事業承継・M&A補助金 専門家活用枠(買い手支援類型)の対象と補助率を解説

補助金

事業承継やM&Aを検討する中小企業にとって、専門家へ支払う費用の負担は決して小さくありません。

そうした負担を軽減できる制度が、中小企業庁が所管する事業承継・M&A補助金の専門家活用枠です。

本記事では、15次公募で用意された買い手支援類型(100億企業特例)を中心に、制度の全体像をわかりやすく解説します。

この類型では、FAやM&A仲介にかかる費用などが補助対象となり、補助上限額は2,000万円、補助率は2/3以内又は1/2以内に設定されています。

申請期限や対象者、必要書類まで一通り確認できますので、これから申請を検討する方はぜひ最後までご覧ください。

  1. 事業承継・M&A補助金 専門家活用枠の基本情報
    1. 補助金・助成金の正式名称
    2. 対象都道府県・市区町村
    3. 実施機関
    4. 対象者(世帯・個人事業主・法人・団体・研究機関)
    5. 対象業種
    6. 対象経費
    7. その他要件
    8. 補助対象外となるもの
    9. 申請期間
    10. 上限金額・助成額
    11. 補助率
    12. 問い合わせ先
    13. 公式公募ページと確認すべきこと
  2. 事業承継・M&A補助金 専門家活用枠を対象者が活用すべき理由(メリット)
  3. 事業承継・M&A補助金 専門家活用枠を申請すべき人とそうでない人の特徴
    1. 申請すべき人
    2. 見送ったほうが良い人の特徴
  4. その他にも利用すべき補助金・助成金制度の代表例
    1. 新事業進出補助金
    2. ものづくり補助金(革新的新製品・サービス枠)
    3. 中小企業省力化投資補助金
    4. 小規模事業者持続化補助金
  5. 事業承継・M&A補助金 専門家活用枠の申請に必要なもの
    1. 申請に必要な書類一覧と取得方法
    2. 記載例はどこで確認できるか
  6. 事業承継・M&A補助金 専門家活用枠の採択率を上げる事業計画書の作り方
    1. 市場性を具体的に書く
    2. 差別化ポイント(自社と他社の違い)を明確に記載
    3. この制度を利用する必要性・重要性を記載
    4. 実行体制を明記する
  7. 事業承継・M&A補助金 専門家活用枠の申請手順
  8. 事業承継・M&A補助金 専門家活用枠を自社で申請する際の注意点
  9. 自社に申請ノウハウが無い場合は専門家に依頼するのもおすすめ
    1. 制度選定の精度が上がる
    2. 事業計画の質が上がる
    3. 採択後の実務まで見据えられる
  10. 事業承継・M&A補助金 専門家活用枠を不正受給するとどうなるのか
    1. 補助金の返還と事業者名の公表
    2. 不正に関する情報提供の受付
  11. 事業承継・M&A補助金 専門家活用枠のまとめ

事業承継・M&A補助金 専門家活用枠の基本情報

正式名称中小企業生産性革命推進事業 事業承継・M&A補助金(15次公募)専門家活用枠(買い手支援類型・100億企業特例)
実施機関事業承継・M&A補助金事務局(専門家活用/廃業・再チャレンジ)/所管:中小企業庁
対象地域全国
対象者事業承継・事業再編・事業統合を行う中小企業者等
対象業種全業種
対象経費FA・M&A仲介費用等の専門家活用経費
補助上限額2,000万円
補助率2/3以内 又は 1/2以内
申請期間2026年7月24日17:30まで(推奨提出:7月16日まで)
申請方法電子申請(jGrants)/代理申請可
利用目的事業を引き継ぎたい(買い手支援)
公式サイト事業承継・M&A補助金Webサイト

補助金・助成金の正式名称

正式名称は「中小企業生産性革命推進事業 事業承継・M&A補助金(15次公募)」であり、その中の専門家活用枠に位置づけられています。

今回取り上げる買い手支援類型(100億企業特例)は、買い手側の企業がM&Aによる成長を目指す場合に活用できる区分です。

名称が長いため、本記事では「事業承継・M&A補助金 専門家活用枠」と略して解説します。

対象都道府県・市区町村

本補助金は全国の中小企業者等を対象としており、地域による制限は設けられていません。

Jグランツの詳細ページでも、地理条件は「なし」と明記されています。

所在地にかかわらず、日本国内で事業を営む中小企業者等であれば申請を検討できます

実施機関

運営は事業承継・M&A補助金事務局(専門家活用/廃業・再チャレンジ)が担っています。

制度自体は中小企業庁(経済産業省)が所管しています。

申請や審査に関する連絡は、Jグランツを通じて事務局から行われます。

対象者(世帯・個人事業主・法人・団体・研究機関)

補助対象者は、事業承継・事業再編・事業統合を行う中小企業者等です。

日本国内に拠点又は居住地を置き、日本国内で事業を営む者であることが前提となります。

法人の場合は、申請時点で設立登記および3期分の決算・申告が完了している必要があります。

個人事業主は、開業届出書の提出から5年が経過している等の要件を満たす必要があります。

なお、業種ごとに資本金や従業員数の基準が定められています。

対象業種

対象業種に特段の限定はなく、幅広い業種の中小企業者等が対象となります。

建設業や製造業、情報通信業、卸売業・小売業、医療・福祉など、ほぼ全業種が対象に含まれます。

従業員数の上限についても制約は設けられていません。

対象経費

補助対象経費は、FA(ファイナンシャルアドバイザー)やM&A仲介にかかる専門家活用経費です。

買い手支援・100億企業特例として、買い手側がM&Aを進める際の専門家費用が補助の中心となります。

FA・仲介業者は「M&A支援機関登録制度」に登録された事業者であることが条件です。

その他要件

地域経済に貢献している(または貢献する予定の)中小企業者等であることが求められます。

反社会的勢力でないこと、法令遵守上の問題を抱えていないことも要件です。

FA・仲介業者の代表者が補助対象者と同一でないことも条件に含まれます。

補助事業完了後の事業化状況報告等を、期限までに提出する必要があります。

補助対象外となるもの

FA・仲介業者や、その代表者が補助対象者と同一である場合は対象外となります。

過去の事業承継・引継ぎ補助金で事業化状況報告を提出していない者は対象外となります。

反社会的勢力から出資等の資金提供を受けている場合も、補助の対象になりません。

申請期間

申請期限は2026年7月24日17:30までです。

事務局は、不備の指摘や修正差戻しに対応できるよう、申請期日の5営業日前(2026年7月16日)までの提出を推奨しています。

締切間際は申請が集中し、不備の解消が間に合わず不採択となる可能性がある点に注意が必要です。

上限金額・助成額

買い手支援類型(100億企業特例)の補助上限額は2,000万円です。

専門家活用にかかる費用を最大2,000万円まで補助する設計となっています。

実際の補助額は、対象経費や補助率に応じて決まります。

補助率

補助率は2/3以内又は1/2以内です。

どの補助率が適用されるかは、対象経費の区分によって異なります

詳細は公募要領で確認することが推奨されます。

問い合わせ先

問い合わせ先は、事業承継・M&A補助金事務局(専門家活用/廃業・再チャレンジ)です。

電話番号は050-3145-3812で、受付時間は平日9:30〜12:00、13:00〜17:00(土・日・祝日を除く)です。

問い合わせの前に、事務局のプライバシーポリシーを確認しておくとよいでしょう。

公式公募ページと確認すべきこと

制度の詳細は、Jグランツの公募詳細ページで確認できます。

公募要領や交付規程は、事業承継・M&A補助金の公式サイトに掲載されています。

申請前には必ず公募要領で最新の要件や締切を確認してください。

事業承継・M&A補助金 専門家活用枠を対象者が活用すべき理由(メリット)

事業承継・M&A補助金 専門家活用枠を活用する最大のメリットは、専門家費用の負担を大きく抑えられる点です。

M&Aを進める際には、FAや仲介業者への手数料が高額になりやすく、費用がネックになるケースは少なくありません。

補助率2/3以内又は1/2以内、上限2,000万円の補助によって、こうした費用負担を軽減できます。

また、登録制度に基づく専門家を活用することで、M&Aの質や安全性を高められる点も利点です。

買い手支援類型は、M&Aを通じた事業拡大や成長を後押しする位置づけであり、成長志向の中小企業にとって有効な選択肢となります。

事業承継・M&A補助金 専門家活用枠を申請すべき人とそうでない人の特徴

  • 申請すべき人
  • 見送ったほうが良い人の特徴

申請すべき人

  • M&Aによる事業の引き継ぎや拡大を具体的に検討している中小企業者等
  • FAや登録仲介業者への費用負担を抑えたい事業者
  • 地域経済への貢献が見込める事業を営んでいる事業者
  • 申請期限までに必要書類を準備できる事業者

見送ったほうが良い人の特徴

  • M&Aの計画がまだ具体化していない事業者
  • FA・仲介業者を利用せず自力で完結させる予定の事業者
  • 締切までに要件確認や書類準備が間に合わない事業者
  • 事業化状況報告など過去の補助金の義務を果たしていない事業者

その他にも利用すべき補助金・助成金制度の代表例

  • 新事業進出補助金
  • ものづくり補助金(革新的新製品・サービス枠)
  • 中小企業省力化投資補助金
  • 小規模事業者持続化補助金

新事業進出補助金

新たな市場や事業分野への挑戦を後押しする制度で、設備投資などを幅広く支援します。

事業の多角化や転換を考える企業にとって、有力な選択肢となります。

ものづくり補助金(革新的新製品・サービス枠)

革新的な製品やサービスの開発、生産プロセスの改善に向けた設備投資を支援します。

技術力を活かして競争力を高めたい製造業などに適しています。

中小企業省力化投資補助金

人手不足に対応するための省力化・自動化設備の導入を支援する制度です。

生産性の向上と人材確保の両立を目指す事業者に向いています。

小規模事業者持続化補助金

小規模事業者の販路開拓や業務効率化の取り組みを幅広く支援します。

比較的取り組みやすく、初めて補助金に挑戦する事業者にも活用しやすい制度です。

事業承継・M&A補助金 専門家活用枠の申請に必要なもの

  • 申請に必要な書類一覧と取得方法
  • 記載例はどこで確認できるか

申請に必要な書類一覧と取得方法

  • 確定申告書や決算書などの財務関係書類
  • 個人事業主の場合は開業届出書や青色申告に関する書類
  • M&Aに関する最終契約書(予定を含む)
  • FA・仲介業者との契約に関する書類
  • その他、公募要領で求められる添付書類

書類は税務署や自社の会計資料から取得でき、電子申告の場合は受信通知等も必要になります。

記載例はどこで確認できるか

申請書類の記載例や作成のポイントは、公募要領や「公募申請の手引き」で確認できます。

これらの資料は、事業承継・M&A補助金の公式サイトに掲載されています。

記載内容に迷った場合は、公式資料の記載例を参照しながら準備を進めることが重要です。

事業承継・M&A補助金 専門家活用枠の採択率を上げる事業計画書の作り方

  • 市場性を具体的に書く
  • 差別化ポイント(自社と他社の違い)を明確に記載
  • この制度を利用する必要性・重要性を記載
  • 実行体制を明記する

市場性を具体的に書く

事業計画書では、対象とする市場の規模や成長性を数値とともに示すことが求められます。

買い手としてM&A後にどのような需要を取り込めるのかを、根拠を添えて説明しましょう。

市場の現状と将来性を客観的なデータで裏づけることが説得力につながります

差別化ポイント(自社と他社の違い)を明確に記載

自社が競合と比べてどこで優位に立てるのかを、具体的に記載します。

M&Aによって獲得できる技術や顧客基盤が、差別化にどう寄与するかを示すと効果的です。

強みを抽象的に述べるのではなく、具体的な事実で裏づけることが評価につながります。

この制度を利用する必要性・重要性を記載

なぜこの補助金を活用する必要があるのかを、事業の背景とともに説明します。

専門家費用が事業推進の障壁になっていることを示すと、支援の必要性が伝わりやすくなります。

補助を受けることで実現できる成長のストーリーを明確に描くことが大切です。

実行体制を明記する

計画を確実に実行できる社内体制や役割分担を、具体的に示します。

FAや仲介業者など、外部専門家との連携体制も併せて記載しましょう。

誰がどの工程を担うのかを明確にすることで、計画の実現可能性が高まります

事業承継・M&A補助金 専門家活用枠の申請手順

事業承継・M&A補助金 専門家活用枠の申請は、Jグランツを利用した電子申請で行います。

GビズIDプライムの取得には時間がかかるため、早めの準備が欠かせません

  1. GビズIDプライムを取得し、Jグランツにログインできる状態にする
  2. 公募要領を確認し、必要書類を準備する
  3. FA・仲介業者との契約や最終契約書(予定を含む)を整える
  4. Jグランツ上で申請フォームに必要事項を入力する
  5. 申請期限までに電子申請を完了する
  6. 事務局からの不備指摘等に対応し、審査結果を待つ

事業承継・M&A補助金 専門家活用枠を自社で申請する際の注意点

自社で申請する場合は、公募要領を丁寧に読み込み、要件の見落としを防ぐことが重要です。

申請書類に不備があると差戻しの対象となり、締切間際では修正が間に合わない恐れがあります。

余裕を持って5営業日前までに提出し、事務局の指摘に対応できる時間を確保しましょう。

有償で第三者に申請内容の作成を依頼する場合は、行政書士に限られる点にも注意が必要です。

自社に申請ノウハウが無い場合は専門家に依頼するのもおすすめ

  • 制度選定の精度が上がる
  • 事業計画の質が上がる
  • 採択後の実務まで見据えられる

制度選定の精度が上がる

補助金は数多く存在し、自社に最適な制度を見極めるのは容易ではありません。

専門家に相談することで、自社の状況に合った制度を的確に選べる可能性が高まります

事業計画の質が上がる

採択される事業計画書には、説得力のある構成と根拠が欠かせません。

専門家の視点を取り入れることで、審査で評価されやすい計画へと磨き上げられます

採択後の実務まで見据えられる

補助金は採択後にも、実績報告など多くの手続きが発生します。

専門家に依頼すれば、交付後の報告や事務手続きまで見据えたサポートを受けられます

事業承継・M&A補助金 専門家活用枠を不正受給するとどうなるのか

  • 補助金の返還と事業者名の公表
  • 不正に関する情報提供の受付

補助金の返還と事業者名の公表

不正受給が判明した場合、受け取った補助金の返還に加え、加算金の支払いを求められることがあります。

さらに、中小企業庁や事務局のホームページ等で事業者名などが公表される場合があります。

不正は事業の信用を大きく損なうため、正確な申請と報告が欠かせません。

不正に関する情報提供の受付

補助金の適正な執行のため、不正に関する情報提供や通報を受け付ける仕組みが設けられています。

虚偽の申請や経費の水増しは、発覚すれば重いペナルティの対象となります。

制度を健全に活用するためにも、ルールを守った申請を心がけましょう。

事業承継・M&A補助金 専門家活用枠のまとめ

事業承継・M&A補助金 専門家活用枠は、M&Aにかかる専門家費用の負担を軽減できる制度です。

買い手支援類型(100億企業特例)では、補助上限額2,000万円、補助率2/3以内又は1/2以内という手厚い支援が受けられます。

申請期限は2026年7月24日17:30までで、余裕を持った準備が採択への近道です。

詳細はJグランツの公募詳細ページ事業承継・M&A補助金の公式サイトで確認し、最新の情報をもとに申請を進めてください。

コンテンツ傑作 ~採択される補助金書類づくり~