除税額の報告に使う計算シートも、東京都の特設ホームページJグランツの公募詳細ページの双方に掲載されています。

東京都マイナンバーカード利活用推進事業補助金の採択率を上げる事業計画書の作り方

  • 市場性を具体的に書く
  • 差別化ポイント(自社と他社の違い)を明確に記載
  • この制度を利用する必要性・重要性を記載
  • 実行体制を明記する

市場性を具体的に書く

この補助金は要件への該当性を確認する方式のため、事業計画書の提出は求められていません。

それでも、改修がどれだけの患者に届くのかを院内で数字にしておくと、後の説明に困らなくなります。

医療費助成の受給者証を提示する患者が月に何人来院しているかを把握しておけば、PMH接続の効果を院内で共有する材料になります。

同じ整理は、次に別の補助金へ応募するときの下地としても使えます。

差別化ポイント(自社と他社の違い)を明確に記載

要件確認型の申請であっても、自院の状況が他とどう違うのかを説明できる状態にしておくことには意味があります。

たとえば小児科や精神科のように公費負担医療の利用が多い診療科では、接続による事務削減の効果が相対的に大きくなります。

過年度に別の補助金を受けているかどうかで対象可否が分かれるため、自院の交付履歴を整理しておくことが最も実務的な差別化の作業になります。

一括申請を行う組織では、施設ごとに状況が異なるため、施設単位の一覧表を作っておくと混乱を避けられます。

この制度を利用する必要性・重要性を記載

補助を受ける理由は、改修費の自己負担を圧縮できるという一点に尽きます。

国の助成だけでは残ってしまう部分を都が4分の1の範囲で埋めるという構図なので、申請しなければその分の負担がそのまま残ります。

予算の範囲内で実施される制度である以上、上限に達すれば期限前に受付が終わるため、早く動くこと自体が制度を利用する条件になっています。

院内で稟議を通す際は、この早期終了の可能性を判断材料として添えておくと話が進みやすくなります。

実行体制を明記する

手続きは、レセプトコンピューターのベンダー、事務長や医事課の担当者、そして国と都の二つの窓口が関わって進みます。

改修の完了、国への申請、交付決定の受領、都への申請という順序があるため、誰がどの段階を担うのかを最初に決めておくことが要点です。

GビズIDの取得には2〜3週間を要するため、アカウント管理の担当者を早い段階で決めておくと全体の日程が崩れません。

一括申請を行う場合は、代表者と各施設の連絡担当を明確にし、書類の収集経路を一本化しておくことをおすすめします。

東京都マイナンバーカード利活用推進事業補助金の申請手順

  1. 医療保険のオンライン資格確認を実施できる体制が整っていることを確認します。
  2. 公費負担医療や地方単独医療費助成のオンライン資格確認を実施できるよう、レセプトコンピューターの改修をベンダーに依頼して完了させます。
  3. 改修費用の領収書と領収書内訳書を受け取り、内容を確認して保管します。
  4. 国(社会保険診療報酬支払基金)へ「医療機関等におけるマイナンバーカード利活用推進事業」の助成金を申請します。期限は令和8年9月30日(水曜日)です。
  5. 基金から交付決定通知書を受領します。
  6. 並行して、GビズIDプライムまたはGビズIDメンバーを取得します。発行までおおむね2〜3週間かかります。
  7. 特設サイトの補助対象者確認フローチャートで、自院が都の補助金の対象に該当するかを確認します。
  8. 別記第1号様式別紙1(補助金申請額算出表)をダウンロードして作成します。
  9. 申請代表者名義以外の口座への振込を希望する場合は、委任状を作成します。
  10. 領収書の写し、領収書内訳書の写し、チェックシートの写し、交付決定通知書の写しをそろえます。
  11. jGrantsにログインし、申請フォームに書類を添付して申請します。複数施設分の一括申請も可能です。
  12. 都への申請期限は令和9年2月26日(金曜日)ですが、予算上限に達した時点で受付が終了する可能性があります。
  13. 審査を経て交付が決定され、指定した口座へ補助金が支払われます。

東京都マイナンバーカード利活用推進事業補助金を自社で申請する際の注意点

最も見落とされやすいのは、国と都で申請期限が大きく異なるという点です。

都への期限は令和9年2月26日ですが、その前提となる国(基金)への申請期限は令和8年9月30日で、およそ5か月早く設定されています。

次に注意したいのが、令和6年度に国の交付決定を受けた施設の書類です。

当時、領収書に代わる書類として見積書や契約書、発注書を提出していた場合は、都への申請にあたって領収書と領収書内訳書を別途用意しなければなりません。

三つ目は、過年度の交付履歴によって対象外になる場合があることです。

難病等の医療費助成に係るシステム改修等事業や、こどもDX推進の事業で交付を受けていないかを、申請前に必ず確認してください。

四つ目は、予算上限に達した時点で期限前に受付が終わりうるという点で、書類がそろい次第すぐに申請することが確実です。

GビズIDの発行待ちで申請できないという事態を避けるためにも、アカウントの準備は改修と同時に進めておきましょう。

自社に申請ノウハウが無い場合は専門家に依頼するのもおすすめ

  • 制度選定の精度が上がる
  • 事業計画の質が上がる
  • 採択後の実務まで見据えられる

制度選定の精度が上がる

医療機関のシステム改修をめぐる公的支援は、国の助成、都の上乗せ補助、過去の個別事業が層になって存在しています。

どれを受けていると今回の対象外になるのかという線引きは、名称が似ているだけに院内だけでは判断しにくい部分です。

医療機関の補助金に詳しい行政書士や中小企業診断士に相談すれば、過去の交付履歴を踏まえてどの制度が使えるかを整理してもらえます。

相談の前に、まずは事務局のフリーダイヤルで一次的な確認を取っておくと、依頼の範囲を絞り込めます。

事業計画の質が上がる

この補助金自体は事業計画書を必要としませんが、医療DXの取組を院内で共有する資料は別途あったほうが動きやすくなります。

PMH接続によって医事課の作業がどう変わるのか、患者への案内をどう変えるのかといった論点は、書き出してみると抜けが見つかります。

外部の目が入ると、補助金の獲得そのものではなく運用が定着するところまで視野に入った整理になり、次の投資判断にもつながります。

仕上げた資料は、理事会や金融機関への説明にもそのまま流用できます。

採択後の実務まで見据えられる

交付を受けた後には、消費税および地方消費税の仕入控除税額の報告という手続きが控えています。

過年度に交付を受けた施設については令和8年9月30日が報告期限とされており、専用の計算シートを使って算定する必要があります。

税務の取扱いが絡む部分なので、顧問税理士と早めに情報を共有しておくと、報告期限の直前に慌てずに済みます。

一括申請を行った組織では施設数だけ報告が発生するため、管理の仕組みを最初に決めておくことが負担軽減につながります。

東京都マイナンバーカード利活用推進事業補助金を不正受給するとどうなるのか

  • 虚偽の申請が明らかになったときに生じる帰結
  • 第三者が発行した書類を突き合わせる審査の仕組み

虚偽の申請が明らかになったときに生じる帰結

この補助金は東京都が交付要綱に基づいて執行する公費です。

偽りその他不正の手段によって交付を受けたと判断された場合、交付決定は取り消され、受領済みの補助金は返還を求められます。

対象外である過年度の交付履歴を伏せて申請した場合も、事実と異なる申請として同様の扱いになりうるため、履歴の確認は慎重に行ってください。

保険医療機関等としての信用に関わる問題でもあり、金額の大小にかかわらず正確な申告が求められます。

第三者が発行した書類を突き合わせる審査の仕組み

申請時に添付する領収書は改修を行ったベンダーが発行し、交付決定通知書は国(基金)が発行します。

いずれも申請者自身が作成する書類ではないため、金額や施設名に食い違いがあれば確認の過程で表に出ます。

国と都が同じ改修を対象に別々の窓口で審査する構造になっているため、片方だけに異なる内容を提出しても整合しない形で残ります。

記載の誤りに気づいたときは、放置せず事務局へ連絡して訂正の手続きを取ることが、結果として施設を守る対応になります。

東京都マイナンバーカード利活用推進事業補助金のまとめ

この補助金は、都内の病院・診療所・薬局がPMH接続のために行ったレセプトコンピューターの改修費に対し、東京都が国の助成へ上乗せする形で交付する制度です。

補助率は4分の1で、上限額は病院が14万1千円、診療所と薬局が1万8千円と定められています。

対象になるのは、医療保険のオンライン資格確認を実施しており、改修を完了し、国(基金)から交付決定通知書を受領している施設です。

国(基金)への申請期限は令和8年9月30日(水曜日)、東京都への申請期限は令和9年2月26日(金曜日)で、予算上限に達すれば期限前に受付が終わる可能性があります。

過年度に難病等の医療費助成に係るシステム改修等事業、またはこどもDX推進の事業で交付を受けた施設は対象外となる点に注意が必要です。

補助上限額や申請様式はJグランツの公募詳細ページで、事業内容と申請の手引きは東京都の特設ホームページで確認できます。

まずは補助対象者確認フローチャートで該当性を確かめ、GビズIDの取得と書類の準備を並行して進めることが、確実に受給するための第一歩になります。